有価証券報告書-第11期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)
金融商品関係
(金融商品関係)
1.金融商品の状況に関する事項
(1) 金融商品に対する取組方針
当グループでは、銀行持株会社である当社のもとで、三井住友信託銀行株式会社における信託銀行業務を中心に多様な金融サービスに係る事業を行っております。
これらの事業を行うため、主として個人・法人からの預金、借入金の受入及び社債の発行による資金調達を行い、個人・法人向けの貸出や有価証券により資金運用を行っております。
金融資産及び金融負債の運用や調達については、グループの各社が年度の計画などにおいてその方針、手段などを定めております。
当グループ全体の金融資産及び金融負債に係るリスクについては当社がそのモニタリングを行っております。
三井住友信託銀行株式会社では、各々のリスクに係るモニタリングを行うとともに、資産及び負債の総合的管理(ALM)を実施しております。また、三井住友信託銀行株式会社は、資産・負債から生じる市場リスクなどを経営体力に相応しい水準にコントロールするためデリバティブ取引を行っております。また、三井住友信託銀行株式会社は、銀行法施行規則第13条の6の3に基づき、特定取引勘定(以下、「トレーディング勘定」という。)を設置して、それ以外の勘定(以下、「バンキング勘定」という。)と区分の上、有価証券及びデリバティブ取引のトレーディングを行っております。また、一部の連結子会社は、有価証券のトレーディングを行っております。
(2) 金融商品の内容及びそのリスク
① トレーディング勘定
当グループは、売買目的有価証券のほか、金利、通貨、債券、信用及び商品の店頭又は上場のデリバティブ取引を行っております。これらのデリバティブ取引は、金利変動リスク、為替変動リスク、価格変動リスク及び信用リスク等に晒されております。
② バンキング勘定
当グループが保有する金融資産は、主として国内の取引先及び個人に対する営業貸付金であり、顧客の契約不履行等の信用リスクに晒されております。
また、有価証券は、主に株式、債券であり、満期保有目的、純投資目的及び事業推進目的で保有しております。これらは、それぞれ発行体の信用リスク及び金利の変動リスク、市場価格の変動リスクに晒されております。
個人・法人預金、借入金、社債は、一定の環境の下で当グループが市場を利用できなくなる場合など、支払期日にその支払いを実行できなくなる流動性リスクに晒されております。
当グループは、市場リスクを回避する目的で、金利、通貨、株式、債券及び信用の店頭又は上場のデリバティブ取引を行っております。
主要なリスクである金利リスクについては、金利スワップ取引等をヘッジ手段として、貸出金、預金等の多数の金融資産・負債を金利リスクの特性毎に区分した上で包括的に管理の上、ヘッジ会計を適用しております。また、一部の資産・負債については、個別取引毎にヘッジ会計を適用しております。
三井住友信託銀行株式会社の外貨建金融資産・負債から生じる為替変動リスクについては、通貨スワップ取引及び為替スワップ取引等をヘッジ手段とし、ヘッジ対象である外貨建金銭債権債務等の為替変動リスクに対してヘッジ会計を適用しております。
なお、ヘッジ会計の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
(3) 金融商品に係るリスク管理体制
当グループでは、取締役会で定めた「リスク管理方針」に従い、全社を通じた各リスク・カテゴリーに関する一連のPDCA(Plan・Do・Check・Action=計画・実行・評価・改善)サイクルの実効性確保をリスク管理の基本と考えています。
各リスク・カテゴリー毎のリスク管理体制は以下の通りです。
① 信用リスクの管理
信用リスクは当グループが提供する金融商品において与信先またはカウンターパーティーが債務を履行できなくなり、財務的損失を被ることとなるリスクのことであり、主に貸出金をはじめとする債権や有価証券から発生いたします。信用リスクは、金融の基本的機能である「信用創造機能」にかかわる最も基本的なリスクであり、信用リスク管理態勢をより一層高度化するとともに、新規の健全な資金需要にも前向きに取り組むことで、与信ポートフォリオの分散と顧客基盤強化を進めております。
(ⅰ) リスク管理方針
当グループは信用リスク管理の基本方針を「与信ポートフォリオの分散化」と「個別与信管理の厳正化」としております。
前者について当グループは、与信先毎の信用限度額に基づいてエクスポージャーを管理し、大口与信先に対するリスク顕在化の影響度や業種の分散について信用リスク量の計量を含め定期的に検証を実施しております。また、国別の与信集中リスクについても管理しております。
後者については、案件審査や自己査定、信用格付等の運用を通じて、個別の与信管理を精緻に実施しております。信用格付は与信先の信用状況、案件のデフォルト発生の可能性を段階的に表現したものであり、個々の案件審査や与信ポートフォリオ管理の基礎データとなります。また、自己査定を通じて、取引先の財務状況、資金繰り、収益力などの分析による返済能力、債権の回収可能性等の評価を常時行っております。
(ⅱ) リスク管理体制
三井住友信託銀行株式会社では、取締役会が経営計画において、信用リスク管理に関する重要事項を決定するとともに、信用リスク管理(資産査定管理を含む。)に関する報告などを踏まえ、与信戦略及びリスク資本配賦計画を決議し、自己査定基準を承認することを通じ資産の健全性を確保しております。個別案件の審査・与信管理にあたっては審査部署と営業店部を互いに分離し相互牽制が働く体制としております。このほか、調査部が中立的な立場で産業調査・個別企業の信用力調査並びに定量的分析などに基づく信用格付を実施し信用リスクを評価しております。また、経営会議や投融資審議会等を定期的に開催し、信用リスクの管理・運営における重要事項を審議しております。以上の相互牽制機能、各種会議体による審議に加え、リスク統括部が信用リスク管理運営の妥当性の検証を実施することにより、適切なリスク管理運営を実施する管理体制を構築しております。
② 市場リスクの管理
市場リスクとは、金利、為替、株式、コモディティ、信用スプレッド等の様々な市場のリスク要因の変動により、保有する資産・負債(オフバランスを含む。)の価値、あるいは資産・負債から生み出される収益が変動し、当グループが損失を被るリスクを指します。
(ⅰ) リスク管理方針
当グループは、市場リスク管理にあたって、リスクの適切なコントロールにより業務の健全性の確保を求めるとともに、管理態勢の高度化に取組むことにより、当グループの戦略目標、業務の規模・特性及びリスク・プロファイルに見合った適正な収益の確保を目指しています。
(ⅱ) リスク管理体制
当グループでは、市場リスク管理における各種リミットの設定・管理、組織分離等の基本方針を「リスク管理規程」に定め、その具体的な管理方法については「市場リスク管理規則」において定めております。取引実施部門と後方事務部門を明確に分離し、両者から独立して双方を牽制するリスク管理部門としての機能を担うリスク統括部が、市場リスクを一元的に管理することにより、相互牽制が働く体制を取っており、各種リミットの遵守状況や市場リスクの把握・分析結果については、日次で担当役員へ報告されるとともに、取締役会等に対して定期的に報告しております。
三井住友信託銀行株式会社の取締役会は、経営計画において、市場リスクに関する重要事項としてALM基本計画及びリスク管理計画を決議しております。ALM審議会は全社的な観点による資産・負債の総合的なリスク運営・管理に関するALM基本計画及び市場リスクに関する基本的事項を決議しております。
三井住友信託銀行株式会社では、市場リスク管理の企画・推進はリスク統括部が行っております。リスク統括部は、リスク量・損益の計測、ALM基本計画などの下で運営される市場リスクの状況をモニタリングし、リスクリミット等の遵守状況を監視しております。また、その結果をALM審議会の構成員に日次で報告するとともに、ALM審議会や取締役会等に対して定期的に報告しております。
(ⅲ) 市場リスクの管理手法
市場リスクの把握にはVaR(Value at Risk)を用いております。VaRとは、過去の市場変動実績から一定の条件の下で将来起こりうる最大損失額を統計的に予測する手法であります。当グループでは、自社で開発した内部モデルに基づき、VaR計測のほか、さまざまなリスク管理指標の算出やシミュレーションによるリスク管理を実施しております。
当グループの内部モデルによるVaR計測は、原則としてヒストリカル・シミュレーション法を用いております。市場リスクはリスクの特性により、金利変動リスク、株価変動リスク、為替変動リスク等のリスク・カテゴリーに分類されますが、当グループでは、各リスク・カテゴリー間の相関を考慮せず、それぞれのリスク・カテゴリーを単純合算して市場リスクの算出を行っております。
(ⅳ) 市場リスクに係る定量的情報
(ア) トレーディング勘定
当グループでは、トレーディング勘定で保有する「売買目的有価証券」及び通貨関連・金利関連の一部のデリバティブ取引に関してVaRを用いたリスク管理を行っております。VaRの算定にあたっては、ヒストリカル・シミュレーション法を主とした計測方法(保有期間10営業日、信頼区間99%、観測期間は主として1,300営業日間)を採用しております。
2022年3月31日現在で当グループのトレーディング業務の市場リスク量(潜在的な損失額の推計値)は、全体で86億円であります。
なお、当グループでは、モデルが算出するVaRと実際の損益を比較するバックテスティングを実施しております。2021年度に関して実施したバックテスティングの結果、実際の損失がVaRを超えた回数は0回であり、使用する計測モデルは十分な精度により市場リスクを捕捉しているものと考えております。ただし、VaRは過去の相場変動をベースに統計的に算出した一定の発生確率での市場リスク量を計測しており、通常では考えられないほど市場環境が激変する状況下におけるリスクは捕捉できない場合があります。
(イ) バンキング勘定
当グループでは、バンキング勘定で保有している金融資産及び負債についてVaRを用いたリスク管理を行っております。ヒストリカル・シミュレーション法を主とした計測方法(保有期間はポジション特性に応じて設定(最長1年)、信頼区間99%、観測期間は原則として1,300営業日間)を採用しております。
2022年3月31日現在で当グループのバンキング業務の市場リスク量(潜在的な損失額の推計値)は、全体で7,398億円であります。
なお、当グループでは、バンキング勘定で保有している金融資産及び負債のうち、実施対象と設定したポジションにつき、モデルが算出するVaRと実際の損益を比較するバックテスティングを実施しており、使用する計測モデルは十分な精度により市場リスクを捕捉しているものと考えております。ただし、VaRは過去の相場変動をベースに統計的に算出した一定の発生確率での市場リスク量を計測しており、通常では考えられないほど市場環境が激変する状況下におけるリスクは捕捉できない場合があります。
③ 資金繰りリスク(資金調達に係る流動性リスク)の管理
資金繰りリスクとは、必要な資金が確保できず資金繰りがつかなくなる場合や、資金の確保に通常よりも著しく高い金利での調達を余儀なくされることにより当グループが損失を被るリスクを指します。
(ⅰ) 資金繰りリスク管理方針
資金繰りリスクについては、リスクの顕在化により資金繰りに支障をきたせば、場合によっては当グループの経営破綻に直結するおそれがあることを十分に認識した上で、適正な資金繰りリスク管理態勢の整備・確立に向けた方針の策定・周知に取り組んでいます。
(ⅱ) 資金繰りリスク管理体制・管理手法
資金繰りリスク管理部署は、取締役会で半期毎に承認されたリスク管理計画に基づき、資金繰り管理部署と連携し、当グループのリスク・プロファイル等の内部環境、経済や市場等の外部環境等の情報を収集・分析し、資金繰りの逼迫度を適切に判定しています。
資金繰り管理部署は、資金繰りリスクを回避するため、あらかじめ定められた適切な限度枠を遵守する資金繰り運営を行い、資金繰りリスク管理部署はその遵守状況をモニタリングしています。
(4) 金融商品の時価等に関する事項についての補足説明
金融商品の時価には、市場価格に基づく価額のほか、市場価格がない場合には合理的に算定された価額が含まれております。当該価額の算定においては一定の前提条件等を採用しているため、異なる前提条件等によった場合、当該価額が異なることもあります。
2.金融商品の時価等及び時価のレベルごとの内訳等に関する事項
連結貸借対照表計上額、時価及びこれらの差額、レベルごとの時価は、次のとおりであります。 なお、「時価の算定に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第31号 2019年7月4日。以下、「時価算定適用指針」という。)第26項に従い経過措置を適用した投資信託、市場価格のない株式等及び、時価算定適用指針第27項に従い経過措置を適用した組合出資金等は、次表には含めておりません((1)*1、(注3)参照)。 金融商品の時価は、時価の算定に用いたインプットの観察可能性及び重要性に応じて、以下の3つのレベルに分類しております。 レベル1の時価:同一の資産又は負債の活発な市場における(無調整の)相場価格により算定した時価 レベル2の時価:レベル1のインプット以外の直接又は間接的に観察可能なインプットを用いて算定した時価 レベル3の時価:重要な観察できないインプットを使用して算定した時価 時価の算定に重要な影響を与えるインプットを複数使用している場合には、それらのインプットがそれぞれ属するレベルのうち、時価の算定における優先順位が最も低いレベルに時価を分類しております。
(1) 時価をもって連結貸借対照表計上額とする金融資産及び金融負債
前連結会計年度(2021年3月31日)
(単位:百万円)
(*1)時価算定適用指針第26項に従い、経過措置を適用した投資信託は上記に含めておりません。連結貸借対照表における当該投資信託の金額は金融資産981,733百万円となります。
(*2)特定取引資産・負債及びその他資産・負債に計上しているデリバティブ取引を一括して表示しております。デリバティブ取引によって生じた正味の債権・債務は純額で表示しており、合計で正味の債務となる項目については、△で表示しております。
(*3)デリバティブ取引のうち、ヘッジ会計を適用している取引の連結貸借対照表計上額は△126,664百万円となります。
(*4)ヘッジ対象である貸出金等のキャッシュ・フローの固定化のためにヘッジ手段として指定した金利スワップ等であり、主に繰延ヘッジを適用しております。なお、これらのヘッジ関係に、「LIBORを参照する金融商品に関するヘッジ会計の取扱い」(実務対応報告第40号 2022年3月17日)を適用しております。
当連結会計年度(2022年3月31日)
(単位:百万円)
(*1)時価算定適用指針第26項に従い、経過措置を適用した投資信託は上記に含めておりません。連結貸借対照表における当該投資信託の金額は金融資産902,171百万円となります。
(*2)特定取引資産・負債及びその他資産・負債に計上しているデリバティブ取引を一括して表示しております。デリバティブ取引によって生じた正味の債権・債務は純額で表示しており、合計で正味の債務となる項目については、△で表示しております。
(*3)デリバティブ取引のうち、ヘッジ会計を適用している取引の連結貸借対照表計上額は△174,794百万円となります。
(*4)ヘッジ対象である貸出金等のキャッシュ・フローの固定化のためにヘッジ手段として指定した金利スワップ等であり、主に繰延ヘッジを適用しております。なお、これらのヘッジ関係に、「LIBORを参照する金融商品に関するヘッジ会計の取扱い」(実務対応報告第40号 2022年3月17日)を適用しております。
(2) 時価をもって連結貸借対照表計上額としない金融資産及び金融負債
現金預け金、コールローン及び買入手形、買現先勘定及び債券貸借取引支払保証金、外国為替、コールマネー及び売渡手形、売現先勘定、短期社債、信託勘定借は、短期間(1年以内)で決済されるものが大半を占めており、時価が帳簿価額に近似することから、注記を省略しております。
前連結会計年度(2021年3月31日)
(単位:百万円)
(*)貸出金に対応する一般貸倒引当金及び個別貸倒引当金を控除しております。なお、買入金銭債権並びにリース債権及びリース投資資産に対する貸倒引当金につきましては、重要性が乏しいため、連結貸借対照表計上額から直接減額しております。
当連結会計年度(2022年3月31日)
(単位:百万円)
(*)貸出金に対応する一般貸倒引当金及び個別貸倒引当金を控除しております。なお、買入金銭債権並びにリース債権及びリース投資資産に対する貸倒引当金につきましては、重要性が乏しいため、連結貸借対照表計上額から直接減額しております。
(注1)時価の算定に用いた評価技法及びインプットの説明
買入金銭債権
買入金銭債権のうち、証券化商品については、市場価格に準ずるものとして合理的に算定された価額(取引金融機関又はブローカーから入手する価格等)等によっており、入手した価格の構成要素として、重要な観察できないインプットを用いている場合にはレベル3、そうでない場合にはレベル2の時価に分類しております。上記以外のものについては原則として「貸出金」と同様の方法等により算定した価額をもって時価としており、主にレベル3の時価に分類しております。
特定取引資産
特定取引目的で保有している債券等の有価証券のうち、業界団体の公表する価格又は取引金融機関から提示された価格を時価としている場合は、市場の活発性に基づきレベル1又はレベル2の時価に分類しております。また、観察可能なインプットを用いて将来のキャッシュ・フローを割り引いて現在価値を算定し、当該価格を時価としている場合はレベル2の時価に分類しております。
金銭の信託
有価証券運用を主目的とする単独運用の金銭の信託において信託財産として運用されている有価証券については、取引所の価格又はブローカーから提示された価格を時価としており、構成物のレベルに基づき、レベル1又はレベル2の時価に分類しております。
なお、保有目的ごとの金銭の信託に関する注記事項については、「(金銭の信託関係)」に記載しております。
有価証券
上場株式については、取引所の価格を時価としており、市場の活発性に基づき、主にレベル1の時価に分類しております。 債券については、取引所取引や店頭取引等で公表された相場価格を時価としており、活発な市場で取引されている場合にはレベル1の時価に分類しております。市場価格を用いていたとしても市場が活発でない場合にはレベル2の時価に分類しております。プライシング・サービスやブローカーなどの第三者が提示する価格を時価としており、入手した価格の構成要素として、重要な観察できないインプットを用いている場合にはレベル3、そうでない場合にはレベル2の時価に分類しております。一部の債券については、内部格付、期間に基づく区分ごとに、元利金等の合計額を信用リスク等のリスク要因を織込んだ割引率で割り引いて時価を算定しており、当該割引率が重要な観察できないインプットとなる場合はレベル3の時価に、それ以外はレベル2の時価に分類しております。
貸出金
貸出金については、貸出条件、内部格付及び期間等に基づく区分ごとに、元利金の合計額を信用リスク等のリスク要因を織込んだ割引率で割り引いて時価を算定しておりますが、貸出金の特性や、実行後の貸出先の信用状態から時価が帳簿価額と近似していると認められる変動金利貸出については、当該帳簿価額を時価としております。また、このうち破綻先、実質破綻先及び破綻懸念先に対する債権等については、見積将来キャッシュ・フローの現在価値又は担保及び保証による回収見込額等に基づいて貸倒見積高を算定しているため、時価は連結決算日における連結貸借対照表上の債権等計上額から貸倒引当金計上額を控除した金額に近似しており、当該価額を時価としております。なお、貸出金のうち、当該貸出を担保資産の範囲内に限る等の特性により、返済期限を設けていないものについては、返済見込み期間及び金利条件等から、時価は帳簿価額と近似しているものと想定されるため、当該帳簿価額を時価としております。これらについては、レベル3の時価に分類しております。
リース債権及びリース投資資産
リース債権及びリース投資資産については、債権の種類、内部格付及び期間等に基づく区分ごとに、元利金の合計額を信用リスク等のリスク要因を織り込んだ割引率で割り引いて時価を算定しております。これらについては、レベル3の時価に分類しております。
預金及び譲渡性預金
要求払預金については、連結決算日に要求された場合の支払額(帳簿価額)を時価とみなしております。定期預金のうち、固定金利によるものについては、商品ごとに区分し、将来のキャッシュ・フローを割り引いて現在価値を算定し、当該価格を時価としております。その割引率は、新規に同種の預金を受け入れる際に使用する利率を用いております。変動金利によるもの及び預入期間が短期(1年以内)のものについては、時価は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額を時価としております。これらについては、レベル2の時価に分類しております。
借用金
借用金のうち、変動金利によるものについては、短期間で市場金利を反映し、また、信用状態は実行後大きく異なっていないことから、時価は帳簿価額と近似しているとみなし、当該帳簿価額を時価としております。固定金利によるものについては、将来のキャッシュ・フローを同様の借り入れにおいて想定される利率で割り引いて現在価値を算定し、当該価格を時価としております。なお、残存期間が短期間(1年以内)のものは、時価は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額を時価としております。これらについては、レベル2の時価に分類しております。
社債
当社並びに連結子会社の発行する社債のうち、市場価格のあるものについては、当該価格を時価としております。上記以外のものについては、将来キャッシュ・フローを同様の社債を発行した場合に想定される利率で割り引いて現在価値を算定し、当該価格を時価としております。これらについては、レベル2の時価に分類しております。
デリバティブ取引
取引所取引(金利、債券、通貨及び株式を含む。)は、取引所における清算価格が直近の取引価格を反映していることから、取引所が公表する清算価格を用いて評価され、活発な市場における無調整の相場価格を利用できるため、レベル1の時価に分類しております。 主契約から分離して会計処理される組込デリバティブを含む店頭取引(取引所取引以外のデリバティブ)は、原則として観察可能な金利、為替レート等をインプットとして、見積将来キャッシュ・フローの現在価値やオプション価格算定モデル等の評価技法を用いて評価しております。また、取引相手の信用リスク及び当社の信用リスクに基づく価格調整を行っております。一部の取引の評価モデルでは、過去の相関係数など、市場で観察できないインプットを用いております。観察可能なインプットを用いている場合又は観察できないインプットが重要でない場合はレベル2の時価に、重要な観察できないインプットを用いている場合はレベル3の時価に分類しております。
(注2)時価をもって連結貸借対照表計上額とする金融資産及び金融負債のうちレベル3の時価に関する情報
(1) 重要な観察できないインプットに関する定量的情報
当連結会計年度(2022年3月31日)
(2) 期首残高から期末残高への調整表、当期の損益に認識した評価損益
当連結会計年度(2022年3月31日)
(単位:百万円)
(*1)連結損益計算書の「特定取引収益」に含まれております。
(*2)連結包括利益計算書の「その他の包括利益」の「その他有価証券評価差額金」に含まれております。
(*3)レベル3の時価への振替額及びレベル3の時価からの振替額は、インプットの観察可能性の変化に関連しております。当該振替は会計期間の末日に行っております。
(*4)特定取引資産・負債及びその他資産・負債に計上しているデリバティブ取引を一括して表示しております。デリバティブ取引によって生じた正味の債権・債務は純額で表示しており、合計で正味の債務となる項目については、△で表示しております。
(3) 時価の評価プロセスの説明
当グループはミドル部門にて時価の算定に関する方針、手続及び、時価評価モデルの使用に係る手続を定め、当該方針及び手続きに沿ってフロント及びミドル部門が協働で時価評価モデルを策定しております。また、ミドル部門等は時価の算定に用いられた評価技法、インプットの妥当性及びレベル分類の適切性を検証しております。 時価の算定に当たっては、個々の資産の性質、特性及びリスクを最も適切に反映できる評価モデルを用いております。また、第三者から入手した相場価格を利用する場合においても、利用されている評価技法及びインプットの確認や類似の金融商品の時価との比較等の適切な方法により価格の妥当性を検証しております。
(4) 重要な観察できないインプットを変化させた場合の時価に対する影響に関する説明
割引率
割引率は金融資産ごとに決定しており、リスクフリーレートに信用リスク等のリスク要因を加味した率で算定しております。一般的に、割引率の大幅な上昇(低下)は、時価の著しい下落(上昇)を生じさせます。
相関係数
相関係数は、金利、為替レート等の変数間の変動の関係性を示す指標であります。これらの相関関係は、複雑なデリバティブの評価手法に用いられ、過去のデータに基づいて推計されております。一般的に、相関係数の大幅な変動は、金融商品の性質や契約条件に応じて、時価の著しい上昇又は下落を生じさせます。
(注3)市場価格のない株式等及び組合出資金等の連結貸借対照表計上額は次のとおりであり、金融商品の時価等及び時価のレベルごとの内訳等に関する事項で開示している計表中の「有価証券」には含まれておりません。
(単位:百万円)
(*1)市場価格のない株式等には非上場株式等が含まれ、「金融商品の時価等の開示に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第19号 2020年3月31日)第5項に従い、時価開示の対象とはしておりません。
(*2)組合出資金等は、主に、匿名組合、投資事業組合等であります。これらは時価算定適用指針第27項に従い、時価開示の対象とはしておりません。
(*3)前連結会計年度において、非上場株式等について520百万円減損処理を行っております。当連結会計年度において、非上場株式等について235百万円減損処理を行っております。
(注4)金銭債権及び満期のある有価証券の連結決算日後の償還予定額
前連結会計年度(2021年3月31日)
(単位:百万円)
(*1)買入金銭債権のうち、破綻先、実質破綻先及び破綻懸念先に対する債権等、償還予定額が見込めないもの58百万円は含めておりません。
(*2)貸出金のうち、破綻先、実質破綻先及び破綻懸念先に対する債権等、償還予定額が見込めないもの76,509百万円、期間の定めのないもの2,401,629百万円は含めておりません。
(*3)リース債権及びリース投資資産のうち、破綻先、実質破綻先及び破綻懸念先に対する債権等、償還予定額が見込めないもの549百万円、残価保証額及び見積残存価額19,691百万円は含めておりません。
当連結会計年度(2022年3月31日)
(単位:百万円)
(*1)買入金銭債権のうち、破綻先、実質破綻先及び破綻懸念先に対する債権等、償還予定額が見込めないもの24百万円は含めておりません。
(*2)貸出金のうち、破綻先、実質破綻先及び破綻懸念先に対する債権等、償還予定額が見込めないもの142,058百万円、期間の定めのないもの2,362,662百万円は含めておりません。
(*3)リース債権及びリース投資資産のうち、破綻先、実質破綻先及び破綻懸念先に対する債権等、償還予定額が見込めないもの678百万円、残価保証額及び見積残存価額22,065百万円は含めておりません。
(注5)社債、借用金及びその他の有利子負債の連結決算日後の返済予定額
前連結会計年度(2021年3月31日)
(単位:百万円)
(*1)預金のうち、要求払預金については、「1年以内」に含めて開示しております。なお、預金には、当座預金を含めて開示しております。
(*2)社債のうち、償還期限の定めのない永久劣後社債286,100百万円は含めておりません。
当連結会計年度(2022年3月31日)
(単位:百万円)
(*1)預金のうち、要求払預金については、「1年以内」に含めて開示しております。なお、預金には、当座預金を含めて開示しております。
(*2)社債のうち、償還期限の定めのない永久劣後社債286,100百万円は含めておりません。
1.金融商品の状況に関する事項
(1) 金融商品に対する取組方針
当グループでは、銀行持株会社である当社のもとで、三井住友信託銀行株式会社における信託銀行業務を中心に多様な金融サービスに係る事業を行っております。
これらの事業を行うため、主として個人・法人からの預金、借入金の受入及び社債の発行による資金調達を行い、個人・法人向けの貸出や有価証券により資金運用を行っております。
金融資産及び金融負債の運用や調達については、グループの各社が年度の計画などにおいてその方針、手段などを定めております。
当グループ全体の金融資産及び金融負債に係るリスクについては当社がそのモニタリングを行っております。
三井住友信託銀行株式会社では、各々のリスクに係るモニタリングを行うとともに、資産及び負債の総合的管理(ALM)を実施しております。また、三井住友信託銀行株式会社は、資産・負債から生じる市場リスクなどを経営体力に相応しい水準にコントロールするためデリバティブ取引を行っております。また、三井住友信託銀行株式会社は、銀行法施行規則第13条の6の3に基づき、特定取引勘定(以下、「トレーディング勘定」という。)を設置して、それ以外の勘定(以下、「バンキング勘定」という。)と区分の上、有価証券及びデリバティブ取引のトレーディングを行っております。また、一部の連結子会社は、有価証券のトレーディングを行っております。
(2) 金融商品の内容及びそのリスク
① トレーディング勘定
当グループは、売買目的有価証券のほか、金利、通貨、債券、信用及び商品の店頭又は上場のデリバティブ取引を行っております。これらのデリバティブ取引は、金利変動リスク、為替変動リスク、価格変動リスク及び信用リスク等に晒されております。
② バンキング勘定
当グループが保有する金融資産は、主として国内の取引先及び個人に対する営業貸付金であり、顧客の契約不履行等の信用リスクに晒されております。
また、有価証券は、主に株式、債券であり、満期保有目的、純投資目的及び事業推進目的で保有しております。これらは、それぞれ発行体の信用リスク及び金利の変動リスク、市場価格の変動リスクに晒されております。
個人・法人預金、借入金、社債は、一定の環境の下で当グループが市場を利用できなくなる場合など、支払期日にその支払いを実行できなくなる流動性リスクに晒されております。
当グループは、市場リスクを回避する目的で、金利、通貨、株式、債券及び信用の店頭又は上場のデリバティブ取引を行っております。
主要なリスクである金利リスクについては、金利スワップ取引等をヘッジ手段として、貸出金、預金等の多数の金融資産・負債を金利リスクの特性毎に区分した上で包括的に管理の上、ヘッジ会計を適用しております。また、一部の資産・負債については、個別取引毎にヘッジ会計を適用しております。
三井住友信託銀行株式会社の外貨建金融資産・負債から生じる為替変動リスクについては、通貨スワップ取引及び為替スワップ取引等をヘッジ手段とし、ヘッジ対象である外貨建金銭債権債務等の為替変動リスクに対してヘッジ会計を適用しております。
なお、ヘッジ会計の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
(3) 金融商品に係るリスク管理体制
当グループでは、取締役会で定めた「リスク管理方針」に従い、全社を通じた各リスク・カテゴリーに関する一連のPDCA(Plan・Do・Check・Action=計画・実行・評価・改善)サイクルの実効性確保をリスク管理の基本と考えています。
各リスク・カテゴリー毎のリスク管理体制は以下の通りです。
① 信用リスクの管理
信用リスクは当グループが提供する金融商品において与信先またはカウンターパーティーが債務を履行できなくなり、財務的損失を被ることとなるリスクのことであり、主に貸出金をはじめとする債権や有価証券から発生いたします。信用リスクは、金融の基本的機能である「信用創造機能」にかかわる最も基本的なリスクであり、信用リスク管理態勢をより一層高度化するとともに、新規の健全な資金需要にも前向きに取り組むことで、与信ポートフォリオの分散と顧客基盤強化を進めております。
(ⅰ) リスク管理方針
当グループは信用リスク管理の基本方針を「与信ポートフォリオの分散化」と「個別与信管理の厳正化」としております。
前者について当グループは、与信先毎の信用限度額に基づいてエクスポージャーを管理し、大口与信先に対するリスク顕在化の影響度や業種の分散について信用リスク量の計量を含め定期的に検証を実施しております。また、国別の与信集中リスクについても管理しております。
後者については、案件審査や自己査定、信用格付等の運用を通じて、個別の与信管理を精緻に実施しております。信用格付は与信先の信用状況、案件のデフォルト発生の可能性を段階的に表現したものであり、個々の案件審査や与信ポートフォリオ管理の基礎データとなります。また、自己査定を通じて、取引先の財務状況、資金繰り、収益力などの分析による返済能力、債権の回収可能性等の評価を常時行っております。
(ⅱ) リスク管理体制
三井住友信託銀行株式会社では、取締役会が経営計画において、信用リスク管理に関する重要事項を決定するとともに、信用リスク管理(資産査定管理を含む。)に関する報告などを踏まえ、与信戦略及びリスク資本配賦計画を決議し、自己査定基準を承認することを通じ資産の健全性を確保しております。個別案件の審査・与信管理にあたっては審査部署と営業店部を互いに分離し相互牽制が働く体制としております。このほか、調査部が中立的な立場で産業調査・個別企業の信用力調査並びに定量的分析などに基づく信用格付を実施し信用リスクを評価しております。また、経営会議や投融資審議会等を定期的に開催し、信用リスクの管理・運営における重要事項を審議しております。以上の相互牽制機能、各種会議体による審議に加え、リスク統括部が信用リスク管理運営の妥当性の検証を実施することにより、適切なリスク管理運営を実施する管理体制を構築しております。
② 市場リスクの管理
市場リスクとは、金利、為替、株式、コモディティ、信用スプレッド等の様々な市場のリスク要因の変動により、保有する資産・負債(オフバランスを含む。)の価値、あるいは資産・負債から生み出される収益が変動し、当グループが損失を被るリスクを指します。
(ⅰ) リスク管理方針
当グループは、市場リスク管理にあたって、リスクの適切なコントロールにより業務の健全性の確保を求めるとともに、管理態勢の高度化に取組むことにより、当グループの戦略目標、業務の規模・特性及びリスク・プロファイルに見合った適正な収益の確保を目指しています。
(ⅱ) リスク管理体制
当グループでは、市場リスク管理における各種リミットの設定・管理、組織分離等の基本方針を「リスク管理規程」に定め、その具体的な管理方法については「市場リスク管理規則」において定めております。取引実施部門と後方事務部門を明確に分離し、両者から独立して双方を牽制するリスク管理部門としての機能を担うリスク統括部が、市場リスクを一元的に管理することにより、相互牽制が働く体制を取っており、各種リミットの遵守状況や市場リスクの把握・分析結果については、日次で担当役員へ報告されるとともに、取締役会等に対して定期的に報告しております。
三井住友信託銀行株式会社の取締役会は、経営計画において、市場リスクに関する重要事項としてALM基本計画及びリスク管理計画を決議しております。ALM審議会は全社的な観点による資産・負債の総合的なリスク運営・管理に関するALM基本計画及び市場リスクに関する基本的事項を決議しております。
三井住友信託銀行株式会社では、市場リスク管理の企画・推進はリスク統括部が行っております。リスク統括部は、リスク量・損益の計測、ALM基本計画などの下で運営される市場リスクの状況をモニタリングし、リスクリミット等の遵守状況を監視しております。また、その結果をALM審議会の構成員に日次で報告するとともに、ALM審議会や取締役会等に対して定期的に報告しております。
(ⅲ) 市場リスクの管理手法
市場リスクの把握にはVaR(Value at Risk)を用いております。VaRとは、過去の市場変動実績から一定の条件の下で将来起こりうる最大損失額を統計的に予測する手法であります。当グループでは、自社で開発した内部モデルに基づき、VaR計測のほか、さまざまなリスク管理指標の算出やシミュレーションによるリスク管理を実施しております。
当グループの内部モデルによるVaR計測は、原則としてヒストリカル・シミュレーション法を用いております。市場リスクはリスクの特性により、金利変動リスク、株価変動リスク、為替変動リスク等のリスク・カテゴリーに分類されますが、当グループでは、各リスク・カテゴリー間の相関を考慮せず、それぞれのリスク・カテゴリーを単純合算して市場リスクの算出を行っております。
(ⅳ) 市場リスクに係る定量的情報
(ア) トレーディング勘定
当グループでは、トレーディング勘定で保有する「売買目的有価証券」及び通貨関連・金利関連の一部のデリバティブ取引に関してVaRを用いたリスク管理を行っております。VaRの算定にあたっては、ヒストリカル・シミュレーション法を主とした計測方法(保有期間10営業日、信頼区間99%、観測期間は主として1,300営業日間)を採用しております。
2022年3月31日現在で当グループのトレーディング業務の市場リスク量(潜在的な損失額の推計値)は、全体で86億円であります。
なお、当グループでは、モデルが算出するVaRと実際の損益を比較するバックテスティングを実施しております。2021年度に関して実施したバックテスティングの結果、実際の損失がVaRを超えた回数は0回であり、使用する計測モデルは十分な精度により市場リスクを捕捉しているものと考えております。ただし、VaRは過去の相場変動をベースに統計的に算出した一定の発生確率での市場リスク量を計測しており、通常では考えられないほど市場環境が激変する状況下におけるリスクは捕捉できない場合があります。
(イ) バンキング勘定
当グループでは、バンキング勘定で保有している金融資産及び負債についてVaRを用いたリスク管理を行っております。ヒストリカル・シミュレーション法を主とした計測方法(保有期間はポジション特性に応じて設定(最長1年)、信頼区間99%、観測期間は原則として1,300営業日間)を採用しております。
2022年3月31日現在で当グループのバンキング業務の市場リスク量(潜在的な損失額の推計値)は、全体で7,398億円であります。
なお、当グループでは、バンキング勘定で保有している金融資産及び負債のうち、実施対象と設定したポジションにつき、モデルが算出するVaRと実際の損益を比較するバックテスティングを実施しており、使用する計測モデルは十分な精度により市場リスクを捕捉しているものと考えております。ただし、VaRは過去の相場変動をベースに統計的に算出した一定の発生確率での市場リスク量を計測しており、通常では考えられないほど市場環境が激変する状況下におけるリスクは捕捉できない場合があります。
③ 資金繰りリスク(資金調達に係る流動性リスク)の管理
資金繰りリスクとは、必要な資金が確保できず資金繰りがつかなくなる場合や、資金の確保に通常よりも著しく高い金利での調達を余儀なくされることにより当グループが損失を被るリスクを指します。
(ⅰ) 資金繰りリスク管理方針
資金繰りリスクについては、リスクの顕在化により資金繰りに支障をきたせば、場合によっては当グループの経営破綻に直結するおそれがあることを十分に認識した上で、適正な資金繰りリスク管理態勢の整備・確立に向けた方針の策定・周知に取り組んでいます。
(ⅱ) 資金繰りリスク管理体制・管理手法
資金繰りリスク管理部署は、取締役会で半期毎に承認されたリスク管理計画に基づき、資金繰り管理部署と連携し、当グループのリスク・プロファイル等の内部環境、経済や市場等の外部環境等の情報を収集・分析し、資金繰りの逼迫度を適切に判定しています。
資金繰り管理部署は、資金繰りリスクを回避するため、あらかじめ定められた適切な限度枠を遵守する資金繰り運営を行い、資金繰りリスク管理部署はその遵守状況をモニタリングしています。
(4) 金融商品の時価等に関する事項についての補足説明
金融商品の時価には、市場価格に基づく価額のほか、市場価格がない場合には合理的に算定された価額が含まれております。当該価額の算定においては一定の前提条件等を採用しているため、異なる前提条件等によった場合、当該価額が異なることもあります。
2.金融商品の時価等及び時価のレベルごとの内訳等に関する事項
連結貸借対照表計上額、時価及びこれらの差額、レベルごとの時価は、次のとおりであります。 なお、「時価の算定に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第31号 2019年7月4日。以下、「時価算定適用指針」という。)第26項に従い経過措置を適用した投資信託、市場価格のない株式等及び、時価算定適用指針第27項に従い経過措置を適用した組合出資金等は、次表には含めておりません((1)*1、(注3)参照)。 金融商品の時価は、時価の算定に用いたインプットの観察可能性及び重要性に応じて、以下の3つのレベルに分類しております。 レベル1の時価:同一の資産又は負債の活発な市場における(無調整の)相場価格により算定した時価 レベル2の時価:レベル1のインプット以外の直接又は間接的に観察可能なインプットを用いて算定した時価 レベル3の時価:重要な観察できないインプットを使用して算定した時価 時価の算定に重要な影響を与えるインプットを複数使用している場合には、それらのインプットがそれぞれ属するレベルのうち、時価の算定における優先順位が最も低いレベルに時価を分類しております。
(1) 時価をもって連結貸借対照表計上額とする金融資産及び金融負債
前連結会計年度(2021年3月31日)
(単位:百万円)
区分 | 連結貸借対照表計上額 |
買入金銭債権 | 115,222 |
特定取引資産 | |
売買目的有価証券 | 44,521 |
金銭の信託 | 1,816 |
有価証券 | |
その他有価証券 | 5,345,645 |
資産計 | 5,507,206 |
デリバティブ取引(*2)(*3)(*4) | |
金利関連取引 | △53,835 |
通貨関連取引 | 78,672 |
株式関連取引 | △412 |
債券関連取引 | △359 |
クレジット・デリバティブ取引 | △469 |
デリバティブ取引計 | 23,594 |
(*1)時価算定適用指針第26項に従い、経過措置を適用した投資信託は上記に含めておりません。連結貸借対照表における当該投資信託の金額は金融資産981,733百万円となります。
(*2)特定取引資産・負債及びその他資産・負債に計上しているデリバティブ取引を一括して表示しております。デリバティブ取引によって生じた正味の債権・債務は純額で表示しており、合計で正味の債務となる項目については、△で表示しております。
(*3)デリバティブ取引のうち、ヘッジ会計を適用している取引の連結貸借対照表計上額は△126,664百万円となります。
(*4)ヘッジ対象である貸出金等のキャッシュ・フローの固定化のためにヘッジ手段として指定した金利スワップ等であり、主に繰延ヘッジを適用しております。なお、これらのヘッジ関係に、「LIBORを参照する金融商品に関するヘッジ会計の取扱い」(実務対応報告第40号 2022年3月17日)を適用しております。
当連結会計年度(2022年3月31日)
(単位:百万円)
区分 | 連結貸借対照表計上額 | |||
レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 | |
買入金銭債権 | ― | 128,794 | ― | 128,794 |
特定取引資産 | ||||
売買目的有価証券 | 4,908 | 7,909 | ― | 12,817 |
金銭の信託 | 1,295 | 196 | ― | 1,492 |
有価証券 | ||||
その他有価証券 | 4,493,704 | 1,789,540 | 2,130 | 6,285,375 |
株式 | 1,209,310 | ― | ― | 1,209,310 |
債券 | 2,722,035 | 747,409 | 2,130 | 3,471,575 |
国債 | 2,722,035 | ― | ― | 2,722,035 |
地方債 | ― | 33,919 | ― | 33,919 |
短期社債 | ― | ― | ― | ― |
社債 | ― | 713,489 | 2,130 | 715,620 |
その他 | 562,358 | 1,042,130 | ― | 1,604,489 |
外国株式 | 4,793 | ― | ― | 4,793 |
外国債券 | 556,467 | 1,042,130 | ― | 1,598,598 |
その他 | 1,097 | ― | ― | 1,097 |
資産計 | 4,499,908 | 1,926,441 | 2,130 | 6,428,479 |
デリバティブ取引(*2)(*3)(*4) | ||||
金利関連取引 | 828 | △83,990 | 1,173 | △81,988 |
通貨関連取引 | ― | 55,268 | ― | 55,268 |
株式関連取引 | △2,695 | ― | ― | △2,695 |
債券関連取引 | 6,256 | 47 | ― | 6,303 |
クレジット・デリバティブ取引 | ― | △2,319 | ― | △2,319 |
デリバティブ取引計 | 4,389 | △30,994 | 1,173 | △25,431 |
(*1)時価算定適用指針第26項に従い、経過措置を適用した投資信託は上記に含めておりません。連結貸借対照表における当該投資信託の金額は金融資産902,171百万円となります。
(*2)特定取引資産・負債及びその他資産・負債に計上しているデリバティブ取引を一括して表示しております。デリバティブ取引によって生じた正味の債権・債務は純額で表示しており、合計で正味の債務となる項目については、△で表示しております。
(*3)デリバティブ取引のうち、ヘッジ会計を適用している取引の連結貸借対照表計上額は△174,794百万円となります。
(*4)ヘッジ対象である貸出金等のキャッシュ・フローの固定化のためにヘッジ手段として指定した金利スワップ等であり、主に繰延ヘッジを適用しております。なお、これらのヘッジ関係に、「LIBORを参照する金融商品に関するヘッジ会計の取扱い」(実務対応報告第40号 2022年3月17日)を適用しております。
(2) 時価をもって連結貸借対照表計上額としない金融資産及び金融負債
現金預け金、コールローン及び買入手形、買現先勘定及び債券貸借取引支払保証金、外国為替、コールマネー及び売渡手形、売現先勘定、短期社債、信託勘定借は、短期間(1年以内)で決済されるものが大半を占めており、時価が帳簿価額に近似することから、注記を省略しております。
前連結会計年度(2021年3月31日)
(単位:百万円)
区分 | 連結貸借対照表計上額 | 時価 | 差額 |
買入金銭債権(*) | 776,439 | 777,239 | 800 |
有価証券 | |||
満期保有目的の債券 | 275,820 | 292,071 | 16,250 |
貸出金 | 30,506,968 | ||
貸倒引当金(*) | △115,198 | ||
30,391,769 | 30,702,437 | 310,668 | |
リース債権及び リース投資資産(*) | 689,262 | 699,669 | 10,406 |
資産計 | 32,133,292 | 32,471,417 | 338,125 |
預金 | 33,467,678 | 33,486,483 | 18,804 |
譲渡性預金 | 7,160,594 | 7,160,594 | ― |
借用金 | 5,782,602 | 5,782,030 | △571 |
社債 | 1,545,605 | 1,564,144 | 18,538 |
負債計 | 47,956,481 | 47,993,252 | 36,771 |
(*)貸出金に対応する一般貸倒引当金及び個別貸倒引当金を控除しております。なお、買入金銭債権並びにリース債権及びリース投資資産に対する貸倒引当金につきましては、重要性が乏しいため、連結貸借対照表計上額から直接減額しております。
当連結会計年度(2022年3月31日)
(単位:百万円)
区分 | 時価 | 連結貸借対照表計上額 | 差額 | |||
レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 | |||
買入金銭債権(*) | ― | 46,091 | 679,295 | 725,386 | 724,950 | 436 |
有価証券 | ||||||
満期保有目的の債券 | 130,800 | 74,210 | ― | 205,011 | 191,999 | 13,012 |
国債 | 130,800 | ― | ― | 130,800 | 117,652 | 13,148 |
地方債 | ― | ― | ― | ― | ― | ― |
短期社債 | ― | ― | ― | ― | ― | ― |
社債 | ― | 14,674 | ― | 14,674 | 14,400 | 274 |
その他 | ― | 59,536 | ― | 59,536 | 59,947 | △410 |
外国債券 | ― | 59,536 | ― | 59,536 | 59,947 | △410 |
その他 | ― | ― | ― | ― | ― | ― |
貸出金 | 30,876,507 | |||||
貸倒引当金(*) | △147,884 | |||||
― | ― | 30,940,603 | 30,940,603 | 30,728,623 | 211,980 | |
リース債権及び リース投資資産(*) | ― | ― | 696,544 | 696,544 | 681,554 | 14,990 |
資産計 | 130,800 | 120,302 | 32,316,443 | 32,567,547 | 32,327,128 | 240,419 |
預金 | ― | 33,245,281 | ― | 33,245,281 | 33,230,162 | 15,119 |
譲渡性預金 | ― | 6,587,944 | ― | 6,587,944 | 6,587,944 | ― |
借用金 | ― | 7,125,970 | ― | 7,125,970 | 7,153,498 | △27,527 |
社債 | ― | 2,050,985 | ― | 2,050,985 | 2,076,604 | △25,619 |
負債計 | ― | 49,010,181 | ― | 49,010,181 | 49,048,209 | △38,027 |
(*)貸出金に対応する一般貸倒引当金及び個別貸倒引当金を控除しております。なお、買入金銭債権並びにリース債権及びリース投資資産に対する貸倒引当金につきましては、重要性が乏しいため、連結貸借対照表計上額から直接減額しております。
(注1)時価の算定に用いた評価技法及びインプットの説明
買入金銭債権
買入金銭債権のうち、証券化商品については、市場価格に準ずるものとして合理的に算定された価額(取引金融機関又はブローカーから入手する価格等)等によっており、入手した価格の構成要素として、重要な観察できないインプットを用いている場合にはレベル3、そうでない場合にはレベル2の時価に分類しております。上記以外のものについては原則として「貸出金」と同様の方法等により算定した価額をもって時価としており、主にレベル3の時価に分類しております。
特定取引資産
特定取引目的で保有している債券等の有価証券のうち、業界団体の公表する価格又は取引金融機関から提示された価格を時価としている場合は、市場の活発性に基づきレベル1又はレベル2の時価に分類しております。また、観察可能なインプットを用いて将来のキャッシュ・フローを割り引いて現在価値を算定し、当該価格を時価としている場合はレベル2の時価に分類しております。
金銭の信託
有価証券運用を主目的とする単独運用の金銭の信託において信託財産として運用されている有価証券については、取引所の価格又はブローカーから提示された価格を時価としており、構成物のレベルに基づき、レベル1又はレベル2の時価に分類しております。
なお、保有目的ごとの金銭の信託に関する注記事項については、「(金銭の信託関係)」に記載しております。
有価証券
上場株式については、取引所の価格を時価としており、市場の活発性に基づき、主にレベル1の時価に分類しております。 債券については、取引所取引や店頭取引等で公表された相場価格を時価としており、活発な市場で取引されている場合にはレベル1の時価に分類しております。市場価格を用いていたとしても市場が活発でない場合にはレベル2の時価に分類しております。プライシング・サービスやブローカーなどの第三者が提示する価格を時価としており、入手した価格の構成要素として、重要な観察できないインプットを用いている場合にはレベル3、そうでない場合にはレベル2の時価に分類しております。一部の債券については、内部格付、期間に基づく区分ごとに、元利金等の合計額を信用リスク等のリスク要因を織込んだ割引率で割り引いて時価を算定しており、当該割引率が重要な観察できないインプットとなる場合はレベル3の時価に、それ以外はレベル2の時価に分類しております。
貸出金
貸出金については、貸出条件、内部格付及び期間等に基づく区分ごとに、元利金の合計額を信用リスク等のリスク要因を織込んだ割引率で割り引いて時価を算定しておりますが、貸出金の特性や、実行後の貸出先の信用状態から時価が帳簿価額と近似していると認められる変動金利貸出については、当該帳簿価額を時価としております。また、このうち破綻先、実質破綻先及び破綻懸念先に対する債権等については、見積将来キャッシュ・フローの現在価値又は担保及び保証による回収見込額等に基づいて貸倒見積高を算定しているため、時価は連結決算日における連結貸借対照表上の債権等計上額から貸倒引当金計上額を控除した金額に近似しており、当該価額を時価としております。なお、貸出金のうち、当該貸出を担保資産の範囲内に限る等の特性により、返済期限を設けていないものについては、返済見込み期間及び金利条件等から、時価は帳簿価額と近似しているものと想定されるため、当該帳簿価額を時価としております。これらについては、レベル3の時価に分類しております。
リース債権及びリース投資資産
リース債権及びリース投資資産については、債権の種類、内部格付及び期間等に基づく区分ごとに、元利金の合計額を信用リスク等のリスク要因を織り込んだ割引率で割り引いて時価を算定しております。これらについては、レベル3の時価に分類しております。
預金及び譲渡性預金
要求払預金については、連結決算日に要求された場合の支払額(帳簿価額)を時価とみなしております。定期預金のうち、固定金利によるものについては、商品ごとに区分し、将来のキャッシュ・フローを割り引いて現在価値を算定し、当該価格を時価としております。その割引率は、新規に同種の預金を受け入れる際に使用する利率を用いております。変動金利によるもの及び預入期間が短期(1年以内)のものについては、時価は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額を時価としております。これらについては、レベル2の時価に分類しております。
借用金
借用金のうち、変動金利によるものについては、短期間で市場金利を反映し、また、信用状態は実行後大きく異なっていないことから、時価は帳簿価額と近似しているとみなし、当該帳簿価額を時価としております。固定金利によるものについては、将来のキャッシュ・フローを同様の借り入れにおいて想定される利率で割り引いて現在価値を算定し、当該価格を時価としております。なお、残存期間が短期間(1年以内)のものは、時価は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額を時価としております。これらについては、レベル2の時価に分類しております。
社債
当社並びに連結子会社の発行する社債のうち、市場価格のあるものについては、当該価格を時価としております。上記以外のものについては、将来キャッシュ・フローを同様の社債を発行した場合に想定される利率で割り引いて現在価値を算定し、当該価格を時価としております。これらについては、レベル2の時価に分類しております。
デリバティブ取引
取引所取引(金利、債券、通貨及び株式を含む。)は、取引所における清算価格が直近の取引価格を反映していることから、取引所が公表する清算価格を用いて評価され、活発な市場における無調整の相場価格を利用できるため、レベル1の時価に分類しております。 主契約から分離して会計処理される組込デリバティブを含む店頭取引(取引所取引以外のデリバティブ)は、原則として観察可能な金利、為替レート等をインプットとして、見積将来キャッシュ・フローの現在価値やオプション価格算定モデル等の評価技法を用いて評価しております。また、取引相手の信用リスク及び当社の信用リスクに基づく価格調整を行っております。一部の取引の評価モデルでは、過去の相関係数など、市場で観察できないインプットを用いております。観察可能なインプットを用いている場合又は観察できないインプットが重要でない場合はレベル2の時価に、重要な観察できないインプットを用いている場合はレベル3の時価に分類しております。
(注2)時価をもって連結貸借対照表計上額とする金融資産及び金融負債のうちレベル3の時価に関する情報
(1) 重要な観察できないインプットに関する定量的情報
当連結会計年度(2022年3月31日)
区分 | 評価技法 | 重要な観察できない インプット | インプットの範囲 | ||
有価証券 | |||||
社債 | 割引現在価値法 | 割引率 | 1.2% | ||
デリバティブ取引 | |||||
金利関連取引 | オプション評価モデル | 金利為替間相関係数 | △47.4% ― △9.3% | ||
金利間相関係数 | 10.3% |
(2) 期首残高から期末残高への調整表、当期の損益に認識した評価損益
当連結会計年度(2022年3月31日)
(単位:百万円)
区分 | 期首残高 | 損益に 計上した額 | その他の 包括利益に計上した額 | 購入・発行・売却・決済の純額 | レベル3の時価への振替額 | レベル3の時価からの振替額 | 期末残高 | 当期の損益に計上した額のうち連結貸借対照表日において保有する金融資産及び金融負債の評価損益 |
(*1) | (*2) | (*3) | (*3) | (*1) | ||||
有価証券 | 813 | ― | △12 | △52 | 1,381 | ― | 2,130 | ― |
デリバティブ取引(金利関連取引)(*4) | △273 | 1,449 | ― | △1 | ― | ― | 1,173 | 1,249 |
(*1)連結損益計算書の「特定取引収益」に含まれております。
(*2)連結包括利益計算書の「その他の包括利益」の「その他有価証券評価差額金」に含まれております。
(*3)レベル3の時価への振替額及びレベル3の時価からの振替額は、インプットの観察可能性の変化に関連しております。当該振替は会計期間の末日に行っております。
(*4)特定取引資産・負債及びその他資産・負債に計上しているデリバティブ取引を一括して表示しております。デリバティブ取引によって生じた正味の債権・債務は純額で表示しており、合計で正味の債務となる項目については、△で表示しております。
(3) 時価の評価プロセスの説明
当グループはミドル部門にて時価の算定に関する方針、手続及び、時価評価モデルの使用に係る手続を定め、当該方針及び手続きに沿ってフロント及びミドル部門が協働で時価評価モデルを策定しております。また、ミドル部門等は時価の算定に用いられた評価技法、インプットの妥当性及びレベル分類の適切性を検証しております。 時価の算定に当たっては、個々の資産の性質、特性及びリスクを最も適切に反映できる評価モデルを用いております。また、第三者から入手した相場価格を利用する場合においても、利用されている評価技法及びインプットの確認や類似の金融商品の時価との比較等の適切な方法により価格の妥当性を検証しております。
(4) 重要な観察できないインプットを変化させた場合の時価に対する影響に関する説明
割引率
割引率は金融資産ごとに決定しており、リスクフリーレートに信用リスク等のリスク要因を加味した率で算定しております。一般的に、割引率の大幅な上昇(低下)は、時価の著しい下落(上昇)を生じさせます。
相関係数
相関係数は、金利、為替レート等の変数間の変動の関係性を示す指標であります。これらの相関関係は、複雑なデリバティブの評価手法に用いられ、過去のデータに基づいて推計されております。一般的に、相関係数の大幅な変動は、金融商品の性質や契約条件に応じて、時価の著しい上昇又は下落を生じさせます。
(注3)市場価格のない株式等及び組合出資金等の連結貸借対照表計上額は次のとおりであり、金融商品の時価等及び時価のレベルごとの内訳等に関する事項で開示している計表中の「有価証券」には含まれておりません。
(単位:百万円)
区分 | 前連結会計年度 (2021年3月31日) | 当連結会計期間 (2022年3月31日) |
市場価格のない株式等(*1)(*3) | 76,368 | 92,009 |
組合出資金等(*2) | 123,514 | 174,836 |
(*1)市場価格のない株式等には非上場株式等が含まれ、「金融商品の時価等の開示に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第19号 2020年3月31日)第5項に従い、時価開示の対象とはしておりません。
(*2)組合出資金等は、主に、匿名組合、投資事業組合等であります。これらは時価算定適用指針第27項に従い、時価開示の対象とはしておりません。
(*3)前連結会計年度において、非上場株式等について520百万円減損処理を行っております。当連結会計年度において、非上場株式等について235百万円減損処理を行っております。
(注4)金銭債権及び満期のある有価証券の連結決算日後の償還予定額
前連結会計年度(2021年3月31日)
(単位:百万円)
1年以内 | 1年超 3年以内 | 3年超 5年以内 | 5年超 7年以内 | 7年超 10年以内 | 10年超 | |
預け金 | 18,414,782 | 650 | ― | ― | ― | ― |
コールローン及び買入手形 | 8,766 | ― | ― | ― | ― | ― |
買現先勘定 | 160,268 | ― | ― | ― | ― | ― |
債券貸借取引支払保証金 | 727,689 | ― | ― | ― | ― | ― |
買入金銭債権(*1) | 717,328 | 68,538 | 15,193 | 3,921 | 1,867 | 84,853 |
金銭の信託 | 10,857 | 1,265 | 100 | ― | ― | ― |
有価証券 | 1,396,910 | 951,185 | 1,004,417 | 548,405 | 298,412 | 848,078 |
満期保有目的の債券 | ― | ― | 5,051 | 20,000 | 60,000 | 187,738 |
うち国債 | ― | ― | ― | 20,000 | 60,000 | 35,000 |
社債 | ― | ― | ― | ― | ― | 23,400 |
その他有価証券のうち 満期があるもの | 1,396,910 | 951,185 | 999,365 | 528,405 | 238,412 | 660,339 |
うち国債 | 927,273 | 200,000 | 380,000 | ― | ― | 135,000 |
地方債 | ― | 1,675 | 8,008 | 3,496 | 10,521 | ― |
社債 | 31,639 | 218,289 | 218,724 | 110,577 | 30,485 | 64,084 |
貸出金(*2) | 4,636,130 | 5,814,658 | 4,667,574 | 2,613,581 | 2,485,048 | 7,811,836 |
リース債権及び リース投資資産(*3) | 163,457 | 243,838 | 154,218 | 54,721 | 47,522 | 11,172 |
合 計 | 26,236,192 | 7,080,137 | 5,841,505 | 3,220,628 | 2,832,850 | 8,755,940 |
(*1)買入金銭債権のうち、破綻先、実質破綻先及び破綻懸念先に対する債権等、償還予定額が見込めないもの58百万円は含めておりません。
(*2)貸出金のうち、破綻先、実質破綻先及び破綻懸念先に対する債権等、償還予定額が見込めないもの76,509百万円、期間の定めのないもの2,401,629百万円は含めておりません。
(*3)リース債権及びリース投資資産のうち、破綻先、実質破綻先及び破綻懸念先に対する債権等、償還予定額が見込めないもの549百万円、残価保証額及び見積残存価額19,691百万円は含めておりません。
当連結会計年度(2022年3月31日)
(単位:百万円)
1年以内 | 1年超 3年以内 | 3年超 5年以内 | 5年超 7年以内 | 7年超 10年以内 | 10年超 | |
預け金 | 18,147,555 | ― | ― | ― | ― | ― |
コールローン及び買入手形 | 5,000 | ― | ― | ― | ― | ― |
買現先勘定 | 150,741 | ― | ― | ― | ― | ― |
債券貸借取引支払保証金 | 652,534 | ― | ― | ― | ― | ― |
買入金銭債権(*1) | 708,547 | 29,605 | 6,268 | 1,668 | 1,439 | 106,099 |
金銭の信託 | 14,913 | 1,395 | ― | ― | ― | ― |
有価証券 | 2,456,879 | 1,088,304 | 908,426 | 355,941 | 409,427 | 796,275 |
満期保有目的の債券 | ― | 60 | 5,488 | 40,000 | 67,342 | 76,516 |
うち国債 | ― | 60 | ― | 40,000 | 60,000 | 15,000 |
社債 | ― | ― | ― | ― | ― | 14,400 |
その他有価証券のうち 満期があるもの | 2,456,879 | 1,088,244 | 902,938 | 315,941 | 342,084 | 719,759 |
うち国債 | 1,724,226 | 326,810 | 470,000 | ― | ― | 215,000 |
地方債 | 1,200 | 4,546 | 10,630 | 1,136 | 16,619 | ― |
社債 | 82,432 | 169,628 | 266,125 | 101,575 | 50,954 | 43,485 |
貸出金(*2) | 4,668,279 | 6,302,563 | 4,367,845 | 2,571,144 | 2,374,408 | 8,087,545 |
リース債権及び リース投資資産(*3) | 166,497 | 243,502 | 146,501 | 53,097 | 45,085 | 10,713 |
合 計 | 26,970,949 | 7,665,372 | 5,429,041 | 2,981,851 | 2,830,361 | 9,000,635 |
(*1)買入金銭債権のうち、破綻先、実質破綻先及び破綻懸念先に対する債権等、償還予定額が見込めないもの24百万円は含めておりません。
(*2)貸出金のうち、破綻先、実質破綻先及び破綻懸念先に対する債権等、償還予定額が見込めないもの142,058百万円、期間の定めのないもの2,362,662百万円は含めておりません。
(*3)リース債権及びリース投資資産のうち、破綻先、実質破綻先及び破綻懸念先に対する債権等、償還予定額が見込めないもの678百万円、残価保証額及び見積残存価額22,065百万円は含めておりません。
(注5)社債、借用金及びその他の有利子負債の連結決算日後の返済予定額
前連結会計年度(2021年3月31日)
(単位:百万円)
1年以内 | 1年超 3年以内 | 3年超 5年以内 | 5年超 7年以内 | 7年超 10年以内 | 10年超 | |
預金(*1) | 25,270,516 | 5,400,861 | 2,795,112 | 921 | 266 | ― |
譲渡性預金 | 7,045,594 | 115,000 | ― | ― | ― | ― |
コールマネー及び売渡手形 | 60,675 | ― | ― | ― | ― | ― |
売現先勘定 | 1,628,440 | ― | ― | ― | ― | ― |
借用金 | 1,669,700 | 1,013,609 | 2,455,241 | 182,169 | 77,652 | 384,228 |
短期社債 | 2,545,546 | ― | ― | ― | ― | ― |
社債(*2) | 50,000 | 479,612 | 297,150 | 293,000 | 140,000 | ― |
信託勘定借 | 4,915,208 | ― | ― | ― | ― | ― |
合 計 | 43,185,683 | 7,009,083 | 5,547,504 | 476,091 | 217,918 | 384,228 |
(*1)預金のうち、要求払預金については、「1年以内」に含めて開示しております。なお、預金には、当座預金を含めて開示しております。
(*2)社債のうち、償還期限の定めのない永久劣後社債286,100百万円は含めておりません。
当連結会計年度(2022年3月31日)
(単位:百万円)
1年以内 | 1年超 3年以内 | 3年超 5年以内 | 5年超 7年以内 | 7年超 10年以内 | 10年超 | |
預金(*1) | 25,352,703 | 5,699,782 | 2,175,496 | 2,128 | 50 | ― |
譲渡性預金 | 6,532,944 | 55,000 | ― | ― | ― | ― |
コールマネー及び売渡手形 | 799,524 | ― | ― | ― | ― | ― |
売現先勘定 | 1,485,033 | ― | ― | ― | ― | ― |
借用金 | 1,872,544 | 3,301,699 | 1,238,578 | 282,356 | 80,253 | 378,065 |
短期社債 | 2,388,495 | ― | ― | ― | ― | ― |
社債(*2) | 70,000 | 757,495 | 613,355 | 250,000 | 100,000 | ― |
信託勘定借 | 4,298,827 | ― | ― | ― | ― | ― |
合 計 | 42,800,073 | 9,813,976 | 4,027,430 | 534,484 | 180,304 | 378,065 |
(*1)預金のうち、要求払預金については、「1年以内」に含めて開示しております。なお、預金には、当座預金を含めて開示しております。
(*2)社債のうち、償還期限の定めのない永久劣後社債286,100百万円は含めておりません。