有価証券報告書-第20期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による経済政策と金融緩和政策を背景に企業業績が堅調に推移するなか、設備投資の増加基調が持続、雇用・所得環境が改善し、景気は自然災害の影響で一時的な下振れがあったものの底堅く推移しました。一方、世界経済は、米中間の通商問題や英国のEU離脱の行方など、不確実性や先行きの不透明感の高まりから景気の減速が懸念されております。
不動産業界においては、都心オフィスビル市場(都心5区:千代田・中央・港・新宿・渋谷区)の平均空室率がバブル期の1991年以来27年ぶりに2%を下回り、2019年3月末には1.78%と低下傾向が続いております。一方、2019年3月末の平均賃料は21,134円(坪単価)となり、63カ月連続で上昇し、2018年4月からは1,238円上昇(6.2%増)しました(民間調査機関調べ)。また、不動産価格の高騰を背景に一部金融機関の融資姿勢が慎重になっているものの、不動産投資市場は、堅調な企業収益による底堅い需要が続いております。
このような環境下、当社グループでは、東京都心部における中小型オフィスビルに特化した「不動産再生と活用」をコアビジネスとし、ビルオーナー様の不動産に関する様々な不満や不便、「お困りごと解決」にスピード感を持って期待以上で応えるべく、お客様視点で真摯かつ誠実に取り組んでまいりました。また、お客様お一人おひとりに対し、ビルの賃貸仲介及び売買仲介、ビル管理・メンテナンス、小規模・大規模リニューアル、相続や税務相談、賃料滞納に備えた保証の提供等に至るまで、親切で丁寧に寄り添い、また、高度な専門知識と豊富な不動産サービスを提供することを通してお客様からの信頼を積み上げてまいりました。このように当社グループは、既存ビルを市場ニーズに即した高付加価値ビルに再生させる差別化戦略を図りつつ、同時にお客様に対しては、安全安心のビル管理、地域に根ざしたテナントの仲介、専門家による資産コンサルティング等のきめ細かな包括サービスをワンストップで提供し、お客様に選んでいただける「不動産経営のパートナー」として、圧倒的な信頼関係を構築しております。
また、当社グループは、「心温かいホテル」をテーマに、ホテルの開発・再生・運営事業を展開しております。お客様からいただいた声を大切にする心温かい従業員のおもてなしによって、お客様に上質で快適にお過ごしいただけるホテル運営を目指し、オフィスビル事業に続くコアビジネスとすべく注力しております。訪日外国人が2018年には初めて年間3,000万人を超え、今後もラグビーワールドカップ、東京オリンピック・パラリンピック、大阪万博の開催等の追い風があるなか、観光・ビジネスの宿泊需要に応える良質なホテルを提供することで国益に貢献してまいります。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高53,291百万円(前期比12.3%増)、営業利益13,305百万円(同18.4%増)、経常利益12,813百万円(同19.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益8,783百万円(同18.4%増)となりました。
当連結会計年度は、不動産再生事業が高い利益水準で引き続きグループ全体の業績を牽引し、8期連続で増収、増益を達成し、利益、配当金は過去最高を更新いたしました。
各セグメントの業績は次のとおりであります。
(不動産再生事業)
不動産再生事業では、リプランニング事業、ホテル開発事業、賃貸ビル事業等を行っております。
リプランニング事業においては、ビル管理、賃貸仲介、売買仲介等の不動産サービスの現場でビルオーナー様と深い信頼関係を築いており、資産の買い替え等を検討される場合には一番に当社へ相談いただき、当社に直接お譲りいただける等、ビルオーナー様との信頼関係をベースとした当社独自の物件仕入が増加しております。また、商品化においては、遵法かつ安全性を基本として、再生テーマとテナントニーズとして働きやすくコミュニケーションが取りやすい等オフィス環境に対する意識の高まりをしっかり捉え「入居コストを抑えられ、すぐに始業できる内装を作りこむセットアップオフィス」「ご自身では実現が難しい洗練されたデザイン」「開放的で快適、交流スペースにもなる水辺テラスや屋上テラスの設置」「IoTを活用した働き手の視点で進化するオフィス」「街に活気をもたらす最適用途へのコンバージョン」等、テナント様の心に響くリノベーションを施すことで、機能性と快適性を兼ね備えた、高品質で魅力的なビルに蘇らせます。そして、販売においては不動産サービス部門との連携による独自の販売ルートを活用し、ビル周辺エリアの地歴や将来性・社会性も価値に乗せて資産家・富裕層へ販売いたします。このように、仕入・商品化・販売、全てのプロセスにおいて、社内各部門が専門性を持ち寄り、お客様視点の付加価値増大へ創意工夫を重ね、ビルの魅力を最大化する当社独自の事業モデルが深化したことにより、継続的な高い利益率を実現し、前期に比べ売上高、利益ともに大幅に増加いたしました。
賃貸ビル事業においては、安定した収益基盤を構築することを目的に、当社グループの総合的な不動産オペレーション力を活かしながら、ストックビジネスを拡大し、戦略的に賃料収入の増加を図っております。当連結会計年度においては、リプランニング事業の仕入が進捗し、保有ビル数が増加したことから、前期に比べ売上高、利益ともに増加いたしました。
ホテル開発事業においては、沖縄県恩納村にて当社初の分譲型コンドミニアムホテル「日和オーシャンリゾート沖縄(204区画)」の開発プロジェクトが2018年11月に着工し、2019年2月から開始した第一期販売(54区画)が登録完売いたしました。
以上の結果、不動産再生事業の売上高は45,490百万円(前期比11.0%増)となり、セグメント利益は14,962百万円(同19.8%増)となりました。
(不動産サービス事業)
不動産サービス事業では、プロパティマネジメント事業、ビルメンテナンス事業、売買仲介事業、賃貸仲介事業を行っております。
プロパティマネジメント事業においては、テナント満足度を高めるためのきめ細かなビル管理・メンテナンスや都心の土地勘を強みとしたテナント誘致、適正賃料への条件改定による収益改善等に取り組むことで、高収益・高稼働なビル経営を実践しております(※1)。そして、お客様の不動産経営のパートナーとして、ビルオーナー様の資産内容やビル経営の課題を伺うなかで、潜在的なお困りごとに対してもご提案を行い、快適性や省力化等の工事受注や売買仲介、リプランニング物件の販売強化を図り、引き続き都心のオフィスビルへの集中、更なるサービス品質の向上に取り組んでまいります。売上高・利益はともに前期に比べ増加いたしました。
(※1)当社は総合・オフィス中心型のプロパティマネジメント事業者におけるクライアント数ランキング第3位(民間調査機関調べ)。
ビルメンテナンス事業においては、外窓・外壁等のブランコによる高所清掃、補修作業を強みに、プロパティマネジメント部門との協働を推進してきたことでビルメンテナンス受託棟数が伸長し、売上高、利益は前期に比べ共に増加いたしました。
売買仲介事業においては、不動産コンサルティングの一環としてプロパティマネジメントや賃貸仲介をはじめとする他部門からの紹介案件にスピード対応で取り組むと共に、リプランニング物件の仕入、販売等に注力してまいりました。売上高、利益は前期に比べ減少したものの、グループ全体の収益に貢献しております。
賃貸仲介事業においては、都心5区を中心に拠点を展開しております。地域のビルオーナー様に更に寄り添い、身近なサービスの窓口となるために、2018年7月の港区赤坂店開設に続き、2019年1月に中央区小伝馬町店を開設し、今後も引き続き都心部に出店を進める予定です。市場における空室率が低下するなか、ビルオーナー様のお困りごとを空室という一面のみではなく、高齢化で苦慮する管理や相続問題、建物の老朽化といった多面的で長期的な視点から捉えるようにしており、現場の最前線でお客様との対話のなかから関連するニーズを伺い、リプランニング事業にかかる仕入や販売、工事受注や売買仲介等の機会を創出するなど、様々なお困りごと解決に継続して取り組んでまいります。また、当社グループが運営する居抜きオフィスの仲介ウェブサイト「そのまんまオフィス!」に、リプランニング事業の内装を作り込んだ「セットアップオフィス」を掲載し、IT企業やスタートアップ企業様等にご好評をいただき、働き方が多様化し、変化を続けるオフィスニーズにも順応したサービスの拡充を進めており、売上高、利益は前期に比べ共に増加いたしました。
以上の結果、不動産サービス事業の売上高は3,179百万円(前期比1.4%減)となり、セグメント利益は1,898百万円(同4.8%減)となりました。
(オペレーション事業)
オペレーション事業では、ホテル運営事業、貸会議室事業等を行っております。
ホテル運営事業においては、2018年にオープンした自社ホテルブランド「日和(ひより)ホテルズ&リゾーツ」のカジュアルブランド「たびのホテル」シリーズの「たびのホテル飛彈高山」(5月)・「たびのホテル佐渡」(7月)の業績が加わるとともに、2018年10月にスカイコートからリブランドした「スカイハートホテル」ブランドのホテル5拠点の業績も堅調に推移しホテル運営事業全体の収益が拡大しております。また、当社ホテル運営事業のテーマである「心温かいホテル」の実現に向けた心温かい社員がご提供するサービスをご評価いただき、自社ブランド「日和ホテル舞浜」が女性向けWebサイト「OZmall(オズモール)」発表のカジュアルホテル部門における2018年の口コミ年間ランキングにおいて全国第1位を獲得いたしました。当社グループが国内で運営するホテルは2019年3月31日現在10箇所1,191室となっており、今後の展開として、2019年には大阪なんば(5月)、大阪本町(10月)、東銀座(12月)、2020年には倉敷水島(2月)、鹿島(3月)の計5箇所897室の新規オープンを予定いたしております。加えて、M&Aや、当社グループが自ら開発し、所有、運営する方式、また外部のオーナー様が開発・所有するホテルを当社グループが長期賃借する方式等、多様な方法を活用して運営ホテル数の拡大を図っております。日々お客様の声を大切にお客様視点の改良改善を続け、常に進化発展をしていくホテル運営を目指しており、前年同期に比べ売上高、利益ともに大幅に増加いたしました。
貸会議室事業においては、貸会議室、レンタルオフィス、コワーキングスペースの運営を行っております。2018年には、当社が強みを持つ東京都心におけるコワーキングスペースの需要増加を見込み、日比谷・有楽町エリアに「ビジョンワークス有楽町」(5月)を、東京駅八重洲地下街直結の貸会議室「ビジョンセンター東京駅前」(10月)をオープンし、2019年にはさらに6拠点のオープンを予定しております。貸会議室は東京駅前、東京八重洲中央口、東京八重洲南口、有楽町、日本橋、永田町、田町、浜松町、横浜の9拠点、レンタルオフィスは神田駅前の2拠点と新宿駅前の計3拠点、コワーキングスペースは日比谷駅前に1拠点となり、貸会議室事業合計で13拠点、座席数4,700席を展開しております。ご利用者様視点でサービス品質を磨いてきたことで、リピーターや紹介によるご利用が着実に増加し、前期に比べ売上高は増加したものの、新規施設の開業コストの増加により、利益は若干の減少となりました。今後の展開として、2019年4月には、より一層の事業拡大を目的に、サンフロンティアスペースマネジメント株式会社として会社分割し、子会社を設立いたしました。
以上の結果、オペレーション事業の売上高は3,898百万円(前期比34.5%増)となり、セグメント利益は412百万円(同26.3%増)となりました。
(その他)
その他では、滞納賃料保証事業、海外事業、建設ソリューション事業等を行っております。
滞納賃料保証事業においては、賃貸仲介をはじめとする当社グループ内の関連部門との連携強化に加え、ビルオーナー様、協力会社様へのセミナーを継続的に開催する等、民法改正による機関保証ニーズの高まりを見据え、保証システムの浸透と認知度向上に努めてまいりました。また、テナントの保証審査においては実態調査を徹底し、厳格に行いながらも、審査結果の迅速な回答にこだわり、賃料滞納時には賃料保証のみならず、明け渡しまでを誠実にサポートすることで、ビルオーナー様に寄り添った実績を積み上げ、新規保証、再保証ともに取り扱い件数が堅調に推移し、前期に比べ売上高、利益ともに増加いたしました。
海外事業においては、成長が続く東南アジアへ進出し、ホテル運営ならびに高品質な日本の施工技術とお客様視点のおもてなしサービスをアジアの方々に体感していただくことにこだわった、マンション・住宅等を中心とした不動産開発を行っております。ベトナムの中部最大都市ダナンで当社グループが所有、運営する海外第1号ホテル「TABINO HOTEL DA NANG(たびのホテルダナン)」(※2)を海外でも展開しております。また、2019年1月に上棟した28階建(306区画)の分譲マンション「HIYORI Garden Tower」(2018年8月に完売)は、2019年9月の竣工に向け順調に建築工事が進捗しております。
建設ソリューション事業においては、事業用ビル等のリニューアル企画並びに修繕・改修工事等を行っております。2019年1月にM&Aにて建設工事業・内装仕上工事業を行う株式会社光和工業を取得したことにより前期に比べ売上高、利益ともに増加いたしました。
以上の結果、その他の売上高は1,508百万円(前期比61.9%増)となり、セグメント利益は784百万円(同38.5%増)となりました。
(※2) 2019年2月に「The Blossom City」から自社ブランド名に変更
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産実績
当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ。)は、生産業務を定義することが困難であるため、生産実績の記載は省略しております。
② 受注実績
当社グループは、受注生産を行っていないため、受注実績の記載は省略しております。
③ 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 調整額はセグメント間の取引消去であります。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
3 前連結会計年度の合同会社パシフィックスリー及び当連結会計年度の株式会社ボルテックスに対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満のため、記載を省略しております。
4 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(2) 財政状態
当連結会計年度末における総資産は110,898百万円(前期比20.9%増)、負債は55,038百万円(同28.3%増)、純資産は55,860百万円(同14.4%増)となりました。
総資産の増加の主な要因は、流動資産のたな卸資産の増加19,736百万円、その他に含まれる前渡金の増加523百万円、有形固定資産の増加773百万円、投資その他の資産のその他に含まれる差入保証金の増加647百万円等があったものの、一方で現金及び預金の減少3,635百万円等があったことによるものであります。
負債の増加の主な要因は、買掛金の増加669百万円、長期借入金の増加8,885百万円、流動負債のその他に含まれる前受金2,491百万円等があったものの、一方で未払法人税等の減少516百万円等があったことによるものであります。
純資産の増加の主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上8,783百万円等の増加があったものの、期末配当金の支払い1,633百万円等があったことによるものであります。
なお、自己資本比率は50.3%(同2.9ポイント減)となりました。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動による資金が5,988百万円減少、投資活動による資金が4,258百万円減少、財務活動による資金が6,599百万円増加した結果、期首残高に比べ3,748百万円減少し、当連結会計年度末残高は18,933百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動においては、5,988百万円(前期は6,989百万円の支出超過)の支出超過となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益12,813百万円及び減価償却費1,052百万円、売上債権の減少による収入1,764百万円等があったものの、一方でたな卸資産の増加による支出17,324百万円及び法人税の支払額5,030百万円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動においては、4,258百万円(前期は2,443百万円の支出超過)の支出超過となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入2,108百万円等があったものの、一方で定期預金の預入による支出2,221百万円及び連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出2,593百万円、有形固定資産の取得による支出881百万円、差入保証金の差入による支出658百万円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動においては、6,599百万円(前期は17,235百万円の収入超過)の収入超過となりました。これは主に、長期借入れによる収入24,270百万円等があったものの、一方で長期借入金の返済による支出15,791百万円及び配当金の支払額1,633百万円等があったことによるものであります。
(資本の財源及び資金の流動性について)
当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、不動産再生事業に係るたな卸資産の仕入れであります。たな卸資産の仕入れは、個別のたな卸資産を担保とした金融機関からの借入金及び営業活動で獲得した資金によって行っております。当該たな卸資産は一年以内を目途に販売することとし、借入金は、月例約定返済を織り込みつつ、たな卸資産の販売時に一括返済することを基本方針としており、資金の流動性は十分に確保されております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による経済政策と金融緩和政策を背景に企業業績が堅調に推移するなか、設備投資の増加基調が持続、雇用・所得環境が改善し、景気は自然災害の影響で一時的な下振れがあったものの底堅く推移しました。一方、世界経済は、米中間の通商問題や英国のEU離脱の行方など、不確実性や先行きの不透明感の高まりから景気の減速が懸念されております。
不動産業界においては、都心オフィスビル市場(都心5区:千代田・中央・港・新宿・渋谷区)の平均空室率がバブル期の1991年以来27年ぶりに2%を下回り、2019年3月末には1.78%と低下傾向が続いております。一方、2019年3月末の平均賃料は21,134円(坪単価)となり、63カ月連続で上昇し、2018年4月からは1,238円上昇(6.2%増)しました(民間調査機関調べ)。また、不動産価格の高騰を背景に一部金融機関の融資姿勢が慎重になっているものの、不動産投資市場は、堅調な企業収益による底堅い需要が続いております。
このような環境下、当社グループでは、東京都心部における中小型オフィスビルに特化した「不動産再生と活用」をコアビジネスとし、ビルオーナー様の不動産に関する様々な不満や不便、「お困りごと解決」にスピード感を持って期待以上で応えるべく、お客様視点で真摯かつ誠実に取り組んでまいりました。また、お客様お一人おひとりに対し、ビルの賃貸仲介及び売買仲介、ビル管理・メンテナンス、小規模・大規模リニューアル、相続や税務相談、賃料滞納に備えた保証の提供等に至るまで、親切で丁寧に寄り添い、また、高度な専門知識と豊富な不動産サービスを提供することを通してお客様からの信頼を積み上げてまいりました。このように当社グループは、既存ビルを市場ニーズに即した高付加価値ビルに再生させる差別化戦略を図りつつ、同時にお客様に対しては、安全安心のビル管理、地域に根ざしたテナントの仲介、専門家による資産コンサルティング等のきめ細かな包括サービスをワンストップで提供し、お客様に選んでいただける「不動産経営のパートナー」として、圧倒的な信頼関係を構築しております。
また、当社グループは、「心温かいホテル」をテーマに、ホテルの開発・再生・運営事業を展開しております。お客様からいただいた声を大切にする心温かい従業員のおもてなしによって、お客様に上質で快適にお過ごしいただけるホテル運営を目指し、オフィスビル事業に続くコアビジネスとすべく注力しております。訪日外国人が2018年には初めて年間3,000万人を超え、今後もラグビーワールドカップ、東京オリンピック・パラリンピック、大阪万博の開催等の追い風があるなか、観光・ビジネスの宿泊需要に応える良質なホテルを提供することで国益に貢献してまいります。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高53,291百万円(前期比12.3%増)、営業利益13,305百万円(同18.4%増)、経常利益12,813百万円(同19.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益8,783百万円(同18.4%増)となりました。
当連結会計年度は、不動産再生事業が高い利益水準で引き続きグループ全体の業績を牽引し、8期連続で増収、増益を達成し、利益、配当金は過去最高を更新いたしました。
各セグメントの業績は次のとおりであります。
(不動産再生事業)
不動産再生事業では、リプランニング事業、ホテル開発事業、賃貸ビル事業等を行っております。
リプランニング事業においては、ビル管理、賃貸仲介、売買仲介等の不動産サービスの現場でビルオーナー様と深い信頼関係を築いており、資産の買い替え等を検討される場合には一番に当社へ相談いただき、当社に直接お譲りいただける等、ビルオーナー様との信頼関係をベースとした当社独自の物件仕入が増加しております。また、商品化においては、遵法かつ安全性を基本として、再生テーマとテナントニーズとして働きやすくコミュニケーションが取りやすい等オフィス環境に対する意識の高まりをしっかり捉え「入居コストを抑えられ、すぐに始業できる内装を作りこむセットアップオフィス」「ご自身では実現が難しい洗練されたデザイン」「開放的で快適、交流スペースにもなる水辺テラスや屋上テラスの設置」「IoTを活用した働き手の視点で進化するオフィス」「街に活気をもたらす最適用途へのコンバージョン」等、テナント様の心に響くリノベーションを施すことで、機能性と快適性を兼ね備えた、高品質で魅力的なビルに蘇らせます。そして、販売においては不動産サービス部門との連携による独自の販売ルートを活用し、ビル周辺エリアの地歴や将来性・社会性も価値に乗せて資産家・富裕層へ販売いたします。このように、仕入・商品化・販売、全てのプロセスにおいて、社内各部門が専門性を持ち寄り、お客様視点の付加価値増大へ創意工夫を重ね、ビルの魅力を最大化する当社独自の事業モデルが深化したことにより、継続的な高い利益率を実現し、前期に比べ売上高、利益ともに大幅に増加いたしました。
賃貸ビル事業においては、安定した収益基盤を構築することを目的に、当社グループの総合的な不動産オペレーション力を活かしながら、ストックビジネスを拡大し、戦略的に賃料収入の増加を図っております。当連結会計年度においては、リプランニング事業の仕入が進捗し、保有ビル数が増加したことから、前期に比べ売上高、利益ともに増加いたしました。
ホテル開発事業においては、沖縄県恩納村にて当社初の分譲型コンドミニアムホテル「日和オーシャンリゾート沖縄(204区画)」の開発プロジェクトが2018年11月に着工し、2019年2月から開始した第一期販売(54区画)が登録完売いたしました。
以上の結果、不動産再生事業の売上高は45,490百万円(前期比11.0%増)となり、セグメント利益は14,962百万円(同19.8%増)となりました。
(不動産サービス事業)
不動産サービス事業では、プロパティマネジメント事業、ビルメンテナンス事業、売買仲介事業、賃貸仲介事業を行っております。
プロパティマネジメント事業においては、テナント満足度を高めるためのきめ細かなビル管理・メンテナンスや都心の土地勘を強みとしたテナント誘致、適正賃料への条件改定による収益改善等に取り組むことで、高収益・高稼働なビル経営を実践しております(※1)。そして、お客様の不動産経営のパートナーとして、ビルオーナー様の資産内容やビル経営の課題を伺うなかで、潜在的なお困りごとに対してもご提案を行い、快適性や省力化等の工事受注や売買仲介、リプランニング物件の販売強化を図り、引き続き都心のオフィスビルへの集中、更なるサービス品質の向上に取り組んでまいります。売上高・利益はともに前期に比べ増加いたしました。
(※1)当社は総合・オフィス中心型のプロパティマネジメント事業者におけるクライアント数ランキング第3位(民間調査機関調べ)。
| 2017年3月末 | 2018年3月末 | 2019年3月末 | |
| 受託棟数 | 362棟 | 372棟 | 373棟 |
| 稼働率 | 96.6% | 95.7% | 97.5% |
ビルメンテナンス事業においては、外窓・外壁等のブランコによる高所清掃、補修作業を強みに、プロパティマネジメント部門との協働を推進してきたことでビルメンテナンス受託棟数が伸長し、売上高、利益は前期に比べ共に増加いたしました。
売買仲介事業においては、不動産コンサルティングの一環としてプロパティマネジメントや賃貸仲介をはじめとする他部門からの紹介案件にスピード対応で取り組むと共に、リプランニング物件の仕入、販売等に注力してまいりました。売上高、利益は前期に比べ減少したものの、グループ全体の収益に貢献しております。
賃貸仲介事業においては、都心5区を中心に拠点を展開しております。地域のビルオーナー様に更に寄り添い、身近なサービスの窓口となるために、2018年7月の港区赤坂店開設に続き、2019年1月に中央区小伝馬町店を開設し、今後も引き続き都心部に出店を進める予定です。市場における空室率が低下するなか、ビルオーナー様のお困りごとを空室という一面のみではなく、高齢化で苦慮する管理や相続問題、建物の老朽化といった多面的で長期的な視点から捉えるようにしており、現場の最前線でお客様との対話のなかから関連するニーズを伺い、リプランニング事業にかかる仕入や販売、工事受注や売買仲介等の機会を創出するなど、様々なお困りごと解決に継続して取り組んでまいります。また、当社グループが運営する居抜きオフィスの仲介ウェブサイト「そのまんまオフィス!」に、リプランニング事業の内装を作り込んだ「セットアップオフィス」を掲載し、IT企業やスタートアップ企業様等にご好評をいただき、働き方が多様化し、変化を続けるオフィスニーズにも順応したサービスの拡充を進めており、売上高、利益は前期に比べ共に増加いたしました。
以上の結果、不動産サービス事業の売上高は3,179百万円(前期比1.4%減)となり、セグメント利益は1,898百万円(同4.8%減)となりました。
(オペレーション事業)
オペレーション事業では、ホテル運営事業、貸会議室事業等を行っております。
ホテル運営事業においては、2018年にオープンした自社ホテルブランド「日和(ひより)ホテルズ&リゾーツ」のカジュアルブランド「たびのホテル」シリーズの「たびのホテル飛彈高山」(5月)・「たびのホテル佐渡」(7月)の業績が加わるとともに、2018年10月にスカイコートからリブランドした「スカイハートホテル」ブランドのホテル5拠点の業績も堅調に推移しホテル運営事業全体の収益が拡大しております。また、当社ホテル運営事業のテーマである「心温かいホテル」の実現に向けた心温かい社員がご提供するサービスをご評価いただき、自社ブランド「日和ホテル舞浜」が女性向けWebサイト「OZmall(オズモール)」発表のカジュアルホテル部門における2018年の口コミ年間ランキングにおいて全国第1位を獲得いたしました。当社グループが国内で運営するホテルは2019年3月31日現在10箇所1,191室となっており、今後の展開として、2019年には大阪なんば(5月)、大阪本町(10月)、東銀座(12月)、2020年には倉敷水島(2月)、鹿島(3月)の計5箇所897室の新規オープンを予定いたしております。加えて、M&Aや、当社グループが自ら開発し、所有、運営する方式、また外部のオーナー様が開発・所有するホテルを当社グループが長期賃借する方式等、多様な方法を活用して運営ホテル数の拡大を図っております。日々お客様の声を大切にお客様視点の改良改善を続け、常に進化発展をしていくホテル運営を目指しており、前年同期に比べ売上高、利益ともに大幅に増加いたしました。
貸会議室事業においては、貸会議室、レンタルオフィス、コワーキングスペースの運営を行っております。2018年には、当社が強みを持つ東京都心におけるコワーキングスペースの需要増加を見込み、日比谷・有楽町エリアに「ビジョンワークス有楽町」(5月)を、東京駅八重洲地下街直結の貸会議室「ビジョンセンター東京駅前」(10月)をオープンし、2019年にはさらに6拠点のオープンを予定しております。貸会議室は東京駅前、東京八重洲中央口、東京八重洲南口、有楽町、日本橋、永田町、田町、浜松町、横浜の9拠点、レンタルオフィスは神田駅前の2拠点と新宿駅前の計3拠点、コワーキングスペースは日比谷駅前に1拠点となり、貸会議室事業合計で13拠点、座席数4,700席を展開しております。ご利用者様視点でサービス品質を磨いてきたことで、リピーターや紹介によるご利用が着実に増加し、前期に比べ売上高は増加したものの、新規施設の開業コストの増加により、利益は若干の減少となりました。今後の展開として、2019年4月には、より一層の事業拡大を目的に、サンフロンティアスペースマネジメント株式会社として会社分割し、子会社を設立いたしました。
以上の結果、オペレーション事業の売上高は3,898百万円(前期比34.5%増)となり、セグメント利益は412百万円(同26.3%増)となりました。
(その他)
その他では、滞納賃料保証事業、海外事業、建設ソリューション事業等を行っております。
滞納賃料保証事業においては、賃貸仲介をはじめとする当社グループ内の関連部門との連携強化に加え、ビルオーナー様、協力会社様へのセミナーを継続的に開催する等、民法改正による機関保証ニーズの高まりを見据え、保証システムの浸透と認知度向上に努めてまいりました。また、テナントの保証審査においては実態調査を徹底し、厳格に行いながらも、審査結果の迅速な回答にこだわり、賃料滞納時には賃料保証のみならず、明け渡しまでを誠実にサポートすることで、ビルオーナー様に寄り添った実績を積み上げ、新規保証、再保証ともに取り扱い件数が堅調に推移し、前期に比べ売上高、利益ともに増加いたしました。
海外事業においては、成長が続く東南アジアへ進出し、ホテル運営ならびに高品質な日本の施工技術とお客様視点のおもてなしサービスをアジアの方々に体感していただくことにこだわった、マンション・住宅等を中心とした不動産開発を行っております。ベトナムの中部最大都市ダナンで当社グループが所有、運営する海外第1号ホテル「TABINO HOTEL DA NANG(たびのホテルダナン)」(※2)を海外でも展開しております。また、2019年1月に上棟した28階建(306区画)の分譲マンション「HIYORI Garden Tower」(2018年8月に完売)は、2019年9月の竣工に向け順調に建築工事が進捗しております。
建設ソリューション事業においては、事業用ビル等のリニューアル企画並びに修繕・改修工事等を行っております。2019年1月にM&Aにて建設工事業・内装仕上工事業を行う株式会社光和工業を取得したことにより前期に比べ売上高、利益ともに増加いたしました。
以上の結果、その他の売上高は1,508百万円(前期比61.9%増)となり、セグメント利益は784百万円(同38.5%増)となりました。
(※2) 2019年2月に「The Blossom City」から自社ブランド名に変更
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産実績
当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ。)は、生産業務を定義することが困難であるため、生産実績の記載は省略しております。
② 受注実績
当社グループは、受注生産を行っていないため、受注実績の記載は省略しております。
③ 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(千円) | 前期比(%) |
| 不動産再生事業 | 45,490,502 | 11.0 |
| 不動産サービス事業 | 3,179,826 | △1.4 |
| オペレーション事業 | 3,898,155 | 34.5 |
| その他 | 1,508,325 | 61.9 |
| 調整額 | △784,878 | ― |
| 合計 | 53,291,931 | 12.3 |
(注) 1 調整額はセグメント間の取引消去であります。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 合同会社パシフィックスリー | ― | ― | 7,200,000 | 13.5 |
| 株式会社ボルテックス | 5,712,082 | 12.0 | ― | ― |
3 前連結会計年度の合同会社パシフィックスリー及び当連結会計年度の株式会社ボルテックスに対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満のため、記載を省略しております。
4 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(2) 財政状態
当連結会計年度末における総資産は110,898百万円(前期比20.9%増)、負債は55,038百万円(同28.3%増)、純資産は55,860百万円(同14.4%増)となりました。
総資産の増加の主な要因は、流動資産のたな卸資産の増加19,736百万円、その他に含まれる前渡金の増加523百万円、有形固定資産の増加773百万円、投資その他の資産のその他に含まれる差入保証金の増加647百万円等があったものの、一方で現金及び預金の減少3,635百万円等があったことによるものであります。
負債の増加の主な要因は、買掛金の増加669百万円、長期借入金の増加8,885百万円、流動負債のその他に含まれる前受金2,491百万円等があったものの、一方で未払法人税等の減少516百万円等があったことによるものであります。
純資産の増加の主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上8,783百万円等の増加があったものの、期末配当金の支払い1,633百万円等があったことによるものであります。
なお、自己資本比率は50.3%(同2.9ポイント減)となりました。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動による資金が5,988百万円減少、投資活動による資金が4,258百万円減少、財務活動による資金が6,599百万円増加した結果、期首残高に比べ3,748百万円減少し、当連結会計年度末残高は18,933百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動においては、5,988百万円(前期は6,989百万円の支出超過)の支出超過となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益12,813百万円及び減価償却費1,052百万円、売上債権の減少による収入1,764百万円等があったものの、一方でたな卸資産の増加による支出17,324百万円及び法人税の支払額5,030百万円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動においては、4,258百万円(前期は2,443百万円の支出超過)の支出超過となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入2,108百万円等があったものの、一方で定期預金の預入による支出2,221百万円及び連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出2,593百万円、有形固定資産の取得による支出881百万円、差入保証金の差入による支出658百万円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動においては、6,599百万円(前期は17,235百万円の収入超過)の収入超過となりました。これは主に、長期借入れによる収入24,270百万円等があったものの、一方で長期借入金の返済による支出15,791百万円及び配当金の支払額1,633百万円等があったことによるものであります。
(資本の財源及び資金の流動性について)
当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、不動産再生事業に係るたな卸資産の仕入れであります。たな卸資産の仕入れは、個別のたな卸資産を担保とした金融機関からの借入金及び営業活動で獲得した資金によって行っております。当該たな卸資産は一年以内を目途に販売することとし、借入金は、月例約定返済を織り込みつつ、たな卸資産の販売時に一括返済することを基本方針としており、資金の流動性は十分に確保されております。