有価証券報告書-第14期(2023/04/01-2024/03/31)
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
当社は、MS&ADインシュアランスグループの一員として、「MS&ADインシュアランスグループ 経営理念・経営ビジョン・行動指針」の下、経営資源の効率的な活用と適切なリスク管理を通じ、持続的成長を実現するため、透明性と牽制機能を備えた経営体制を構築し、当社及びMS&ADインシュアランスグループ全体の企業価値の向上に努めております。
<経営体制>当社は、監査役会設置会社として、取締役会及び監査役会双方の機能の強化、積極的な情報開示等を通じ、ガバナンスの向上に取り組んでおります。また、執行役員制度及び社外取締役を導入し、経営意思決定・監督機関と業務執行機関の機能分担を明確にした経営体制を構築しております。
有価証券報告書提出日現在の経営体制は、取締役13名、監査役5名、執行役員28名で構成されております。取締役の定員は定款により20名以内と定めております。なお、事業年度ごとの業績に対する経営責任を明確にし、経営環境の変化に機動的に対応するため、取締役・執行役員の任期は1年としております。
なお、当社は完全親会社であるMS&ADインシュアランス グループ ホールディングス株式会社との間で経営管理契約を締結し、同社から経営に関する助言等を受けております。
(取締役会)
取締役会は、取締役13名(うち社外取締役4名)で構成され、法令・定款に定める事項のほか、経営方針、資本政策等、経営戦略上重要な事項(サステナビリティに関する取組みを含む)、及び会社経営上の重要な事項の意思決定並びに業務執行の監督を行い、毎月1回の定時開催に加えて、必要に応じて随時開催しております。2023年度は、12回開催(別途、書面開催2回)し、三笠取締役、大日方取締役は10回出席、その他10名は12回出席、1名は2回中2回出席、1名は10回中10回出席しております。
また、取締役会の内部委員会として、人事委員会、報酬委員会を設置しております。
人事委員会は、当社の取締役・監査役・執行役員・理事の選任等の重要な人事事項について審議し、取締役会に助言します。委員会は、必要の都度開催するものと定め、2023年度は、2回開催し、三笠取締役、大日方取締役は1回出席、その他4名はすべての回に出席しております。
報酬委員会は、当社の取締役・執行役員の報酬等について審議し、取締役会に助言します。委員会は、必要の都度開催するものと定め、2023年度は、2回開催し、全委員がすべての回に出席しております。
(監査役・監査役会)
各監査役は、監査役会で定めた監査の方針・計画等に従い、取締役会をはじめ、経営会議や各種委員会といった重要な会議へ出席し意見を述べる等、取締役・執行役員の業務執行、内部統制等の監査を行っております。
監査役会は5名の監査役(うち社外監査役3名)で構成されております。監査役会は、監査役からの監査に関する重要な事項についての報告を受けるとともに、監査の方針・計画等を決定します。
(経営会議)
当社は、業務執行に係る重要な事項の決定を行う会議体として経営会議を設置しております。経営会議は、取締役、本社部門を担当する執行役員を中心に構成され、毎月の定例開催に加えて、必要に応じて随時開催しております。
また、各担当分野に係る重要な個別課題の審議・検証及び提言を行う課題別委員会として、お客さま本位の事業運営推進委員会、ERM委員会、サステナビリティ委員会、国内保険戦略委員会、海外事業委員会、テレマティクス・モビリティサービス委員会、企業革新推進委員会を設置しております。
[コーポレート・ガバナンスの体制図]

<内部統制システムに関する方針>当社は、会社法及び会社法施行規則に基づき内部統制システムに関する方針を以下のとおり定め、本方針に従い内部統制システムの有効性の向上に取り組んでおります。
(内部統制システムに関する方針)
当社は、MS&ADインシュアランス グループ ホールディングス株式会社(以下「持株会社」という。)が定める経営理念(ミッション)の下、経営資源の効率的な活用と適切なリスク管理を通じ、長期的な安定と持続的成長を実現するため、以下のとおり透明性と牽制機能を備えた経営体制を構築し、当社及びMS&ADインシュアランス グループ(以下「MS&ADグループ」という。)全体の企業価値の向上に努めていく。
1.グループ経営管理体制(当社ならびに親会社及び子会社から成る企業集団における業務の適正を確保する
ための体制)
(1)当社は、持株会社が定める経営理念(ミッション)・経営ビジョン・行動指針(バリュー)(当社独自の行動指針を含む)を、当社、その子会社及び関連会社(以下、「関連会社各社」という。)の全役職員へ浸透させるよう努める。また、経営理念(ミッション)・経営ビジョン・行動指針(バリュー)の趣旨・精神を尊重する企業文化・風土が形成されているか、その実践状況を取締役会に報告する。
(2)当社は、持株会社と締結する経営管理契約(以下「経営管理契約」という。)に基づき、持株会社が定めるMS&ADグループの基本方針(コーポレートガバナンス、リスク管理、コンプライアンス、内部監査等)を遵守するとともに、持株会社から必要な助言・指導・支援を受け、当社及び関連会社各社の規模・特性等に応じた体制を整備する。
(3)当社は、当社及び関連会社各社に関する重要事項について、経営管理契約に基づき、持株会社に承認を求め、又は報告する。
(4)当社は、関連会社各社に対し、株主総会決議事項について適切な意思表示を行うなど、適切に株主権を行使す
る。
(5)当社は、経営管理契約に基づき、当社の関連会社各社の経営管理を行う。また、各社の規模・特性に応じて以下の①~④に記載する内容を含めた業務の適正を確保するための体制を整備する。なお、海外の拠点・子会社については、体制整備の推進にあたり現地の法令や特性を考慮する。
①当社の関連会社各社の取締役の職務の執行に係る事項の当社への報告に関する体制
当社は、関連会社各社の重要事項について、当社の承認又は当社への報告を求めることとする。加えて、それらのうち一定の基準を満たすものについては、当社取締役会の付議事項とする。また、定期的に関連会社各社の業績について報告を受け、当社取締役会及び経営会議に報告する。
②当社の関連会社各社の取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制(下記2.)
③当社の関連会社各社の取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制(下記3.)
④当社の関連会社各社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制(下記4.)
2.職務執行の効率性確保のための体制(当社及びその子会社の取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制)
(1)当社は、迅速な意思決定と適切なモニタリングを両立させるため、執行役員制度を採用するとともに社外取締役を選任し、取締役会による「経営意思決定、監督機能」と執行役員による「業務執行機能」の分離と機能強化を図る。加えて、取締役会において実質的な議論を可能とするため取締役の員数を20名以内とするとともに、執行役員への業務執行権限の委譲を進める。
(2)当社は、取締役及び執行役員の職務執行が適正かつ効率的に行われるよう、組織・職務権限規程等を定め、遂行すべき職務及び職務権限を明確にする。
(3)当社は、全役職員が共有する全社目標として、MS&ADグループの経営計画に則って中期経営計画及び年次計画を定め、その浸透を図るとともに、適切な経営資源の配分を行う。
(4)当社は、経営基盤としてのITの重要性に鑑み、MS&ADグループのITガバナンス基本方針に従い、ITガバナンス態勢を構築する。
(5)当社は、MS&ADグループの税務に関する基本方針に従い、税務に関する基本的な考え方を踏まえた税務ガバナンス態勢を構築する。
(6)取締役は、当社及び関連会社各社の業務執行状況を定期的に取締役会に報告する。取締役会は、報告内容を踏まえ、必要に応じて、目標の修正又は経営資源の追加配分等の対応を行う。
(7)当社は、経営会議を定期的に開催し、取締役会の委任による業務執行に係る重要な事項の決議、及び担当役員の決定事項のうち部門横断課題など重要事項の報告を行う。
3.法令等遵守体制(当社及びその子会社の取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合すること
を確保するための体制)
(1)当社及び関連会社各社は、MS&ADグループのコンプライアンス基本方針に従い、全役職員に対しコンプライアンス意識の徹底に取り組み、法令や社内ルール等を遵守し、高い倫理観に基づいた事業活動を行う。
(2)当社は、コンプライアンスの徹底と企業倫理の確立を図るため、法令等遵守規程を制定するとともに、その実践計画としてコンプライアンス・プログラムを定め、その実施状況を監視する。また、コンプライアンス・マニュアルを定め、当社及び関連会社各社の事業活動、経営環境等を勘案して必要に応じて見直しを行う。
(3)当社は、当社及び関連会社各社のコンプライアンスに関する事項を統括して管理するコンプライアンス統括部門などの組織・体制を整備する。また、コンプライアンスに係る基本方針及び実行計画等の重要課題に対する審議・検証及び提言を行うお客さま本位の事業運営推進委員会を設置し、同委員会で確認された課題について必要な措置を講じる。コンプライアンス統括部門は、定期的にコンプライアンス推進状況を取締役会に報告する。
(4)当社は、当社及び関連会社各社の役職員がコンプライアンス上の問題を発見した場合の報告ルールを法令等遵守規程に定める。コンプライアンス上の問題について報告・通報を受けたコンプライアンス統括部門は、関連会社各社及び関係部門と連携のうえ、その内容を調査し、再発防止策等を策定する。
(5)当社及び関連会社各社は、MS&ADグループの反社会的勢力に対する基本方針に従い、反社会的勢力排除のための体制整備(対応統括部署の整備、対応要領の整備、反社会的勢力に係るデータベース管理体制の整備、警察等外部専門機関等との連携強化等)に取り組み、反社会的勢力に対しては毅然とした姿勢で臨み、不当、不正な要求に応じない旨を全役職員に徹底する。
(6)当社は、役員等の関連当事者との取引を行う場合には、MS&ADグループ及び持株会社の株主共同の利益を害することのないよう、競業取引や利益相反取引を取締役会で承認するなど監視を行う。
(7)当社及び関連会社各社の保険会社は、MS&ADグループのグループ内取引及び業務提携等に関する基本方針に従い、アームズ・レングス・ルールの遵守その他グループ内取引等の適切性を確保するための体制を整備する。
(8)当社及び関連会社各社の保険会社は、MS&ADグループの利益相反管理に関する基本方針に従い、利益相反管理のための体制を整備する。
(9)当社及び関連会社各社は、MS&ADグループの外部委託管理基本方針に従い、外部委託管理のための体制を整備する。
(10)当社及び関連会社各社は、組織又は個人による法令違反、社内規程違反、不適切な行為又はこれらのおそれのある行為について、全役職員等が社内及び社外の窓口に直接通報・相談できるスピークアップ制度(内部通報制度)を設け、全役職員に対し制度の周知を図る。また、スピークアップ制度運用規程を定め、通報者が通報を行ったことにより不利な取扱いを行わないことを定めるとともに、制度の運用状況を取締役会に報告する。
(11)当社は、関連会社各社及びその役職員に対して法令に違反する行為を助言、容認又は指示しない。
4.統合リスク管理体制(当社及びその子会社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制)
(1)当社及び関連会社各社は、MS&ADグループのリスク管理に関する基本方針に従って基本的な考え方を共有するとともに、会社別のリスク管理方針を策定し、適切なリスク管理を実行する。
(2)当社は、リスク管理方針において、適切にリスク管理を行うための組織・体制、リスク管理における役割と責任を明確に定める。
(3)当社は、統合リスク管理の推進・徹底を図るため、ERM委員会を設置し、リスク管理に関する方針・計画、統合リスク管理状況及びその他の重要事項にかかる協議・調整を行う。
(4)リスク管理部門は、当社及び関連会社各社のリスク及びリスク管理の状況をモニタリングするとともにリスク量と資本の比較により、必要な資本が確保されていることを確認し、これらの状況についてERM委員会の協議・調整結果も踏まえて、取締役会へ報告する。
(5)当社は、社会的使命の遂行及びステークホルダーへの責任を果たすため、当社が定める危機管理規程に従い、当社及び関連会社各社の危機管理態勢及び事業継続態勢を構築し、危機のもたらす被害・ダメージを最小化するために必要な体制を整備する。
5.財務報告の信頼性を確保するための体制
(1)当社は、監査役候補の選任にあたり、監査役のうち最低1名は経理又は財務に関して十分な知識を有する者を選任する。
(2)当社は、MS&ADグループの情報開示統制基本方針に従い、当社及びその連結子会社に関する財務情報及び非財務情報を適正かつ適時に開示するための体制を整備する。
(3)当社は、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に則って、当社及びその連結子会社の経営成績及び財政状態の真実明瞭なる報告を行うため、経理規程を定め、経理業務に関する重要事項を規定する。
(4)当社は、金融商品取引法に準拠して実施する「財務報告に係る内部統制」の当社及びその連結子会社における整備・運用状況の評価結果について、検証を行う。
(5)情報開示統制の担当部門は、情報開示統制の有効性評価と実行性向上への対応を行う。また、当社及び関連会社各社における情報開示統制の有効性及び情報開示の適正性に関する検証結果を取締役会に報告する。
6.内部監査の実効性を確保するための体制
(1)当社は、MS&ADグループの内部監査基本方針に従い、実効性があり、かつ効率的な内部監査を実行するための体制を整備する。
(2)当社は、内部監査部門として独立した専門組織を設置し、当社及び関連会社各社の全ての業務活動を対象として内部監査を実施する。
(3)当社は、内部監査に係る基本的事項を規定する内部監査規程ならびにリスクの種類及び程度に応じた内部監査計画を定める。
(4)内部監査部門は、実施した内部監査の結果等のうち重要な事項、監査対象部門における改善状況等を取締役会に報告する。
7.情報管理体制(取締役の職務の執行等に係る情報の保存及び管理に関する体制)
(1)当社は、会社情報管理規程を定め、取締役及び執行役員の職務の執行に係る文書等(電磁的記録を含む。)その他の会社情報を適切に保存及び管理する。また、取締役及び監査役は、これらの情報を常時閲覧できるものとする。
・株主総会議事録
・取締役会その他経営会議体に係る議事録
・取締役又は執行役員を最終決裁者とする決裁書
・その他会社情報管理規程に定めるもの
(2)当社及び関連会社各社は、MS&ADグループのお客さま情報管理基本方針に従い、当社及び関連会社各社の規模・特性等に応じた適切な体制を整備する。
8.監査役監査の実効性を確保するための体制
(1)監査役の職務を補助すべき使用人、当該使用人の独立性及び当該使用人に対する指示の実効性の確保に関する体制
①当社は、監査役の職務を補助するため、監査役室を設け専任の使用人を置く。
②取締役は、監査役室の独立性に配慮し、監査役室の組織変更、上記使用人の人事考課、人事異動等、人事に関する事項は、監査役と取締役が協議する。
(2)監査役への報告に関する体制
①取締役及び執行役員は、職務執行に関して重大な法令・定款違反もしくは不正行為の事実、又は会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実を知ったときは、直ちに監査役会に報告しなければならない。
②取締役及び執行役員は、事業・組織に重大な影響を及ぼす決定、内部監査の実施結果、内部通報状況その他監査役に定期的に報告を行う事項について、監査役との協議により定める方法により、監査役に報告する。
③当社及び関連会社各社の役職員等は、法令違反、社内規程違反、不適切な行為又はこれらのおそれのある行為のうち経営上重大なものについて、持株会社及び当社の監査役に直接内部通報することができるものとする。
④当社及び関連会社各社は、①~③の報告をした者について、当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを行わない。
(3)その他
①当社は、監査役が取締役会のほか経営会議その他の重要な会議に出席できることを、関連する規程等において明記する。
②代表取締役は、監査役会と定期的に、当社が対処すべき課題、監査役監査の環境整備の状況、監査上の重要課題等について意見交換を行う。
③内部監査部門は、監査役から求められたときは、監査役の監査に対し協力する。
④当社は、監査役からその職務の執行について会社法第388条に基づく費用の前払又は償還の請求等を受けた場合には、同条に従い手続を行う。
<コンプライアンス>(コンプライアンス基本方針(抜粋))
当社は、コンプライアンスを経営上の最重要課題のひとつと位置付け、すべての役員・社員が企業の社会的責任
を常に認識し、コンプライアンスを実践する態勢を構築するため、本方針を定めます。
1.基本的な考え方
(1)経営理念の実現に向け、事業活動のあらゆる場面でコンプライアンスを徹底し、企業倫理を確立します。
(2)コンプライアンスとは、「事業活動に関連するすべての法令、主務官庁が定める監督指針・ガイドライン等及び社内規程、社会的規範(以下これらを「法令等」といいます。)を遵守し、社会の期待と要請に応えるべく誠実 かつ公平・公正な活動を実践すること」とします。
2.コンプライアンス態勢の構築
(1)コンプライアンスに関する重要事項が、経営陣に適切に報告される体制を整備します。
(2)コンプライアンスに関する事項を一元的に管理し、コンプライアンスを推進する部門を設置するとともに、コンプライアンス態勢の確保のために必要な権限を付与します。
(3)役員・社員がコンプライアンス上問題となる行為を発見した場合の報告・相談体制を整備します。
(コンプライアンスの推進)
コンプライアンス推進・品質向上に係る課題別委員会としてお客さま本位の事業運営推進委員会」を設置し、コンプライアンス部門をはじめ各部門が、社員に対するコンプライアンス教育や代理店の募集に関する事項を含めたコンプライアンスの推進を行っております。
<リスク管理>(リスク管理に対する基本的な方針)
複雑化・多様化する経営上のリスクに的確に対応し、お客さま、株主、その他すべてのステークホルダーへの責任を果たすべく、リスクの正確な把握・評価と適切な管理に努めております。
(リスク管理方針)
当社はリスク管理を経営の最重要課題と位置付け、「MS&ADインシュアランス グループ リスク管理基本方針」に沿って、取締役会で「リスク管理方針」を制定し、リスク管理を行っております。
(リスク管理体制)
全社のリスク管理を統括する統合リスク管理部門とERM経営及びリスク管理に係る課題別委員会であるERM委員会を設置しており、重要なリスク情報はERM委員会での審議を通じ、取締役会等に報告する体制を取っております。
また、リスク管理を適切に行うために、第一から第三の防衛線を持つ「3ラインディフェンス」態勢を構築しております。
第一の防衛線は業務執行部門と一次リスク管理部門が担い、一次リスク管理部門は業務執行部門が所管する業務に係るリスクをコントロールし、把握したリスクやリスク管理の状況について、二次リスク管理部門や経営等に報告します。
第二の防衛線は二次リスク管理部門が担い、一次リスク管理のモニタリングを行っております。
また、二次リスク管理部門は、統合リスク管理部門として定量・定性両面から統合リスク管理を行い、その結果をERM委員会、取締役会等に報告します。
第三の防衛線は内部監査部門が担い、第一及び第二の防衛線で実施されているリスク管理プロセスの有効性を評価し、取締役会に報告します。
(統合リスク管理)
当社では、多様なリスクを総合的に把握し、リスクへの対応を漏れなく行うこと、重要なリスクに優先的・重点的に対応すること、必要な資本を確保することを目的として、定量・定性の両面から当社全体のリスクの状況を管理する統合リスク管理を行っております。
<役員報酬等の内容>当連結会計年度における当社の取締役及び監査役に対する報酬その他の職務遂行の対価は以下のとおりであります。
会社役員に対する報酬等(社外役員を含む) (単位:百万円)
(注)1. 使用人兼務取締役の使用人としての報酬その他の職務遂行の対価はありません。
2. 定款又は株主総会で定められた報酬限度額は以下のとおりであります。
・取締役における年額報酬(金銭報酬)は750百万円以内(うち、社外取締役は年額50百万円以内、使用人兼務取締役の使用人分の給与は含みません。)
・取締役(社外取締役を除きます。)の年額報酬(株式報酬)は250百万円以内
・監査役における年額報酬は110百万円以内
3. 取締役の年額報酬(株式報酬)は、MS&ADインシュアランス グループ ホールディングス
株式会社が当社の取締役に対し割り当てる譲渡制限付株式の払込金額に相当する金銭報酬債権
であり、当該債権を取締役より現物出資させることにより株式を付与するものであります。
4. 業績連動報酬は、当事業年度の業績に応じ決定した金額を記載しております。
また、会社役員に対する報酬等のうち、社外役員に対する報酬等は次のとおりであります。
(単位:百万円)
<その他>(取締役の選任の決議要件)
当社は、取締役の選任決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨を定款に定めております。
また、取締役の選任決議は、累積投票によらないものとする旨を定款に定めております。
(株主総会決議事項のうち取締役会で決議することができる事項)
当社は、機動的な資本政策及び配当政策を実施するため、会社法第459条第1項の規定に基づき、取締役会の決議により剰余金の配当等を決定することができる旨を定款で定めております。また、会社法第454条第5項に規定する中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。
(株主総会の特別決議要件)
当社は、株主総会における円滑な意思決定を行うために、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件につきまして、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めております。
(責任限定契約、取締役及び監査役の責任免除)
当社は、社外取締役及び社外監査役と、それぞれ定款に基づき、会社法第423条第1項の賠償責任を法令の定める限度額までに限定する契約を締結しております。
なお、当社は、社外取締役及び社外監査役を招聘するに当たり、取締役及び監査役の責任を合理的な範囲にとどめることにより、それぞれが職務の執行に際して期待される役割を十分に発揮できるよう、会社法第426条第1項の規定により、同法第423条第1項の行為に関する取締役(取締役であった者を含む。)及び監査役(監査役であった者を含む。)の賠償責任を取締役会の決議によって法令の限度において免除することができる旨を定款に定めております。
当社は、MS&ADインシュアランスグループの一員として、「MS&ADインシュアランスグループ 経営理念・経営ビジョン・行動指針」の下、経営資源の効率的な活用と適切なリスク管理を通じ、持続的成長を実現するため、透明性と牽制機能を備えた経営体制を構築し、当社及びMS&ADインシュアランスグループ全体の企業価値の向上に努めております。
<経営体制>当社は、監査役会設置会社として、取締役会及び監査役会双方の機能の強化、積極的な情報開示等を通じ、ガバナンスの向上に取り組んでおります。また、執行役員制度及び社外取締役を導入し、経営意思決定・監督機関と業務執行機関の機能分担を明確にした経営体制を構築しております。
有価証券報告書提出日現在の経営体制は、取締役13名、監査役5名、執行役員28名で構成されております。取締役の定員は定款により20名以内と定めております。なお、事業年度ごとの業績に対する経営責任を明確にし、経営環境の変化に機動的に対応するため、取締役・執行役員の任期は1年としております。
なお、当社は完全親会社であるMS&ADインシュアランス グループ ホールディングス株式会社との間で経営管理契約を締結し、同社から経営に関する助言等を受けております。
(取締役会)
取締役会は、取締役13名(うち社外取締役4名)で構成され、法令・定款に定める事項のほか、経営方針、資本政策等、経営戦略上重要な事項(サステナビリティに関する取組みを含む)、及び会社経営上の重要な事項の意思決定並びに業務執行の監督を行い、毎月1回の定時開催に加えて、必要に応じて随時開催しております。2023年度は、12回開催(別途、書面開催2回)し、三笠取締役、大日方取締役は10回出席、その他10名は12回出席、1名は2回中2回出席、1名は10回中10回出席しております。
また、取締役会の内部委員会として、人事委員会、報酬委員会を設置しております。
人事委員会は、当社の取締役・監査役・執行役員・理事の選任等の重要な人事事項について審議し、取締役会に助言します。委員会は、必要の都度開催するものと定め、2023年度は、2回開催し、三笠取締役、大日方取締役は1回出席、その他4名はすべての回に出席しております。
報酬委員会は、当社の取締役・執行役員の報酬等について審議し、取締役会に助言します。委員会は、必要の都度開催するものと定め、2023年度は、2回開催し、全委員がすべての回に出席しております。
(監査役・監査役会)
各監査役は、監査役会で定めた監査の方針・計画等に従い、取締役会をはじめ、経営会議や各種委員会といった重要な会議へ出席し意見を述べる等、取締役・執行役員の業務執行、内部統制等の監査を行っております。
監査役会は5名の監査役(うち社外監査役3名)で構成されております。監査役会は、監査役からの監査に関する重要な事項についての報告を受けるとともに、監査の方針・計画等を決定します。
(経営会議)
当社は、業務執行に係る重要な事項の決定を行う会議体として経営会議を設置しております。経営会議は、取締役、本社部門を担当する執行役員を中心に構成され、毎月の定例開催に加えて、必要に応じて随時開催しております。
また、各担当分野に係る重要な個別課題の審議・検証及び提言を行う課題別委員会として、お客さま本位の事業運営推進委員会、ERM委員会、サステナビリティ委員会、国内保険戦略委員会、海外事業委員会、テレマティクス・モビリティサービス委員会、企業革新推進委員会を設置しております。
[コーポレート・ガバナンスの体制図]

<内部統制システムに関する方針>当社は、会社法及び会社法施行規則に基づき内部統制システムに関する方針を以下のとおり定め、本方針に従い内部統制システムの有効性の向上に取り組んでおります。
(内部統制システムに関する方針)
当社は、MS&ADインシュアランス グループ ホールディングス株式会社(以下「持株会社」という。)が定める経営理念(ミッション)の下、経営資源の効率的な活用と適切なリスク管理を通じ、長期的な安定と持続的成長を実現するため、以下のとおり透明性と牽制機能を備えた経営体制を構築し、当社及びMS&ADインシュアランス グループ(以下「MS&ADグループ」という。)全体の企業価値の向上に努めていく。
1.グループ経営管理体制(当社ならびに親会社及び子会社から成る企業集団における業務の適正を確保する
ための体制)
(1)当社は、持株会社が定める経営理念(ミッション)・経営ビジョン・行動指針(バリュー)(当社独自の行動指針を含む)を、当社、その子会社及び関連会社(以下、「関連会社各社」という。)の全役職員へ浸透させるよう努める。また、経営理念(ミッション)・経営ビジョン・行動指針(バリュー)の趣旨・精神を尊重する企業文化・風土が形成されているか、その実践状況を取締役会に報告する。
(2)当社は、持株会社と締結する経営管理契約(以下「経営管理契約」という。)に基づき、持株会社が定めるMS&ADグループの基本方針(コーポレートガバナンス、リスク管理、コンプライアンス、内部監査等)を遵守するとともに、持株会社から必要な助言・指導・支援を受け、当社及び関連会社各社の規模・特性等に応じた体制を整備する。
(3)当社は、当社及び関連会社各社に関する重要事項について、経営管理契約に基づき、持株会社に承認を求め、又は報告する。
(4)当社は、関連会社各社に対し、株主総会決議事項について適切な意思表示を行うなど、適切に株主権を行使す
る。
(5)当社は、経営管理契約に基づき、当社の関連会社各社の経営管理を行う。また、各社の規模・特性に応じて以下の①~④に記載する内容を含めた業務の適正を確保するための体制を整備する。なお、海外の拠点・子会社については、体制整備の推進にあたり現地の法令や特性を考慮する。
①当社の関連会社各社の取締役の職務の執行に係る事項の当社への報告に関する体制
当社は、関連会社各社の重要事項について、当社の承認又は当社への報告を求めることとする。加えて、それらのうち一定の基準を満たすものについては、当社取締役会の付議事項とする。また、定期的に関連会社各社の業績について報告を受け、当社取締役会及び経営会議に報告する。
②当社の関連会社各社の取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制(下記2.)
③当社の関連会社各社の取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制(下記3.)
④当社の関連会社各社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制(下記4.)
2.職務執行の効率性確保のための体制(当社及びその子会社の取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制)
(1)当社は、迅速な意思決定と適切なモニタリングを両立させるため、執行役員制度を採用するとともに社外取締役を選任し、取締役会による「経営意思決定、監督機能」と執行役員による「業務執行機能」の分離と機能強化を図る。加えて、取締役会において実質的な議論を可能とするため取締役の員数を20名以内とするとともに、執行役員への業務執行権限の委譲を進める。
(2)当社は、取締役及び執行役員の職務執行が適正かつ効率的に行われるよう、組織・職務権限規程等を定め、遂行すべき職務及び職務権限を明確にする。
(3)当社は、全役職員が共有する全社目標として、MS&ADグループの経営計画に則って中期経営計画及び年次計画を定め、その浸透を図るとともに、適切な経営資源の配分を行う。
(4)当社は、経営基盤としてのITの重要性に鑑み、MS&ADグループのITガバナンス基本方針に従い、ITガバナンス態勢を構築する。
(5)当社は、MS&ADグループの税務に関する基本方針に従い、税務に関する基本的な考え方を踏まえた税務ガバナンス態勢を構築する。
(6)取締役は、当社及び関連会社各社の業務執行状況を定期的に取締役会に報告する。取締役会は、報告内容を踏まえ、必要に応じて、目標の修正又は経営資源の追加配分等の対応を行う。
(7)当社は、経営会議を定期的に開催し、取締役会の委任による業務執行に係る重要な事項の決議、及び担当役員の決定事項のうち部門横断課題など重要事項の報告を行う。
3.法令等遵守体制(当社及びその子会社の取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合すること
を確保するための体制)
(1)当社及び関連会社各社は、MS&ADグループのコンプライアンス基本方針に従い、全役職員に対しコンプライアンス意識の徹底に取り組み、法令や社内ルール等を遵守し、高い倫理観に基づいた事業活動を行う。
(2)当社は、コンプライアンスの徹底と企業倫理の確立を図るため、法令等遵守規程を制定するとともに、その実践計画としてコンプライアンス・プログラムを定め、その実施状況を監視する。また、コンプライアンス・マニュアルを定め、当社及び関連会社各社の事業活動、経営環境等を勘案して必要に応じて見直しを行う。
(3)当社は、当社及び関連会社各社のコンプライアンスに関する事項を統括して管理するコンプライアンス統括部門などの組織・体制を整備する。また、コンプライアンスに係る基本方針及び実行計画等の重要課題に対する審議・検証及び提言を行うお客さま本位の事業運営推進委員会を設置し、同委員会で確認された課題について必要な措置を講じる。コンプライアンス統括部門は、定期的にコンプライアンス推進状況を取締役会に報告する。
(4)当社は、当社及び関連会社各社の役職員がコンプライアンス上の問題を発見した場合の報告ルールを法令等遵守規程に定める。コンプライアンス上の問題について報告・通報を受けたコンプライアンス統括部門は、関連会社各社及び関係部門と連携のうえ、その内容を調査し、再発防止策等を策定する。
(5)当社及び関連会社各社は、MS&ADグループの反社会的勢力に対する基本方針に従い、反社会的勢力排除のための体制整備(対応統括部署の整備、対応要領の整備、反社会的勢力に係るデータベース管理体制の整備、警察等外部専門機関等との連携強化等)に取り組み、反社会的勢力に対しては毅然とした姿勢で臨み、不当、不正な要求に応じない旨を全役職員に徹底する。
(6)当社は、役員等の関連当事者との取引を行う場合には、MS&ADグループ及び持株会社の株主共同の利益を害することのないよう、競業取引や利益相反取引を取締役会で承認するなど監視を行う。
(7)当社及び関連会社各社の保険会社は、MS&ADグループのグループ内取引及び業務提携等に関する基本方針に従い、アームズ・レングス・ルールの遵守その他グループ内取引等の適切性を確保するための体制を整備する。
(8)当社及び関連会社各社の保険会社は、MS&ADグループの利益相反管理に関する基本方針に従い、利益相反管理のための体制を整備する。
(9)当社及び関連会社各社は、MS&ADグループの外部委託管理基本方針に従い、外部委託管理のための体制を整備する。
(10)当社及び関連会社各社は、組織又は個人による法令違反、社内規程違反、不適切な行為又はこれらのおそれのある行為について、全役職員等が社内及び社外の窓口に直接通報・相談できるスピークアップ制度(内部通報制度)を設け、全役職員に対し制度の周知を図る。また、スピークアップ制度運用規程を定め、通報者が通報を行ったことにより不利な取扱いを行わないことを定めるとともに、制度の運用状況を取締役会に報告する。
(11)当社は、関連会社各社及びその役職員に対して法令に違反する行為を助言、容認又は指示しない。
4.統合リスク管理体制(当社及びその子会社の損失の危険の管理に関する規程その他の体制)
(1)当社及び関連会社各社は、MS&ADグループのリスク管理に関する基本方針に従って基本的な考え方を共有するとともに、会社別のリスク管理方針を策定し、適切なリスク管理を実行する。
(2)当社は、リスク管理方針において、適切にリスク管理を行うための組織・体制、リスク管理における役割と責任を明確に定める。
(3)当社は、統合リスク管理の推進・徹底を図るため、ERM委員会を設置し、リスク管理に関する方針・計画、統合リスク管理状況及びその他の重要事項にかかる協議・調整を行う。
(4)リスク管理部門は、当社及び関連会社各社のリスク及びリスク管理の状況をモニタリングするとともにリスク量と資本の比較により、必要な資本が確保されていることを確認し、これらの状況についてERM委員会の協議・調整結果も踏まえて、取締役会へ報告する。
(5)当社は、社会的使命の遂行及びステークホルダーへの責任を果たすため、当社が定める危機管理規程に従い、当社及び関連会社各社の危機管理態勢及び事業継続態勢を構築し、危機のもたらす被害・ダメージを最小化するために必要な体制を整備する。
5.財務報告の信頼性を確保するための体制
(1)当社は、監査役候補の選任にあたり、監査役のうち最低1名は経理又は財務に関して十分な知識を有する者を選任する。
(2)当社は、MS&ADグループの情報開示統制基本方針に従い、当社及びその連結子会社に関する財務情報及び非財務情報を適正かつ適時に開示するための体制を整備する。
(3)当社は、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に則って、当社及びその連結子会社の経営成績及び財政状態の真実明瞭なる報告を行うため、経理規程を定め、経理業務に関する重要事項を規定する。
(4)当社は、金融商品取引法に準拠して実施する「財務報告に係る内部統制」の当社及びその連結子会社における整備・運用状況の評価結果について、検証を行う。
(5)情報開示統制の担当部門は、情報開示統制の有効性評価と実行性向上への対応を行う。また、当社及び関連会社各社における情報開示統制の有効性及び情報開示の適正性に関する検証結果を取締役会に報告する。
6.内部監査の実効性を確保するための体制
(1)当社は、MS&ADグループの内部監査基本方針に従い、実効性があり、かつ効率的な内部監査を実行するための体制を整備する。
(2)当社は、内部監査部門として独立した専門組織を設置し、当社及び関連会社各社の全ての業務活動を対象として内部監査を実施する。
(3)当社は、内部監査に係る基本的事項を規定する内部監査規程ならびにリスクの種類及び程度に応じた内部監査計画を定める。
(4)内部監査部門は、実施した内部監査の結果等のうち重要な事項、監査対象部門における改善状況等を取締役会に報告する。
7.情報管理体制(取締役の職務の執行等に係る情報の保存及び管理に関する体制)
(1)当社は、会社情報管理規程を定め、取締役及び執行役員の職務の執行に係る文書等(電磁的記録を含む。)その他の会社情報を適切に保存及び管理する。また、取締役及び監査役は、これらの情報を常時閲覧できるものとする。
・株主総会議事録
・取締役会その他経営会議体に係る議事録
・取締役又は執行役員を最終決裁者とする決裁書
・その他会社情報管理規程に定めるもの
(2)当社及び関連会社各社は、MS&ADグループのお客さま情報管理基本方針に従い、当社及び関連会社各社の規模・特性等に応じた適切な体制を整備する。
8.監査役監査の実効性を確保するための体制
(1)監査役の職務を補助すべき使用人、当該使用人の独立性及び当該使用人に対する指示の実効性の確保に関する体制
①当社は、監査役の職務を補助するため、監査役室を設け専任の使用人を置く。
②取締役は、監査役室の独立性に配慮し、監査役室の組織変更、上記使用人の人事考課、人事異動等、人事に関する事項は、監査役と取締役が協議する。
(2)監査役への報告に関する体制
①取締役及び執行役員は、職務執行に関して重大な法令・定款違反もしくは不正行為の事実、又は会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実を知ったときは、直ちに監査役会に報告しなければならない。
②取締役及び執行役員は、事業・組織に重大な影響を及ぼす決定、内部監査の実施結果、内部通報状況その他監査役に定期的に報告を行う事項について、監査役との協議により定める方法により、監査役に報告する。
③当社及び関連会社各社の役職員等は、法令違反、社内規程違反、不適切な行為又はこれらのおそれのある行為のうち経営上重大なものについて、持株会社及び当社の監査役に直接内部通報することができるものとする。
④当社及び関連会社各社は、①~③の報告をした者について、当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを行わない。
(3)その他
①当社は、監査役が取締役会のほか経営会議その他の重要な会議に出席できることを、関連する規程等において明記する。
②代表取締役は、監査役会と定期的に、当社が対処すべき課題、監査役監査の環境整備の状況、監査上の重要課題等について意見交換を行う。
③内部監査部門は、監査役から求められたときは、監査役の監査に対し協力する。
④当社は、監査役からその職務の執行について会社法第388条に基づく費用の前払又は償還の請求等を受けた場合には、同条に従い手続を行う。
<コンプライアンス>(コンプライアンス基本方針(抜粋))
当社は、コンプライアンスを経営上の最重要課題のひとつと位置付け、すべての役員・社員が企業の社会的責任
を常に認識し、コンプライアンスを実践する態勢を構築するため、本方針を定めます。
1.基本的な考え方
(1)経営理念の実現に向け、事業活動のあらゆる場面でコンプライアンスを徹底し、企業倫理を確立します。
(2)コンプライアンスとは、「事業活動に関連するすべての法令、主務官庁が定める監督指針・ガイドライン等及び社内規程、社会的規範(以下これらを「法令等」といいます。)を遵守し、社会の期待と要請に応えるべく誠実 かつ公平・公正な活動を実践すること」とします。
2.コンプライアンス態勢の構築
(1)コンプライアンスに関する重要事項が、経営陣に適切に報告される体制を整備します。
(2)コンプライアンスに関する事項を一元的に管理し、コンプライアンスを推進する部門を設置するとともに、コンプライアンス態勢の確保のために必要な権限を付与します。
(3)役員・社員がコンプライアンス上問題となる行為を発見した場合の報告・相談体制を整備します。
(コンプライアンスの推進)
コンプライアンス推進・品質向上に係る課題別委員会としてお客さま本位の事業運営推進委員会」を設置し、コンプライアンス部門をはじめ各部門が、社員に対するコンプライアンス教育や代理店の募集に関する事項を含めたコンプライアンスの推進を行っております。
<リスク管理>(リスク管理に対する基本的な方針)
複雑化・多様化する経営上のリスクに的確に対応し、お客さま、株主、その他すべてのステークホルダーへの責任を果たすべく、リスクの正確な把握・評価と適切な管理に努めております。
(リスク管理方針)
当社はリスク管理を経営の最重要課題と位置付け、「MS&ADインシュアランス グループ リスク管理基本方針」に沿って、取締役会で「リスク管理方針」を制定し、リスク管理を行っております。
(リスク管理体制)
全社のリスク管理を統括する統合リスク管理部門とERM経営及びリスク管理に係る課題別委員会であるERM委員会を設置しており、重要なリスク情報はERM委員会での審議を通じ、取締役会等に報告する体制を取っております。
また、リスク管理を適切に行うために、第一から第三の防衛線を持つ「3ラインディフェンス」態勢を構築しております。
第一の防衛線は業務執行部門と一次リスク管理部門が担い、一次リスク管理部門は業務執行部門が所管する業務に係るリスクをコントロールし、把握したリスクやリスク管理の状況について、二次リスク管理部門や経営等に報告します。
第二の防衛線は二次リスク管理部門が担い、一次リスク管理のモニタリングを行っております。
また、二次リスク管理部門は、統合リスク管理部門として定量・定性両面から統合リスク管理を行い、その結果をERM委員会、取締役会等に報告します。
第三の防衛線は内部監査部門が担い、第一及び第二の防衛線で実施されているリスク管理プロセスの有効性を評価し、取締役会に報告します。
(統合リスク管理)
当社では、多様なリスクを総合的に把握し、リスクへの対応を漏れなく行うこと、重要なリスクに優先的・重点的に対応すること、必要な資本を確保することを目的として、定量・定性の両面から当社全体のリスクの状況を管理する統合リスク管理を行っております。
<役員報酬等の内容>当連結会計年度における当社の取締役及び監査役に対する報酬その他の職務遂行の対価は以下のとおりであります。
会社役員に対する報酬等(社外役員を含む) (単位:百万円)
区 分 | 支給人数 | 報酬等の総額 | 報酬等の種類別の総額 | ||
固定報酬 | 業績連動報酬等 | ||||
金銭報酬 | 非金銭報酬等 | ||||
(株式報酬) | |||||
取締役 | 14名 | 540 | 370 | 99 | 70 |
監査役 | 5名 | 80 | 80 | ― | ― |
計 | 19名 | 620 | 450 | 99 | 70 |
(注)1. 使用人兼務取締役の使用人としての報酬その他の職務遂行の対価はありません。
2. 定款又は株主総会で定められた報酬限度額は以下のとおりであります。
・取締役における年額報酬(金銭報酬)は750百万円以内(うち、社外取締役は年額50百万円以内、使用人兼務取締役の使用人分の給与は含みません。)
・取締役(社外取締役を除きます。)の年額報酬(株式報酬)は250百万円以内
・監査役における年額報酬は110百万円以内
3. 取締役の年額報酬(株式報酬)は、MS&ADインシュアランス グループ ホールディングス
株式会社が当社の取締役に対し割り当てる譲渡制限付株式の払込金額に相当する金銭報酬債権
であり、当該債権を取締役より現物出資させることにより株式を付与するものであります。
4. 業績連動報酬は、当事業年度の業績に応じ決定した金額を記載しております。
また、会社役員に対する報酬等のうち、社外役員に対する報酬等は次のとおりであります。
(単位:百万円)
区 分 | 支給人数 | 報酬等 |
取締役 | 5名 | 48 |
監査役 | 3名 | 28 |
計 | 8名 | 76 |
<その他>(取締役の選任の決議要件)
当社は、取締役の選任決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨を定款に定めております。
また、取締役の選任決議は、累積投票によらないものとする旨を定款に定めております。
(株主総会決議事項のうち取締役会で決議することができる事項)
当社は、機動的な資本政策及び配当政策を実施するため、会社法第459条第1項の規定に基づき、取締役会の決議により剰余金の配当等を決定することができる旨を定款で定めております。また、会社法第454条第5項に規定する中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。
(株主総会の特別決議要件)
当社は、株主総会における円滑な意思決定を行うために、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件につきまして、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めております。
(責任限定契約、取締役及び監査役の責任免除)
当社は、社外取締役及び社外監査役と、それぞれ定款に基づき、会社法第423条第1項の賠償責任を法令の定める限度額までに限定する契約を締結しております。
なお、当社は、社外取締役及び社外監査役を招聘するに当たり、取締役及び監査役の責任を合理的な範囲にとどめることにより、それぞれが職務の執行に際して期待される役割を十分に発揮できるよう、会社法第426条第1項の規定により、同法第423条第1項の行為に関する取締役(取締役であった者を含む。)及び監査役(監査役であった者を含む。)の賠償責任を取締役会の決議によって法令の限度において免除することができる旨を定款に定めております。