有価証券報告書-第107期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、会社の経営の基本方針となるステートメント、ビジョン、ミッションのもと、企業としての成長と社会的な価値の創出に積極的に取り組んでおります。
(注)1999年6月に制定し、2018年4月に改訂しております。
(2)経営環境、会社の長期経営方針及び対処すべき課題
今後の社会経済環境の見通しにつきましては、世界経済全体は、緩やかな回復が続くことが期待されますが、米中貿易摩擦の動向、英国のEU離脱問題の進展、中国やアジア新興国の経済の先行きのほか地政学リスクの影響など、世界経済の不確実性は依然として高い状態にあります。
わが国においては、設備投資の増加と個人消費の持ち直しが続くことも期待されますが、2019年10月に予定されている消費税率の引上げの影響や、世界の政治・経済、金融市場の動きにも引き続き留意する必要があるものと考えております。
また、人口減少・少子化・高齢化がますます進展するなか、テクノロジー、とりわけICTが加速度的に進化し、人々の価値観の多様化・分散化が進むとともに、社会の持続可能性や企業の社会的責任に対する意識が一層高まるなど、当社をとりまく事業環境が大きく変化していくことが予想されます。
このような見通しのもと、当社グループは、「街づくりを通して、持続可能な社会の構築を実現」、「テクノロジーを活用し、不動産業そのものをイノベーション」、「グローバルカンパニーへの進化」を目指し、基本戦略である「顧客志向の経営」、「ビジネスイノベーション」、「グループ経営の進化」の3つのストラテジーの実践による価値創造に取り組み、2018年5月に策定したグループ長期経営方針「VISION 2025」の達成に向け、鋭意邁進してまいります。
国内では、「リアルエステート・アズ・ア・サービス」、すなわち、「不動産をお客様にモノとしてではなくサービスとして提供する」という考えのもと、「ハードや空間づくり」から「ビジネスライフやくらしの提供」へシフトし、人が主役の街づくりを行うとともに、働く人の生産性向上、快適で健康なくらしなどの実現を目指してまいります。また、地域に根差したコミュニティの創出、良質なタウンマネジメントの推進など、経年優化する街づくりを行うとともに、新技術を積極的に活用し、超スマート社会の「場」であるスマートシティを実現してまいります。さらに、不動産をサービスとして提供するにあたって、デジタル技術の活用促進とリアルな空間の価値向上に取り組んでまいります。既存の商品やサービスへのICTの活用、不動産とICTの融合による新たなビジネスの創出、オフィス・商業施設・住宅等、リアルな空間でのデータの蓄積・活用など、リアルエステートテック活用によるビジネスモデルの革新を行うとともに、デジタル技術では生み出すことができない、人との出会い・ふれあいなどのリアルな空間の価値を高めることで、事業の競争力を一層高めてまいります。
海外では、総合デベロッパーとしての当社グループの強みを活かし、事業機会の獲得を進めていくとともに、ローカル化の推進とガバナンスの強化を図り、街づくり型開発を海外展開することで、海外事業の飛躍的な成長を推進いたします。
また、長期経営方針「VISION 2025」において、当社グループが目指す3つの柱を着実に実行するためには、人材戦略、組織・制度・ガバナンス、アセット・財務戦略など、その取り組みを支えるインフラを強化していく必要があります。
人材戦略では、目まぐるしく変化する社会のニーズに対応し、新たな価値を創造していくために、女性の活躍推進やグローバル人材・IT人材の採用・育成など、ダイバーシティを一層推進するとともに、働き方改革にも継続的に取り組むことで、多様な人材が活躍できる社会の実現を目指してまいります。
組織・制度・ガバナンスでは、当社グループの各社が、個社の利益ではなく、グループの利益が最大化するような取り組みを行っていく必要があり、そのため、グループ社員の意識や制度のあり方を変えていきます。また、新しいイノベーションを生み出す文化の醸成や制度創設にも改めて取り組んでいきます。さらに、事業領域が国内、海外を問わず今後も拡大を続けるなかで、企業活動におけるリスクマネジメントは非常に重要な課題と認識しており、当社およびグループ会社における内部管理態勢の強化など、引き続きコーポレートガバナンスを充実させ、企業価値の向上に一層努めてまいります。
アセット・財務戦略では、今後も優良な案件については積極的に投資していく考えですが、金融環境の変化、とくに金利上昇については留意する必要があります。欧米のみならず、国内においてもいずれは金利が上昇していくことを念頭におきながら、保有・開発・マネジメントのバランスの適切なコントロール、資産ポートフォリオの最適化に加えて、資産に応じた調達手法の最適化を図ることによって、財務の健全性を確保しながら持続的な利益成長を実現していきます。
このような取り組みを通じて、当社グループは、「&マーク」の理念のもと、ESG課題の解決に取り組み、「継続的な利益成長」と「持続可能な社会」を実現することで、Society5.0およびSDGsの達成に貢献してまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、グループ長期経営方針「VISION 2025」において、2025年度前後に向けて、連結営業利益は3,500億円程度、うち海外事業利益(※)は30%程度、ROAは5%程度を達成することを目標指標といたしました。
※海外事業利益=海外営業利益+海外持分法換算営業利益(海外所在持分法適用会社について、各社の営業利益または営業利益相当額(当期純利益から税負担分を考慮して簡便的に算出した利益)に当社持分割合を乗じて算出)
なお、グループ長期経営方針のもと、2019年3月期の通期業績予想は、売上高は1兆8,700億円、営業利益は2,500億円、経常利益は2,360億円、親会社株主に帰属する当期純利益は1,630億円としておりました。セグメント別には、以下のとおりの業績見通しとしておりました。
(注)2018年11月9日公表時の通期業績予想となります。
また、株主還元方針については、以下のとおり定めております。
① 中長期的な視点で、利益の再投資を通じた株主価値の向上を図るとともに、事業環境や業績、財務状
況などを総合的に勘案したうえで、株主への利益還元を行う。
② 利益還元については、安定的な配当の実施とともに、資本効率の向上を目的として機動的な自己株式
取得を行うものとする。
③ 総還元性向については、親会社株主に帰属する当期純利益の35%程度を目途とする。
当社グループは、会社の経営の基本方針となるステートメント、ビジョン、ミッションのもと、企業としての成長と社会的な価値の創出に積極的に取り組んでおります。
| GROUP STATEMENT 都市に豊かさと潤いを |
| GROUP VISION ~私たちはどうありたいか~ 1.「&」マークの理念 私たちは、「&」マークに象徴される「共生・共存」「多様な価値観の連繋」「持続可能な社会の実現」の 理念のもと、社会・経済の発展と地球環境の保全に貢献します。 ~「&EARTH」を掲げて、人と地球がともに豊かになる社会をめざします。 2.進化と価値創造 私たちは、不動産ビジネスを進化させることにより、人々に「新しい時代の夢と感動」をもたらします。 ~多様な「知」をとりいれ融合させることにより、国内外で新たな価値を創造します。 ~社会環境・市場構造などの変化と、そのグローバルな潮流を積極的にとらえます。 3.成長性と収益性に富んだ三井不動産グループ 私たちは、グループ総体の力を公正にいかんなく発揮することによって、「成長性と収益性に富んだ 三井不動産グループ」を実現します。 |
| GROUP MISSION ~私たちに今求められていること~ 1.ビジネスとくらしに関するソリューションとサービスの提供 豊かさと潤いをもたらし、安全・安心で魅力にあふれる空間とソフト、サービスを提供して、街の価値を 最大化する。 多彩で革新的なソリューションを提供して、不動産投資市場の成長に貢献する。 2.グローバルな視野で顧客のパートナーへ 顧客をビジネスの創造ならびに進化・発展の基盤と考える。 顧客が真に求めているものを多面的に把握し、グループの総力で提案・実現する。 顧客のパートナーとして、高い評価を獲得し続け、ブランド価値を高める。 3.企業価値の向上 持続的な利益成長を図るとともに、不断のイノベーションを行うことにより企業価値を向上させる。 経営資源の最適活用ならびに効率経営を追求する。 常にリスクに対して適正なマネジメントを行う。 4.個の力を高め結集してグループの力へ 多彩な人材、多様な価値観を融合し、パイオニア精神に満ちた独創性を育む。 個々人がプロフェッショナルな知識・能力を磨き、互いに共有して、付加価値創造力を高める。 企業倫理と規律、コンプライアンスについて、常に高い意識を持って行動する。 |
(注)1999年6月に制定し、2018年4月に改訂しております。
(2)経営環境、会社の長期経営方針及び対処すべき課題
今後の社会経済環境の見通しにつきましては、世界経済全体は、緩やかな回復が続くことが期待されますが、米中貿易摩擦の動向、英国のEU離脱問題の進展、中国やアジア新興国の経済の先行きのほか地政学リスクの影響など、世界経済の不確実性は依然として高い状態にあります。
わが国においては、設備投資の増加と個人消費の持ち直しが続くことも期待されますが、2019年10月に予定されている消費税率の引上げの影響や、世界の政治・経済、金融市場の動きにも引き続き留意する必要があるものと考えております。
また、人口減少・少子化・高齢化がますます進展するなか、テクノロジー、とりわけICTが加速度的に進化し、人々の価値観の多様化・分散化が進むとともに、社会の持続可能性や企業の社会的責任に対する意識が一層高まるなど、当社をとりまく事業環境が大きく変化していくことが予想されます。
このような見通しのもと、当社グループは、「街づくりを通して、持続可能な社会の構築を実現」、「テクノロジーを活用し、不動産業そのものをイノベーション」、「グローバルカンパニーへの進化」を目指し、基本戦略である「顧客志向の経営」、「ビジネスイノベーション」、「グループ経営の進化」の3つのストラテジーの実践による価値創造に取り組み、2018年5月に策定したグループ長期経営方針「VISION 2025」の達成に向け、鋭意邁進してまいります。
国内では、「リアルエステート・アズ・ア・サービス」、すなわち、「不動産をお客様にモノとしてではなくサービスとして提供する」という考えのもと、「ハードや空間づくり」から「ビジネスライフやくらしの提供」へシフトし、人が主役の街づくりを行うとともに、働く人の生産性向上、快適で健康なくらしなどの実現を目指してまいります。また、地域に根差したコミュニティの創出、良質なタウンマネジメントの推進など、経年優化する街づくりを行うとともに、新技術を積極的に活用し、超スマート社会の「場」であるスマートシティを実現してまいります。さらに、不動産をサービスとして提供するにあたって、デジタル技術の活用促進とリアルな空間の価値向上に取り組んでまいります。既存の商品やサービスへのICTの活用、不動産とICTの融合による新たなビジネスの創出、オフィス・商業施設・住宅等、リアルな空間でのデータの蓄積・活用など、リアルエステートテック活用によるビジネスモデルの革新を行うとともに、デジタル技術では生み出すことができない、人との出会い・ふれあいなどのリアルな空間の価値を高めることで、事業の競争力を一層高めてまいります。
海外では、総合デベロッパーとしての当社グループの強みを活かし、事業機会の獲得を進めていくとともに、ローカル化の推進とガバナンスの強化を図り、街づくり型開発を海外展開することで、海外事業の飛躍的な成長を推進いたします。
また、長期経営方針「VISION 2025」において、当社グループが目指す3つの柱を着実に実行するためには、人材戦略、組織・制度・ガバナンス、アセット・財務戦略など、その取り組みを支えるインフラを強化していく必要があります。
人材戦略では、目まぐるしく変化する社会のニーズに対応し、新たな価値を創造していくために、女性の活躍推進やグローバル人材・IT人材の採用・育成など、ダイバーシティを一層推進するとともに、働き方改革にも継続的に取り組むことで、多様な人材が活躍できる社会の実現を目指してまいります。
組織・制度・ガバナンスでは、当社グループの各社が、個社の利益ではなく、グループの利益が最大化するような取り組みを行っていく必要があり、そのため、グループ社員の意識や制度のあり方を変えていきます。また、新しいイノベーションを生み出す文化の醸成や制度創設にも改めて取り組んでいきます。さらに、事業領域が国内、海外を問わず今後も拡大を続けるなかで、企業活動におけるリスクマネジメントは非常に重要な課題と認識しており、当社およびグループ会社における内部管理態勢の強化など、引き続きコーポレートガバナンスを充実させ、企業価値の向上に一層努めてまいります。
アセット・財務戦略では、今後も優良な案件については積極的に投資していく考えですが、金融環境の変化、とくに金利上昇については留意する必要があります。欧米のみならず、国内においてもいずれは金利が上昇していくことを念頭におきながら、保有・開発・マネジメントのバランスの適切なコントロール、資産ポートフォリオの最適化に加えて、資産に応じた調達手法の最適化を図ることによって、財務の健全性を確保しながら持続的な利益成長を実現していきます。
このような取り組みを通じて、当社グループは、「&マーク」の理念のもと、ESG課題の解決に取り組み、「継続的な利益成長」と「持続可能な社会」を実現することで、Society5.0およびSDGsの達成に貢献してまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、グループ長期経営方針「VISION 2025」において、2025年度前後に向けて、連結営業利益は3,500億円程度、うち海外事業利益(※)は30%程度、ROAは5%程度を達成することを目標指標といたしました。
※海外事業利益=海外営業利益+海外持分法換算営業利益(海外所在持分法適用会社について、各社の営業利益または営業利益相当額(当期純利益から税負担分を考慮して簡便的に算出した利益)に当社持分割合を乗じて算出)
なお、グループ長期経営方針のもと、2019年3月期の通期業績予想は、売上高は1兆8,700億円、営業利益は2,500億円、経常利益は2,360億円、親会社株主に帰属する当期純利益は1,630億円としておりました。セグメント別には、以下のとおりの業績見通しとしておりました。
| 2019年3月期通期業績予想 (2018.4.1~2019.3.31) | ||
| 売上高 | 営業利益 | |
| 賃貸 | 600,000 | 140,000 |
| 分譲 | 535,000 | 90,000 |
| マネジメント | 385,000 | 51,000 |
| 三井ホーム | 260,000 | 5,800 |
| その他 | 90,000 | 4,000 |
| 消去又は全社 | ― | △40,800 |
| 合計 | 1,870,000 | 250,000 |
(注)2018年11月9日公表時の通期業績予想となります。
また、株主還元方針については、以下のとおり定めております。
① 中長期的な視点で、利益の再投資を通じた株主価値の向上を図るとともに、事業環境や業績、財務状
況などを総合的に勘案したうえで、株主への利益還元を行う。
② 利益還元については、安定的な配当の実施とともに、資本効率の向上を目的として機動的な自己株式
取得を行うものとする。
③ 総還元性向については、親会社株主に帰属する当期純利益の35%程度を目途とする。