有価証券報告書-第19期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、引き続き好調な世界経済や、政府、日銀による各種政策の効果を背景に、緩やかな回復が続くことが期待されております。一方で、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響に留意する必要があります。不動産業界においては、都心オフィスビル市場の平均空室率が5年9ヶ月にわたって改善傾向が続き、平均賃料は4年3ヶ月にわたって緩やかな上昇が続いております。一方で、不動産投資市場は、引き続き活況を呈しているものの、投資利回りは低水準で推移し、投資対象物件の品薄感が強まっていることから、先行きには慎重な見方が続いています。
当社グループでは、こうした環境下において、東京都心部における中小型オフィスビルの「不動産再生と活用」を本業とし、ビルオーナー様の不動産経営のパートナーとして、様々な「お困りごと解決」にお客様視点で真摯に取り組んでまいりました。具体的には、お客様お一人おひとりにビルの賃貸仲介及び売買仲介、ビル管理・メンテナンス、小修繕から大規模リニューアル、専門家とタイアップした相続や税務等の相談、賃料滞納に備えた保証の提供等に至るまで多様なサービスをご提供することを通じて、お客様の不満や不便、お困りごとを現場で研究・解決し、多面的な収益機会の創出に繋げてまいりました。そして、自社で中古のオフィスビルを購入し、これらのサービスを提供する過程で培った知見やノウハウを連鎖的に活用することで、市場のニーズに沿うビルへバリューアップし、投資家に販売、さらにアフターサービスを万全にした不動産再生事業を展開しています。
さらに、当社グループは、中古オフィスビルの不動産再生事業及び不動産サービス事業を通じて培ってきた当社独自の事業モデルを、ホテルの開発・再生・運営事業に展開し、これをオフィスビルの事業に続く2本目の柱とすべく注力しております。日本政府による観光立国政策の実施及びそれを受けた訪日外国人の増加を好機と捉え、訪日外国人の宿泊需要に応えること、並びに従来からの国内の観光需要及びビジネス需要に対して良質なホテルをご提供することが社会利益に資するとの考えから、「観光・ビジネスに向けた宿泊特化型ホテル」の開発を進めております。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高47,463百万円(前年同期比17.5%増)、営業利益11,239百万円(同19.8%増)、経常利益10,755百万円(同20.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益7,420百万円(同15.0%増)となりました。
当連結会計年度は、利益率の高い不動産再生事業が引き続きグループ全体の業績を牽引し、7期連続で増収、経常増益を達成し、営業・経常利益は2年連続で過去最高を更新いたしました。
なお、当社グループは当連結会計年度から報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期の実績値については、変更後のセグメント区分に組み替えて比較しております。各セグメントの売上高、セグメント利益は、セグメント間の内部売上高、振替高を含みます。また、当社グループの経営管理指標を営業利益から経常利益に変更したことに伴い、事業セグメントの利益又は損失の測定方法を変更しております。
各セグメントの業績は次のとおりであります。
(不動産再生事業)
不動産再生事業では、リプランニング事業、ホテル開発事業、賃貸ビル事業等を行っております。
リプランニング事業においては、管理受託物件や、賃貸仲介・売買仲介などの不動産サービス部門でお付き合いのあるビルオーナー様より、資産の買い替えなどのご相談をいただき、当社に直接お譲りいただける信頼関係をベースとした物件仕入が増加しております。また、商品化においては、賃貸仲介やビル管理の現場において蓄積した知見をフル活用しながら、再生テーマと入居想定テナントを明確に定め、「テナントニーズの変化を汲み上げ、高品質な内装を作りこむセットアップオフィス」「街に活気をもたらす最適用途へのコンバージョン」「開放的で快適な屋上テラスの設置」など、テナントの心に響くリノベーションを施すことで、中小型ビルを魅力的で高品質なビルに蘇らせます。そして、販売においては不動産サービス部門との連携による独自の販売ルートを活用し、ビル周辺エリアの地歴や将来性・社会性も価値に載せて資産家・富裕層へ販売いたします。このように、仕入・商品化・販売、全てのプロセスにおいて、社内各部門が専門性を持ち寄り、お客様視点の付加価値増大へ創意工夫を重ね、ビルの魅力を最大化する当社独自の事業モデルが深化したことにより、継続的な高い利益率につながり、前年同期に比べ売上高、利益ともに増加いたしました。
ホテル開発事業においては、ホテルを2件販売したことにより、売上高、利益の増加に貢献いたしました。
賃貸ビル事業においては、当社グループの総合的な不動産オペレーション力を活かし、高稼働で安定的な賃料収入を確保しております。当連結会計年度においては、保有ビル数が増加したことなどにより前年同期に比べ売上高、利益ともに増加いたしました。
以上の結果、不動産再生事業の売上高は40,997百万円(前年同期比15.0%増)となり、セグメント利益は12,493百万円(同21.5%増)となりました。
(不動産サービス事業)
不動産サービス事業では、プロパティマネジメント事業、ビルメンテナンス事業、売買仲介事業、賃貸仲介事業を行っております。
プロパティマネジメント事業においては、テナント満足度を高めるためのきめ細やかなビル管理だけでなく、土地勘を強みとしたテナント誘致、適正賃料への条件改定による収益改善等に取り組むことで、高収益で高稼働なビル経営を実践しております。この実績を背景に、アフターサービスが充実していることを差別化ポイントとして、リプランニング物件をご購入いただいたり、ビル管理をお任せいただいているビルオーナー様から新たなビルを管理受託するなど、サービス品質を向上させながら受託棟数を増加させてまいりました。これらにより、当連結会計年度末の受託棟数は下表のとおり、前年同期末から10棟増加しました。また、お客様の資産背景やビル経営方針を伺うなかで、お客様の潜在的なお困りごとに対してもご提案を行うことで、工事受注や売買仲介等の事業機会を創出し、当社グループの総合力でお困りごとの解決に導いております。その結果、前年同期に比べ売上高、利益ともに増加いたしました。
ビルメンテナンス事業においては、ブランコによる外窓・外壁等の高所清掃、補修作業を強みに、プロパティマネジメントとの協働を推進してきたことでビルメンテナンス受託棟数が伸長し、売上高は微増したものの、利益についてはほぼ横ばいとなりました。
売買仲介事業においては、プロパティマネジメントや賃貸仲介をはじめとする他部門からの紹介案件にスピード対応で取り組み、リピートでの購入や売却、さらにはお客様からお客様をご紹介いただける機会も増加してきております。売上高、利益は前年同期に比べやや減少したものの、不動産コンサルティングの一環としてリプランニング物件の仕入、販売等に注力し、グループ全体の収益に貢献しております。
賃貸仲介事業においては、都心5区を中心に拠点を展開しております。昨年4月には、新たに五反田に拠点を開設いたしました。市場における空室率が改善するなか、ビルオーナー様のお困りごとを空室という一面ではなく、老朽化や相続問題といったように多面的で長期的な視点から捉えるようにしております。当連結会計年度においては、前年同期に比べ売上高、利益ともにやや減少いたしましたが、現場の最前線でお客様との対話の中から関連するニーズをお聞きし、リプランニング事業にかかる仕入や販売、工事受注や売買仲介等の切っ掛けを創り出すなど、様々なお困りごと解決に継続して取り組んでおります。また、当社グループが運営する居抜きオフィスの仲介ウェブサイト「そのまんまオフィス!」に、リプランニング事業の内装を作り込んだ「セットアップオフィス」を掲載し、スタートアップ企業やIT企業などにご好評をいただくなど、働き方が多様化し、変化を続けるオフィスニーズにも順応したサービスの拡充を進めております。
以上の結果、不動産サービス事業の売上高は3,225百万円(前年同期比2.7%増)となり、セグメント利益は1,993百万円(同4.9%増)となりました。
なお、ビルメンテナンス事業を手掛ける当社子会社の株式会社ユービは、昨年10月2日付でSFビルメンテナンス株式会社に商号変更いたしております。
(オペレーション事業)
オペレーション事業では、ホテル運営事業、スペースレンタル事業を行っております。
ホテル運営事業においては、2016年12月にM&Aにより当社グループに加わった「ホテルスカイコート」4拠点(成田・川崎・小岩・博多)の業績が通年寄与いたしました。また、自社ホテルブランドの第1号店「日和(ひより)ホテル舞浜」が昨年7月に開業し、ホテル事業のテーマである「心温かいホテル」を実現するべく、日々お客様視点の改良改善を続け、常に進化発展をしていくホテルを目指しています。当ホテルは大手宿泊予約サイトの口コミ評価で、ソフト面、ハード面での総合的な快適性から、舞浜・浦安・船橋・幕張エリアにおいてトップクラスとなるなど、お客様視点のサービスが高評価に繋がっています。その結果、前年同期に比べ売上高、利益ともに大幅に増加いたしました。
さらに、自社ホテルブランド「日和ホテルズ&リゾーツ」におけるカジュアルなブランドとして「たびのホテル(TABINOHOTEL)」を新たに開発いたしました。「たびのホテル」は日本が秘める文化や歴史、自然の魅力を持つ地方に目を向け、その地域ならではの魅力や特長を掘り起こす、地域創生型ホテルブランドです。第一弾として本年5月2日に、岐阜県の飛騨高山において地元の木材を多用した木づくりホテル「たびのホテル飛騨高山」を開業し、第二弾として本年7月に、新潟県の佐渡島において伝統工芸である竹細工をモチーフにした「たびのホテル佐渡」を開業する予定です。
その他にも、銀座東、大阪本町、大阪なんばエリアのプロジェクトに着工しており、加えて、京都四条河原町等のエリアで、当社グループが開発し、所有、運営する方式や、外部の地権者様が当社の意向を汲み上げて開発するホテルを当社グループが長期賃借する方式等でのホテルの運営計画が進捗しております。
スペースレンタル事業においては、貸会議室、レンタルオフィス、コワーキングスペースの運営を行っております。本年3月に東京駅周辺で新たに2拠点の貸会議室「ビジョンセンター東京有楽町」と「ビジョンセンター東京日本橋」を開業いたしました。その結果、貸会議室「ビジョンセンター」は東京、田町、永田町、浜松町、横浜の駅前に8拠点、レンタルオフィス「ビジョンオフィス」は神田、新宿の駅前に3拠点、コワーキングスペース「ビジョンワークス」は東京駅前に1拠点となり、スペースレンタル事業合計で12拠点に展開しております。ご利用者様の目線でサービス品質を磨いてきたことで、リピーターやご紹介によるご利用が着実に増加していることから、前年同期に比べ売上高、利益ともに大幅に増加いたしました。
今後は貸会議室の更なる拠点拡大に向け、当社が影響力を持つ都心において、賃貸仲介部門の拠点網を活用した仕入活動に注力すると共に、東京都心部におけるコワーキングスペースの需要増加を見込み、本年5月に有楽町にて新たなコワーキングスペースを開設する予定です。
以上の結果、オペレーション事業の売上高は2,898百万円(前年同期比117.8%増)となり、セグメント利益は326百万円(同72.9%増)となりました。
(その他)
その他では、滞納賃料保証事業、海外事業、建設ソリューション事業等を行っております。
滞納賃料保証事業においては、賃貸仲介をはじめとする当社グループ内の関連部門との連携強化に加え、ビルオーナー様、協力会社様へのセミナーを継続的に開催するなどの情報発信により、当社グループの保証システムの浸透と認知度向上に努めてまいりました。テナントの保証審査においては現地調査を徹底し、厳格に行いながらも、審査結果の迅速な回答にこだわり、また、賃料滞納時には、賃料保証のみならず、訴訟や明け渡し、賃料の回収までを誠実にサポートすることで、ビルオーナー様に寄り添った実績を積み上げ、新規保証、再保証ともに取り扱い件数が堅調に推移し、前年同期に比べ売上高、利益ともに大幅に増加いたしました。
海外事業においては、成長が続く東南アジアへ進出し、高品質な日本の施工技術とお客様視点のおもてなしサービスをアジアの方々に体感していただくことにこだわった不動産開発、ホテル運営を行っております。ベトナムの中部最大都市ダナンで海外第1号ホテル「The Blossom City」を所有、運営するとともに、昨年6月には28階建の分譲マンション「HIYORI Garden Tower」を着工いたしました。インドネシアの首都ジャカルタでは、都市型分譲住宅の建築を推進、またサービスアパートメント「京 Serviced Apartment」の所有、運営を行っております。
建設ソリューション事業においては、リプランニング事業の商品化に特に注力いたしました。
以上の結果、その他の売上高は931百万円(前年同期比35.1%増)となり、セグメント利益は566百万円(同6.3%増)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産実績
当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ。)は、生産業務を定義することが困難であるため、生産実績の記載は省略しております。
② 受注実績
当社グループは、受注生産を行っていないため、受注実績の記載は省略しております。
③ 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 調整額はセグメント間の取引消去であります。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
3 前連結会計年度の株式会社ボルテックス及び当連結会計年度のGreen Garden特定目的会社、合同会社El Toroに対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満のため、記載を省略しております。
4 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(2) 財政状態
当連結会計年度末における総資産は91,761百万円(前連結会計年度末比44.2%増)、負債は42,912百万円(同53.4%増)、純資産は48,849百万円(同36.9%増)となりました。
総資産の増加の主な要因は、流動資産のその他に含まれる前渡金の減少992百万円等があったものの、たな卸資産の増加18,407百万円、現金及び預金の増加7,646百万円等があったことによるものであります。
負債の増加の主な要因は、社債の減少1,413百万円等があったものの、長期借入金の増加12,754百万円、未払法人税等の増加2,375百万円等があったことによるものであります。
純資産の増加の主な要因は、期末配当金の支払い1,282百万円等があったものの、増資による資本金及び資本剰余金の増加がそれぞれ3,578百万円、親会社株主に帰属する当期純利益の計上7,420百万円等の増加があったことによるものであります。
なお、自己資本比率は53.2%(同2.8ポイント減)となりました。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動により6,989百万円減少、投資活動により2,443百万円減少、財務活動により17,235百万円増加した結果、期首残高に比べ7,810百万円増加し、当連結会計年度末残高は22,682百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フロー及びそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動においては6,989百万円(前期は4,353百万円の収入超過)の支出超過となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益10,755百万円等があったものの、たな卸資産の増加額19,126百万円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動においては2,443百万円(前期は4,764百万円の支出超過)の支出超過となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入1,784百万円等があったものの、定期預金の預入による支出1,620百万円及び有形固定資産の取得による支出1,406百万円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動においては17,235百万円(前期は1,984百万円の収入超過)の収入超過となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出12,755百万円及び配当金の支払額1,279百万円等があったものの、長期借入れによる収入25,522百万円及び株式の発行による収入7,110百万円等があったことによるものであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、引き続き好調な世界経済や、政府、日銀による各種政策の効果を背景に、緩やかな回復が続くことが期待されております。一方で、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響に留意する必要があります。不動産業界においては、都心オフィスビル市場の平均空室率が5年9ヶ月にわたって改善傾向が続き、平均賃料は4年3ヶ月にわたって緩やかな上昇が続いております。一方で、不動産投資市場は、引き続き活況を呈しているものの、投資利回りは低水準で推移し、投資対象物件の品薄感が強まっていることから、先行きには慎重な見方が続いています。
当社グループでは、こうした環境下において、東京都心部における中小型オフィスビルの「不動産再生と活用」を本業とし、ビルオーナー様の不動産経営のパートナーとして、様々な「お困りごと解決」にお客様視点で真摯に取り組んでまいりました。具体的には、お客様お一人おひとりにビルの賃貸仲介及び売買仲介、ビル管理・メンテナンス、小修繕から大規模リニューアル、専門家とタイアップした相続や税務等の相談、賃料滞納に備えた保証の提供等に至るまで多様なサービスをご提供することを通じて、お客様の不満や不便、お困りごとを現場で研究・解決し、多面的な収益機会の創出に繋げてまいりました。そして、自社で中古のオフィスビルを購入し、これらのサービスを提供する過程で培った知見やノウハウを連鎖的に活用することで、市場のニーズに沿うビルへバリューアップし、投資家に販売、さらにアフターサービスを万全にした不動産再生事業を展開しています。
さらに、当社グループは、中古オフィスビルの不動産再生事業及び不動産サービス事業を通じて培ってきた当社独自の事業モデルを、ホテルの開発・再生・運営事業に展開し、これをオフィスビルの事業に続く2本目の柱とすべく注力しております。日本政府による観光立国政策の実施及びそれを受けた訪日外国人の増加を好機と捉え、訪日外国人の宿泊需要に応えること、並びに従来からの国内の観光需要及びビジネス需要に対して良質なホテルをご提供することが社会利益に資するとの考えから、「観光・ビジネスに向けた宿泊特化型ホテル」の開発を進めております。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高47,463百万円(前年同期比17.5%増)、営業利益11,239百万円(同19.8%増)、経常利益10,755百万円(同20.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益7,420百万円(同15.0%増)となりました。
当連結会計年度は、利益率の高い不動産再生事業が引き続きグループ全体の業績を牽引し、7期連続で増収、経常増益を達成し、営業・経常利益は2年連続で過去最高を更新いたしました。
なお、当社グループは当連結会計年度から報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期の実績値については、変更後のセグメント区分に組み替えて比較しております。各セグメントの売上高、セグメント利益は、セグメント間の内部売上高、振替高を含みます。また、当社グループの経営管理指標を営業利益から経常利益に変更したことに伴い、事業セグメントの利益又は損失の測定方法を変更しております。
各セグメントの業績は次のとおりであります。
(不動産再生事業)
不動産再生事業では、リプランニング事業、ホテル開発事業、賃貸ビル事業等を行っております。
リプランニング事業においては、管理受託物件や、賃貸仲介・売買仲介などの不動産サービス部門でお付き合いのあるビルオーナー様より、資産の買い替えなどのご相談をいただき、当社に直接お譲りいただける信頼関係をベースとした物件仕入が増加しております。また、商品化においては、賃貸仲介やビル管理の現場において蓄積した知見をフル活用しながら、再生テーマと入居想定テナントを明確に定め、「テナントニーズの変化を汲み上げ、高品質な内装を作りこむセットアップオフィス」「街に活気をもたらす最適用途へのコンバージョン」「開放的で快適な屋上テラスの設置」など、テナントの心に響くリノベーションを施すことで、中小型ビルを魅力的で高品質なビルに蘇らせます。そして、販売においては不動産サービス部門との連携による独自の販売ルートを活用し、ビル周辺エリアの地歴や将来性・社会性も価値に載せて資産家・富裕層へ販売いたします。このように、仕入・商品化・販売、全てのプロセスにおいて、社内各部門が専門性を持ち寄り、お客様視点の付加価値増大へ創意工夫を重ね、ビルの魅力を最大化する当社独自の事業モデルが深化したことにより、継続的な高い利益率につながり、前年同期に比べ売上高、利益ともに増加いたしました。
ホテル開発事業においては、ホテルを2件販売したことにより、売上高、利益の増加に貢献いたしました。
賃貸ビル事業においては、当社グループの総合的な不動産オペレーション力を活かし、高稼働で安定的な賃料収入を確保しております。当連結会計年度においては、保有ビル数が増加したことなどにより前年同期に比べ売上高、利益ともに増加いたしました。
以上の結果、不動産再生事業の売上高は40,997百万円(前年同期比15.0%増)となり、セグメント利益は12,493百万円(同21.5%増)となりました。
(不動産サービス事業)
不動産サービス事業では、プロパティマネジメント事業、ビルメンテナンス事業、売買仲介事業、賃貸仲介事業を行っております。
プロパティマネジメント事業においては、テナント満足度を高めるためのきめ細やかなビル管理だけでなく、土地勘を強みとしたテナント誘致、適正賃料への条件改定による収益改善等に取り組むことで、高収益で高稼働なビル経営を実践しております。この実績を背景に、アフターサービスが充実していることを差別化ポイントとして、リプランニング物件をご購入いただいたり、ビル管理をお任せいただいているビルオーナー様から新たなビルを管理受託するなど、サービス品質を向上させながら受託棟数を増加させてまいりました。これらにより、当連結会計年度末の受託棟数は下表のとおり、前年同期末から10棟増加しました。また、お客様の資産背景やビル経営方針を伺うなかで、お客様の潜在的なお困りごとに対してもご提案を行うことで、工事受注や売買仲介等の事業機会を創出し、当社グループの総合力でお困りごとの解決に導いております。その結果、前年同期に比べ売上高、利益ともに増加いたしました。
| 平成28年3月末 | 平成29年3月末 | 平成30年3月末 | |
| 受託棟数 | 333棟 | 362棟 | 372棟 |
| 稼働率 | 95.5% | 96.6% | 95.7% |
ビルメンテナンス事業においては、ブランコによる外窓・外壁等の高所清掃、補修作業を強みに、プロパティマネジメントとの協働を推進してきたことでビルメンテナンス受託棟数が伸長し、売上高は微増したものの、利益についてはほぼ横ばいとなりました。
売買仲介事業においては、プロパティマネジメントや賃貸仲介をはじめとする他部門からの紹介案件にスピード対応で取り組み、リピートでの購入や売却、さらにはお客様からお客様をご紹介いただける機会も増加してきております。売上高、利益は前年同期に比べやや減少したものの、不動産コンサルティングの一環としてリプランニング物件の仕入、販売等に注力し、グループ全体の収益に貢献しております。
賃貸仲介事業においては、都心5区を中心に拠点を展開しております。昨年4月には、新たに五反田に拠点を開設いたしました。市場における空室率が改善するなか、ビルオーナー様のお困りごとを空室という一面ではなく、老朽化や相続問題といったように多面的で長期的な視点から捉えるようにしております。当連結会計年度においては、前年同期に比べ売上高、利益ともにやや減少いたしましたが、現場の最前線でお客様との対話の中から関連するニーズをお聞きし、リプランニング事業にかかる仕入や販売、工事受注や売買仲介等の切っ掛けを創り出すなど、様々なお困りごと解決に継続して取り組んでおります。また、当社グループが運営する居抜きオフィスの仲介ウェブサイト「そのまんまオフィス!」に、リプランニング事業の内装を作り込んだ「セットアップオフィス」を掲載し、スタートアップ企業やIT企業などにご好評をいただくなど、働き方が多様化し、変化を続けるオフィスニーズにも順応したサービスの拡充を進めております。
以上の結果、不動産サービス事業の売上高は3,225百万円(前年同期比2.7%増)となり、セグメント利益は1,993百万円(同4.9%増)となりました。
なお、ビルメンテナンス事業を手掛ける当社子会社の株式会社ユービは、昨年10月2日付でSFビルメンテナンス株式会社に商号変更いたしております。
(オペレーション事業)
オペレーション事業では、ホテル運営事業、スペースレンタル事業を行っております。
ホテル運営事業においては、2016年12月にM&Aにより当社グループに加わった「ホテルスカイコート」4拠点(成田・川崎・小岩・博多)の業績が通年寄与いたしました。また、自社ホテルブランドの第1号店「日和(ひより)ホテル舞浜」が昨年7月に開業し、ホテル事業のテーマである「心温かいホテル」を実現するべく、日々お客様視点の改良改善を続け、常に進化発展をしていくホテルを目指しています。当ホテルは大手宿泊予約サイトの口コミ評価で、ソフト面、ハード面での総合的な快適性から、舞浜・浦安・船橋・幕張エリアにおいてトップクラスとなるなど、お客様視点のサービスが高評価に繋がっています。その結果、前年同期に比べ売上高、利益ともに大幅に増加いたしました。
さらに、自社ホテルブランド「日和ホテルズ&リゾーツ」におけるカジュアルなブランドとして「たびのホテル(TABINOHOTEL)」を新たに開発いたしました。「たびのホテル」は日本が秘める文化や歴史、自然の魅力を持つ地方に目を向け、その地域ならではの魅力や特長を掘り起こす、地域創生型ホテルブランドです。第一弾として本年5月2日に、岐阜県の飛騨高山において地元の木材を多用した木づくりホテル「たびのホテル飛騨高山」を開業し、第二弾として本年7月に、新潟県の佐渡島において伝統工芸である竹細工をモチーフにした「たびのホテル佐渡」を開業する予定です。
その他にも、銀座東、大阪本町、大阪なんばエリアのプロジェクトに着工しており、加えて、京都四条河原町等のエリアで、当社グループが開発し、所有、運営する方式や、外部の地権者様が当社の意向を汲み上げて開発するホテルを当社グループが長期賃借する方式等でのホテルの運営計画が進捗しております。
スペースレンタル事業においては、貸会議室、レンタルオフィス、コワーキングスペースの運営を行っております。本年3月に東京駅周辺で新たに2拠点の貸会議室「ビジョンセンター東京有楽町」と「ビジョンセンター東京日本橋」を開業いたしました。その結果、貸会議室「ビジョンセンター」は東京、田町、永田町、浜松町、横浜の駅前に8拠点、レンタルオフィス「ビジョンオフィス」は神田、新宿の駅前に3拠点、コワーキングスペース「ビジョンワークス」は東京駅前に1拠点となり、スペースレンタル事業合計で12拠点に展開しております。ご利用者様の目線でサービス品質を磨いてきたことで、リピーターやご紹介によるご利用が着実に増加していることから、前年同期に比べ売上高、利益ともに大幅に増加いたしました。
今後は貸会議室の更なる拠点拡大に向け、当社が影響力を持つ都心において、賃貸仲介部門の拠点網を活用した仕入活動に注力すると共に、東京都心部におけるコワーキングスペースの需要増加を見込み、本年5月に有楽町にて新たなコワーキングスペースを開設する予定です。
以上の結果、オペレーション事業の売上高は2,898百万円(前年同期比117.8%増)となり、セグメント利益は326百万円(同72.9%増)となりました。
(その他)
その他では、滞納賃料保証事業、海外事業、建設ソリューション事業等を行っております。
滞納賃料保証事業においては、賃貸仲介をはじめとする当社グループ内の関連部門との連携強化に加え、ビルオーナー様、協力会社様へのセミナーを継続的に開催するなどの情報発信により、当社グループの保証システムの浸透と認知度向上に努めてまいりました。テナントの保証審査においては現地調査を徹底し、厳格に行いながらも、審査結果の迅速な回答にこだわり、また、賃料滞納時には、賃料保証のみならず、訴訟や明け渡し、賃料の回収までを誠実にサポートすることで、ビルオーナー様に寄り添った実績を積み上げ、新規保証、再保証ともに取り扱い件数が堅調に推移し、前年同期に比べ売上高、利益ともに大幅に増加いたしました。
海外事業においては、成長が続く東南アジアへ進出し、高品質な日本の施工技術とお客様視点のおもてなしサービスをアジアの方々に体感していただくことにこだわった不動産開発、ホテル運営を行っております。ベトナムの中部最大都市ダナンで海外第1号ホテル「The Blossom City」を所有、運営するとともに、昨年6月には28階建の分譲マンション「HIYORI Garden Tower」を着工いたしました。インドネシアの首都ジャカルタでは、都市型分譲住宅の建築を推進、またサービスアパートメント「京 Serviced Apartment」の所有、運営を行っております。
建設ソリューション事業においては、リプランニング事業の商品化に特に注力いたしました。
以上の結果、その他の売上高は931百万円(前年同期比35.1%増)となり、セグメント利益は566百万円(同6.3%増)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産実績
当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ。)は、生産業務を定義することが困難であるため、生産実績の記載は省略しております。
② 受注実績
当社グループは、受注生産を行っていないため、受注実績の記載は省略しております。
③ 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) | |
| 金額(千円) | 前年同期比(%) | |
| 不動産再生事業 | 40,997,837 | 15.0 |
| 不動産サービス事業 | 3,225,515 | 2.7 |
| オペレーション事業 | 2,898,565 | 117.8 |
| その他 | 931,678 | 35.1 |
| 調整額 | △589,931 | ― |
| 合計 | 47,463,665 | 17.5 |
(注) 1 調整額はセグメント間の取引消去であります。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 株式会社ボルテックス | ― | ― | 5,712,082 | 12.0 |
| Green Garden特定目的会社 | 5,508,682 | 13.6 | ― | ― |
| 合同会社El Toro | 4,380,000 | 10.8 | ― | ― |
3 前連結会計年度の株式会社ボルテックス及び当連結会計年度のGreen Garden特定目的会社、合同会社El Toroに対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満のため、記載を省略しております。
4 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(2) 財政状態
当連結会計年度末における総資産は91,761百万円(前連結会計年度末比44.2%増)、負債は42,912百万円(同53.4%増)、純資産は48,849百万円(同36.9%増)となりました。
総資産の増加の主な要因は、流動資産のその他に含まれる前渡金の減少992百万円等があったものの、たな卸資産の増加18,407百万円、現金及び預金の増加7,646百万円等があったことによるものであります。
負債の増加の主な要因は、社債の減少1,413百万円等があったものの、長期借入金の増加12,754百万円、未払法人税等の増加2,375百万円等があったことによるものであります。
純資産の増加の主な要因は、期末配当金の支払い1,282百万円等があったものの、増資による資本金及び資本剰余金の増加がそれぞれ3,578百万円、親会社株主に帰属する当期純利益の計上7,420百万円等の増加があったことによるものであります。
なお、自己資本比率は53.2%(同2.8ポイント減)となりました。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動により6,989百万円減少、投資活動により2,443百万円減少、財務活動により17,235百万円増加した結果、期首残高に比べ7,810百万円増加し、当連結会計年度末残高は22,682百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フロー及びそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動においては6,989百万円(前期は4,353百万円の収入超過)の支出超過となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益10,755百万円等があったものの、たな卸資産の増加額19,126百万円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動においては2,443百万円(前期は4,764百万円の支出超過)の支出超過となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入1,784百万円等があったものの、定期預金の預入による支出1,620百万円及び有形固定資産の取得による支出1,406百万円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動においては17,235百万円(前期は1,984百万円の収入超過)の収入超過となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出12,755百万円及び配当金の支払額1,279百万円等があったものの、長期借入れによる収入25,522百万円及び株式の発行による収入7,110百万円等があったことによるものであります。