有価証券報告書-第113期(2023/04/01-2024/03/31)
② 戦略
■機会・リスク
短期(5年)、中期(10年)、長期(30年)の時間軸で、気候変動に伴う機会とリスクを以下のとおり認識しております。
当行グループは、お客さまのカーボンニュートラル実現に向けた支援と自らの環境負荷低減への取り組みを実践してまいります。
(※)「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」等の情報を参考に、気候変動の影響を受けやすいとされる業種(不動産業等)を対象とした定性的な評価に基づき、1.5℃シナリオにおける影響度を記載
■重要セクターの選定(※)
気候変動に伴う移行リスクおよび物理的リスクが当行の事業運営や財務内容等に影響を及ぼす重要なリスクであることを認識しております。
「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」等の情報を参考に、気候変動の影響を受けやすいとされる業種の潜在的な影響度と、当行の融資ポートフォリオに占める割合を踏まえた「重要セクター」を選定し、当該セクターに対する定性的な評価を実施しております。
(※)業種別貸出残高に、環境省ガイドラインで示されたセクター別評価値を積算し重要度を算出
■重要セクターにおける気候変動の影響
■シナリオ分析 移行リスクおよび物理的リスク
移行リスクについては、選定した「重要セクター」における融資先について、脱炭素社会への移行に伴う財務悪化を踏まえて、当行の信用コストの増加額を算定いたしました。2050年までの信用コストの増加額は最大45億円程度という結果となりました。
物理的リスクについては、水害を対象に、与信先からの担保物件の想定される棄損額を算定し、それに伴い増加する信用コストを算定しました。2050年までの信用コストの増加額は最大0.1億円程度という結果となりました。棄損額は2億円程度あるものの、担保余力で吸収されます。
■炭素関連資産の割合
2024年3月末時点における当行貸出金に占める炭素関連資産の割合は38.86%です。
(「エネルギー」「運輸」「素材・建築物」「農業・食料・林産物」セクター向けエクスポージャー。ただ
し、再生可能エネルギー発電事業を除く)
※ 今年度より、2021年10月のTCFD提言の改訂を踏まえ対象セクターを拡大しております。
炭素関連資産は当行財務への影響を及ぼす可能性がある一方、お客さまの脱炭素に向けた中長期的な取り組みに寄り添った対応を進め、脱炭素社会の実現に向けて貢献してまいります。
■融資ポリシー
経営理念およびサステナビリティ方針に基づき、以下のとおり融資ポリシーを定め、本業を通じて持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
■機会・リスク
短期(5年)、中期(10年)、長期(30年)の時間軸で、気候変動に伴う機会とリスクを以下のとおり認識しております。
当行グループは、お客さまのカーボンニュートラル実現に向けた支援と自らの環境負荷低減への取り組みを実践してまいります。
| 区分 | 内容 | リスク カテゴリー | 影響度 (※) | 時間軸 | |
| 機会 | お客さまの脱炭素社会への移行に伴う投資など、課題に対するファイナンスや金融サービスの提供、コンサルティング等によるビジネス機会の増加 | ― | ― | 短期~ 中期 | |
| 自然災害の激甚化に伴う、お客さまの災害に備えるための防災設備への投資や関連サービスへの投資等の資金需要の増加 | ― | ― | 中期~ 長期 | ||
| 当行の省資源・省エネルギー化による事業コストの低下 | ― | ― | 短期~ 長期 | ||
| リスク | 移行リスク | 気候変動に関する規制や税制の変更に伴うお客さまの損失 | 信用リスク | 大 | 中期~ 長期 |
| 脱炭素技術の失敗や市場の変化に伴うお客さまの損失 | 信用リスク | 大 | 中期~ 長期 | ||
| 物理的リスク | 大規模風水害の発生による融資先の事業停滞に伴う当行の損失 | 信用リスク | 中 | 短期~ 長期 | |
| 大規模風水害の発生による当行拠点の毀損 | オペレーショナルリスク レピュテーショナルリスク | 中 | 短期~ 長期 | ||
(※)「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」等の情報を参考に、気候変動の影響を受けやすいとされる業種(不動産業等)を対象とした定性的な評価に基づき、1.5℃シナリオにおける影響度を記載
■重要セクターの選定(※)
気候変動に伴う移行リスクおよび物理的リスクが当行の事業運営や財務内容等に影響を及ぼす重要なリスクであることを認識しております。
「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」等の情報を参考に、気候変動の影響を受けやすいとされる業種の潜在的な影響度と、当行の融資ポートフォリオに占める割合を踏まえた「重要セクター」を選定し、当該セクターに対する定性的な評価を実施しております。
| 業種 | 気候変動影響度 | 貸出金額 | 重要度 | 判定 |
| 不動産業 | 中 | 大 | 大 | 重要セクター |
| 電力・エネルギー | 大 | 大 | 大 | 重要セクター |
| 金属加工・金属 | 大 | 中 | 大 | 重要セクター |
| 小売業 | 中 | 大 | 中 | 非選定 |
| 建設業 | 中 | 大 | 中 | 非選定 |
(※)業種別貸出残高に、環境省ガイドラインで示されたセクター別評価値を積算し重要度を算出
■重要セクターにおける気候変動の影響
| 業種 | 移行リスク・1.5℃シナリオ | 物理的リスク・4℃シナリオ |
| 不動産業 | ・炭素税の導入、ZEB、ZEH等の建築費が増加する。 | ・台風等の気象災害の増加・甚大化に伴い、工程が遅延する。 |
| 電力・エネルギー | ・炭素税の導入に伴い燃料コストが増加する。 | ・台風等の気象災害の増加・甚大化に伴い、設備被害が増大する。 |
| 金属加工・金属 | ・環境政策および規制強化により、カーボンプライシングが導入される。再生エネルギー導入や低炭素技術、環境配慮商品開発への投資が要求されるため、調達コストが増加する。 | ・地球温暖化が進展することで、異常気象による台風や洪水等の増加・激甚化が進み、工場やサプライチェーンの維持コストが増加する。 |
■シナリオ分析 移行リスクおよび物理的リスク
移行リスクについては、選定した「重要セクター」における融資先について、脱炭素社会への移行に伴う財務悪化を踏まえて、当行の信用コストの増加額を算定いたしました。2050年までの信用コストの増加額は最大45億円程度という結果となりました。
物理的リスクについては、水害を対象に、与信先からの担保物件の想定される棄損額を算定し、それに伴い増加する信用コストを算定しました。2050年までの信用コストの増加額は最大0.1億円程度という結果となりました。棄損額は2億円程度あるものの、担保余力で吸収されます。
| 項目 | 移行リスク | 物理的リスク |
| リスクイベント | ・炭素税導入による融資先の財務悪化 ・電力セクターは電源構成・エネルギー需要を反映 | ・河川氾濫・高潮による不動産担保の棄損 |
| シナリオ | ・IEA(国際エネルギー機関)のシナリオのうち、NZE:1.5℃シナリオ | ・IPCC(国連政府間パネル)のシナリオのうち、RCP8.5:4℃シナリオ |
| 分析手法 | ・移行シナリオに基づき、対象企業の将来財務諸表への影響を推計し、信用コストの増加額を算出 | ・水害発生時の被害推定の分析を実施し、担保物件の棄損額を踏まえた信用コストの増加額を算出 |
| 分析対象 | ・「不動産」「電力・エネルギー」「金属・金属加工」セクターにおける融資先 | ・日本全国の事業性貸出先のうち不動産担保を当行が保有する先 |
| 分析期間 | 2050年まで | |
| 分析結果 | 信用コストの増加額:最大45億円 | 信用コストの増加額:最大0.1億円 (担保の棄損額:最大2億円) |
■炭素関連資産の割合
2024年3月末時点における当行貸出金に占める炭素関連資産の割合は38.86%です。
(「エネルギー」「運輸」「素材・建築物」「農業・食料・林産物」セクター向けエクスポージャー。ただ
し、再生可能エネルギー発電事業を除く)
※ 今年度より、2021年10月のTCFD提言の改訂を踏まえ対象セクターを拡大しております。
炭素関連資産は当行財務への影響を及ぼす可能性がある一方、お客さまの脱炭素に向けた中長期的な取り組みに寄り添った対応を進め、脱炭素社会の実現に向けて貢献してまいります。
■融資ポリシー
経営理念およびサステナビリティ方針に基づき、以下のとおり融資ポリシーを定め、本業を通じて持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
| 積極的に支援する事業 (ポジティブな影響) | 地域経済や地域社会の持続可能な活動と成長を促進する以下の取り組みに対し積極的に支援してまいります。 |
| ① 自然環境の保護、環境負荷の低減など環境保全に関する取り組み | |
| ② 地域活性化、地方創生など社会的な課題の解決に関する取り組み | |
| 特定事業等への支援 (ネガティブな影響) | ① 石炭火力発電事業 |
| ・新設の石炭火力発電所向けの投融資は、原則取り組みません。 | |
| ・ただし例外として取り組みを検討する場合は、国のエネルギー施策を参考に発電効率性能や環境への影響等、個別案件毎に総合的に勘案したうえで慎重に対応します。 | |
| ② 非人道兵器製造関連事業 | |
| ・クラスター弾等の非人道兵器の製造を行っている企業に対する投融資は、資金使途に関わらず取り組みません。 | |
| ③ パーム油農園開発事業 | |
| ・パーム油農園開発向けの投融資を検討する際は、持続可能なパーム油の国際認証等の取得状況や、環境に対する配慮状況、地域社会とのトラブル発生状況等に十分注意のうえ、慎重に対応します。 | |
| ④ 森林伐採事業 | |
| ・森林伐採事業向けの投融資を検討する際は、国際認証等の取得状況や環境・地域社会への配慮状況等に十分注意のうえ、慎重に対応します。 | |
| ⑤ 人権侵害・強制労働等 | |
| ・国際的な人権基準の主旨に反する児童労働や強制労働など、人権侵害が行われている事業への投融資等は取り組みません。 |