有価証券報告書-第170期(2025/04/01-2026/03/31)
(3)戦略
①気候変動問題への対応
当行グループは、自社で排出するGHG排出量を2030年度までにネットゼロ、ならびに投融資ポートフォリオGHG排出量を2050年度までにネットゼロの実現を目指しております。銀行は融資先企業の排出量が多いことから、お客さまのトランジションファイナンスを提供していくこと、次世代技術の確立に向けたイノベーションを支援していくことが重要と認識しております。気候変動におけるリスクと機会は以下の通り整理しております。
A.リスク
当行では、短期、中期、長期の時間軸で気候変動に伴うリスクとして移行リスクと物理的リスクを以下の通り認識しております。引き続きTCFD提言が推奨するシナリオを活用した分析を実施し、各リスクの定量的な評価を進めてまいります。
B.機会
脱炭素社会への移行過程において生じる、設備資金ニーズや、お客さまのステージに応じた最適な脱炭素コンサルへの需要を、当行グループの持続的な成長を牽引する重要な事業機会と捉えております。
特に、国内随一のGX導入ポテンシャルを有する北海道において、洋上風力発電や水素・アンモニア等の次世代エネルギー関連プロジェクトへの参画を強化し、これらを起点とした地場企業のサプライチェーン参入支援や新たな資金需要の取り込みに注力してまいります。
C.移行計画
当行グループは、上述のリスク認識および機会の最大化を実効性あるものとするため、2050年度のカーボンニュートラル達成に向けた具体的なアクションプランである「移行計画」を策定いたしました。金融・非金融両面からソリューション提供を通じて取引先のGXを後押しし、当行のScope3排出量削減および、持続可能な地域社会の実現に向けた地域金融機関としての役割を果たしていきます。
※移行計画の詳細は、当行ウェブサイトをご参照ください。
(https://www.hokuyobank.co.jp/about/csr/transition-plan.html)

D.シナリオ分析
TCFD提言では、気候変動のリスクに対する戦略のレジリエンスを示すために複数のシナリオに基づいた分析の実施を推奨しており、当行では移行リスクと物理的リスクについてシナリオ分析を実施しています。シナリオ分析結果、信用コスト増加分は、当行の利益水準や自己資本比率に照らして限定的であり、現行の戦略下で十分な財務レジリエンスを確保していると判断しております。
(注)1.気候変動リスク等に係る金融当局ネットワーク
2.気候変動に関する政府間パネル
②生物多様性増進への対応
自然資本に対する投融資先の依存度・影響度の分析を進めていくにあたり、ENCOREを使用してTNFD優先セクターの「依存」「インパクト」について分析を行い、ヒートマップを作成しました。
「依存」については、多くのセクターで「水」が高い結果となり、その中でも特に「食品・飲料」と「医薬品・バイオテクノロジー・ライフサイエンス」の依存度が高いセクターと分析されました。また、「インパクト」は多くのセクターにおいて「攪乱(騒音・光等)」「GHGの排出」「有害な土壌および水質汚染物質の排出」が高い結果となり、その中でも特に「エネルギー」「素材」「ユーティリティー、商業・専門サービス」のインパクトが大きいセクターと分析されました。
「依存」
「インパクト」
当行が拠点とする北海道は、多様な農畜産物・水産資源・森林資源に支えられた、我が国有数の自然資本の集積地です。肥沃な土壌、良好な水資源、寒冷な気候条件などの自然環境は、高品質な農水産物を安定的に供給するうえで不可欠な基盤であると認識しています。
「食品・飲料」セクターは、自然資本への依存度が高くインパクトも比較的大きいセクターであり、当行にとって優先的に評価・対応すべき重要セクターであると位置付けています。また、当行は気候変動に関する移行計画において、「食セクター」を重点分野と定義しており、気候変動および自然関連リスクの低減と、お取引先へのソリューションやエンゲージメントを通じて、新たなビジネス機会の創出を図っていきます。
「食品・飲料」セクターにおけるリスクと機会については以下の通り整理しています。
A.リスク
当行では、自然資本の損失に関するリスクとして移行リスクと物理的リスクを以下の通り認識しております。引き続きTNFD提言に沿った各リスクの定量的な分析を進めてまいります。
B.機会
「食品・飲料」セクターは水や環境規制等の影響が大きいセクターであり、ビジネスモデルの変革や環境規制への対応強化、環境負荷軽減につながる設備導入等の多様なニーズが見込まれます。ファイナンスに加えて、自然共生サイト(※)への登録支援や基金を活用した自然環境の整備等、金融・非金融の両面から、北海道のネイチャーポジティブに貢献してまいります。
※民間の取組等によって生物多様性の保全が図られている区域を環境省が認定する制度。
③金融経済教育への取組み
人口減少・少子高齢化や物価高騰等により家計を取り巻く環境の不確実性、金融トラブルの増加を踏まえ、これらを将来の生活設計や資産形成に関するリスクと認識しています。
北海道の全ての世代に対する金融経済教育を充実させていくことで、北海道民の金融リテラシー醸成に繋げ、地域社会の持続的発展に貢献してまいります。
④人権尊重への取組み
A.人権尊重の考え方
当行グループは、人権尊重を企業が果たすべき重要な社会的責任であると認識しております。国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」および日本政府の「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」などに沿い、人権尊重の取組みを推進しています。
2025年10月には人権デューデリジェンスの実施プロセスを明確化するため、グループ人権方針を改定しました。本方針のもと事業活動を通じて生じ得る人権への負の影響を特定・防止・軽減することで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
B.重要な人権リスクの特定・評価
法務省「ビジネスと人権への対応」で整理された26の主要な人権リスクを参考にステークホルダー(役職員、取引先)毎に、人権への負の影響を洗い出し、「深刻度」と「発生可能性」から、優先的に取り組む事項を特定しています。
2025年度は、優先的に取り組む事項を従業員に対しては各種ハラスメントへの対応、取引先に対しては労働環境に関する人権問題等としています。定期的な見直しを行いながら、人権への負の影響の防止・軽減に取り組んでまいります。
グループ人権方針の詳細は、当行ウェブサイトをご参照ください。
(https://www.hokuyobank.co.jp/about/csr/human-rights-efforts.html)
⑤人的資本への取組み
人的資本は、「(6)人的資本」をご参照ください。
①気候変動問題への対応
当行グループは、自社で排出するGHG排出量を2030年度までにネットゼロ、ならびに投融資ポートフォリオGHG排出量を2050年度までにネットゼロの実現を目指しております。銀行は融資先企業の排出量が多いことから、お客さまのトランジションファイナンスを提供していくこと、次世代技術の確立に向けたイノベーションを支援していくことが重要と認識しております。気候変動におけるリスクと機会は以下の通り整理しております。
A.リスク
当行では、短期、中期、長期の時間軸で気候変動に伴うリスクとして移行リスクと物理的リスクを以下の通り認識しております。引き続きTCFD提言が推奨するシナリオを活用した分析を実施し、各リスクの定量的な評価を進めてまいります。
| 移行 リスク | 脱炭素社会への移行に伴い、お客さまの事業が影響を受け当行の与信関係費用が増加するなどのリスクを想定 | 時間軸 | |
| 法規制リスク | 炭素税等、CO₂排出に関する規制強化等 | 中期~長期 | |
| 技術リスク | 既存製品の低炭素技術への入替に係る投資の失敗等 | 中期~長期 | |
| 市場リスク | 消費者行動の変化、原材料コストの上昇等 | 中期~長期 | |
| 評判リスク | 特定セクターへの非難等 | 短期 | |
| 物理的 リスク | 異常気象により、当行の事業用資産が被災し事業継続が困難となるリスクや、お客さまの業績悪化や事業用資産毀損による当行の与信関係費用が増加するなどのリスクを想定 | 時間軸 | |
| 急性リスク | 洪水等の増加、異常気象の深刻化 | 中期~長期 | |
| 慢性リスク | 平均気温の上昇、海面上昇 | 長期 | |
B.機会
脱炭素社会への移行過程において生じる、設備資金ニーズや、お客さまのステージに応じた最適な脱炭素コンサルへの需要を、当行グループの持続的な成長を牽引する重要な事業機会と捉えております。
特に、国内随一のGX導入ポテンシャルを有する北海道において、洋上風力発電や水素・アンモニア等の次世代エネルギー関連プロジェクトへの参画を強化し、これらを起点とした地場企業のサプライチェーン参入支援や新たな資金需要の取り込みに注力してまいります。
| 事業機会 | 主なソリューション | 時間軸 |
| 脱炭素に向けた設備投資の増加に伴う 投融資機会の拡大 | お客さまの脱炭素経営を支援するサステナブルファイナンスの提供 | 短期~中期 |
| 再生可能エネルギー発電施設の増加に伴う投融資機会の拡大 | 再生可能エネルギー関連のプロジェクトファイナンスの投融資 | 短期~長期 |
| 脱炭素に関するコンサルティング支援 ニーズの拡大 | GHG排出量可視化ツールの導入支援およびその後の脱炭素コンサルティング支援 | 短期~中期 |
| 環境に配慮した運用商品に対する ニーズの拡大 | サステナブル預金等の運用商品の提供 | 短期~中期 |
C.移行計画
当行グループは、上述のリスク認識および機会の最大化を実効性あるものとするため、2050年度のカーボンニュートラル達成に向けた具体的なアクションプランである「移行計画」を策定いたしました。金融・非金融両面からソリューション提供を通じて取引先のGXを後押しし、当行のScope3排出量削減および、持続可能な地域社会の実現に向けた地域金融機関としての役割を果たしていきます。
※移行計画の詳細は、当行ウェブサイトをご参照ください。
(https://www.hokuyobank.co.jp/about/csr/transition-plan.html)

D.シナリオ分析TCFD提言では、気候変動のリスクに対する戦略のレジリエンスを示すために複数のシナリオに基づいた分析の実施を推奨しており、当行では移行リスクと物理的リスクについてシナリオ分析を実施しています。シナリオ分析結果、信用コスト増加分は、当行の利益水準や自己資本比率に照らして限定的であり、現行の戦略下で十分な財務レジリエンスを確保していると判断しております。
| 移行リスク | 物理的リスク | |
| リスク事象 | 脱炭素社会へ移行によるマクロ経済環境の変化を通じてお客さまの財務が悪化することに伴う当行の信用リスクへの影響 | ①洪水等の増加による当行不動産担保の毀損やお客さまの事業停滞に伴う業績悪化 ②洪水等の増加による当行営業店舗等の毀損を基因とした当行の損失発生 |
| 分析対象 | エネルギー、ユーティリティー、鉄鋼セクター | ①道内事業性貸出先 ②当行営業店舗等(ATMを含む) |
| シナリオ | NGFS(注1)の「Netzero2050」「Delayed Transition」 | IPCC(注2)第5次報告書におけるRCP2.6(2℃シナリオ)およびRCP8.5(4℃シナリオ) |
| 分析期間 | 2050年まで | 2050年まで |
| 分析結果 | 信用コストの増加額:128~196億円 | ①信用コストの増加額:最大で28億円 ②当行損失の増加額:最大で4億円 |
(注)1.気候変動リスク等に係る金融当局ネットワーク
2.気候変動に関する政府間パネル
②生物多様性増進への対応
自然資本に対する投融資先の依存度・影響度の分析を進めていくにあたり、ENCOREを使用してTNFD優先セクターの「依存」「インパクト」について分析を行い、ヒートマップを作成しました。
「依存」については、多くのセクターで「水」が高い結果となり、その中でも特に「食品・飲料」と「医薬品・バイオテクノロジー・ライフサイエンス」の依存度が高いセクターと分析されました。また、「インパクト」は多くのセクターにおいて「攪乱(騒音・光等)」「GHGの排出」「有害な土壌および水質汚染物質の排出」が高い結果となり、その中でも特に「エネルギー」「素材」「ユーティリティー、商業・専門サービス」のインパクトが大きいセクターと分析されました。
「依存」

「インパクト」
当行が拠点とする北海道は、多様な農畜産物・水産資源・森林資源に支えられた、我が国有数の自然資本の集積地です。肥沃な土壌、良好な水資源、寒冷な気候条件などの自然環境は、高品質な農水産物を安定的に供給するうえで不可欠な基盤であると認識しています。「食品・飲料」セクターは、自然資本への依存度が高くインパクトも比較的大きいセクターであり、当行にとって優先的に評価・対応すべき重要セクターであると位置付けています。また、当行は気候変動に関する移行計画において、「食セクター」を重点分野と定義しており、気候変動および自然関連リスクの低減と、お取引先へのソリューションやエンゲージメントを通じて、新たなビジネス機会の創出を図っていきます。
「食品・飲料」セクターにおけるリスクと機会については以下の通り整理しています。
A.リスク
当行では、自然資本の損失に関するリスクとして移行リスクと物理的リスクを以下の通り認識しております。引き続きTNFD提言に沿った各リスクの定量的な分析を進めてまいります。
| 移行 リスク | 分類 | 投融資先に与える主な影響の例 |
| 政策リスク | 環境規制や排出削減目標による運用・調達・資本コスト、水、廃棄物管理、包装に関する環境規制強化による運用コストの増加等 | |
| 市場リスク | 自然にポジティブな影響や依存度が低い商品やサービスへの消費者志向の変化による市場シェア・売上への影響等 | |
| 技術リスク | 自然保護や環境対応に関連する新技術導入による負担増加、サステナブルな資源や原材料の需要増加による価格高騰や供給ひっ迫等 | |
| 評判リスク | サステナビリティ基準・義務的フレームワークへの不適合による投資機会逸失、消費者・地域住民・サプライヤーとの関係悪化による販売意欲の低下、調達量制限等 | |
| 物理的 リスク | 分類 | 投融資先に与える主な影響の例 |
| 急性リスク | 自然災害(例:洪水)によるインフラ修繕への資本支出増加・生産活動の中断、施設への被害や従業員が職場に出勤できないことによる損失等 | |
| 慢性リスク | 水源の汚染や干ばつによる使用制限で生産中断・資産価値の低下・調達コスト増加、熱波や気温上昇による冷却や冷媒コスト増加、自然劣化や生態系変化に伴う供給量減少・価格上昇リスク、事業移転リスクによる対応コスト増加等 |
B.機会
「食品・飲料」セクターは水や環境規制等の影響が大きいセクターであり、ビジネスモデルの変革や環境規制への対応強化、環境負荷軽減につながる設備導入等の多様なニーズが見込まれます。ファイナンスに加えて、自然共生サイト(※)への登録支援や基金を活用した自然環境の整備等、金融・非金融の両面から、北海道のネイチャーポジティブに貢献してまいります。
※民間の取組等によって生物多様性の保全が図られている区域を環境省が認定する制度。
③金融経済教育への取組み
人口減少・少子高齢化や物価高騰等により家計を取り巻く環境の不確実性、金融トラブルの増加を踏まえ、これらを将来の生活設計や資産形成に関するリスクと認識しています。
北海道の全ての世代に対する金融経済教育を充実させていくことで、北海道民の金融リテラシー醸成に繋げ、地域社会の持続的発展に貢献してまいります。
④人権尊重への取組み
A.人権尊重の考え方
当行グループは、人権尊重を企業が果たすべき重要な社会的責任であると認識しております。国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」および日本政府の「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」などに沿い、人権尊重の取組みを推進しています。
2025年10月には人権デューデリジェンスの実施プロセスを明確化するため、グループ人権方針を改定しました。本方針のもと事業活動を通じて生じ得る人権への負の影響を特定・防止・軽減することで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
B.重要な人権リスクの特定・評価
法務省「ビジネスと人権への対応」で整理された26の主要な人権リスクを参考にステークホルダー(役職員、取引先)毎に、人権への負の影響を洗い出し、「深刻度」と「発生可能性」から、優先的に取り組む事項を特定しています。
2025年度は、優先的に取り組む事項を従業員に対しては各種ハラスメントへの対応、取引先に対しては労働環境に関する人権問題等としています。定期的な見直しを行いながら、人権への負の影響の防止・軽減に取り組んでまいります。
グループ人権方針の詳細は、当行ウェブサイトをご参照ください。
(https://www.hokuyobank.co.jp/about/csr/human-rights-efforts.html)
⑤人的資本への取組み人的資本は、「(6)人的資本」をご参照ください。