有価証券報告書-第44期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/28 9:33
【資料】
PDFをみる
【項目】
109項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものです。
不動産業界においては、建築コストの高騰等により住宅需要は郊外を中心に弱含みが続くものと思われます。
また、首都圏(1都3県)においては、人口流入が続いているものの、少子高齢化の進行に伴い、マンションの新規分譲事業は安定的に拡大を図ることが困難になると予想されます。
こうした中、当社は、2016年6月に、2017年3月期から2020年3月期までの4ヶ年を対象期間とする中期経営計画を策定いたしました。
本計画は、以下の4本柱の拡大成長を図ることにより、外部の環境変化を受けない強靭な体質を作ることを基本方針とし、2020年3月期には連結売上高1,000億円、連結経常利益60億円の達成を目標としております。
① 不動産事業(マンション分譲事業)
日神不動産株式会社が行うマンション分譲事業を中心としています。用地価格及び建築コストの高止まりによる分譲価格の高騰を解決すべく、各社の経営資源を集め、マンション用地の仕入れ、企画から建設、販売、物件完成後のマンション管理、更には売却時の仲介や賃貸の募集、リノベーションなど一貫した体制を強化し、顧客サービスの向上とグループ経営の効率化を図ります。
② 建設事業
不動産デベロッパー内に建設会社である多田建設株式会社を有するという希少性を生かし、当社分譲マンションの品質向上と顧客ニーズの素早い取り込みを図るとともに、グループ外部のマンション工事等を積極的に受注することによりグループの安定化と拡大を図ります。
③ 不動産管理事業
分譲マンション・賃貸マンションを問わず、長期にわたり不動産を管理又は管理受託することに加え、リフォーム業や仲介業などを手掛けることにより、幅広い需要に対応した継続的な事業の発展を図ります。
④ 不動産事業(不動産証券化事業)
日神不動産株式会社が40年間首都圏に特化して蓄積した、マンション分譲事業のノウハウを生かし、賃貸マンションの流動性が高い不動産証券化市場への積極的な事業展開を行います。平成25年に事業の中心となる日神不動産投資顧問株式会社を設立し、平成30年3月には私募リート(日神プライベートレジリート投資法人)の運用を開始しました。今後も新規物件の組入を中心に、当社が用地仕入・物件開発を行い、多田建設株式会社にて建設を行うことによりグループの継続的な売上に貢献することを目指しております。
また、当社は、株主の皆様に対する利益の還元を会社運営における重要課題の一つとして認識しております。株主重視の方針に加え、今後の事業展開等を勘案し、内部留保にも意を用い、業績に応じた適正配当を行うとともに、長期的な安定配当を維持することを基本方針としております。また、配当性向は15%以上を目安としております。
この基本方針に基づき、当期の期末配当につきましては、前期より1円増配の16円とさせていただきます。