有価証券報告書

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2025/06/27 14:45
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150項目

有報資料

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営の基本方針
当社グループは、オフィスビルの賃貸を主な事業とし、「ビルを造り、街を創り、時代を拓く」という経営理念のもと、誠実を旨に顧客重視の良質なオフィススペースを提供し、経済社会の発展に貢献するとともに、収益の向上に努め企業価値を高めていくことを目指しております。上記の理念の具現化に向け、「ミッションステートメント」、「グループメッセージ」、「グループ行動規準」を制定し、グループ社員全員が掲げる使命及び行動指針を明確にしています。
(2) 中長期的な経営戦略
当社グループは、2023年度を初年度とする「ダイビルグループ中長期経営計画2035 BUILD NEXT.」(2023年度~2035年度)を策定いたしました。本経営計画は、2023年10月に当社創立100周年を迎え、当社グループの次なる100年を見据え、2035年をゴールとする経営ビジョン・方向性を示すものです。
<2035年のビジョン・ありたい姿>・オフィス賃貸事業の安定的な成長に加えて、アセットタイプの多様化や事業の多角化による一層の成長を実現し、人々がもっと愉しさと誇りを感じる“街創り”を推進していきたい。
・街創りや新たな価値創造により、顧客やグローバル・ローカル社会とともに社会課題の解決に向けて“時代を拓いて”いきたい。
●3つの事業戦略
①国内事業戦略
(a)新規物件の取得
都心・地方大型オフィス、都心型商業ビル、都心中小型オフィス、SPC・エクイティ出資
(b)既存物件の建替・リニューアル推進
八重洲ダイビル、御堂筋ダイビル
(c)アセットタイプ拡充の検討
オフィス、都心型商業ビル、ホテルに加え、物流施設、データセンター、レジデンス、シニア施設 等
(d)再開発・街創り
札幌PIVOT再開発、既存物件の建替・周辺地域を巻き込んだ再開発
②海外事業戦略
(a)既投資国への投資拡大
ベトナム、豪州
(b)新規投資国への投資
東南アジア、インド等成長地域への投資
(c)海外新規投資(手法・取組)
海外オフィスファンドへの投資 (d)商船三井との協業
地域ネットワークの活用、海運ビジネスとの連携
③新規事業戦略
(a)新規ビジネス
シェアオフィス、CVC(㈱MOL PLUS(商船三井100%子会社のCVC)との協業)
(b)ノンアセット事業
PM・BM等のフィービジネス拡大
(c)ビジネスモデルの多角化
ファンド・AM事業等
●戦略促進のための触媒
①商船三井グループとのシナジー
②環境・サステナビリティ
③DX
●5つの事業基盤
①テナントリレーション(営業力)
②安心・安全の追求
③財務戦略
④組織・制度・ガバナンス
⑤人材開発・育成
(3) 目標とする経営指標
上記戦略を推進する上で不可欠な物件取得機会を逸することがないよう、機動的な資金調達を可能とする一定の財務規律を維持しつつ、中長期的視点に基づくキャッシュ・フロー拡大と資産効率向上を通じ、更なる業績拡大を目指してまいります。経営計画におきましては以下の経営指標を目標に掲げております。
2035年度 税引前利益 250億円
総資産目安 1兆円(計画期間中の総投資額目安7,000億円)
(4) 優先的に対処すべき課題
●目下の経営環境についての認識
わが国経済は、賃金上昇を背景とした個人消費の復調や好調なインバウンド需要などにより、景気は緩やかな回復基調を見せました。一方で、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化や中東情勢の窮迫化に、2025年1月の米国トランプ大統領就任以降の大幅な関税引上げを契機とする世界各国を巻き込んだ貿易戦争が加わり、世界景気の先行きは混迷を深める状況となっています。国内では衆院選での連立与党の過半数割れにより、経済政策の進展が危ぶまれ、回復基調を辿ってきた景気も腰折れ懸念が出てきています。
オフィスビル業界におきましては、持続する好調な雇用状況を受け採用強化や職場環境改善など、人財確保を目途とした拡張ニーズが広がり、大都市圏においては、昨年度末に比べ空室率が改善、平均賃料も上昇するなど、コロナ禍からの回復傾向が鮮明になりました。不動産売買マーケットにおきましては、政策金利の引き上げにもかかわらず諸外国に比較し依然低金利下にあるわが国不動産に対し、海外投資家などによる物件取得ニーズは依然旺盛で、複数の超高額案件の売買事例も見られるなど、取得競争に引き続き衰えは見られません。
こうした状況の下、当社グループは、お客様の安心・安全を第一に、ビル管理品質向上活動を継続しながら、環境問題にも積極的に取組み、競合ビルとの差別化を図ってまいりました。顧客目線に立ったテナントサービスを提供し続けることで、高水準の稼働率を保ちつつ、賃料水準の適正化を図り、営業収益の維持拡大に努めております。
●優先的に対処すべき課題
以上のような経営環境の認識にたち、経営計画において掲げた施策の遂行のため、以下①~④を特に優先的に対処すべき課題ととらえ、取り組みに注力しております。
①国内事業戦略の推進
当社グループの国内における保有アセットは東京・大阪に集中し、また、大半が大型のオフィス用途となっております。経営計画における国内事業戦略では、新規物件の取得、既存物件の建替・リニューアル、アセットタイプの拡充、再開発・街創りに注力する方針を掲げております。
既存物件の建替・リニューアルにおいては、2025年6月竣工予定の「八重洲ダイビル」(地上11階、地下3階、延床面積22,700㎡)におきまして、新規テナント誘致を順調に進めております。
アセットタイプ拡充においては、安定収益が期待でき、一定のインフレ耐性も有する住居系(18物件)に関わる信託受益権の取得を目的とした特別目的会社への出資を行いました。名古屋市での物流不動産(冷凍自動倉庫)の開発事業や、千葉県柏市での物流不動産(冷凍冷蔵倉庫)の開発事業への参画、大阪府堺市に所在する物流施設のブリッジ保有を目的とした特別目的会社への出資など、投資対象の多様化に努めてまいりました。
再開発・街創りにおいては、札幌市で開発を進めている「札幌ダイビル再開発プロジェクト」(2027年4月末竣工予定、地上19階、地下2階、延床面積約42,000㎡)の新築工事に着手し、参加組合員として参画中の札幌駅南口「北4西3地区第一種市街地再開発事業」(2028年7月末竣工予定、地上33階、地下7階、延床面積約203,750㎡)におきましても新築工事を開始いたしました。また、事業協力者として参画中の「新橋駅東口地区再開発事業」推進のため、区域内に位置する「新橋東口ビル」を取得しました。
②海外事業戦略の推進
国内においては上記①のとおり、対象を拡充することで投資実現性を高める戦略を掲げる一方で、海外においては既存投資国への投資拡大に加え、新たに戦略投資国としたインドなど新規国への投資による成長戦略を描いております。
既存投資国であるベトナムにおいては、2012年にホーチミン市の「サイゴン・タワー」、2014年にハノイ市の「コーナーストーン・ビルディング」、2023年にハノイ市の「63 Ly Thai To」と、ベトナム2大都市における好立地Aグレード・オフィスビルを取得し、当社社員を現地のビル保有・運営会社に派遣し日本国内に準じたオフィス賃貸サービスを提供することでテナント及び市場から高い評価を受けております。
豪州においては、先進国でありながら安定した経済成長・人口増加が期待でき、不動産マーケットの透明性・流動性も高いことから当社は同国を投資有望国と位置づけ、2018年にシドニー「275 George Street」開発プロジェクトを取得いたしました。2019年には現地駐在員を派遣し、2020年に完工した「275 George Street」の運営を行うとともに新規投資案件の開拓を進めてきました。2023年5月にはメルボルン中心地区で推進しているオフィスビル開発プロジェクト「7 Spencer Street(仮称)」への参画を決定し、同年8月には同社が運営するオフィスビルファンド「Mirvac Wholesale Office Fund」に出資しました。2025年3月には、第3号案件となるシドニー中心地区に位置するAグレードビル「135 King Street」の取得契約を締結いたしました。
インドにおいては、2024年4月に首都ニューデリー近郊の新都心グルグラム市中心地区におけるオフィスビル開発プロジェクト「Atrium Placeプロジェクト」へ参画、同年11月には南部の主要都市チェンナイ市ビジネスパークにおける「International Tech Park Chennai, Radial Road」へ参画し、経済・人口の成長が見込めるインドマーケットへ進出を果たしました。
海外事業の推進は経営計画において主要戦略の一つであり、当社の100%株主である株式会社商船三井の海外ネットワークも活用し、これまで以上に海外投資を加速させてまいります。
③新規事業戦略の推進
上記の国内・海外事業戦略の推進に加え、将来的に新たな事業の柱となる新規事業戦略にも積極的に取組んでおります。ビジネスモデルの多角化では、ROA向上を図りつつ、一定の投資リターンの確保を目指すことを目的に、東京都心部の大型オフィス物件を対象として、当社初の取組となるメザニン投資を実行、また、建築コストが高騰する中で、当社築古オフィスビルの有効活用を図るための施策の一つとしてオフィスバリューアップについてのノウハウ獲得を目的としたバリューアッドファンドへの出資契約を締結しました。
新規事業領域への投資として、商船三井のコーポレートベンチャーキャピタルであるMOL PLUSと協業し、不動産テックを投資対象とする米国のベンチャーキャピタルファンド「MetaProp」への出資や、空飛ぶクルマのバーティカルプラットフォームを開発する「AirX」への出資など、当社初となるスタートアップ投資を実行いたしました。
引続き、不動産テック、スマートシティ、環境サステナビリティ、DX等のスタートアップ企業への出資・支援を通じた不動産事業のアップグレード・新規事業創出で「新しい街創り」を目指します。
④事業基盤の維持・強化
経営計画では、上述の3つの事業戦略を促進するための触媒として、商船三井グループとのシナジーの創出、環境・サステナビリティ、DX推進を位置付けております。
商船三井グループとのシナジーにおいては、商船三井グループの経営資源を活用することで、当社の強みである国内オフィス賃貸事業の成長投資のみならず、オフィスマーケット拡大が期待される海外地域での事業拡大に取組み、持続的な企業価値向上に努めてまいります。
環境・サステナビリティへの取組においては、2021年9月に策定・公表したマテリアリティを踏まえ、国内及びベトナムに保有するすべてのビルにCO2フリー電力(注)を導入するなど、事業を通じて脱炭素社会の実現に寄与し、もって差別化を図る取組を進めております。
DX推進においては、オフィス賃貸事業やビル管理事業でのDXツールの導入を検討するほか、当社グループの働き方改革に活用する方針です。
また、事業戦略を支える事業基盤として、テナントリレーションの強化、安心・安全の追求、財務戦略、組織・制度・ガバナンスの強化、人材開発・育成を掲げております。
(注)非化石証書の使用による実質的に再生可能エネルギー由来の電力。なお、建替予定ビル及び当社が電力需給契約を締結していないビルを除く。

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