有価証券報告書-第71期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/28 16:18
【資料】
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【項目】
142項目

対処すべき課題

(1)中長期的な経営方針、経営環境及び優先的に対処すべき課題等
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは証券関連事業及び不動産関連事業を主要事業としておりますが、新型コロナウイルス感染症の拡大は、証券関連事業の中核であるあかつき証券㈱においては証券取引市況の悪化に伴う投資マインドの低下などによる株式売買取扱高の減少、また不動産関連事業の中核である㈱マイプレイスにおいては外出自粛要請に伴う販売中物件の案内減少などによる販売戸数の減少などの影響を与えます。EWアセットマネジメント㈱の運営する高齢者住宅開発ファンドにおいては、現時点で特段の影響は認識しておりませんが、今後の不動産市況の動向によっては、売却価格に影響を与える可能性があります。このような事業環境のもと、当社グループの対処すべき課題は次のとおりであります。
あかつき証券㈱におきましては、「継続的なお客様の投資利益の追求」及び「中長期的な顧客資産の拡大」を最も重要な課題としており、投資情報部による投資情報の提供に加えAIやフィンテックを活用したアドバイス力の強化を図るなど付加価値の高い投資情報をタイムリーに提供する体制の充実や、地域金融機関との提携など営業チャネルの拡大を図っております。営業チャネルの拡大に関し、特に金融商品仲介業者(IFA)ビジネスを戦略的に強化しており、富裕層顧客を持つ仲介業者との契約を推進しております。また、あかつき証券㈱の100%子会社であるジャパンウェルスアドバイザーズ㈱もIFAとして事業を行っており、新たに独立する外務員の受け皿となることで預り資産拡大を図っております。これらの取り組みを実施するうえで、営業員の資質向上を目指した多岐に亘る研修等の実施を行うとともに、コンプライアンス態勢の強化及び徹底が欠かせないものであると認識しております。今後もお客様本位の業務運営を推進すべく、上記施策をより一層強力に推進し、安定した収益体質を確立するとともに、お客様のパフォーマンスやニーズを常に留意した営業体制を図ってまいります。
中古マンションのリノベーション事業を行う㈱マイプレイスにおいては、リノベーションマンションの認知度の向上を背景に中古マンションの需要が拡大していることから、空室のみならず、退去後にリノベーションを行うために賃貸中物件の取得も積極的に進めてまいります。当該事業の拡大に合わせて、資金調達が重要となることから、金融機関からの借入を中心としながらも、自己資本による調達も勘案し財務的なバランスを図ってまいりたいと考えております。
EWアセットマネジメント㈱においては、当社が出資するファンドスキームの形態をとり、高齢者向け施設の開発を行っております。介護事業者との長期のマスターリース契約によって安定的な賃料収入によるインカムゲインを得ながら、ヘルスケアリート等への売却によるキャピタルゲインも合わせて追求しております。同社が組成した第1号ファンドに関しては物件取得のステージが完了し、物件売却の検討も進めております。今後は第1号ファンドの実績を生かし、新たなファンドの組成にも着手することを検討しております。従来同様、好条件の不動産の取得と開発の進捗によって資産残高を増加させていくことともに、病院・メディカルモールなど医療機関への投資機会を模索し、日本のヘルスケア市場の規模拡大にも積極的に努めてまいります。
㈱マイトランクにおいては、引き続きトランクルームの新規出店、稼働率の向上に注力し、事業拡大に努めております。今まで以上に、新規出店のスピードを上げるため、物件発掘に関する社内体制の強化及び外部業者との情報チャネルの構築を進めてまいります。
当社は、資金調達と、グループ各社に対する適切な資産配分を行いながら、グループ全体としての成長を図ってまいります。また、新規事業の企画推進や、あるいは事業からの撤退や売却等、持株会社としての経営企画機能を担ってまいります。当社においては、これらの業務に必要となる高度な計数管理・企画能力を持った人材の育成と確保が、当社の今後の成長にとって必要不可欠であると考えております。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等(目標とする経営指標等)
経営上の目標の達成状況を判断するための指標については、1株当たりの株主資本(配当金や自己株式取得などの株主還元を含む)の成長率が株主への還元を含めた当社グループの成長を示す指標として最適と考えております。当社は、その事業モデルに鑑み、当該指標を複数年単位で中長期的に拡大することを目指しております。