有価証券報告書-第37期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
有報資料
文中において将来について記載した事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断、予測したものであります。
1 経営方針
当社グループは、2018年4月1日より「日本とアジアをつなぐ投資会社として少子高齢化が進む社会に安心・安全で質と生産性の高い未来を創ります」を経営理念として掲げ、全てのステークホルダーへの利益還元を果たして参ります。
2 経営環境と対処すべき課題
(1)外部環境の認識
近年、当社を取り巻く日本とアジアのマクロ経済環境は、大きく変化しました。特に2000年以降は、アジア諸国で持続的な経済発展が続き、今や日本を超えるGDPを抱える巨大市場が形成されました。その結果、アジアから日本への直接投資は拡大傾向にあり、訪日観光客数に代表されるようにアジアからの人的資本の流入も急速に増加しています。
同時に、技術革新や高齢化・地球温暖化などの社会問題に伴い、世界的なパラダイムシフトも生じています。エネルギー分野では、2015年のパリ協定締結以降、地球規模で低炭素社会を目指す動きが活発です。また、AIやIoT等の技術革新は、第四次産業革命と呼ばれ産業構造に大きな変化をもたらしています。加えて、日本だけでなくアジアにおいても少子高齢化の影響が顕著に表れ始めました。
この様な中、当社は、投資会社として今後の社会に貢献できることは何か、自分たちの存在義を改めて見つめ直しました。その結果、当社は、アジアへの取り組みを通じて、日本企業のリソースをアジア諸国と共有してその発展を支援するだけでなく、アジア諸国の持つリソースを日本に呼び込み、新しい日本経済の成長の枠組みを創造することを使命と考えました。また、当社は、投資活動を通じて、少子高齢化社会の課題解決や、安心・安全でより質と生産性の高い社会を実現することで貢献していくことを決意しました。この想いを率直に表現したものが上記の経営理念です。今後は、新経営理念を通じて、全役職員が当社の将来の姿をより具体的に理解し、一丸となってさらなる成長を目指して参ります。
(2)当社の現況と課題
イ.安定収益の確保
当社の収益構造は、かねてより、収益の大半がベンチャー投資のキャピタルゲインに依存しており、不安定な状態にありました。当社は、これを改善すべく、安定収益である管理報酬を増額する目的で、大型ファンドの設立を目指してきました。加えて、売電収益を源泉とする安定収益を拡大する目的で、プロジェクト投資事業を開始し、再生可能エネルギープロジェクトへの投資も進めてまいりました。
しかしながら、明確な投資戦略を打ち出せずに、現在までに大型ファンドの設立は実現できておりません。加えて、プロジェクト投資事業においても、一部のプロジェクトを売却したため資産の積上げ速度が低下し、現在残されたプロジェクトだけでは販売費及び一般管理費を賄うだけの充分な安定収益を確保することが出来ないという課題があります。
ロ.更なる財務健全性の向上
当社は、借入金の圧縮と資本増強を進めてきましたが、2018年3月末現在では、従来連結基準(注)で、借入金の残高が119億円であるのに対し、現預金と流動性の比較的高い再生可能エネルギープロジェクト等の投資資産残高の合計は109億円に留まり、両者がバランスしていません。依然として回収の不確実性が高いプライベートエクイティ投資資産の投資資金を、借入金で調達している状態にあります。
ハ.返済優先の財務対応の見直し
当社は、これまで返済優先の財務対応により収益償還力を超えた返済を継続してきているため、充分な投資資金が確保できない状況が続いています。今後の成長のためには、より積極的な投資活動を行うための投資資金を確保する必要があり、金融機関と返済額の見直しについて交渉中です。
(3)中期経営計画
当社は、今般、上記(2)「当社の現況と課題」を踏まえ、2019年3月期から2021年3月期までの3年間の中期経営計画を策定しました。その内容及びそれに基づく施策は、次のとおりです。
イ.資産の入替を促進
これらの課題を解決するために、今後は、資産の入替を進めます。具体的には、これから投資の収穫期を迎える既存のプライベートエクイティ投資資産の大半を3年間で売却し、資金と利益を獲得します。売却によって得た資金で、積極的に新たな投資を行い、その残高を積上げていきます。
プロジェクト投資においては、再生可能エネルギーに加え多様なプロジェクトに積極的に投資を行い、その投資残高を増加させます。その結果、流動性の高い資産へと入れ替えが進むとともに、将来的に、プロジェクトから発生する安定収益を確保することが出来ます。また、プライベートエクイティ投資においても、投資戦略の抜本的な見直しを行い、新たな投資資産を積上げます。
ロ.事業テーマの絞り込み
当社は、当社自身の強みを、新規ビジネスに対する情報収集力やベンチャー企業とのネットワーク、ファイナンススキーム構築力にあると認識しています。これに、社会的な要請や事業の専門性、事業パートナーの存在などを考慮した上で、注力すべき事業テーマとして、(1)再生可能エネルギー、(2)スマートアグリ(植物工場等)、(3)ヘルスケア(介護・医療)の3つを選定しました。今後先ずはこのテーマに沿って重点的に投資を行いつつ、情勢に応じた柔軟なテーマ設定を継続して参ります。
ハ.プライベートエクイティ投資
当社の自己資金を用いた投資については、投資方針を転換し、これまでの確率論に従った散発的なテーマに向けた投資を取りやめます。今後は、経営に深く関与して投資先企業のバリューアップを図ることを追求し、当社がスペシャリストとして特色ある投資ができる分野に業界や企業ステージ又は投資エリアなどを特定し、集中した投資を行います。
当社が特色を出せる分野は、経営理念に基づき当社として取り組むべき事業テーマを明確に持ち、そのテーマを軸に「企業への投資」と「プロジェクト(事業)への投資」を組み合わせる投資です。当社では、これを「戦略的投資」と名付け、今後推進していく方針です。例えば、プロジェクト投資を行う上でパートナーとなる企業に戦略的な投資を行います。投資後は、当社が事業上のパートナーとなり、事業での協業を通じて資金支援や営業支援を行います。
なお、ファンドからの投資については、従来どおり、ファンド出資者のニーズに基づきファンドの運営方針に従って行います。
ニ.プロジェクト投資
再生可能エネルギープロジェクトについては、本中期経営計画期間中に当社持分で50MW程度の投資資産の積上げを目指し、積極的に投資を行います。メガソーラープロジェクトについては、固定買取価格が32円以上の案件への投資機会がまだ充分にあると考えています。加えて、固定買取価格の低下に合わせて、パネルやパワーコンディショナー等の設備の価格も低下傾向にあります。また、両面で発電するパネルや水上発電などの技術革新をこれらの事業を手掛けるベンチャー企業と共に追い求めます。その結果、将来的には、買取価格が20円台のプロジェクトでも採算が確保できるようになると考えています。さらに、これまで培ったノウハウを活用し、バイオマスやバイオガス等、メガソーラー以外の再生可能エネルギープロジェクトや、植物工場などのスマートアグリプロジェクトにも参入します。また、ヘルスケアプロジェクトでは、高齢者向け施設への投資を拡大していきます。
3 目標とする経営指標
当社は、上記2(3)に記載した中期経営計画を通じて次のような姿を目指します。
イ.安定収益の維持
安定収益(管理報酬、プライベートエクイティ投資のインカムゲイン、プロジェクト投資のインカムゲインの合計額)を維持していきます。従来連結基準(注)において、2018年3月期は、販売費及び一般管理費の合計額が約13億円に対し安定収益は約5億円であり、販売費及び一般管理費の約38%をカバーするに留まっています。これを、今般の中期経営計画期間が終了する3年後には、安定収益を約6億円に維持し、従来連結基準(注)による販売費及び一般管理費約11億円のうち過半を賄うことを目指します。
ロ.財務体質の改善
3年間でプロジェクトへの投資を積極的に推進し、従来連結基準(注)で、プロジェクト投資資産の残高を90億円まで増加させることを目指します。その結果、3年後に予想される借入金の残高70億円は、プロジェクト投資資産の残高の範囲内に収まるようにバランスします。
ハ.拡大成長を支える充分な投資資金
中期経営計画期間の3年のうちに一段の業績の回復と財務体質の改善を進め、金融機関と交渉して当社単体の現行借入の約定弁済を圧縮する一方、プロジェクトにおける借入資金の拡大を図ります。
その結果、収益とキャッシュ・フローを安定化させ、潤沢な投資資金を基に積極的な投資を行い、更なる成長を遂げる計画です。
(注)従来連結基準
当社グループでは、2007年3月期より、「投資事業組合に対する支配力基準及び影響力基準の適用に関する実務上の取扱い」(企業会計基準委員会 2006年9月8日 実務対応報告第20号)を適用し、当社グループで運営している投資事業組合等の一部を連結の範囲に加えて連結財務諸表等を作成しております。しかしながら、投資家及び株主の皆さまに、当社グループの経営成績及び財務状況を正しくご認識いただくためには、従来からの会計基準による財務諸表等の開示も必要と考えております。
以上のことから、従来の会計基準に従って、投資事業組合については、資産、負債及び収益、費用を外部出資者の持分を含まない当社及び関係会社の出資持分に応じて計上し、また、会社型ファンドについては連結の範囲から除いた連結財務諸表等を「従来連結基準」として、決算短信等において継続的に開示しております。
1 経営方針
当社グループは、2018年4月1日より「日本とアジアをつなぐ投資会社として少子高齢化が進む社会に安心・安全で質と生産性の高い未来を創ります」を経営理念として掲げ、全てのステークホルダーへの利益還元を果たして参ります。
2 経営環境と対処すべき課題
(1)外部環境の認識
近年、当社を取り巻く日本とアジアのマクロ経済環境は、大きく変化しました。特に2000年以降は、アジア諸国で持続的な経済発展が続き、今や日本を超えるGDPを抱える巨大市場が形成されました。その結果、アジアから日本への直接投資は拡大傾向にあり、訪日観光客数に代表されるようにアジアからの人的資本の流入も急速に増加しています。
同時に、技術革新や高齢化・地球温暖化などの社会問題に伴い、世界的なパラダイムシフトも生じています。エネルギー分野では、2015年のパリ協定締結以降、地球規模で低炭素社会を目指す動きが活発です。また、AIやIoT等の技術革新は、第四次産業革命と呼ばれ産業構造に大きな変化をもたらしています。加えて、日本だけでなくアジアにおいても少子高齢化の影響が顕著に表れ始めました。
この様な中、当社は、投資会社として今後の社会に貢献できることは何か、自分たちの存在義を改めて見つめ直しました。その結果、当社は、アジアへの取り組みを通じて、日本企業のリソースをアジア諸国と共有してその発展を支援するだけでなく、アジア諸国の持つリソースを日本に呼び込み、新しい日本経済の成長の枠組みを創造することを使命と考えました。また、当社は、投資活動を通じて、少子高齢化社会の課題解決や、安心・安全でより質と生産性の高い社会を実現することで貢献していくことを決意しました。この想いを率直に表現したものが上記の経営理念です。今後は、新経営理念を通じて、全役職員が当社の将来の姿をより具体的に理解し、一丸となってさらなる成長を目指して参ります。
(2)当社の現況と課題
イ.安定収益の確保
当社の収益構造は、かねてより、収益の大半がベンチャー投資のキャピタルゲインに依存しており、不安定な状態にありました。当社は、これを改善すべく、安定収益である管理報酬を増額する目的で、大型ファンドの設立を目指してきました。加えて、売電収益を源泉とする安定収益を拡大する目的で、プロジェクト投資事業を開始し、再生可能エネルギープロジェクトへの投資も進めてまいりました。
しかしながら、明確な投資戦略を打ち出せずに、現在までに大型ファンドの設立は実現できておりません。加えて、プロジェクト投資事業においても、一部のプロジェクトを売却したため資産の積上げ速度が低下し、現在残されたプロジェクトだけでは販売費及び一般管理費を賄うだけの充分な安定収益を確保することが出来ないという課題があります。
ロ.更なる財務健全性の向上
当社は、借入金の圧縮と資本増強を進めてきましたが、2018年3月末現在では、従来連結基準(注)で、借入金の残高が119億円であるのに対し、現預金と流動性の比較的高い再生可能エネルギープロジェクト等の投資資産残高の合計は109億円に留まり、両者がバランスしていません。依然として回収の不確実性が高いプライベートエクイティ投資資産の投資資金を、借入金で調達している状態にあります。
ハ.返済優先の財務対応の見直し
当社は、これまで返済優先の財務対応により収益償還力を超えた返済を継続してきているため、充分な投資資金が確保できない状況が続いています。今後の成長のためには、より積極的な投資活動を行うための投資資金を確保する必要があり、金融機関と返済額の見直しについて交渉中です。
(3)中期経営計画
当社は、今般、上記(2)「当社の現況と課題」を踏まえ、2019年3月期から2021年3月期までの3年間の中期経営計画を策定しました。その内容及びそれに基づく施策は、次のとおりです。
イ.資産の入替を促進
これらの課題を解決するために、今後は、資産の入替を進めます。具体的には、これから投資の収穫期を迎える既存のプライベートエクイティ投資資産の大半を3年間で売却し、資金と利益を獲得します。売却によって得た資金で、積極的に新たな投資を行い、その残高を積上げていきます。
プロジェクト投資においては、再生可能エネルギーに加え多様なプロジェクトに積極的に投資を行い、その投資残高を増加させます。その結果、流動性の高い資産へと入れ替えが進むとともに、将来的に、プロジェクトから発生する安定収益を確保することが出来ます。また、プライベートエクイティ投資においても、投資戦略の抜本的な見直しを行い、新たな投資資産を積上げます。
ロ.事業テーマの絞り込み
当社は、当社自身の強みを、新規ビジネスに対する情報収集力やベンチャー企業とのネットワーク、ファイナンススキーム構築力にあると認識しています。これに、社会的な要請や事業の専門性、事業パートナーの存在などを考慮した上で、注力すべき事業テーマとして、(1)再生可能エネルギー、(2)スマートアグリ(植物工場等)、(3)ヘルスケア(介護・医療)の3つを選定しました。今後先ずはこのテーマに沿って重点的に投資を行いつつ、情勢に応じた柔軟なテーマ設定を継続して参ります。
ハ.プライベートエクイティ投資
当社の自己資金を用いた投資については、投資方針を転換し、これまでの確率論に従った散発的なテーマに向けた投資を取りやめます。今後は、経営に深く関与して投資先企業のバリューアップを図ることを追求し、当社がスペシャリストとして特色ある投資ができる分野に業界や企業ステージ又は投資エリアなどを特定し、集中した投資を行います。
当社が特色を出せる分野は、経営理念に基づき当社として取り組むべき事業テーマを明確に持ち、そのテーマを軸に「企業への投資」と「プロジェクト(事業)への投資」を組み合わせる投資です。当社では、これを「戦略的投資」と名付け、今後推進していく方針です。例えば、プロジェクト投資を行う上でパートナーとなる企業に戦略的な投資を行います。投資後は、当社が事業上のパートナーとなり、事業での協業を通じて資金支援や営業支援を行います。
なお、ファンドからの投資については、従来どおり、ファンド出資者のニーズに基づきファンドの運営方針に従って行います。
ニ.プロジェクト投資
再生可能エネルギープロジェクトについては、本中期経営計画期間中に当社持分で50MW程度の投資資産の積上げを目指し、積極的に投資を行います。メガソーラープロジェクトについては、固定買取価格が32円以上の案件への投資機会がまだ充分にあると考えています。加えて、固定買取価格の低下に合わせて、パネルやパワーコンディショナー等の設備の価格も低下傾向にあります。また、両面で発電するパネルや水上発電などの技術革新をこれらの事業を手掛けるベンチャー企業と共に追い求めます。その結果、将来的には、買取価格が20円台のプロジェクトでも採算が確保できるようになると考えています。さらに、これまで培ったノウハウを活用し、バイオマスやバイオガス等、メガソーラー以外の再生可能エネルギープロジェクトや、植物工場などのスマートアグリプロジェクトにも参入します。また、ヘルスケアプロジェクトでは、高齢者向け施設への投資を拡大していきます。
3 目標とする経営指標
当社は、上記2(3)に記載した中期経営計画を通じて次のような姿を目指します。
イ.安定収益の維持
安定収益(管理報酬、プライベートエクイティ投資のインカムゲイン、プロジェクト投資のインカムゲインの合計額)を維持していきます。従来連結基準(注)において、2018年3月期は、販売費及び一般管理費の合計額が約13億円に対し安定収益は約5億円であり、販売費及び一般管理費の約38%をカバーするに留まっています。これを、今般の中期経営計画期間が終了する3年後には、安定収益を約6億円に維持し、従来連結基準(注)による販売費及び一般管理費約11億円のうち過半を賄うことを目指します。
ロ.財務体質の改善
3年間でプロジェクトへの投資を積極的に推進し、従来連結基準(注)で、プロジェクト投資資産の残高を90億円まで増加させることを目指します。その結果、3年後に予想される借入金の残高70億円は、プロジェクト投資資産の残高の範囲内に収まるようにバランスします。
ハ.拡大成長を支える充分な投資資金
中期経営計画期間の3年のうちに一段の業績の回復と財務体質の改善を進め、金融機関と交渉して当社単体の現行借入の約定弁済を圧縮する一方、プロジェクトにおける借入資金の拡大を図ります。
その結果、収益とキャッシュ・フローを安定化させ、潤沢な投資資金を基に積極的な投資を行い、更なる成長を遂げる計画です。
(注)従来連結基準
当社グループでは、2007年3月期より、「投資事業組合に対する支配力基準及び影響力基準の適用に関する実務上の取扱い」(企業会計基準委員会 2006年9月8日 実務対応報告第20号)を適用し、当社グループで運営している投資事業組合等の一部を連結の範囲に加えて連結財務諸表等を作成しております。しかしながら、投資家及び株主の皆さまに、当社グループの経営成績及び財務状況を正しくご認識いただくためには、従来からの会計基準による財務諸表等の開示も必要と考えております。
以上のことから、従来の会計基準に従って、投資事業組合については、資産、負債及び収益、費用を外部出資者の持分を含まない当社及び関係会社の出資持分に応じて計上し、また、会社型ファンドについては連結の範囲から除いた連結財務諸表等を「従来連結基準」として、決算短信等において継続的に開示しております。