有価証券報告書-第92期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/26 16:28
【資料】
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【項目】
113項目
(1) 経営方針、経営環境
当連結会計年度における国内の経済環境は、企業業績の伸長に伴う雇用の拡大、個人消費マインドの改善、輸出の増加などを背景に、ゆるやかな景気回復が続いております。また、当社グループの拠点がある米国におきましても、個人消費の拡大、設備投資の増加、雇用改善などに裏打ちされ、景気拡大が続いております。
当社グループの主要な事業領域である都心部における収益不動産関連の事業環境は、取引成約価格は上昇傾向にあるものの、在庫件数の増加傾向も顕著であり、需給の先行きは不透明な状況となっています。一方、海外事業の拠点がある米国ロサンゼルス圏におきましては、中古住宅の取引成約価格は引き続き上昇しており、在庫は安定的に推移しました。
このような経営環境のもと、当社グループは第5次中期経営計画(2017年3月期~2019年3月期)に基づき、「収益不動産残高の戦略的な拡充を通じた、強固な事業基盤の確立と安定的な収益基盤の追求」「新たな収益の柱となる事業の開発と育成」「規模拡大に耐えうるケイパビリティの再構築」を基本方針に掲げ、事業の成長及び経営資源の効率活用に努めております。
当社は、成長性を示す経営指標としてEBITDA、経常利益、税金等調整前当期純利益(税引前利益)及び当期純利益を、経営資源の効率活用を示す経営指標としてROE(期末)を定めています。
2019年3月期の連結業績計画は以下のとおりです。
(単位:百万円)
2018年3月期(実績)2019年3月期(計画)
売上高22,29924,000
EBITDA1,3481,600
経常利益9261,000
税引前利益9241,000
当期純利益584660
ROE(期末)5.8%6.2%

(注)1 当社が公表する「業績計画」は経営として目指すターゲットであり、いわゆる確度の高い情報等をもとに合理的に算出された「業績の予測値」または「業績の見通し」とは異なるものであります。また、当社ではその時点におけるグループ全体の確度の高い情報及び合理的であると判断される情報をもとに、四半期ごとの進捗の見通しを「フォーキャスト」として適時更新し開示しております。
2 ROE(期末):当期純利益÷期末自己資本
なお、第5次中期経営計画と比較し、売上高とROE(期末)において差異が生じております。
売上高については、第5次中期経営計画で示した18,000百万円に対し、24,000百万円としました。これは、当社が利益成長を軸に計画を策定しており、売上高については事業環境に応じて柔軟に対応していることによるものです。
ROE(期末)については、第5次中期経営計画で示した7.4%に対し、6.2%としました。当期純利益は想定通りの進捗をしているものの、2018年3月期に実施したライツ・オファリング等により、自己資本の額が第5次中期経営計画の想定と乖離したためです。
また当社は、連結業績計画を達成するため、以下の項目をガイダンスとして定めています。
(単位:百万円)
2018年3月期(実績)2019年3月期(計画)
収益不動産残高(期末)22,37630,000
賃料収入1,1121,440
賃料収益EBITDA716935

(注) 賃料収益EBITDA:賃料収入-賃料収入原価-賃料収入直接販管費+賃料収入減価償却費
(2) 対処すべき課題
① 仕入力及び販売力の増強
当社グループは、情報収集のネットワークと目利き力を強化し、仕入れる収益不動産を一層優良なものとしていく必要があります。さらに、仕入れた収益不動産にソフト、ハードの両面において適切なバリューアップを施すことで資産価値を高め、投資対象として魅力のある物件を提供できるよう努めております。
また、当社グループは東京に所在する本社のみならず、横浜、大阪及び米国ロサンゼルスにも営業拠点を持っています。これらの拠点を活かして商品ラインナップの充実を図り、併せて販売対象を拡充するよう努めております。
② 収益構造の転換
収益不動産の売却益獲得を目的とする事業は市況の影響を大きく受ける一方、賃料収入やプロパティ・マネジメント受託売上を目的とする事業は市況の変動を比較的受けにくく、安定収益基盤となります。当社グループにおいては、ストック型フィービジネスの売上高が高まれば業績の安定性が増しますが、現時点では、ストック型フィービジネスの売上高は連結売上高の約1割に留まっています。
長期保有用不動産収益残高拡充によって安定収益基盤の強化を進め、市況に左右されにくい収益構造への転換を目指します。
③ クローズド・マーケットの確立
当社グループは、当社が販売した収益不動産のオーナーとの長期的な取引関係を保持し、付加価値が高いコンサルティングの提供を企図し、エー・ディー・ワークスグループ オーナーズクラブ『Royaltorch』を運営しており、固有のネットワークを構築しクローズド・マーケットの確立を目指しています。
『Royaltorch』を活かし、顧客満足度をさらに高めていくためには、グループ内での協力及び情報共有体制の強化や、コンサルティング能力の強化を行うことが課題と認識しております。
④ 顧客層の拡大に向けた商品ラインナップの拡充
当社グループは、1億円以上の収益不動産の販売を主要な事業として行っていますが、高価格の取引であるため、顧客が富裕層(純金融資産1億円以上を想定)に限られています。顧客層を拡大するため、現在進めている不動産小口化商品等の、ハイエンド個人投資家層(純金融資産3千万円以上を想定)にとっても購入しやすい価格帯の商品を積極的に展開し、商品ラインナップを拡充する方針です。
⑤ 安定した資金調達の確保
当社グループの経営戦略を実現するためには、従来にも増して収益不動産残高を増加させる必要があり、そのためには収益不動産の仕入資金の調達力が不可欠であります。
当社は、投資家や金融機関とのコミュニケーションを一層充実させ、当社グループの将来性についての信頼を得ることで、資金調達力を強化することを課題として認識しております。
⑥ 従業員のプロフェッショナル化
当社グループでは、不動産運用に係る従業員に対し不動産に関する専門知識の習得を求めるだけでなく、グループ全体の事業戦略を推進する上で、すべての従業員に対し、自己研鑽を重ね、高い専門性を身に着けること、自律的に行動していくことを求めています。これにより、従業員個々の能力向上を図り、当社グループ全体の人材レベルの向上、ひいては当社グループのサービスの質の向上及び維持に繋げていきたいと考えております。そのため、「ヒューマン・インベストメント計画」として、人材のレベルアップに継続して取り組んでおります。また併せて、企業理念やコンプライアンスに基づいた業務運営体制の徹底のため、当社が掲げる企業行動憲章や、リスク認識などに対する全社員の意識向上にも努めております。
⑦ 新卒入社従業員の育成
当社は、将来を担う幹部人材の育成と、多様な人材が刺激し合うことによる相乗的な成長を企図し、2010年以来新卒採用を行っており、新卒入社従業員の比率は年々向上しております。当社グループでは、求める人物像である「2つのP(プロアクティブ、プロフェッショナル)とADコンピテンシー」を基盤にした人材育成を進めており、特に新卒入社従業員に関してはOJT(On-the-Job Training)及び各種の研修にその要素を組み込むことで、成長スピードを高めるよう取り組んでおります。今後さらに当社の事業を成長させるうえでは、優秀な人材の確保に加え、そうした人材の育成能力をいっそう高める必要があると認識しております。
⑧ 資本基盤の整備に向けた取組み
当社は上場会社であるため、当社に対し大規模買付行為が行われる可能性があります。原則として、当社株式の買付けは、自由に行われるべきものであり、当社の企業活動の活性化や株主共同の利益確保・向上につながる限り、株式の大量取得自体を否定するものではありませんが、このような行為の中には、企業価値や株主共同の利益を損なう懸念を伴う場合もあります。
そのため、「資本基盤の整備」に向けたリスク管理の一施策として、2012年6月28日開催の第86期定時株主総会にて、当社に対して大規模買付行為が行われた場合の事前情報提供等に関する一定のルールとして大規模買付ルールを導入し、2015年6月23日開催の第89期定時株主総会及び2018年6月26日開催の第92回定時株主総会において更新のご承認をいただいております。
概略は、当社取締役会が代替案を含め、大規模買付行為を行う者からの提案を検討するために必要な情報と相当の期間を確保するとともに、当社取締役会が、当該大規模買付行為が当社の企業価値もしくは株主共同の利益を著しく低下させると合理的に判断することが困難である場合は、株主意思の確認のための株主総会を招集することとしたものであります。また、その法的安定性を高めるため、定款に大規模買付ルールの改正やそのルールに基づく対抗措置の発動について、当社取締役会や株主総会の決議により行うことができる旨などの根拠を規定したものであります。

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