有価証券報告書-第104期(2025/04/01-2026/03/31)
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
①コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社を中核とする京阪グループは、「人の暮らしに夢と希望と信頼のネットワークを築いて、快適な生活環境を創造し、社会に貢献します。」を経営理念とし、運輸業をはじめとするライフステージネットワークを展開する中で地域社会やお客さま、株主の皆様など当社グループを取り巻くステークホルダーを大切にするとともに、法令・社会規範の遵守はもとより、取締役会における監督機能の充実及び迅速な意思決定の実現を図ることなどを通じて、効率的かつ適正な企業運営の推進に努めております。
②企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
当社は、コーポレート・ガバナンスの一層の強化を図るため、2017年6月20日をもって監査等委員会設置会社に移行しております。
当社は、「取締役会」(有価証券報告書提出日(2026年6月18日)現在、後記「(2)役員の状況 ①役員一覧」に記載の取締役により構成)を経営機構の中心に据え、これを原則として月1回開催し、グループ会社を含めた経営戦略及び重要な業務執行の決定並びに監督を行っており、取締役会の監督機能強化の観点から、取締役14名のうち7名を社外から選任しております。なお、当社は、定款の定め及び取締役会の決議に従い、重要な業務執行のうち相当な部分の決定を取締役に委任することにより、迅速な経営の意思決定の実現を図っております。
※当社は、2026年6月19日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として「監査等委員でない取締役9名選任の件」を上程しており、当該議案が承認可決されますと、引き続き当社の取締役会は、後記「(2)役員の状況 ①役員一覧」に記載の取締役により構成されます。
取締役会の下には、グループの経営戦略等について審議する「経営会議」(有価証券報告書提出日(2026年6月18日)現在、議長を取締役会議長とし、後記「(2)役員の状況 ①役員一覧」に記載の取締役(社外取締役を除く。)及び常務執行役員により構成)を設置して、これを原則として毎週1回開催するとともに、審議内容を適宜取締役会に報告しております。また、業務執行の局面では、4つに区分した当社グループの各事業(運輸、不動産、流通、レジャー・サービス)及び経営統括部門に執行役員を配置し、その迅速化を図っております。
※当社は、2026年6月19日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として「監査等委員でない取締役9名選任の件」を上程しており、当該議案が承認可決され、また、当該定時株主総会の直後に開催が予定されている取締役会で決議されますと、引き続き当社の経営会議は、議長を取締役会議長とし、後記「(2)役員の状況 ①役員一覧」に記載の取締役(社外取締役を除く。)及び常務執行役員により構成されます。
業務執行に対する監査・監督の局面では、有価証券報告書提出日(2026年6月18日)現在、後記「(2)役員の状況 ②社外役員の状況」に記載のとおり、監査等委員である取締役5名のうち4名を社外取締役とし、運輸行政及び会社経営の経験者、企業会計の専門家、企業法務の専門家並びに文化・学術・観光分野の専門家を選任するほか、後記「(3)監査の状況 ①監査等委員会監査の状況~③会計監査の状況」に記載の取り組みを行うなど、監査等委員会の機能強化に努めております。加えて、当社は、監査等委員会の決議により常勤の監査等委員1名を選定しております。常勤の監査等委員は経営会議に出席するほか、内部監査部門等との十分な連携を図ることを通じて、監査等委員会の監査・監督の実効性向上に努めております。
さらに、監査等委員でない取締役及び執行役員の人事・報酬の決定の透明性向上の観点から、取締役会の諮問機関として、委員の過半数を社外取締役とする「指名・報酬諮問委員会」(有価証券報告書提出日(2026年6月18日)現在、代表取締役社長 平川良浩氏(議長)、代表取締役会長 加藤好文氏、社外取締役 橋爪紳也氏、同 ケン・チャン・チェン・ウェイ氏、同 山本竹彦氏の5名により構成)を設置し、これらの事項について審議したうえで取締役会に答申することとしております。
※当社は、2026年6月19日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として「監査等委員でない取締役9名選任の件」を上程しており、当該議案が承認可決され、また、当該定時株主総会の直後に開催が予定されている取締役会で決議されますと、引き続き当社の指名・報酬諮問委員会は、上記と同様の5名により構成されます。
以上のとおり、当社は、重要な業務執行のうち相当な部分の決定を取締役に委任することを通じて迅速な経営の意思決定の実現を図るとともに、社外取締役の豊富な経験及び卓越した識見を活用することで取締役会の監督機能の充実を図り、また、取締役会において議決権を有する監査等委員により構成される監査等委員会が監査を担うことで監査・監督機能を強化するなど、コーポレート・ガバナンスの一層の強化を図るべく、上記企業統治の体制を採用しております。
③企業統治に関するその他の事項
a.内部統制システムの整備の状況
当社及び当社を中核とする京阪グループは、「経営理念」を誠実に実践して社会に貢献するとともに、更なる経営の品格向上をめざして、経営理念の下に「経営姿勢」並びに「行動憲章」を定め、法令及び社会規範を遵守するとともに高い倫理を保ち、責任ある行動をとる旨を謳っております。
コンプライアンス体制の整備につきましては、京阪グループのサステナビリティ経営を推進していくため設置している「サステナビリティ委員会」の下に、「コンプライアンスおよび危機リスク専門委員会」を設置するとともに、コンプライアンス推進組織として当社各部署及びグループ各社にコンプライアンス推進責任者及びコンプライアンス推進担当者を選任しております。なお、本推進組織により、反社会的勢力の排除についても取り組んでおります。また、同専門委員会とコンプライアンス推進組織との間でコンプライアンスリスクに関する情報の相互提供を行うことにより、法令違反の未然防止及び再発防止を図っておりますほか、同専門委員会は、階層別研修などの機会を通じてコンプライアンスに関する教育を実施するとともに、コンプライアンス・マニュアルを作成し従業員のコンプライアンス知識の向上を図っております。
財務報告に係る内部統制につきましては、グループ各社の経理担当者と日常的な連携を保つとともに、連結財務諸表作成に際して連絡会を開催して留意事項などを周知しておりますほか、グループ各社を含む業務の文書化・評価を進めるなどその整備を進めております。また、統合会計システムを導入することにより、数値管理の強化を図っております。
この他、当社及びグループ各社の役員、社員及びその他の従業員を対象に、「コンプライアンス・ホットライン」を開設し、通報を受けた情報につき事実関係の調査を行い、当社各部署及びグループ各社に必要な対策を講じさせております。
情報管理体制の整備につきましては、「文書取扱規程」に基づき、株主総会・取締役会その他重要な会議の議事録などの関係書類、重要な取締役の職務の執行に係る文書その他の情報につき、文書保存期間類別に従い保存・管理するとともに、その安全管理(漏洩防止)対策の充実を図っております。
効率的な経営体制の整備につきましては、グループ成長戦略を強力に推進するため、経営統括部門及び当社グループの各事業を4つに区分した事業群に執行役員を配置する経営体制をとっております。また、取締役会は、長期経営戦略及びグループ全体の3ヵ年を期間とする経営計画を策定し、これに基づき各事業群は業績目標を設定しておりますが、その進捗状況を適宜管理するほか、業績達成の報告を受けることとしております。
b.リスク管理体制の整備の状況
「危機管理規程」を制定し、危機情報の収集・管理・報告・公開、危機発生時の体制、危機管理に関するグループ会社への関与体制などの整備を図るとともに、これを受けて当社各部署は、「危機管理規程」に関する細則を定め、具体的な危機に対処する仕組みを整備しております。また、グループ各社に対しては「経営管理契約」に基づき「危機管理規程」を遵守させることとしております。さらに、危機対応能力の向上を図るため、「コンプライアンスおよび危機リスク専門委員会」が、当社グループに重大な影響を及ぼしうるリスクへの対応策の整備などに取り組んでおります。
なお、京阪電気鉄道㈱における安全輸送の確保、非常災害への対処方法などについては、同社の「鉄道保安総合委員会」で幅広く審議しており、当社取締役会はその審議内容について報告を受けております。
このほか、「サステナビリティ委員会」の下に「環境経営専門委員会」及び「グループDX推進・情報セキュリティ専門委員会」を設置しており、「環境経営専門委員会」では、京阪グループ全体としての環境課題への対応方針の策定及び進捗管理に取り組むなど、環境経営を推進しております。また、「グループDX推進・情報セキュリティ専門委員会」では、京阪グループ全体の情報セキュリティを一元的に管理するとともに、グループ共通の情報セキュリティ基盤の構築方針を策定し、IT管理体制を確立して、その全体最適を図り、ITに係る業務の適正の確保に努めております。
c.子会社の業務の適正を確保するための体制整備の状況
グループ各社は、当社との間で締結している「経営管理契約」に基づき「グループ会社管理規程」を遵守することとしており、これに基づきグループ各社は、所定の重要な業務執行の状況について当社へ報告する体制となっております。また、「サステナビリティ委員会」とともに、京阪グループにおける業務の適正を確保するための体制(内部統制)の整備状況を検証して実効性を高めるため、同委員会の下に「内部統制委員会」を設置しております。
④責任限定契約の内容の概要
当社は、社外取締役全員との間で、職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、会社法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しております。当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、10百万円又は法令が規定する最低責任限度額のいずれか高い額としております。
⑤役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は、当社の取締役等を被保険者として、被保険者が業務につき行った行為に起因して被保険者に対して損害賠償請求がなされたことにより被保険者が被る損害が塡補される、会社法第430条の3第1項の役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しております。なお、被保険者が私的な利益又は便宜の供与を違法に得たことや被保険者の犯罪行為に起因する損害には保険金が支払われない等の免責事由が定められております。
⑥取締役の定数
当社の取締役は15名以内とし、取締役のうち、監査等委員である取締役は5名以内とする旨定款に定めております。
⑦取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨、また、累積投票によらないものとする旨定款に定めております。
⑧自己の株式の取得
当社は、機動的な資本政策を遂行することが可能となるよう、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって市場取引等により自己の株式を取得することができる旨定款に定めております。
⑨中間配当
当社は、株主への利益還元の機会を充実させるため、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議によって中間配当をすることができる旨定款に定めております。
⑩株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨定款に定めております。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、特別決議事項の審議をより確実に行い、株主総会の意思決定の停滞による株主共同の利益の逸失を回避することを目的とするものであります。
⑪株式会社の支配に関する基本方針
a.基本方針の内容
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の財務及び事業の内容や当社の企業価値の源泉を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を継続的かつ持続的に確保し、向上させていくことを可能とする者である必要があると考えております。
当社は、当社の支配権の移転を伴う買収提案についての判断は、最終的には株主の皆様の全体の意思に基づいて行われるべきものと考えております。また、当社は、株式の大量買付であっても、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益に資するものであれば、これを否定するものではありません。
しかしながら、株式の大量買付のなかには、その目的などからみて企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が株式の大量買付の内容などについて検討しあるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社が買収者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買収者との協議・交渉を必要とするものなど、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
特に、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を確保し、向上させていくためには、①鉄道事業をはじめとするライフステージネットワークを展開するなかで培ってきたお客さま、株主の皆様、お取引先、従業員、地域社会をはじめとするステークホルダーとの良好な信頼関係の維持・強化、②経営陣と従業員による経営理念・公共的使命・経営ビジョンの共有及び経営の品格の向上、③多くのお客さまの人命を預かる鉄道事業をはじめとする極めて公共性の高い事業を営む企業グループとして必要とされる、安定的な経営基盤の確立、鉄道事業を支える設備・人材・技術などに対する深い理解、安全対策をはじめとする中長期的な視点に立った設備投資、日々の安全輸送を完遂するための安全マネジメントや従業員の教育訓練、及び安全安心の確保を最優先する企業風土づくりの継続的な推進、④鉄道事業と各事業の有機的な連携による相乗効果の発揮と京阪エリアの魅力向上により、京阪ブランドを醸成してこれを新たな事業展開の原動力とし、グループの総合力を最大限発揮していくための手法や発想の蓄積が不可欠であり、これらこそが当社の企業価値の源泉であると考えております。当社株式の大量買付を行う者が、当社の財務及び事業の内容を理解するのはもちろんのこと、こうした当社の企業価値の源泉を理解したうえで、これらを中長期的に確保し、向上させられるのでなければ、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益は損なわれることになります。
当社は、このような当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益に資さない大量買付を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大量買付に対しては、必要かつ相当な対抗措置をとることにより、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を確保する必要があると考えます。
b.当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取組み
ⅰ)企業価値向上のための取組み
当社グループでは、激変する将来の経営環境においても持続的な成長を続けるために、2050年を見据えた経営ビジョン「美しい京阪沿線、世界とつながる京阪グループへ」の実現に向け、長期経営戦略(目標年次2030年度)及び中期経営計画「BIOSTYLE~深化と挑戦~」(2023~2025年度)にグループ一丸となって取り組んでまいりました。
今般、現行計画の達成状況と経営環境の変化を踏まえ、長期経営戦略の定量目標をさらなる高みへと引き上げ、目標達成に向けた成長ストーリーを再構築するとともに、これに基づく3ヵ年のアクションプランである中期経営計画「真価を磨く 2028」(2026~2028年度)を策定いたしました。あらためて京阪グループの「真価」である使命や強み・ポテンシャルを見つめ直し、「くらしと観光を彩るまちづくり企業」として京阪沿線の価値を高め続けるとともに、資本効率の改善に一層努め、持続的な企業価値向上に取り組んでまいります。
1.長期経営戦略 定量目標アップデート
当社グループは、2029年3月期を最終年度とする3ヵ年の中期経営計画及び2031年3月期を目標年次とする長期経営戦略において「営業利益」、「親会社株主に帰属する当期純利益」、「EBITDA」(営業利益+減価償却費)、「ネット有利子負債/EBITDA倍率」及び「ROE」を重要な指標として位置付けております。
翌連結会計年度予想(2027年3月期)、中期経営計画数値目標(2029年3月期)及び長期経営戦略数値目標(2031年3月期)は、以下のとおりです。

2.長期経営戦略 ROE10%に向けた成長ストーリー
2030年度ROE10%水準の達成に向けて、京阪の「真価」を活かした新たな沿線価値創造とBSマネジメントによる企業価値向上を推進します。
(a)沿線資源の発掘・深度化による事業の高付加価値化
沿線の拠点開発を着実に推進するとともに、沿線に息づく歴史・伝統・文化を発掘、深度化し、商品・サービスへ付加し事業を高付加価値化することで収益力向上を図ります。
(b)持続的な企業価値向上に向けた資本構成の最適化
積極的な成長投資により収益力を強化し営業キャッシュフローの拡大を図るとともに、賃貸資産等の売却により有利子負債残高を適正な水準にコントロールしつつ、業績に応じた利益配当及び機動的な自己株式の取得を行うことで、資本効率を意識した持続的成長を実現します。

3.長期経営戦略 営業利益目標の達成に向けた各事業の成長ストーリー
(a)運輸業
高効率な環境配慮型車両への更新・既存インフラ更新などに集中投資するとともに、京都を資源とした旅客誘致や高付加価値サービスの導入などにより「安全・安心」と「サービス品質」を抜本的に強化し、利益成長を図ります。
(b)不動産業
エリア、アセットタイプ、スキームなど広く「分散」を意識した不動産投資により高効率な収益基盤を構築し、不動産販売業における戦略的な物件販売による利益最大化や不動産賃貸業における着実な収入増加と物件売却・取得の再投資サイクル定着を図ります。
(c)流通業
多彩な沿線エリアの特性を踏まえ、独創的価値を強化し、沿線の需要を創造する商品・サービスにより利益率を向上させるとともに事業領域を拡大し、沿線生活インフラとしての持続的成長を図ります。
(d)レジャー・サービス業
積極的なホテル新規出店を行うとともにインバウンド需要を確実に捉えるためのリニューアルや沿線資源を活用した「唯一無二の滞在体験」の提供により高付加価値化を進め、収益の最大化と体験価値ブランドの確立を図ります。
4.長期経営戦略 将来に向けた重点施策
・京都タワー(※)リニューアルや三条駅周辺プロジェクト、大津港活性化・再整備などの沿線まちづくり、さらには大阪IR開業や中之島線延伸などによる湾岸成長需要の取り込みを中長期的な視点で着実に推進します。
・全事業が連携して「くらし」と「観光」の両面で沿線価値を磨き上げ、収益力と資本効率の向上を追求、「エリア全体の価値向上」を見据えた持続的な投資循環を確立することで、将来にわたる企業価値の向上を目指します。
※「ニデック京都タワー」及び「京都タワービル」の総称

ⅱ)コーポレート・ガバナンスの強化
当社は、各事業の更なる競争力強化、当社グループ事業の拡大、異業種との提携やM&Aなども活用した新たな事業の創出、及び沿線エリアの中長期的視点での価値向上といった課題に取り組み、持続的な成長と企業価値の向上を図っていくため、2016年4月1日、持株会社体制へと移行しました。また、こうした課題への取組みを更に加速していくため、当社は、重要な業務執行のうち相当な部分の決定を取締役に委任することを通じて更なる迅速な経営の意思決定の実現を図るとともに、社外取締役の豊富な経験及び卓越した識見を活用することで取締役会の監督機能の充実を図り、また、取締役会において議決権を有する監査等委員が監査を担うことで監査・監督機能を強化するなど、コーポレート・ガバナンスの一層の強化を図るべく、2017年6月20日開催の第95回定時株主総会においてご承認いただいた関連議案に基づき、同日をもって監査等委員会設置会社に移行いたしました。なお、当社は、従前から経営陣の株主の皆様に対する責任の所在を明確化するため取締役の任期を1年としておりましたが、監査等委員会設置会社への移行に伴い、引き続き監査等委員でない取締役の任期は1年であります。
さらに、有価証券報告書提出日(2026年6月18日)現在、当社の取締役14名のうち7名は独立性を有する社外取締役(うち3名は監査等委員でない社外取締役)を選任しております。これら社外取締役による当社経営に対する監督・監視機能の充実を図り、透明性の高い経営を実現するなど、コーポレート・ガバナンスの一層の強化を図っております。
※当社は、2026年6月19日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として「監査等委員でない取締役9名選任の件」を上程しており、当該議案が承認可決されますと、引き続き当社の取締役14名のうち7名は独立性を有する社外取締役(うち3名は監査等委員でない社外取締役)となります。
c.基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、当社株式の大量買付行為を行おうとする者に対しては、必要かつ相当な手段を採ることにより当社の企業価値・株主の皆様の共同の利益を確保する必要があると考えております。
そのため、当社は、社内に常設組織として「コーポレート・コミュニケーション委員会」を設け、機関投資家の皆様との日常的な対話を促進する一方、当社株式の大量買付行為を行おうとする者に対しては、その是非を株主の皆様が適切に判断するために必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて当社取締役会の意見等を開示し、株主の皆様の検討のための時間の確保に努めるなど、金融商品取引法、会社法、及びその他関係法令の許容する範囲内において適切な措置を講じてまいります。
d.取組みが基本方針に沿い、当社の株主共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものでないことについて
ⅰ)基本方針の実現に資する特別な取組み(上記b.)について
長期経営戦略及び中期経営計画をはじめとして、上記b.に記載した取組みは、当社の経営理念や公共的使命を背景に、引き続き当社の企業価値・株主の皆様の共同の利益の確保・向上を図るために策定したものであり、まさに基本方針の実現に資するものです。
従って、これらの取組みは、基本方針に沿い、当社の株主の皆様の共同の利益に合致するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
ⅱ)基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み(上記c.)について
上記c.に記載した取組みは、当社株式の大量買付行為がなされた際に、その是非を株主の皆様が適切に判断するために必要かつ十分な情報や時間を確保すること等により、当社の企業価値・株主の皆様の共同の利益を確保、向上させるためのものであり、まさに基本方針の実現に資するものです。
従って、これらの取組みは、基本方針に沿い、当社の株主の皆様の共同の利益に合致するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
⑫取締役会及び指名・報酬諮問委員会の活動状況
a.取締役会の活動状況
当事業年度において当社は取締役会を11回開催しており、個々の取締役の出席状況は次のとおりであります。
(注)1.取締役橋爪紳也、ケン・チャン・チェン・ウェイ、山本竹彦、梅﨑 壽、田原信之、草尾光一、濱崎加奈子、本保芳明の各氏は、社外取締役であります。
2.当事業年度の末日(2026年3月31日)における地位を記載しております。当事業年度中に退任した役員については退任時点における地位を記載しております。
当事業年度における取締役会の具体的な審議事項は、グループ会社を含めた経営戦略及び重要な業務執行・投資案件に関する事項やサステナビリティ委員会における審議状況報告のほか、長期経営戦略のアップデート及び新中期経営計画「真価を磨く 2028」の策定や鉄道輸送の安全確保に関する業務の実施状況などであります。
b.指名・報酬諮問委員会の活動状況
当事業年度において当社は指名・報酬諮問委員会を4回開催しており、個々の取締役の出席状況は次のとおりであります。
(注)1.取締役橋爪紳也、ケン・チャン・チェン・ウェイ、山本竹彦の各氏は、社外取締役であります。
2.当事業年度の末日(2026年3月31日)における地位を記載しております。
当事業年度における指名・報酬諮問委員会では、報酬制度の改正や、監査等委員でない取締役及び執行役員の人事・報酬原案に関する事項などを審議いたしました。
①コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社を中核とする京阪グループは、「人の暮らしに夢と希望と信頼のネットワークを築いて、快適な生活環境を創造し、社会に貢献します。」を経営理念とし、運輸業をはじめとするライフステージネットワークを展開する中で地域社会やお客さま、株主の皆様など当社グループを取り巻くステークホルダーを大切にするとともに、法令・社会規範の遵守はもとより、取締役会における監督機能の充実及び迅速な意思決定の実現を図ることなどを通じて、効率的かつ適正な企業運営の推進に努めております。
②企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
当社は、コーポレート・ガバナンスの一層の強化を図るため、2017年6月20日をもって監査等委員会設置会社に移行しております。
当社は、「取締役会」(有価証券報告書提出日(2026年6月18日)現在、後記「(2)役員の状況 ①役員一覧」に記載の取締役により構成)を経営機構の中心に据え、これを原則として月1回開催し、グループ会社を含めた経営戦略及び重要な業務執行の決定並びに監督を行っており、取締役会の監督機能強化の観点から、取締役14名のうち7名を社外から選任しております。なお、当社は、定款の定め及び取締役会の決議に従い、重要な業務執行のうち相当な部分の決定を取締役に委任することにより、迅速な経営の意思決定の実現を図っております。
※当社は、2026年6月19日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として「監査等委員でない取締役9名選任の件」を上程しており、当該議案が承認可決されますと、引き続き当社の取締役会は、後記「(2)役員の状況 ①役員一覧」に記載の取締役により構成されます。
取締役会の下には、グループの経営戦略等について審議する「経営会議」(有価証券報告書提出日(2026年6月18日)現在、議長を取締役会議長とし、後記「(2)役員の状況 ①役員一覧」に記載の取締役(社外取締役を除く。)及び常務執行役員により構成)を設置して、これを原則として毎週1回開催するとともに、審議内容を適宜取締役会に報告しております。また、業務執行の局面では、4つに区分した当社グループの各事業(運輸、不動産、流通、レジャー・サービス)及び経営統括部門に執行役員を配置し、その迅速化を図っております。
※当社は、2026年6月19日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として「監査等委員でない取締役9名選任の件」を上程しており、当該議案が承認可決され、また、当該定時株主総会の直後に開催が予定されている取締役会で決議されますと、引き続き当社の経営会議は、議長を取締役会議長とし、後記「(2)役員の状況 ①役員一覧」に記載の取締役(社外取締役を除く。)及び常務執行役員により構成されます。
業務執行に対する監査・監督の局面では、有価証券報告書提出日(2026年6月18日)現在、後記「(2)役員の状況 ②社外役員の状況」に記載のとおり、監査等委員である取締役5名のうち4名を社外取締役とし、運輸行政及び会社経営の経験者、企業会計の専門家、企業法務の専門家並びに文化・学術・観光分野の専門家を選任するほか、後記「(3)監査の状況 ①監査等委員会監査の状況~③会計監査の状況」に記載の取り組みを行うなど、監査等委員会の機能強化に努めております。加えて、当社は、監査等委員会の決議により常勤の監査等委員1名を選定しております。常勤の監査等委員は経営会議に出席するほか、内部監査部門等との十分な連携を図ることを通じて、監査等委員会の監査・監督の実効性向上に努めております。
さらに、監査等委員でない取締役及び執行役員の人事・報酬の決定の透明性向上の観点から、取締役会の諮問機関として、委員の過半数を社外取締役とする「指名・報酬諮問委員会」(有価証券報告書提出日(2026年6月18日)現在、代表取締役社長 平川良浩氏(議長)、代表取締役会長 加藤好文氏、社外取締役 橋爪紳也氏、同 ケン・チャン・チェン・ウェイ氏、同 山本竹彦氏の5名により構成)を設置し、これらの事項について審議したうえで取締役会に答申することとしております。
※当社は、2026年6月19日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として「監査等委員でない取締役9名選任の件」を上程しており、当該議案が承認可決され、また、当該定時株主総会の直後に開催が予定されている取締役会で決議されますと、引き続き当社の指名・報酬諮問委員会は、上記と同様の5名により構成されます。
以上のとおり、当社は、重要な業務執行のうち相当な部分の決定を取締役に委任することを通じて迅速な経営の意思決定の実現を図るとともに、社外取締役の豊富な経験及び卓越した識見を活用することで取締役会の監督機能の充実を図り、また、取締役会において議決権を有する監査等委員により構成される監査等委員会が監査を担うことで監査・監督機能を強化するなど、コーポレート・ガバナンスの一層の強化を図るべく、上記企業統治の体制を採用しております。
③企業統治に関するその他の事項
a.内部統制システムの整備の状況
当社及び当社を中核とする京阪グループは、「経営理念」を誠実に実践して社会に貢献するとともに、更なる経営の品格向上をめざして、経営理念の下に「経営姿勢」並びに「行動憲章」を定め、法令及び社会規範を遵守するとともに高い倫理を保ち、責任ある行動をとる旨を謳っております。
コンプライアンス体制の整備につきましては、京阪グループのサステナビリティ経営を推進していくため設置している「サステナビリティ委員会」の下に、「コンプライアンスおよび危機リスク専門委員会」を設置するとともに、コンプライアンス推進組織として当社各部署及びグループ各社にコンプライアンス推進責任者及びコンプライアンス推進担当者を選任しております。なお、本推進組織により、反社会的勢力の排除についても取り組んでおります。また、同専門委員会とコンプライアンス推進組織との間でコンプライアンスリスクに関する情報の相互提供を行うことにより、法令違反の未然防止及び再発防止を図っておりますほか、同専門委員会は、階層別研修などの機会を通じてコンプライアンスに関する教育を実施するとともに、コンプライアンス・マニュアルを作成し従業員のコンプライアンス知識の向上を図っております。
財務報告に係る内部統制につきましては、グループ各社の経理担当者と日常的な連携を保つとともに、連結財務諸表作成に際して連絡会を開催して留意事項などを周知しておりますほか、グループ各社を含む業務の文書化・評価を進めるなどその整備を進めております。また、統合会計システムを導入することにより、数値管理の強化を図っております。
この他、当社及びグループ各社の役員、社員及びその他の従業員を対象に、「コンプライアンス・ホットライン」を開設し、通報を受けた情報につき事実関係の調査を行い、当社各部署及びグループ各社に必要な対策を講じさせております。
情報管理体制の整備につきましては、「文書取扱規程」に基づき、株主総会・取締役会その他重要な会議の議事録などの関係書類、重要な取締役の職務の執行に係る文書その他の情報につき、文書保存期間類別に従い保存・管理するとともに、その安全管理(漏洩防止)対策の充実を図っております。
効率的な経営体制の整備につきましては、グループ成長戦略を強力に推進するため、経営統括部門及び当社グループの各事業を4つに区分した事業群に執行役員を配置する経営体制をとっております。また、取締役会は、長期経営戦略及びグループ全体の3ヵ年を期間とする経営計画を策定し、これに基づき各事業群は業績目標を設定しておりますが、その進捗状況を適宜管理するほか、業績達成の報告を受けることとしております。
b.リスク管理体制の整備の状況
「危機管理規程」を制定し、危機情報の収集・管理・報告・公開、危機発生時の体制、危機管理に関するグループ会社への関与体制などの整備を図るとともに、これを受けて当社各部署は、「危機管理規程」に関する細則を定め、具体的な危機に対処する仕組みを整備しております。また、グループ各社に対しては「経営管理契約」に基づき「危機管理規程」を遵守させることとしております。さらに、危機対応能力の向上を図るため、「コンプライアンスおよび危機リスク専門委員会」が、当社グループに重大な影響を及ぼしうるリスクへの対応策の整備などに取り組んでおります。
なお、京阪電気鉄道㈱における安全輸送の確保、非常災害への対処方法などについては、同社の「鉄道保安総合委員会」で幅広く審議しており、当社取締役会はその審議内容について報告を受けております。
このほか、「サステナビリティ委員会」の下に「環境経営専門委員会」及び「グループDX推進・情報セキュリティ専門委員会」を設置しており、「環境経営専門委員会」では、京阪グループ全体としての環境課題への対応方針の策定及び進捗管理に取り組むなど、環境経営を推進しております。また、「グループDX推進・情報セキュリティ専門委員会」では、京阪グループ全体の情報セキュリティを一元的に管理するとともに、グループ共通の情報セキュリティ基盤の構築方針を策定し、IT管理体制を確立して、その全体最適を図り、ITに係る業務の適正の確保に努めております。
c.子会社の業務の適正を確保するための体制整備の状況
グループ各社は、当社との間で締結している「経営管理契約」に基づき「グループ会社管理規程」を遵守することとしており、これに基づきグループ各社は、所定の重要な業務執行の状況について当社へ報告する体制となっております。また、「サステナビリティ委員会」とともに、京阪グループにおける業務の適正を確保するための体制(内部統制)の整備状況を検証して実効性を高めるため、同委員会の下に「内部統制委員会」を設置しております。
④責任限定契約の内容の概要
当社は、社外取締役全員との間で、職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、会社法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しております。当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、10百万円又は法令が規定する最低責任限度額のいずれか高い額としております。
⑤役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は、当社の取締役等を被保険者として、被保険者が業務につき行った行為に起因して被保険者に対して損害賠償請求がなされたことにより被保険者が被る損害が塡補される、会社法第430条の3第1項の役員等賠償責任保険契約を保険会社との間で締結しております。なお、被保険者が私的な利益又は便宜の供与を違法に得たことや被保険者の犯罪行為に起因する損害には保険金が支払われない等の免責事由が定められております。
⑥取締役の定数
当社の取締役は15名以内とし、取締役のうち、監査等委員である取締役は5名以内とする旨定款に定めております。
⑦取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨、また、累積投票によらないものとする旨定款に定めております。
⑧自己の株式の取得
当社は、機動的な資本政策を遂行することが可能となるよう、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって市場取引等により自己の株式を取得することができる旨定款に定めております。
⑨中間配当
当社は、株主への利益還元の機会を充実させるため、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議によって中間配当をすることができる旨定款に定めております。
⑩株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨定款に定めております。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、特別決議事項の審議をより確実に行い、株主総会の意思決定の停滞による株主共同の利益の逸失を回避することを目的とするものであります。
⑪株式会社の支配に関する基本方針
a.基本方針の内容
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の財務及び事業の内容や当社の企業価値の源泉を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を継続的かつ持続的に確保し、向上させていくことを可能とする者である必要があると考えております。
当社は、当社の支配権の移転を伴う買収提案についての判断は、最終的には株主の皆様の全体の意思に基づいて行われるべきものと考えております。また、当社は、株式の大量買付であっても、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益に資するものであれば、これを否定するものではありません。
しかしながら、株式の大量買付のなかには、その目的などからみて企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が株式の大量買付の内容などについて検討しあるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社が買収者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買収者との協議・交渉を必要とするものなど、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
特に、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を確保し、向上させていくためには、①鉄道事業をはじめとするライフステージネットワークを展開するなかで培ってきたお客さま、株主の皆様、お取引先、従業員、地域社会をはじめとするステークホルダーとの良好な信頼関係の維持・強化、②経営陣と従業員による経営理念・公共的使命・経営ビジョンの共有及び経営の品格の向上、③多くのお客さまの人命を預かる鉄道事業をはじめとする極めて公共性の高い事業を営む企業グループとして必要とされる、安定的な経営基盤の確立、鉄道事業を支える設備・人材・技術などに対する深い理解、安全対策をはじめとする中長期的な視点に立った設備投資、日々の安全輸送を完遂するための安全マネジメントや従業員の教育訓練、及び安全安心の確保を最優先する企業風土づくりの継続的な推進、④鉄道事業と各事業の有機的な連携による相乗効果の発揮と京阪エリアの魅力向上により、京阪ブランドを醸成してこれを新たな事業展開の原動力とし、グループの総合力を最大限発揮していくための手法や発想の蓄積が不可欠であり、これらこそが当社の企業価値の源泉であると考えております。当社株式の大量買付を行う者が、当社の財務及び事業の内容を理解するのはもちろんのこと、こうした当社の企業価値の源泉を理解したうえで、これらを中長期的に確保し、向上させられるのでなければ、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益は損なわれることになります。
当社は、このような当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益に資さない大量買付を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大量買付に対しては、必要かつ相当な対抗措置をとることにより、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を確保する必要があると考えます。
b.当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取組み
ⅰ)企業価値向上のための取組み
当社グループでは、激変する将来の経営環境においても持続的な成長を続けるために、2050年を見据えた経営ビジョン「美しい京阪沿線、世界とつながる京阪グループへ」の実現に向け、長期経営戦略(目標年次2030年度)及び中期経営計画「BIOSTYLE~深化と挑戦~」(2023~2025年度)にグループ一丸となって取り組んでまいりました。
今般、現行計画の達成状況と経営環境の変化を踏まえ、長期経営戦略の定量目標をさらなる高みへと引き上げ、目標達成に向けた成長ストーリーを再構築するとともに、これに基づく3ヵ年のアクションプランである中期経営計画「真価を磨く 2028」(2026~2028年度)を策定いたしました。あらためて京阪グループの「真価」である使命や強み・ポテンシャルを見つめ直し、「くらしと観光を彩るまちづくり企業」として京阪沿線の価値を高め続けるとともに、資本効率の改善に一層努め、持続的な企業価値向上に取り組んでまいります。
1.長期経営戦略 定量目標アップデート
当社グループは、2029年3月期を最終年度とする3ヵ年の中期経営計画及び2031年3月期を目標年次とする長期経営戦略において「営業利益」、「親会社株主に帰属する当期純利益」、「EBITDA」(営業利益+減価償却費)、「ネット有利子負債/EBITDA倍率」及び「ROE」を重要な指標として位置付けております。
翌連結会計年度予想(2027年3月期)、中期経営計画数値目標(2029年3月期)及び長期経営戦略数値目標(2031年3月期)は、以下のとおりです。

2.長期経営戦略 ROE10%に向けた成長ストーリー
2030年度ROE10%水準の達成に向けて、京阪の「真価」を活かした新たな沿線価値創造とBSマネジメントによる企業価値向上を推進します。
(a)沿線資源の発掘・深度化による事業の高付加価値化
沿線の拠点開発を着実に推進するとともに、沿線に息づく歴史・伝統・文化を発掘、深度化し、商品・サービスへ付加し事業を高付加価値化することで収益力向上を図ります。
(b)持続的な企業価値向上に向けた資本構成の最適化
積極的な成長投資により収益力を強化し営業キャッシュフローの拡大を図るとともに、賃貸資産等の売却により有利子負債残高を適正な水準にコントロールしつつ、業績に応じた利益配当及び機動的な自己株式の取得を行うことで、資本効率を意識した持続的成長を実現します。

3.長期経営戦略 営業利益目標の達成に向けた各事業の成長ストーリー
(a)運輸業
高効率な環境配慮型車両への更新・既存インフラ更新などに集中投資するとともに、京都を資源とした旅客誘致や高付加価値サービスの導入などにより「安全・安心」と「サービス品質」を抜本的に強化し、利益成長を図ります。
(b)不動産業
エリア、アセットタイプ、スキームなど広く「分散」を意識した不動産投資により高効率な収益基盤を構築し、不動産販売業における戦略的な物件販売による利益最大化や不動産賃貸業における着実な収入増加と物件売却・取得の再投資サイクル定着を図ります。
(c)流通業
多彩な沿線エリアの特性を踏まえ、独創的価値を強化し、沿線の需要を創造する商品・サービスにより利益率を向上させるとともに事業領域を拡大し、沿線生活インフラとしての持続的成長を図ります。
(d)レジャー・サービス業
積極的なホテル新規出店を行うとともにインバウンド需要を確実に捉えるためのリニューアルや沿線資源を活用した「唯一無二の滞在体験」の提供により高付加価値化を進め、収益の最大化と体験価値ブランドの確立を図ります。
4.長期経営戦略 将来に向けた重点施策
・京都タワー(※)リニューアルや三条駅周辺プロジェクト、大津港活性化・再整備などの沿線まちづくり、さらには大阪IR開業や中之島線延伸などによる湾岸成長需要の取り込みを中長期的な視点で着実に推進します。
・全事業が連携して「くらし」と「観光」の両面で沿線価値を磨き上げ、収益力と資本効率の向上を追求、「エリア全体の価値向上」を見据えた持続的な投資循環を確立することで、将来にわたる企業価値の向上を目指します。
※「ニデック京都タワー」及び「京都タワービル」の総称

ⅱ)コーポレート・ガバナンスの強化
当社は、各事業の更なる競争力強化、当社グループ事業の拡大、異業種との提携やM&Aなども活用した新たな事業の創出、及び沿線エリアの中長期的視点での価値向上といった課題に取り組み、持続的な成長と企業価値の向上を図っていくため、2016年4月1日、持株会社体制へと移行しました。また、こうした課題への取組みを更に加速していくため、当社は、重要な業務執行のうち相当な部分の決定を取締役に委任することを通じて更なる迅速な経営の意思決定の実現を図るとともに、社外取締役の豊富な経験及び卓越した識見を活用することで取締役会の監督機能の充実を図り、また、取締役会において議決権を有する監査等委員が監査を担うことで監査・監督機能を強化するなど、コーポレート・ガバナンスの一層の強化を図るべく、2017年6月20日開催の第95回定時株主総会においてご承認いただいた関連議案に基づき、同日をもって監査等委員会設置会社に移行いたしました。なお、当社は、従前から経営陣の株主の皆様に対する責任の所在を明確化するため取締役の任期を1年としておりましたが、監査等委員会設置会社への移行に伴い、引き続き監査等委員でない取締役の任期は1年であります。
さらに、有価証券報告書提出日(2026年6月18日)現在、当社の取締役14名のうち7名は独立性を有する社外取締役(うち3名は監査等委員でない社外取締役)を選任しております。これら社外取締役による当社経営に対する監督・監視機能の充実を図り、透明性の高い経営を実現するなど、コーポレート・ガバナンスの一層の強化を図っております。
※当社は、2026年6月19日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)として「監査等委員でない取締役9名選任の件」を上程しており、当該議案が承認可決されますと、引き続き当社の取締役14名のうち7名は独立性を有する社外取締役(うち3名は監査等委員でない社外取締役)となります。
c.基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、当社株式の大量買付行為を行おうとする者に対しては、必要かつ相当な手段を採ることにより当社の企業価値・株主の皆様の共同の利益を確保する必要があると考えております。
そのため、当社は、社内に常設組織として「コーポレート・コミュニケーション委員会」を設け、機関投資家の皆様との日常的な対話を促進する一方、当社株式の大量買付行為を行おうとする者に対しては、その是非を株主の皆様が適切に判断するために必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて当社取締役会の意見等を開示し、株主の皆様の検討のための時間の確保に努めるなど、金融商品取引法、会社法、及びその他関係法令の許容する範囲内において適切な措置を講じてまいります。
d.取組みが基本方針に沿い、当社の株主共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものでないことについて
ⅰ)基本方針の実現に資する特別な取組み(上記b.)について
長期経営戦略及び中期経営計画をはじめとして、上記b.に記載した取組みは、当社の経営理念や公共的使命を背景に、引き続き当社の企業価値・株主の皆様の共同の利益の確保・向上を図るために策定したものであり、まさに基本方針の実現に資するものです。
従って、これらの取組みは、基本方針に沿い、当社の株主の皆様の共同の利益に合致するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
ⅱ)基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み(上記c.)について
上記c.に記載した取組みは、当社株式の大量買付行為がなされた際に、その是非を株主の皆様が適切に判断するために必要かつ十分な情報や時間を確保すること等により、当社の企業価値・株主の皆様の共同の利益を確保、向上させるためのものであり、まさに基本方針の実現に資するものです。
従って、これらの取組みは、基本方針に沿い、当社の株主の皆様の共同の利益に合致するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
⑫取締役会及び指名・報酬諮問委員会の活動状況
a.取締役会の活動状況
当事業年度において当社は取締役会を11回開催しており、個々の取締役の出席状況は次のとおりであります。
| 地位 | 氏名 | 出席回数 /開催回数 | 備考 |
| 代表取締役会長 取締役会議長 | 加藤 好文 | 11回/11回 | |
| 代表取締役社長 執行役員社長 | 平川 良浩 | 11回/11回 | |
| 代表取締役社長 COO 執行役員社長 | 石丸 昌弘 | 2回/2回 | 2025年6月18日付で任期満了により退任 |
| 取締役 執行役員副社長 | 上野 正哉 | 11回/11回 | |
| 取締役 常務執行役員 | 道本 能久 | 11回/11回 | |
| 取締役 常務執行役員 | 松下 靖 | 11回/11回 | |
| 取締役 常務執行役員 | 井上 欣也 | 9回/9回 | 2025年6月18日開催の定時株主総会の決議により就任したため、就任後に開催された取締役会の出席回数を記載 |
| 取締役 | 橋爪 紳也 | 11回/11回 | |
| 取締役 | ケン・チャン・チェン・ウェイ | 11回/11回 | |
| 取締役 | 山本 竹彦 | 11回/11回 | |
| 取締役 監査等委員(常勤) | 稲地 利彦 | 11回/11回 | |
| 取締役 監査等委員 | 梅﨑 壽 | 2回/2回 | 2025年6月18日付で任期満了により退任 |
| 取締役 監査等委員 | 田原 信之 | 11回/11回 | |
| 取締役 監査等委員 | 草尾 光一 | 11回/11回 | |
| 取締役 監査等委員 | 濱崎 加奈子 | 11回/11回 | |
| 取締役 監査等委員 | 本保 芳明 | 9回/9回 | 2025年6月18日開催の定時株主総会の決議により就任したため、就任後に開催された取締役会の出席回数を記載 |
(注)1.取締役橋爪紳也、ケン・チャン・チェン・ウェイ、山本竹彦、梅﨑 壽、田原信之、草尾光一、濱崎加奈子、本保芳明の各氏は、社外取締役であります。
2.当事業年度の末日(2026年3月31日)における地位を記載しております。当事業年度中に退任した役員については退任時点における地位を記載しております。
当事業年度における取締役会の具体的な審議事項は、グループ会社を含めた経営戦略及び重要な業務執行・投資案件に関する事項やサステナビリティ委員会における審議状況報告のほか、長期経営戦略のアップデート及び新中期経営計画「真価を磨く 2028」の策定や鉄道輸送の安全確保に関する業務の実施状況などであります。
b.指名・報酬諮問委員会の活動状況
当事業年度において当社は指名・報酬諮問委員会を4回開催しており、個々の取締役の出席状況は次のとおりであります。
| 地位 | 氏名 | 出席回数/開催回数 | 備考 |
| 代表取締役社長 執行役員社長 | 平川 良浩 | 3回/3回 | 2025年6月18日開催の取締役会の決議により就任したため、就任後に開催された指名・報酬諮問委員会の出席回数を記載 |
| 代表取締役会長 取締役会議長 | 加藤 好文 | 4回/4回 | |
| 取締役 | 橋爪 紳也 | 4回/4回 | |
| 取締役 | ケン・チャン・チェン・ウェイ | 4回/4回 | |
| 取締役 | 山本 竹彦 | 4回/4回 |
(注)1.取締役橋爪紳也、ケン・チャン・チェン・ウェイ、山本竹彦の各氏は、社外取締役であります。
2.当事業年度の末日(2026年3月31日)における地位を記載しております。
当事業年度における指名・報酬諮問委員会では、報酬制度の改正や、監査等委員でない取締役及び執行役員の人事・報酬原案に関する事項などを審議いたしました。