有価証券報告書-第21期(2025/04/01-2026/03/31)

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② 戦略
ⅰ.気候関連のリスク及び機会の識別、ビジネス・モデル及びバリュー・チェーンに与える影響
(気候関連リスク)
当社グループでは、企業の見通しに影響を与えると合理的に見込み得る気候関連のリスク(以下、「合理的に見込み得る気候関連リスク」)について、下表の4つを特定しています。特定するためのプロセスにつきましては、③ リスク管理の「ⅰ.気候関連のリスクの識別、評価、優先順位付けを行うためのプロセス及び関連する方針」をご参照ください。
また、特定された合理的に見込み得る気候関連リスク及びビジネス・モデル(含む投融資先のセクター)やバリュー・チェーンに与える影響、リスクが集中している領域は以下のとおりです。
合理的に見込み得る気候関連リスク
種別リスク・
カテゴリー
内容時間軸現在・将来に関連する
ビジネス・モデル(BM)や
バリュー・チェーン(VC)、リスクが集中している領域
移行リスク信用リスク・ 政策、規制、顧客の要請、技術開発の変化に対応できないことによる、顧客の事業や財務への影響短期
中期
長期
(BM)投融資業務
(VC)投融資先顧客
(リスクの集中)石炭火力発電関連与信
オペレーショナル(法令等)リスク・ サステナブルファイナンスやサステナビリティ開示等に係る気候関連規制に抵触し、罰金或いは訴訟を受けるリスク短期
中期
長期
(BM)業務全般
(VC)MUFGの株主、及びMUFGが組成・募集・販売するESG商品に投資する投資家
(リスクの集中)サステナブルファイナンス、サステナビリティ開示等
評判リスク・ カーボンニュートラルに向けた計画や取り組みが外部ステークホルダーから不適切又は不十分と評価されることによる当社グループの評判の悪化
・ 環境への配慮が不十分な取引先との関係継続や、自社の移行が遅延することによる当社グループの評判の悪化、雇用への影響
短期
中期
長期
(BM)業務全般
(VC)MUFGの株主、及び投融資先顧客
(リスクの集中)石炭火力発電関連与信
物理的リスク信用リスク・ 異常気象による顧客資産への直接的な損害や、サプライチェーンへの間接的な影響に伴う、顧客の事業や財務への波及短期
中期
長期
(BM)投融資業務
(VC)投融資先顧客
(リスクの集中)リスクが集中していると認識している領域はありません。

(気候関連機会)
当社グループでは、企業の見通しに影響を与えると合理的に見込み得る気候関連の機会(以下、「合理的に見込み得る気候関連機会」)について、「ファイナンスを含む気候関連ビジネス」を識別しています。識別するためのプロセスにつきましては、③ リスク管理の「ⅲ.気候関連の機会の識別等及びモニタリングを行うためのプロセス、全体的なリスク管理プロセスとの関連」をご参照ください。
また、識別された合理的に見込み得る気候関連機会及びビジネス・モデルやバリュー・チェーンに与える影響、機会が集中している部分は以下のとおりです。
合理的に見込み得る気候関連機会
種別内容時間軸現在・将来に関連する
ビジネス・モデル(BM)、バリュー・チェーン(VC)、機会が集中している領域
ファイナンスを含む気候関連ビジネス・ お客さまの脱炭素化に向けた活動を支援するためのエンゲージメントを通じた新たなニーズや課題の把握、ファイナンスを含むソリューション提供による収益の増加短期
中期
長期
(BM)
法人・ウェルスマネジメント事業本部、コーポレートバンキング事業本部、グローバルCIB事業本部、グローバルコマーシャルバンキング事業本部が提供する各種気候関連ビジネス
(VC)
上記4事業本部のVC下流における法人顧客
(機会の集中)
コーポレートバンキング事業本部、グローバルCIB事業本部の大企業顧客

(気候関連のリスク及び機会)
気候関連開示を作成するにあたり、産業横断的指標等や、「IFRS S2号の適用に関する産業別ガイダンス」(以下、「産業別ガイダンス」という。)に定義されている開示トピックに関連する産業別の指標を参照し、その適用可能性を考慮しました。
ファイナンス支援は、当社グループにとって機会であると同時に、お客さまのGHG排出削減を通じて当社グループのファイナンスド・エミッションの減少にも資するものですが、排出削減には時間を要する一方、ファイナンス支援自体は、与信増加を通じて当社グループの信用リスクを増加させるため、トレードオフの関係にあります。また、サステナブルファイナンスの推進において、サステナビリティへの貢献を謳った商品・サービスの表示や説明が事実と異なる場合等においては、不適切な開示とみなされ、グリーンファイナンス等に係る気候関連規制に抵触し、罰金或いは訴訟等につながる可能性があり、オペレーショナル(法令等)リスク(移行リスク)とも関連しています。
ⅱ.財務的影響
[当報告期間・翌年次報告期間]
(気候関連リスク)
特定された合理的に見込み得る気候関連リスクが、当報告期間において当社グループの財政状態、財務業績及びキャッシュ・フローに与えた重要な影響は識別されておりません。また翌年次報告期間において、関連する財務諸表に計上する資産及び負債の帳簿価額に重要性がある影響を与える重大なリスクは識別されておりません。
(気候関連機会)
当報告期間においてそれぞれの合理的に見込み得る気候関連機会が与える財務的影響(企業の財政状態、財務業績及びキャッシュ・フローに与えた影響)は、気候変動のみによる影響額を区分して識別できないため、財務的影響に関する定量的情報は開示していません。翌年次報告期間についても同様です。
なお、サステナブルファイナンスの実行額については、④ 指標及び目標の「ⅳ.気候関連の機会に関する開示」をご参照ください。
機会に関連する財務的影響が含まれる可能性がある主な財務諸表の項目は以下のとおりです。
連結損益計算書
以下の表示科目は経常収益、経常利益、税金等調整前当期純利益、当期純利益に影響を与えます。
関連取引関連財務諸表の表示科目
再生可能エネルギー等のプロジェクト・ファイナンス、グリーンローンなどの組成、引受、供与貸出金利息
貸倒引当金繰入額
役務取引等収益

連結貸借対照表
以下の表示科目は、総資産に影響を与えます。
関連取引関連財務諸表の表示科目
再生可能エネルギー等のプロジェクト・ファイナンス、グリーンローンなどの供与貸出金
貸倒引当金

連結キャッシュ・フロー計算書
以下の表示科目は営業活動によるキャッシュ・フローに影響を与えます。
関連取引関連財務諸表の表示科目
再生可能エネルギー等のプロジェクト・ファイナンス、グリーンローンなどの組成、引受、供与貸出金の純増減
資金運用による収入

[短期、中期及び長期において予想される財務的影響]
(気候関連リスク)
● 信用リスク(移行リスク)
信用リスク(移行リスク)の将来の財務的影響は、気候変動関連の法規制・政策展開や顧客の選好、低炭素技術の発展動向や競争力の推移などの前提について、現時点においては不確実性が高く、有用な定量的情報を開示することはできないと考えています。
想定される財務的影響は、長期的にはネットゼロ社会の実現に向けた世界的な政治・経済の変化を受けて、一定の財務的影響(与信費用)が生じ得ると考え、「② 戦略 ⅲ.戦略及び意思決定に与える影響」にて後述するリスク対応戦略を実施・計画しています。
なお、他の気候関連のリスク又は機会及びその他の要因との複合的な財務的影響に関する重要な定量的情報はありません。
● 信用リスク(物理的リスク)
信用リスク(物理的リスク)の将来の財務的影響は、今後の地球環境の変化の予測や、気候変動関連の災害の頻度や規模の予測について、現時点においては不確実性が高く、有用な定量的情報を開示することはできないと考えています。
想定される財務的影響は、長期的には気候変動に起因する自然災害の頻発化・激甚化も懸念されるため、一定の財務的影響(与信費用)が生じ得ると考え、「② 戦略 ⅲ.戦略及び意思決定に与える影響」にて後述するリスク対応戦略を実施・計画しています。
なお、他の気候関連のリスク又は機会及びその他の要因との複合的な財務的影響に関する重要な定量的情報はありません。
● オペレーショナル(法令等)リスク(移行リスク)
オペレーショナル(法令等)リスク(移行リスク)の将来の財務的影響は、サステナビリティ関連法規制や各国政府・イニシアティブ等の国際的な動向等につき将来の不確実性が高く、有用な定量的情報を開示することはできないと考えています。
想定される財務的影響は、上記の罰金或いは訴訟を受けるリスクが生じた場合、一定の財務的影響(損失の発生や利益の減少等)が生じ得ると考え、「② 戦略 ⅲ.戦略及び意思決定に与える影響」にて後述するリスク対応戦略を実施・計画しています。
なお、他の気候関連のリスク又は機会及びその他の要因との複合的な財務的影響に関する重要な定量的情報はありません。
● 評判リスク(移行リスク)
評判リスク(移行リスク)の将来の財務的影響は、定量的に財務的影響を区分して識別する具体的手段や算定手法が確立していないことに加え、気候変動関連の法規制や政策の将来動向、評判リスクの将来動向は不確実性が高く、有用な定量的情報を開示することはできないと考えています。
想定される財務的影響は、気候変動に関連して評判の悪化が発生した場合、一定の財務的影響(損失の発生や利益の減少等)が生じ得ると考え、「② 戦略 ⅲ.戦略及び意思決定に与える影響」にて後述するリスク対応戦略を実施・計画しています。
なお、他の気候関連のリスク又は機会及びその他の要因との複合的な財務的影響に関する重要な定量的情報はありません。
(気候関連機会)
中長期的には、各業界におけるGHG排出量実質ゼロに向けた取り組みの推進により、設備投資需要が拡大することが見込まれ、投資計画を下支えするためのグリーンボンド・グリーンローンに加え、産業界のトランジション・イノベーションへの支援も、金融機関にとって大きなビジネスチャンスになっていくと考えており、対応する戦略を策定しています。
ファイナンスを含む気候関連ビジネスに関し、サステナブルファイナンス実行額の目標を設定、GX起点でのバリュー・チェーン支援を主要戦略として掲げていますが、気候変動関連の法規制・政策展開や顧客の選好、低炭素技術の発展動向や競争力の推移などの前提について、現時点においては不確実性が高く、その将来(短期、中期、長期)において合理的に見込み得る気候関連の機会が与えると想定される財務的影響を合理的に見積もることができないため、有用な定量的情報を開示できないと考えています。
なお、他の気候関連のリスク又は機会及びその他の要因との複合的な財務的影響に関する重要な定量的情報はありません。
ⅲ.戦略及び意思決定に与える影響
[戦略及び意思決定における気候関連リスク及び機会への対応、今後の対応計画]
当社グループは、2021年5月に「カーボンニュートラル宣言」を公表し、2030年までの当社自らのGHG排出量ネットゼロ、2050年までの投融資ポートフォリオのGHG排出量ネットゼロを掲げています。1) 2050年カーボンニュートラル実現などを通じてパリ協定1.5℃目標達成に貢献すること、2) 事業を通じて脱炭素社会へのスムーズな移行を支援すること、3) 環境と経済の好循環による持続可能な社会の実現に積極的に貢献することは、今も変わらない3つのコミットメントであり、4つの戦略からなる移行計画を推進しています。

(気候関連リスク)
● 信用リスクへの対応戦略
当社グループでは、気候関連リスクを主要なリスク・カテゴリーに影響を与えるリスクドライバーと位置づけ、様々な波及経路を通じ信用リスクにも影響を及ぼすと考えています。当社グループでは合理的に見込み得るリスクと判断した気候関連の信用リスク(移行リスク・物理的リスク)への対応として、気候変動リスク管理枠組みのもとで与信ポートフォリオ全体・セクター・顧客・案件レベルでのリスク管理を行っており、継続的に見直しをしていきます。
リスク管理の枠組み 1. シナリオ分析(移行リスク・物理的リスク)
当社グループは、与信ポートフォリオ全体のリスクを認識することを目的としてシナリオ分析を実施しました。移行リスクは2050年まで、物理的リスクは2100年までを対象とした分析を実施しています。シナリオ分析の実施に際しては、外部専門家による検証結果も反映しています。また、規制当局とも対話をしつつ、分析手法の高度化に向けた検討を継続的に実施しています。
リスク管理の枠組み 2. セクターヒートマップ(移行リスク・物理的リスク)
当社グループは、セクター別の移行リスクと物理的リスクをヒートマップで整理しています。気候変動に関連する政策や技術、市場などの環境変化や、最新の気候科学の発展に合わせてセクター評価を継続的に見直し、高度化につなげていきます。
リスク管理の枠組み 3. トランジション評価フレームワーク(移行リスク)
当社グループは、高排出セクターのお客さまの移行状況を、1.5℃整合の中間目標や移行計画、気候関連のガバナンス体制、排出削減実績などにより確認しています。これに、エンゲージメント活動を通じて得た情報も反映し、お客さまの移行状況を6分類で評価しています。

リスク管理の枠組み 4. MUFG環境・社会ポリシーフレームワーク(移行リスク)
個別案件の検討時には「MUFG環境・社会ポリシーフレームワーク」や「赤道原則」を適用し、お客さまの環境・社会配慮の実施状況を確認しています。
● オペレーショナル(法令等)リスク(移行リスク)への対応戦略
当社グループでは、合理的に見込み得るリスクと判断した気候関連のオペレーショナル(法令等)リスク(移行リスク)への対応として、全社的なコンプライアンス管理態勢の中で、サステナビリティ関連法規制の動向をモニタリングしています。また、新商品のリリースにあたっては幅広い観点からリスクの把握と評価を事前に実施しています。現時点においては、気候関連のオペレーショナル(法令等)リスクは潜在的な影響に留まっているため、当面の間は当該モニタリングを継続し、国際的動向等を見定めながら、必要に応じて更なる対応を検討していく方針です。
● 評判リスク(移行リスク)への対応戦略
当社グループでは、合理的に見込み得るリスクと判断した気候変動に係る評判リスクに対応するため、MUFG環境・社会ポリシーフレームワークの運営状況、気候関連目標の達成に向けた進捗状況、気候関連訴訟の発生状況に対するモニタリングを行っています。現時点においては、評判リスクは潜在的な影響に留まっているため、当面の間は当該モニタリングを継続し、国際的動向等を見定めながら、必要に応じて更なる対応を検討していく方針です。
(気候関連の機会)
当社グループは、金融機関のカーボンニュートラルは、金融機関のバランスシートのグリーン化を追求するのではなく、お客さまのカーボンニュートラル実現、すなわち実体経済の脱炭素化を通じて達成されるべきだと考えています。
そのためには、グリーンな産業や資産への投融資に加えて、高排出産業や地域の脱炭素化を着実に支援することが最も重要です。また、トランジションは産業の大変革を意味しており、多額の資金動員とリスクテイクが必要となるため、民間だけでなく公的機関と連携したファイナンスを進めることも重要です。
実体経済の脱炭素化は、地理的な特性、産業構造及び産業間の相互依存関係、エネルギー構成の違いなどにより、時間軸や道筋が地域によって異なります。幅広いステークホルダーの理解を得ながらトランジションを進めていくことで、アジア・日本を代表する金融機関としての責任を果たしていきたいと考えています。
当社グループは、カーボンニュートラル実現に向けた移行計画の戦略の一つとして、エンゲージメントとファイナンス支援を掲げています。また、産業界・政府機関と連携した提言活動を行うとともに、政府の政策や戦略に沿ったお客様の取組みを支えるソリューションの提供を通じて、脱炭素に向けた新たなニーズや課題を把握していきます。そして、お客さまや自治体、さらには業界全体とのリレーションも強化しながら、新たなニーズや課題を産業界・政府機関にフィードバックし、お客さまの脱炭素化に向けて責任ある伴走をしていきます。
気候関連の目標としては、サステナブルファイナンスの2019年度から2030年度までの累計実行額を目標として設定しています。再生可能エネルギー関連ビジネスやトランジション支援のさらなる推進に取り組み、達成を目指します。
サステナブルファイナンス目標については、「④ 指標及び目標」をご参照ください。
[資源を確保している方法及び将来において資源を確保するための計画の内容]
当社グループでは、2050年カーボンニュートラル実現に向けて、社員のケイパビリティ・ビルディングにも力を入れています。全社員向けの啓発に加え、ナレッジ蓄積やエンゲージメント力強化など、社員の職務に応じた施策を展開しています。今後もリスク分析や社員のスキルを強化しながら、当社グループ全体のケイパビリティを向上していきます。
[過去の報告期間に開示した計画に対する進捗]
サステナブルファイナンスの累計実行額は、「④ 指標及び目標」をご参照ください。
[気候関連のリスク及び機会の間のトレードオフ]
当社グループは、リスク管理を強化しリスクを低減することに伴い、ファイナンス提供機会の減少等のビジネス機会の逸失というトレードオフ関係が成立する場合があることを認識しています。リスクへの対応戦略の検討にあたっては、こうしたビジネス機会とのトレードオフ関係を考慮し、具体的な取り組みを検討しています。
[移行計画]
当社グループでは、GFANZ(Glasgow Financial Alliance for Net Zero)の定めるガイダンスのフレームワークに従い、移行計画を策定しています。移行計画は、①自社排出削減、②エンゲージメントとファイナンス支援、③投融資ポートフォリオへの対応、④リスク管理とガバナンス、の4つの戦略で構成します。グローバルに金融サービスを展開する当社グループは、移行計画を進める過程で、予見が難しいさまざまな外的要因の影響を受けます。詳細は、当社ホームページに掲載しているTransition Progress 2026をご参照ください。なお、Transition Progress 2026は本開示を構成しません。
ⅳ.気候レジリエンス
気候関連のリスク及び機会を考慮した企業の戦略及びビジネス・モデルの気候レジリエンスは以下のとおりです。
なお、合理的に見込み得る気候関連リスク毎に記載しています。
[気候関連のシナリオ分析]
● 信用リスク(移行リスク)に係るシナリオ分析
信用リスク(移行リスク)についてのシナリオ分析の手法、実施時期、及び分析結果は以下のとおりです。

実施したシナリオの手法、実施時期、及び分析結果
項目記載内容
分析手法炭素価格などの上昇が、貸出先の信用格付にもたらす影響を分析。計測手法は個社レベルのボトムアップ手法とセクターレベルのトップダウン手法を組み合わせるアプローチを採用。高排出セクターについては特性を勘案したボトムアップ手法での分析を実施。
シナリオ情報源及びシナリオの種類NGFS(Network for Greening the Financial System)が公表している各シナリオを参照しNet Zero 2050、Delayed Transition、Current Policiesを代表的なシナリオとして採用。Current Policiesシナリオとの与信費用の差分を各シナリオにおける移行リスク影響とし、与信ポートフォリオ全体について分析を実施。
上記シナリオがレジリエンスの評価に関連すると判断した理由信用リスク(移行リスク)の影響を判断するうえで、上記シナリオはそれぞれ炭素価格等、「分析の前提とした主要な仮定」に記載する想定を適切に反映しており、レジリエンスの評価を行うのに適していると考えたため。
分析に用いた時間軸2025年3月末を基準とし、2050年まで
分析に用いた事業の範囲三菱UFJ銀行、商業銀行業務を営む海外現地法人(Bank of Ayudhya Public Company Limited及びPT Bank Danamon Indonesia Tbkを除く)の投融資業務における、全セクターの法人向け貸出
分析の前提とした主要な仮定(炭素価格)貸出先の自社排出量に応じた炭素コスト負担額を規定
(マクロ経済トレンド)移行リスクの影響が勘案されたGDP等は、貸出先の売上高変化を規定
(エネルギーの使用及びエネルギー構成)エネルギー構成の変化は、投融資先のうちエネルギーセクターの売上高や、それ以外のセクターの燃料コスト負担額を規定
(技術の進展)シナリオで想定された排出量削減の実現に必要な脱炭素技術への設備投資額を規定
シナリオ分析を実施した報告期間2026年3月期
分析結果累積与信費用(Current Policiesとの差分)5,500億円程度


● 信用リスク(物理的リスク)に係るシナリオ分析
信用リスク(物理的リスク)についてのシナリオ分析の手法、実施時期、及び分析結果は以下のとおりです。

実施したシナリオの手法、実施時期、及び分析結果
項目記載内容
分析手法急性物理的リスクの分析にあたり、近年特に発生頻度、被害状況とも顕著である洪水を対象に、その発生による貸出先のデフォルト確率の変化を用いて、与信ポートフォリオ全体への影響を計測するアプローチを採用。
財務インパクトの計算においては、業務停止期間や保有資産の毀損などを反映。
シナリオ情報源及びシナリオの種類IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change:気候変動に関する政府間パネル)第6次報告書にて公表されている第6期結合モデル相互比較計画(Coupled Model Intercomparison Project 6:CMIP6)によるSSP(Shared Socioeconomic Pathways:共通社会経済シナリオ)1-2.6(2℃シナリオ)、SSP5-8.5(4℃シナリオ)シナリオを採用。
上記シナリオがレジリエンスの評価に関連すると判断した理由信用リスク(物理的リスク)の影響を判断するうえで、上記シナリオはそれぞれ将来の気候変動の頻度や規模の想定を適切に反映しており、レジリエンスの評価を行うのに適していると考えたため。
分析に用いた時間軸2025年3月末を基準とし、2100年まで
分析に用いた事業の範囲三菱UFJ銀行、商業銀行業務を営む海外現地法人(Bank of Ayudhya Public Company Limited及びPT Bank Danamon Indonesia Tbkを除く)の投融資業務における全セクターの法人向け貸出
分析の前提とした主要な仮定(気象パターン)気温変化
(各地域の洪水頻度の想定)シナリオ別の気温変化を踏まえた年度別発生確率
シナリオ分析を実施した報告期間2026年3月期
分析結果2100年累積与信費用3,000億円程度


● オペレーショナル(法令等)リスク(移行リスク)に係るシナリオ分析
オペレーショナル(法令等)リスクについてのシナリオ分析の手法、実施時期、及び分析結果は以下のとおりです。
シナリオ分析のプロセス

実施したシナリオの手法、実施時期、及び分析結果
項目記載内容
分析手法評判への影響、顧客への影響、リスク管理態勢への影響を勘案した定性的な分析手法
シナリオ情報源及びシナリオの種類IEA(国際エネルギー機関)による「持続可能な開発シナリオ(2℃(未満)シナリオ)」を前提とした世界観、NGFS(Network for Greening the Financial System)が公表した1.5℃シナリオ(グラスゴー気候合意以降の国際協定と整合)を前提とした世界観を含む複数の世界観(Net Zero 2050、Below 2℃、Delayed Transition、NDCs、Current Policies)
上記シナリオがレジリエンスの評価に関連すると判断した理由オペレーショナル(法令等)リスクを判断するうえで、上記シナリオはサステナビリティ関連法規制や各国政府・イニシアティブ等の国際的な動向等、「分析の前提とした主要な仮定」に記載する想定を適切に反映しており、レジリエンスの評価を行うのに適していると考えたため。
分析に用いた時間軸2025年3月末を基準とし、2050年まで
分析に用いた事業の範囲三菱UFJ銀行、商業銀行業務を営む海外現地法人(Bank of Ayudhya Public Company Limited及びPT Bank Danamon Indonesia Tbkを除く)
分析の前提とした主要な仮定サステナビリティ関連法規制や各国の政策、国連やイニシアティブの動向等
シナリオ分析を実施した報告期間2026年3月期
分析結果サステナビリティ関連法規制や各国政府・イニシアティブ等の国際的な動向等につき将来の不確実性が高く、将来の影響を推定することは難しい


● 評判リスク(移行リスク)に係るシナリオ分析
評判リスク(移行リスク)についてのシナリオ分析の手法、実施時期、及び分析結果は以下のとおりです。
シナリオ分析のプロセス

実施したシナリオの手法、実施時期、及び分析結果
項目記載内容
分析手法評判への影響、顧客への影響、リスク管理態勢への影響を勘案した定性的な分析手法
シナリオ情報源及びシナリオの種類IEAによる「持続可能な開発シナリオ(2℃(未満)シナリオ)」を前提とした世界観、NGFSが公表した1.5℃シナリオ(グラスゴー気候合意以降の国際協定と整合)を前提とした世界観を含む複数の世界観(Net Zero 2050、Below 2℃、Delayed Transition、NDCs、Current Policies)
上記シナリオがレジリエンスの評価に関連すると判断した理由評判リスクを判断するうえで、上記シナリオはサステナビリティ関連法規制や各国政府・イニシアティブ等の国際的な動向等、「分析の前提とした主要な仮定」に記載する想定を適切に反映しており、レジリエンスの評価を行うのに適していると考えたため。
分析に用いた時間軸2025年3月末を基準とし、2050年まで
分析に用いた事業の範囲三菱UFJ銀行、商業銀行業務を営む海外現地法人(Bank of Ayudhya Public Company Limited及びPT Bank Danamon Indonesia Tbkを除く)
分析の前提とした主要な仮定サステナビリティ関連法規制や各国政府・イニシアティブ等の国際的な動向等
シナリオ分析を実施した報告期間2026年3月期
分析結果サステナビリティ関連法規制や各国政府・イニシアティブ等の国際的な動向等につき将来の不確実性が高く、将来の影響を推定することは難しい


[気候レジリエンスの評価]
シナリオ分析の結果が戦略やビジネス・モデルの評価に及ぼす影響及び対応の必要性
気候関連リスク(信用リスク、オペレーショナル(法令等)リスク、評判リスク)に係るシナリオ分析の結果は上述のとおりです。
但し、当該影響は不確実性を含む諸前提に基づいた試算結果であり、当社グループの事業活動に対し直ちに重大な影響を与えるものではないと考えています。
一方で、適切な気候変動対応戦略の推進やリスク管理を行う必要があると考えており、上述の気候変動対応戦略を推進しており、また、リスク管理に努めていきます。
気候関連の信用リスク(移行リスク、物理的リスク)への対応戦略としては気候変動リスク管理枠組みのもとで与信ポートフォリオ全体・セクター・顧客・案件レベルでのリスク管理を行っており、継続的に見直しをしていきます。
気候関連のオペレーショナル(法令等)リスク(移行リスク)への対応戦略としては、サステナビリティ関連法規制や各国政府・イニシアティブ等の国際的な動向等のモニタリングに取り組んでいきます。
気候関連の評判リスク(移行リスク)への対応戦略としては、環境・社会ポリシーフレームワークの運営状況、気候関連目標の達成に向けた進捗状況、気候関連訴訟の発生状況に対するモニタリングに取り組んでいきます。
ファイナンスを含む気候関連ビジネスによる機会への対応戦略としては、脱炭素化支援アプローチに沿ったエンゲージメント推進、ファイナンス支援に取り組んでいきます。
評価において考慮された不確実性の領域
シナリオ分析では、前述のとおり、炭素価格の上昇、マクロ経済のトレンド、エネルギー構成、低炭素技術の動向、国連・イニシアティブの国際的動向、気候関連訴訟の動向等、多くの想定に基づいています。これらの想定は一般的に用いられているものではありますが、不確実性を含むものであり、当社グループでも当該想定の実際の動向について、引き続きモニタリングに努めていきます。
戦略やビジネス・モデルを調整する企業の能力 (① 金融資源の利用可能性及び柔軟性、② 既存資産の再配置、再利用、性能向上又は廃棄する企業の能力、③ レジリエンス強化のための現在の投資/投資計画)
当社グループは、① 1.5℃目標達成への貢献、② 脱炭素社会へのスムーズな移行の支援、③ 環境と経済の好循環による持続可能な社会の実現という3つの変わらないコミットメントのもとで、取り組みを進めてきました。

また、当社グループはカーボンニュートラル宣言を公表しており、カーボンニュートラル実現に向けた戦略は、① 自社排出削減、② エンゲージメントとファイナンス支援、③ 投融資ポートフォリオへの対応、④ リスク管理とガバナンスの4つです。この戦略は当社グループの移行計画の中核となるもので、これらを通じて2050年カーボンニュートラルの実現をめざしています。
こうした戦略を推進するため、当社グループでは気候変動を含む環境・社会課題に係る機会及びリスクへの対応方針・取り組み状況を経営会議傘下のサステナビリティ委員会で定期的に審議しており、また、グループ・グローバルベースのプロジェクトチームを立ち上げ、グループCEOをはじめとする主要マネジメントが参加するステアリングコミッティや検討会などを通じて、戦略や方針について議論し、迅速に意思決定を行える態勢を整えています。

当社グループではこのように気候変動対応に向けた戦略推進・リスク管理について取り組んでおり、戦略やビジネス・モデルを調整する企業の能力(金融資源の活用、人的資源の投入、投資等)を備えています。
  • 有価証券報告書-第21期(2025/04/01-2026/03/31)

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