有価証券報告書-第176期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/25 10:46
【資料】
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【項目】
134項目

有報資料

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針等
当社グループは、グループ経営理念として「一畑グループは総合力を発揮して、地域協働で新たな価値を創造し、豊かな郷土(ふるさと)づくりに貢献します」を掲げ、島根県東部を中心に様々な事業を展開しております。
また、当社グループは、中長期経営ビジョンとして「お客様に選ばれる一畑グループ」、「人口減少社会に対応する一畑グループ」、「地域創生を図る一畑グループ」を掲げ、その実現を目指しております。
(2)経営戦略等
当社グループは、グループ経営理念及び中長期経営ビジョンの実現のため、「一畑グループ中期経営計画(2025年度~2027年度)」を策定し、「安全・安心・安定・快適なサービスの提供」、「稼ぐ力の強化とグループ経営の効率化」、「安定した財務基盤の確保」、「ESGへの取組み」を推進しております。また、当社グループの持続的な成長に向けた様々な取組みを実施することによって利益の拡大を図り、早期の債務超過解消を目指して参ります。
(3)経営環境等
次年度の我が国経済は、持続的な賃上げや雇用情勢の改善を背景に、個人消費は緩やかな回復基調を強めていくものと予想されます。一方、イラン情勢をはじめとする中東地域の地政学上のリスクの高まりを背景に原油価格が上昇する等のエネルギー供給不安や、電力・物流・建築コストの上昇への影響が懸念され、先行き不透明な状況が続くものと見込まれます。
当社グループを取巻く経営環境は、人手不足の深刻化と採用競争の激化、賃上げによる人件費コストの上昇など厳しい状況にあり、グループの個社単位では競争力の低下等が懸念されます。このような状況の下、当社グループが、将来にわたって持続的に成長していくためにグループの主力事業である「観光業」と「運輸業(交通事業)」において、それぞれ事業の関係会社の再編を計画しております。
① 再編の目的
本再編は、各事業(グループ個社)が有する企業ナレッジや顧客等の経営基盤及び人材などの経営資源を統合し、これまでの個社単位では実現が難しかった相乗効果を創出し、今後の環境変化に対応出来る組織力の強化を図るものであります。これまで分散していた強みや人材を結集し、集合体としての収益力を高め、持続的成長戦略を描くことが出来る企業体を目指します。
② 再編の要旨
a.観光関連の再編について
・再編の対象会社と再編内容
㈱一畑トラベルサービスを存続会社として、㈱一畑パーク、㈱いずも、一畑電気鉄道㈱の事業部門を統合し、商号変更により「㈱ICHIBATA(仮称)」として新たな事業体制を構築します。これにより、事業の強み・人材の力を結集し、一畑グループのアミューズメントの集合体として、観光・レジャーにとどまらず、生活サービス・地域インフラを含む事業が連携することで、個社では生み出せなかった価値の創出を目指します。
・再編スキーム
㈱一畑パークと㈱いずもを㈱一畑トラベルサービスに吸収合併し、一畑電気鉄道㈱の事業部門を㈱一畑トラベルサービスに承継させる吸収分割方式による統合を想定しています。
・再編の日程
2027年4月1日(予定)
b.交通関連の再編について
・再編の対象会社と再編内容
一畑バス㈱を存続会社として、松江一畑交通㈱、出雲一畑交通㈱、㈱平田自動車教習所を統合し、商号変更により「一畑交通㈱(仮称)」として新たな事業体制を構築します。これにより、各社が担っていた公共交通インフラを一体となって運営することで、人材、情報・サービス、営業資産を共有し、統一した安全教育の徹底を図って参ります。そして、一畑グループの交通事業の力を結集させることで、地域全体を支える持続可能な公共交通ネットワークの構築を目指します。
・再編スキーム
松江一畑交通㈱、出雲一畑交通㈱、㈱平田自動車教習所を事業と事業以外に分割し、事業部分を一畑バス㈱に承継させる吸収分割方式を想定しています。3社の事業以外については、一畑電気鉄道㈱に吸収合併による統合を想定しています。
・再編の日程
2027年4月1日(予定)
c.一畑電気鉄道㈱の再編について
一畑電気鉄道㈱の再編は、前述のとおり一畑電気鉄道㈱の事業部門を吸収分割方式により㈱一畑トラベルサービスに統合し、一方、松江一畑交通㈱、出雲一畑交通㈱、㈱平田自動車教習所の事業以外の部分である土地等の資産及び負債を一畑電気鉄道㈱が吸収合併による引受けを行います。これにより一畑電気鉄道㈱は、不動産業を営む事業持株会社となります。なお、一畑電気鉄道㈱は「一畑グループホールディングス㈱」に商号変更する予定です。
以上、今回の再編に込めた最大の目的は、単なる組織の統合ではなく、将来に向けた戦略的な投資と位置付け取組みます。そして、当社グループが保有する公共交通やホテル等のこの地域の社会インフラを最大限に活かし、グループ一丸となって新たな成長に取組んで参ります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 運輸業
運輸業においては、バス・タクシーの運転士不足が続いており、また、中東情勢の緊迫化によるエネルギー供給不安や電力費・軽油等の燃料費の価格高騰が懸念される厳しい経営環境にありますが、まずは事業の根幹である安心・安全の確保を第一義として取組み、安定したサービスの提供に努めて参ります。一畑バス㈱では、2026年4月より松江市交通局との連携協定に基づく、松江市内路線バスの「共同経営」を開始しました。今後も顧客利便性の向上に向けて協議を継続して参ります。
鉄道事業では、関係自治体からのご支援により、2026年11月に新型車両2両を導入いたします。この車両のデザインについては、これまで数多くの車両や駅舎のデザインを手掛けた工業デザイナー「水戸岡 鋭治(みとおか えいじ)氏」が担当しており、出雲神話において素戔嗚尊(スサノオノミコト)が八岐大蛇(ヤマタノオロチ)を退治した際、その尾から出た剣の名にちなみ、車両愛称を「天叢雲(あめのむらくも)」と命名いたしました。この新型車両は「単なる移動手段の車両ではなく、乗車することを目的とする魅力的な車両」と位置づけ、地域資源と観光需要の新たな創出を図っていきます。
② レジャー・サービス業
レジャー・サービス業は、観光関連の各事業の連携と営業力強化、運輸業との連携強化によるシナジー効果を最大限発揮して収益力強化に努めて参ります。観光客の集客が好調な出雲大社での事業注力は勿論のこと、前期で放送の終了したドラマ「ばけばけ」効果を一過性で終わらせることのないよう観光事業に携わる当社グループもPRを継続し、人気の維持と島根県への誘客に努めて参ります。㈱ホテル一畑では、ビアガーデンを実施するオープンデッキを広げ、収容人数の増加、来場者の満足度の向上を図っていきます。その他の事業施設においても、顧客満足度、利便性を重視した投資を検討して参ります。
③ 建設業
建設業においても営業部門と工務部門の両部門での人員不足が深刻化しており、新卒採用・中途採用からの人材確保に加え、M&Aを始めとするあらゆる選択肢を検討し、人材育成や経験者の確保など人材面の課題に取組んでいきます。また、中東情勢の影響から資材不足の状況が発生しつつあります。土木・建築・設備のどの部門も資材が調達出来ないことによる工期遅延や工事の発注の見送り等が懸念されており、引き続き関連業界の動向を注視しながら業務に取組んで参ります。
④ その他事業
当社グループの大きな課題として、旧一畑百貨店跡地の処分問題があります。一畑百貨店閉店から2年半が経過しましたが、新聞等の報道のとおり、複数の売却先との交渉は継続しているものの、最終的な売却には至っておりません。売却の合意に至らない理由は、建築価格の高騰により購入側(売却先)の再投資計画が試算しづらい環境であると推察されるなど複数の要因がありますが、関係先との協議、情報共有を行いながら本件の売却を最優先課題として取り組んで参ります。

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