有価証券報告書-第115期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/23 13:22
【資料】
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【項目】
144項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営の基本方針
京福グループでは、以下に掲げる「経営理念」および「経営姿勢」を基本方針に、京都地区では鉄道沿線を福井地区ではバス・タクシーを中心とした交通インフラをそれぞれを核に地域と協働して沿線の魅力を高めることで事業の拡大を図ってまいります。
<経営理念>京福グループは、安全・安心をブランドの礎とし、人と社会に貢献します。
<経営姿勢>・安全・安心・感動を基礎に、社会と一体となって歩みます。
・進取・挑戦の歩みを止めず、日々進化し続けます。
・人と自然を敬愛します。
(2) 中長期的な経営戦略
京福グループでは、持続的な成長を続けていくために、2016年度に経営ビジョン「沿線深耕~私たちのまちをさらに楽しくにぎやかに~」を策定し、ビジョン達成のための取組みを行ってきました。
京福グループは、この経営ビジョンのもと、[「沿線深耕」を通じたエリア戦略][沿線のまちづくり][「安全・安心」への継続投資]を基本方針に、中期経営計画で策定した取組みを実践し、エリア屈指のなくてはならない交通事業や住んでよかった・来てよかった沿線の京福ブランドの醸成を目指してきました。
このような取組みのもと、激変する経営環境においてもさらなる持続的な成長を促進するため、これまでの「沿線」を広く捉え、新たなマーケット創出への「沿線拡大」を成長戦略に加え、経営ビジョン達成に向けた2019年度からの5年間における京福グループ中期経営計画2023(2019~2023年度)を2019年度に策定しました。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響により、経営環境が劇的に変化したためこれを打ち切るとともに、「withコロナ、afterコロナ」という新たなライフスタイルに順応すべく、2023年度までの事業の方向性を整理しました。
京福グループにおける今後の事業の方向性の概略は、次のとおりです。
基本方針
今後の事業の方向性は、コンセプトを「adapt + rebuild(順応と再構築)」とし、これまでの中期経営計画は打ち切りますが、継続すべき施策は継続し、新たな経営環境に即して見直すべき施策は見直し、経営基盤の再構築のため、「安全・安心」「構造改革」「SDGs」を柱に持続可能な組織・事業体への変革を実現するための取り組みを行います。
<経営基盤の再構築>これまでの中期経営計画において、主に期間後半での実現可能性を模索していた「大規模投資を前提とした成長戦略」については事業環境が整った時点で再検討することとし、まずは新型コロナウイルス感染拡大によって大きく変化した外部環境に適した組織や事業体への変革を志向した基盤の再整備を優先します。また、成長戦略として掲げた「沿線拡大」への着手についても一旦見合わせ、既存の事業エリアの充実である「沿線深耕」に注力します。一方で、基幹事業である交通事業での安全に対する投資と働き方改革等に対応した人材確保と人材活用は、これまでどおり最優先で進めます。
1.「安全安心」の取組み:安定かつ継続したヒトとモノへの投資(これまで通り)
(1)設備更新
・「安全あんしん5ヶ年計画」に基づく老朽化設備の更新・バリアフリー化の継続実施
・車両やバスロケーションシステムの更新、福井交通事業での車載器のIC化による効率化の実施
・保有施設の災害等に備えた投資の継続実施
(2)人材活用
・雇用期間の延長に向けた健康管理(SAS検査、脳ドッグ等)の充実
・グループ全体としての有用な人材確保と人材活用への仕組みの充実
・安全教育(ヒューマンエラー防止、ドライブレコーダーを活用した事故分析)、接客教育の充実
(3)危機管理
・新型ウイルス、自然災害および情報管理に対する危機管理体制の充実
2.「構造改革」の取組み:withコロナ、afterコロナ下での安定収益の確保
「withコロナ、afterコロナ」の新たなライフスタイルに順応しつつ収益を確保していくため、働き方改革に沿った収益構造や組織見直しを図りガバナンス体制の向上も推進します。
(1)安定した収益構造への転換
・福井交通事業のシナジーを最大限に引き上げるための地域交通事業戦略の見直しと推進
・福井エリアの北陸新幹線開通に向けた着実な対応
・外部環境の変化に対応するための不動産事業利益の拡大ほかポートフォリオの再構築と投資配分の整備
3.「SDGs」の取組み:持続可能な社会および企業の実現
当社グループの経営理念・行動憲章と安全・安心や環境保護などの従来からの取組みの多くがSDGsの方向性ときわめて親和性が高く、当社グループが取り組むべきSDGsの重要課題を整理し、持続可能な社会への貢献を目指します。
(1)重要課題
・安全・安心でユニバーサルな事業とまちづくり
・人と地球に優しいエコでクリーンな事業推進
・笑顔のパートナーシップと学び合いによる事業創出
4.定量目標
2023年度収支および財務状況の2018年度並みまでの回復を目指します。
なお、新型コロナウイルスの影響は、2024年3月(2023年度)までは継続し、インバウンド需要は十分回復しないと見込んでいます。一方で、国内需要については新たな生活様式による消費動向の変化に対応し、2024年3月(2023年度)までに新型コロナウイルス流行前の水準に回復することを見込んでいます。
(3) 経営環境
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大による影響により、訪日外国人の減少だけでなく国内消費が大きく減少しており、特に鉄軌道事業や貸切バス事業などの運輸業やホテル事業などのレジャー・サービス業における経営環境は当面厳しい状況が続くものと想定されます。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
新型コロナウイルス感染症の拡大という未曽有の危機に当たり、公共交通を基幹事業とする当社グループの社会的責任は大きく、事業継続計画(BCP)に基づき、事業を遂行していくことを責務と認識しています。関係官庁や関係先との緊密な連携のもと、行政が主導する感染拡大防止の各施策への協力、役職員の感染防止と事業継続に、グループ一体で全力を傾注していく方針です。加えて、事態収束後の速やかな業績改善に向けての体制作りを進めてまいります。
「中期経営計画2023」(2019~2023年度)の進捗は、嵐山線では、「安全あんしん5ヶ年計画」に基づき、北野白梅町駅の全面リニューアルをはじめ、駅施設を中心にバリアフリー化や安全性向上のための工事を計画的に実施するとともに、管理・監督職がサービス介助士資格を取得するなど、ソフト面でのバリアフリー化に向けた取り組みを行いました。バス・タクシー事業では、京都地区において老朽化した整備工場の建て替えにより安全運行の基盤を整備したほか、福井市内においては乗合・貸切バスとタクシーの拠点統合を実施することで、よりきめ細やかな地域交通サービスの実現に向けた一体的な運営管理、営業体制のスタートを切りました。また、不動産事業においても、新たな賃貸住宅の建設や土地・戸建の分譲にも取り組むなど、増収を図るとともに沿線エリアの活性化を目指しました。
しかし、新型コロナウイルス感染症拡大による影響は甚大で、運輸業およびレジャー・サービス業でこれまでにない営業損失となりました。これに対し、不動産事業の増益により補填を図ったものの、2020年度は減損損失の計上もあり遺憾ながら目標未達となりました。
「今後の事業の方向性」は、「安全・安心」「構造改革」「SDGs」を3本柱に、経営基盤の再構築により、悪化した経営状況をコロナ以前の水準にまで回復させ、持続可能な組織・事業体への変革を実現するための集中した取り組みを行います。
「安全・安心」につきましては、嵐山線では、2019年にスタートした「安全あんしん5ヶ年計画」を継続し、バリアフリー化や安全性向上のための工事を計画的に実施するとともに、スタッフのサービス介助士資格取得の推進など、ハード・ソフト両面で安全で安心な事業を目指します。バス・タクシー事業では、福井地区乗合バスでのVisaタッチ決済の運用やタクシーでのオリジナル予約アプリの導入などデジタルトランスフォーメーションの積極的な導入を推進します。加えて新型コロナウイルスや激甚化する自然災害など、あらゆるリスクに対する危機管理体制の充実を図ります。
「構造改革」につきましては、「働き方改革」や「withコロナ、afterコロナ」などの新たなライフスタイルに順応し収益を確保していくため、収益構造や組織の見直しを図り変化する外部環境に順応した安定的な経営基盤を再構築します。
「SDGs」につきましては、当社グループの経営理念・行動憲章や公共性の高い事業、安全・安心や環境保護など従来からの取り組みの多くがそのままSDGsに直結します。持続可能な社会を実現して安定的な営業基盤を構築すると同時に、当社グループの企業価値を高め「地域になくてはならない企業」に発展していくためにも、グループ全体でSDGsの実現に取り組みます。
現状、新型コロナウイルス感染症による影響が見通せない状況下にありますが、公共交通を基幹事業とする当社グループとして、地域における交通インフラの維持と感染収束に向けた社会的責任を果たしながら、業績回復に努めてまいります。

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