有価証券報告書-第114期(2025/04/01-2026/03/31)
(経営成績等の状況の概要)
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー等の状況は、以下のとおりであります。
(1) 財政状態
(資産)
当連結会計年度末の総資産は1,168億55百万円増加(前連結会計年度末比、以下(1)において同じ。)し1兆5,262億84百万円となりました。このうち流動資産は、約定見返勘定(資産)が733億49百万円、有価証券担保貸付金が231億50百万円減少した一方、信用取引資産が914億74百万円、預託金が490億99百万円増加したことなどから、1,124億8百万円増加し1兆4,345億85百万円となりました。また、固定資産は、投資有価証券が35億41百万円増加したことなどから、44億46百万円増加し916億99百万円となりました。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は1,021億54百万円増加し1兆3,167億55百万円となりました。このうち流動負債は、トレーディング商品が1,002億11百万円、短期借入金が43億61百万円減少した一方、約定見返勘定(負債)が1,069億36百万円、預り金が468億53百万円増加したことなどから、876億44百万円増加し1兆1,287億72百万円となりました。また、固定負債は、社債が78億円増加したことなどから、固定負債合計は144億3百万円増加し1,870億92百万円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末の利益剰余金は70億17百万円増加し1,273億22百万円となり、純資産合計は147億円増加し2,095億29百万円となりました。
(2) 経営成績
(受入手数料)
当連結会計年度の受入手数料の合計は17.0%増加(前連結会計年度増減率、以下(2)において同じ。)し481億79百万円を計上いたしました。
① 委託手数料
株式委託手数料は36.8%増加し198億38百万円となり、委託手数料全体では35.1%増加し204億25百万円を計上いたしました。
② 引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料
株式は89.4%減少し68百万円を計上いたしました。また、債券は3.6%増加し7億85百万円の計上となり、引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料全体では28.2%減少し10億77百万円を計上いたしました。
③ 募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料
受益証券は、1.1%減少し78億87百万円の計上となり、募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料全体では1.1%減少し78億92百万円を計上いたしました。
④ その他の受入手数料
投資信託の代行手数料は14.7%増加し83億86百万円、保険手数料収入は3.6%増加し64億85百万円の計上となり、その他の受入手数料全体では13.2%増加し187億83百万円を計上いたしました。
(トレーディング損益)
当連結会計年度の株券等トレーディング損益は6.2%増加し230億66百万円の利益の計上となり、債券・為替等トレーディング損益は1.0%減少し150億21百万円の利益を計上いたしました。この結果、トレーディング損益の合計は3.2%増加し380億87百万円の利益を計上いたしました。
(金融収支)
当連結会計年度の金融収益は38.9%増加し114億49百万円を計上いたしました。また、金融費用は84.2%増加し57億96百万円を計上し、差引の金融収支は10.9%増加し56億53百万円の利益を計上いたしました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度の取引関係費は12.2%増加し162億37百万円となりました。また、人件費は8.7%増加し357億7百万円、不動産関係費は3.7%増加し80億18百万円、事務費は5.6%増加し92億2百万円となりました。この結果、販売費及び一般管理費の合計は7.9%増加し771億5百万円を計上いたしました。
(営業外損益)
当連結会計年度の営業外収益は、投資有価証券評価益18億27百万円、持分法による投資利益12億59百万円などを計上し、営業外収益の合計は63.9%増加し59億82百万円となりました。また、営業外費用は、投資事業組合運用損2億7百万円などを計上し、営業外費用の合計は13.9%増加し3億5百万円となりました。
(特別損益)
当連結会計年度の特別損益は、特別利益として45億66百万円を計上し、特別損失として23億40百万円を計上いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の営業収益は13.2%増加し977億16百万円、純営業収益は10.5%増加し919億20百万円となり、営業利益は26.2%増加し148億15百万円、経常利益は35.5%増加し204億92百万円を計上し、法人税等を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は50.0%増加し165億69百万円を計上いたしました。
(3) キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは47億37百万円の収入となりました。これは税金等調整前当期純利益が227億18百万円の黒字となり、約定見返勘定が1,802億86百万円減少し、預り金が468億77百万円増加し、それぞれ収入となる一方で、トレーディング商品(負債)が1,002億11百万円減少し、信用取引資産が914億74百万円増加し、それぞれ支出となったことなどによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは207億34百万円の支出となりました。これは、短期貸付けによる支出556億40百万円、投資有価証券の取得による支出57億77百万円、短期貸付金の回収による収入312億24百万円、投資有価証券の売却による収入122億80百万円などによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは27億37百万円の支出となりました。これは短期借入金の純増減額が△177億59百万円、長期借入れによる収入308億円、長期借入金の返済による支出105億円、配当金の支払による支出95億39百万円などによるものです。
以上の結果、現金及び現金同等物は187億21百万円減少し、当連結会計年度末の残高は926億23百万円となりました。
(4) トレーディング業務の概要
① トレーディング商品
トレーディング商品の残高は次のとおりです。
② トレーディング業務のリスク管理
トレーディング業務のリスク管理の状況については「第5 経理の状況」の「1 連結財務諸表等」の注記事項(金融商品関係)に記載しております。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)のわが国の経済は、食料品を中心とする物価上昇率の高止まりや米国の通商政策が景況感を下押ししたことにより消費抑制が懸念されたものの、企業による積極的な賃上げと政府の経済対策等に支えられ、概ね堅調に推移しました。一方、中東情勢の不安定化でエネルギー価格が急騰、今後の国内経済と物価に悪影響が出ることが懸念されています。
海外においては、米国の通商政策の影響が総じて限定的となる中、米国経済は個人消費や設備投資を中心に概ね堅調に推移しました。一方、ユーロ圏は、中核国である独仏経済の低迷によって低成長を余儀なくされました。またアジア圏においては、インド経済が引き続き高い成長を維持したものの、中国経済は内需の弱さから減速気味で推移しました。
日本の株式市場では、35,900円台で始まった日経平均株価が、米国の通商政策に対する懸念から一時30,700円台まで急落しました。その後は、米国の通商政策の一部変更が公表されたことや、AI関連市場の拡大期待、衆院選での自民党大勝といった好材料が重なり、59,332.43円まで力強く上昇しました。3月からは、中東情勢の不安定化を受けて相場は下落に転じ、51,063.72円で取引を終えました。なお、2025年4月~2026年3月の東証プライム市場の1日当たり平均売買代金は6兆7,015億円(前年同期の1日当たり平均売買代金は5兆631億円)となっています。
米国の株式市場では、41,000ドル台で始まったダウ平均株価が米国の通商政策を巡る不透明感から急落し、期中最安値となる36,611.78ドルを付けました。しかしその後は、良好な米国の景気や企業決算、「生成AI相場」の継続、非ハイテク株への資金流入の活発化などを背景に、上昇基調を継続しました。しかし、期中最高値となる50,512.79ドルを付けた後、中東情勢の不安定化を受けて急落し、46,341.51ドルで取引を終えました。
日本の長期金利は1.50%近辺で始まった後、予想を上回る米国の通商政策や日銀の追加利上げ観測の後退を受けて、期中最低金利となる1.05%まで低下しました。しかしその後は、財政悪化懸念や需給要因から金利上昇の流れが続きました。さらに、高市政権の発足による財政悪化懸念や中東情勢の不安定化が加わったことで、2.39%まで上昇した後、2.35%で取引を終えました。
米国の長期金利は4.20%で始まった後、期中最低金利となる3.85%まで低下しました。しかし、財政悪化懸念や米国債の格下げなどを受けて米国債売りが優勢となり、期中最高金利となる4.62%まで上昇しました。その後は緩やかな低下基調が続き、一時4%を下回りましたが、中東情勢の不安定化でインフレ懸念が強まると4.48%まで上昇し、4.31%で取引を終えました。
為替市場(ドル円)は1ドル149円台で始まった後、予想を上回る米国の通商政策に対してドル安円高で反応、期中最安値となる139円台まで下落しました。その後はほぼ一貫して下値を切り上げ、1月には159円まで上昇しました。介入警戒から一旦152円台まで反落する局面はあったものの、再び反発に転じ、3月には期中最高値となる160円台まで急伸し、158円台で取引を終えました。
(2) 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの主たる業務である金融商品取引業は、その業務の性質上、自己の計算により株式及び債券等の有価証券を保有するのに多額の資金を必要とするため、十分かつ安定的な流動性を確保しております。
主な資金調達手段としては現先取引等の有担保調達、市中銀行等の金融機関借入、MTN及び短期社債の発行、コールマネー等の方法があり、資金繰り状況に応じた適切な組合せにより資金調達を行っております。
なお、東海東京証券株式会社においては、有事の際の資金調達手段として市中銀行と総額430億円のコミットメントライン契約を確保しております。また、リスク管理では関連規程に基づいて日次、週次、月次で資金繰り管理を行っている他、コンティンジェンシー・プランについても4段階の想定シナリオに基づいたリスク管理を実施しております。
(3) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、経営者は会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを行わなければなりません。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や状況に応じ合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針及び見積りが連結財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えております。
① 金融商品の評価
当社グループは、トレーディング商品に属する商品有価証券等及びデリバティブ取引については、時価をもって連結貸借対照表価額とし、評価損益はトレーディング損益として計上しております。商品有価証券等及びデリバティブ取引については、取引所等の市場価格により時価を算定しております。ただし、市場価格がない商品有価証券等及びデリバティブ取引については、主に金利、配当利回り、原資産価格、ボラティリティ等を基に将来のキャッシュ・フローの現在価値を見積もることにより時価を算定しており、異なる前提条件等を採用した場合には当該時価が変動する可能性があります。
② 投資有価証券の減損
当社グループは、長期的な取引関係維持のため、特定の取引先の株式を所有しております。当社グループは投資価値の下落が一時的ではないと判断した場合、「金融商品に関する会計基準」に基づき減損処理を行っております。市場価格のある株式については、株式の時価が一定期間継続して取得原価を30%以上下回り続けたとき等、下落が一時的ではないと判断します。市場価格のない株式については、1株当たり純資産額が取得原価の50%以下となった場合等、実質価額が著しく下落し回復可能性がないと判断した場合に減損処理を行います。
また、連結貸借対照表には、持分法適用関連会社に関するのれんが含まれております。当該のれんについても減損損失の計上の必要性を検討する必要があり、投資時に予想した収益性が低下した結果、投資額の回収が見込めないと判断した場合に減損損失の計上を行います。
将来の市況悪化又は投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失又は簿価の回収不能が生じた場合、減損損失の計上が必要となる可能性があります。
③ 固定資産の減損
収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった固定資産については、一定の条件の下で回収可能性を反映させるように、減損損失の計上を行っております。資産又は資産グループの回収可能価額は、時価から処分費用見込額を控除した正味売却価額と割引後将来キャッシュ・フローとして算定される使用価値のいずれか高い金額であることから、固定資産の減損損失の金額は合理的な仮定及び予測に基づく将来キャッシュ・フローの見積りに依存しております。従って、事業計画や経営環境等の前提条件が変化した場合、固定資産の使用方法を変更した場合、不動産取引相場等が変動した場合及びのれんが認識された取引において取得した事業の状況に変動が生じた場合には、新たに減損損失が発生する可能性があります。
④ 退職給付費用及び債務
従業員(執行役員を除く。)に係る退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には割引率、退職率、昇給率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率及び年金資産の期待収益率等が含まれております。当社グループの退職年金制度においては、割引率は期末における安全性の高い長期の債券の利回りにより、退職率は直近3年間の実績に基づいております。退職給付債務の算定にあたっては、退職給付見込額の期間帰属方法を給付算定式基準とし、割引率の設定はイールドカーブ等価アプローチによる方法により算出しております。実際の結果が前提条件と異なる場合又は前提条件が変更された場合には、将来の退職給付費用及び退職給付債務が変動する可能性があります。
⑤ 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について回収可能性が高いと考えられる金額へ減額するために評価性引当額を計上しております。評価性引当額の必要性を評価するにあたっては、将来の課税所得の発生及び税務計画を検討いたします。当社グループの主たる事業である金融商品取引業は、業績変動の幅が大きく、長期にわたる課税所得の発生を予測することが困難でありますが、策定した経営計画の期間以内の一定期間を、将来の課税所得の見積り期間としておりますので、翌事業年度以降の課税所得の発生見積りによって、評価性引当額が増減し、繰延税金資産の調整額が発生する可能性があります。
当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー等の状況は、以下のとおりであります。
(1) 財政状態
(資産)
当連結会計年度末の総資産は1,168億55百万円増加(前連結会計年度末比、以下(1)において同じ。)し1兆5,262億84百万円となりました。このうち流動資産は、約定見返勘定(資産)が733億49百万円、有価証券担保貸付金が231億50百万円減少した一方、信用取引資産が914億74百万円、預託金が490億99百万円増加したことなどから、1,124億8百万円増加し1兆4,345億85百万円となりました。また、固定資産は、投資有価証券が35億41百万円増加したことなどから、44億46百万円増加し916億99百万円となりました。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は1,021億54百万円増加し1兆3,167億55百万円となりました。このうち流動負債は、トレーディング商品が1,002億11百万円、短期借入金が43億61百万円減少した一方、約定見返勘定(負債)が1,069億36百万円、預り金が468億53百万円増加したことなどから、876億44百万円増加し1兆1,287億72百万円となりました。また、固定負債は、社債が78億円増加したことなどから、固定負債合計は144億3百万円増加し1,870億92百万円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末の利益剰余金は70億17百万円増加し1,273億22百万円となり、純資産合計は147億円増加し2,095億29百万円となりました。
(2) 経営成績
(受入手数料)
| 連結会計年度 | 区分 | 株券 (百万円) | 債券 (百万円) | 受益証券 (百万円) | その他 (百万円) | 合計 (百万円) |
| 前連結会計年度 自 2024年4月1日至 2025年3月31日 | 委託手数料 | 14,500 | 19 | 593 | - | 15,114 |
| 引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料 | 652 | 758 | 90 | - | 1,501 | |
| 募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料 | 0 | 3 | 7,972 | - | 7,976 | |
| その他の受入手数料 | 796 | 24 | 7,312 | 8,452 | 16,586 | |
| 合計 | 15,949 | 807 | 15,969 | 8,452 | 41,178 | |
| 当連結会計年度 自 2025年4月1日至 2026年3月31日 | 委託手数料 | 19,838 | 14 | 573 | - | 20,425 |
| 引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料 | 68 | 785 | 223 | - | 1,077 | |
| 募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料 | 0 | 5 | 7,887 | - | 7,892 | |
| その他の受入手数料 | 983 | 32 | 8,386 | 9,381 | 18,783 | |
| 合計 | 20,890 | 837 | 17,069 | 9,381 | 48,179 |
当連結会計年度の受入手数料の合計は17.0%増加(前連結会計年度増減率、以下(2)において同じ。)し481億79百万円を計上いたしました。
① 委託手数料
株式委託手数料は36.8%増加し198億38百万円となり、委託手数料全体では35.1%増加し204億25百万円を計上いたしました。
② 引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料
株式は89.4%減少し68百万円を計上いたしました。また、債券は3.6%増加し7億85百万円の計上となり、引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料全体では28.2%減少し10億77百万円を計上いたしました。
③ 募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料
受益証券は、1.1%減少し78億87百万円の計上となり、募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料全体では1.1%減少し78億92百万円を計上いたしました。
④ その他の受入手数料
投資信託の代行手数料は14.7%増加し83億86百万円、保険手数料収入は3.6%増加し64億85百万円の計上となり、その他の受入手数料全体では13.2%増加し187億83百万円を計上いたしました。
(トレーディング損益)
| 区分 | 前連結会計年度 自 2024年4月1日至 2025年3月31日 | 当連結会計年度 自 2025年4月1日至 2026年3月31日 |
| 株券等トレーディング損益 (百万円) | 21,729 | 23,066 |
| 債券・為替等トレーディング損益 (百万円) | 15,175 | 15,021 |
| 合計 | 36,905 | 38,087 |
当連結会計年度の株券等トレーディング損益は6.2%増加し230億66百万円の利益の計上となり、債券・為替等トレーディング損益は1.0%減少し150億21百万円の利益を計上いたしました。この結果、トレーディング損益の合計は3.2%増加し380億87百万円の利益を計上いたしました。
(金融収支)
当連結会計年度の金融収益は38.9%増加し114億49百万円を計上いたしました。また、金融費用は84.2%増加し57億96百万円を計上し、差引の金融収支は10.9%増加し56億53百万円の利益を計上いたしました。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度の取引関係費は12.2%増加し162億37百万円となりました。また、人件費は8.7%増加し357億7百万円、不動産関係費は3.7%増加し80億18百万円、事務費は5.6%増加し92億2百万円となりました。この結果、販売費及び一般管理費の合計は7.9%増加し771億5百万円を計上いたしました。
(営業外損益)
当連結会計年度の営業外収益は、投資有価証券評価益18億27百万円、持分法による投資利益12億59百万円などを計上し、営業外収益の合計は63.9%増加し59億82百万円となりました。また、営業外費用は、投資事業組合運用損2億7百万円などを計上し、営業外費用の合計は13.9%増加し3億5百万円となりました。
(特別損益)
当連結会計年度の特別損益は、特別利益として45億66百万円を計上し、特別損失として23億40百万円を計上いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の営業収益は13.2%増加し977億16百万円、純営業収益は10.5%増加し919億20百万円となり、営業利益は26.2%増加し148億15百万円、経常利益は35.5%増加し204億92百万円を計上し、法人税等を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は50.0%増加し165億69百万円を計上いたしました。
(3) キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは47億37百万円の収入となりました。これは税金等調整前当期純利益が227億18百万円の黒字となり、約定見返勘定が1,802億86百万円減少し、預り金が468億77百万円増加し、それぞれ収入となる一方で、トレーディング商品(負債)が1,002億11百万円減少し、信用取引資産が914億74百万円増加し、それぞれ支出となったことなどによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは207億34百万円の支出となりました。これは、短期貸付けによる支出556億40百万円、投資有価証券の取得による支出57億77百万円、短期貸付金の回収による収入312億24百万円、投資有価証券の売却による収入122億80百万円などによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは27億37百万円の支出となりました。これは短期借入金の純増減額が△177億59百万円、長期借入れによる収入308億円、長期借入金の返済による支出105億円、配当金の支払による支出95億39百万円などによるものです。
以上の結果、現金及び現金同等物は187億21百万円減少し、当連結会計年度末の残高は926億23百万円となりました。
(4) トレーディング業務の概要
① トレーディング商品
トレーディング商品の残高は次のとおりです。
| 区分 | 前連結会計年度 (2025年3月31日) | 当連結会計年度 (2026年3月31日) | ||
| 資産の部の トレーディ ング商品 | 商品有価証券等 | (百万円) | 328,641 | 354,337 |
| 株式・ワラント | (百万円) | 9,012 | 12,823 | |
| 債券 | (百万円) | 277,415 | 295,029 | |
| 受益証券等 | (百万円) | 42,213 | 46,484 | |
| デリバティブ取引 | (百万円) | 14,317 | 14,758 | |
| 合計 | (百万円) | 342,958 | 369,095 | |
| 負債の部の トレーディ ング商品 | 商品有価証券等 | (百万円) | 370,718 | 270,706 |
| 株式・ワラント | (百万円) | 25,938 | 13,150 | |
| 債券 | (百万円) | 344,659 | 257,527 | |
| 受益証券等 | (百万円) | 121 | 28 | |
| デリバティブ取引 | (百万円) | 25,556 | 25,357 | |
| 合計 | (百万円) | 396,275 | 296,064 | |
② トレーディング業務のリスク管理
トレーディング業務のリスク管理の状況については「第5 経理の状況」の「1 連結財務諸表等」の注記事項(金融商品関係)に記載しております。
(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)のわが国の経済は、食料品を中心とする物価上昇率の高止まりや米国の通商政策が景況感を下押ししたことにより消費抑制が懸念されたものの、企業による積極的な賃上げと政府の経済対策等に支えられ、概ね堅調に推移しました。一方、中東情勢の不安定化でエネルギー価格が急騰、今後の国内経済と物価に悪影響が出ることが懸念されています。
海外においては、米国の通商政策の影響が総じて限定的となる中、米国経済は個人消費や設備投資を中心に概ね堅調に推移しました。一方、ユーロ圏は、中核国である独仏経済の低迷によって低成長を余儀なくされました。またアジア圏においては、インド経済が引き続き高い成長を維持したものの、中国経済は内需の弱さから減速気味で推移しました。
日本の株式市場では、35,900円台で始まった日経平均株価が、米国の通商政策に対する懸念から一時30,700円台まで急落しました。その後は、米国の通商政策の一部変更が公表されたことや、AI関連市場の拡大期待、衆院選での自民党大勝といった好材料が重なり、59,332.43円まで力強く上昇しました。3月からは、中東情勢の不安定化を受けて相場は下落に転じ、51,063.72円で取引を終えました。なお、2025年4月~2026年3月の東証プライム市場の1日当たり平均売買代金は6兆7,015億円(前年同期の1日当たり平均売買代金は5兆631億円)となっています。
米国の株式市場では、41,000ドル台で始まったダウ平均株価が米国の通商政策を巡る不透明感から急落し、期中最安値となる36,611.78ドルを付けました。しかしその後は、良好な米国の景気や企業決算、「生成AI相場」の継続、非ハイテク株への資金流入の活発化などを背景に、上昇基調を継続しました。しかし、期中最高値となる50,512.79ドルを付けた後、中東情勢の不安定化を受けて急落し、46,341.51ドルで取引を終えました。
日本の長期金利は1.50%近辺で始まった後、予想を上回る米国の通商政策や日銀の追加利上げ観測の後退を受けて、期中最低金利となる1.05%まで低下しました。しかしその後は、財政悪化懸念や需給要因から金利上昇の流れが続きました。さらに、高市政権の発足による財政悪化懸念や中東情勢の不安定化が加わったことで、2.39%まで上昇した後、2.35%で取引を終えました。
米国の長期金利は4.20%で始まった後、期中最低金利となる3.85%まで低下しました。しかし、財政悪化懸念や米国債の格下げなどを受けて米国債売りが優勢となり、期中最高金利となる4.62%まで上昇しました。その後は緩やかな低下基調が続き、一時4%を下回りましたが、中東情勢の不安定化でインフレ懸念が強まると4.48%まで上昇し、4.31%で取引を終えました。
為替市場(ドル円)は1ドル149円台で始まった後、予想を上回る米国の通商政策に対してドル安円高で反応、期中最安値となる139円台まで下落しました。その後はほぼ一貫して下値を切り上げ、1月には159円まで上昇しました。介入警戒から一旦152円台まで反落する局面はあったものの、再び反発に転じ、3月には期中最高値となる160円台まで急伸し、158円台で取引を終えました。
(2) 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの主たる業務である金融商品取引業は、その業務の性質上、自己の計算により株式及び債券等の有価証券を保有するのに多額の資金を必要とするため、十分かつ安定的な流動性を確保しております。
主な資金調達手段としては現先取引等の有担保調達、市中銀行等の金融機関借入、MTN及び短期社債の発行、コールマネー等の方法があり、資金繰り状況に応じた適切な組合せにより資金調達を行っております。
なお、東海東京証券株式会社においては、有事の際の資金調達手段として市中銀行と総額430億円のコミットメントライン契約を確保しております。また、リスク管理では関連規程に基づいて日次、週次、月次で資金繰り管理を行っている他、コンティンジェンシー・プランについても4段階の想定シナリオに基づいたリスク管理を実施しております。
(3) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、経営者は会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを行わなければなりません。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や状況に応じ合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針及び見積りが連結財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えております。
① 金融商品の評価
当社グループは、トレーディング商品に属する商品有価証券等及びデリバティブ取引については、時価をもって連結貸借対照表価額とし、評価損益はトレーディング損益として計上しております。商品有価証券等及びデリバティブ取引については、取引所等の市場価格により時価を算定しております。ただし、市場価格がない商品有価証券等及びデリバティブ取引については、主に金利、配当利回り、原資産価格、ボラティリティ等を基に将来のキャッシュ・フローの現在価値を見積もることにより時価を算定しており、異なる前提条件等を採用した場合には当該時価が変動する可能性があります。
② 投資有価証券の減損
当社グループは、長期的な取引関係維持のため、特定の取引先の株式を所有しております。当社グループは投資価値の下落が一時的ではないと判断した場合、「金融商品に関する会計基準」に基づき減損処理を行っております。市場価格のある株式については、株式の時価が一定期間継続して取得原価を30%以上下回り続けたとき等、下落が一時的ではないと判断します。市場価格のない株式については、1株当たり純資産額が取得原価の50%以下となった場合等、実質価額が著しく下落し回復可能性がないと判断した場合に減損処理を行います。
また、連結貸借対照表には、持分法適用関連会社に関するのれんが含まれております。当該のれんについても減損損失の計上の必要性を検討する必要があり、投資時に予想した収益性が低下した結果、投資額の回収が見込めないと判断した場合に減損損失の計上を行います。
将来の市況悪化又は投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失又は簿価の回収不能が生じた場合、減損損失の計上が必要となる可能性があります。
③ 固定資産の減損
収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった固定資産については、一定の条件の下で回収可能性を反映させるように、減損損失の計上を行っております。資産又は資産グループの回収可能価額は、時価から処分費用見込額を控除した正味売却価額と割引後将来キャッシュ・フローとして算定される使用価値のいずれか高い金額であることから、固定資産の減損損失の金額は合理的な仮定及び予測に基づく将来キャッシュ・フローの見積りに依存しております。従って、事業計画や経営環境等の前提条件が変化した場合、固定資産の使用方法を変更した場合、不動産取引相場等が変動した場合及びのれんが認識された取引において取得した事業の状況に変動が生じた場合には、新たに減損損失が発生する可能性があります。
④ 退職給付費用及び債務
従業員(執行役員を除く。)に係る退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には割引率、退職率、昇給率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率及び年金資産の期待収益率等が含まれております。当社グループの退職年金制度においては、割引率は期末における安全性の高い長期の債券の利回りにより、退職率は直近3年間の実績に基づいております。退職給付債務の算定にあたっては、退職給付見込額の期間帰属方法を給付算定式基準とし、割引率の設定はイールドカーブ等価アプローチによる方法により算出しております。実際の結果が前提条件と異なる場合又は前提条件が変更された場合には、将来の退職給付費用及び退職給付債務が変動する可能性があります。
⑤ 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について回収可能性が高いと考えられる金額へ減額するために評価性引当額を計上しております。評価性引当額の必要性を評価するにあたっては、将来の課税所得の発生及び税務計画を検討いたします。当社グループの主たる事業である金融商品取引業は、業績変動の幅が大きく、長期にわたる課税所得の発生を予測することが困難でありますが、策定した経営計画の期間以内の一定期間を、将来の課税所得の見積り期間としておりますので、翌事業年度以降の課税所得の発生見積りによって、評価性引当額が増減し、繰延税金資産の調整額が発生する可能性があります。