有価証券報告書-第130期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/24 9:18
【資料】
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【項目】
151項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、兵庫県内を中心に地域社会とのつながりを大切にしながら、鉄道・バス・タクシーなどの
「運輸業」、百貨店などの「流通業」、不動産賃貸・分譲などの「不動産業」、飲食などの「レジャー・サービス
業」、人材派遣などの「その他の事業」として5つに大別される事業を経営し、幅広く人々の生活を支える総合サ
ービスを提供することによって、社会の発展に貢献し、「連結での成長」を目指していくことを基本方針としてお
ります。
(2)中長期的な会社の経営戦略
当社グループでは、2019年5月17日に第2次計画となる「山陽電鉄グループ中期経営計画(2019年度~2021年
度)」を策定しました。
基本方針として、「厳しい事業環境に適応し、持続的な成長・発展を成し遂げるための基盤強化に努める」と定
め、以下の5つの基本戦略に基づき、激しく変化する社会環境に対応できる強固な経営体制の確立を目指します。
①「各事業の連携強化による企業価値の向上」
事業の枠にとらわれず連携をはかり、グループの企業価値の向上をはかります。
②「沿線活性化に向けた取り組みの推進」
沿線まちづくりや駅の魅力向上によって居住人口・交流人口の増加を実現するとともに、イベントの開催・
連携や沿線スポーツとの連携など、沿線活性化に向けた取り組みを推進します。
③「非鉄道事業分野での収益基盤の着実な拡充」
不動産業を中心として、非鉄道事業分野での収益基盤の着実な拡充を進めます。
④「安全・安心の確立とサービスの向上」
安全・安心の確立とサービスの向上のため、財務の健全性を維持した上で必要な設備投資を実施するととも
に、計画的な人材の確保・育成に注力します。
⑤「健康で明るく活き活きと働ける職場環境の整備」
日常業務の見直しや効率化をはかるなかで、健康で明るく活き活きと働ける会社を目指します。
長期的な視点で見たときには、少子高齢化の進行による人口減少をはじめ様々な外部環境の悪化も想定されま
す。また、2020年東京オリンピック後の景気の不透明感や、異常気象による自然災害の発生などにより、予期せぬ
経済状況の悪化が起こる可能性もあります。このように、当社グループを取り巻く厳しい環境に変わりはありませ
ん。このような状況にあっても、持続的なグループの成長・発展を目指すため、中期経営計画に取り組んでまいり
ます。
(3)目標とする経営指標
「山陽電鉄グループ中期経営計画(2019年度~2021年度)」の最終年度である2021年度において、以下の連結
目標経営指標を定めております。
連結目標経営指標の中でもEBITDAを特に重視し、収益性の向上を目指すとともに、財務の健全性も維持してまい
ります。
2021年度目標
営業収益(百万円)52,000
営業利益(百万円)3,300
親会社株主に帰属する
当期純利益(百万円)
2,100
EBITDA(百万円)※17,800
有利子負債残高(百万円)※238,000
有利子負債/EBITDA倍率(倍)4.9

※1 EBITDA=営業利益+減価償却費
※2 有利子負債残高=借入金+社債
(4)対処すべき課題
今後の見通しにつきましては、雇用・所得環境の改善がみられるものの、少子高齢化や人口減少の進行、国内需要の停滞など、当社グループを取り巻く環境は依然として厳しい状況が続くと思われます。
このような情勢に対処するため、「山陽電鉄グループ中期経営計画(2019年度~2021年度)」に基づき、各種施
策に取り組んでまいります。
各セグメントにおける対処すべき課題は、次のとおりであります。
①運輸業
運輸業のうち鉄道事業におきましては、世界文化遺産・姫路城や風光明媚な景勝地・須磨をはじめとした沿線の観
光スポットやグルメ情報などの発信強化に注力するほか、様々な行楽・スポーツイベントのPRを通じて、沿線地域
の活性化をはかるなかで、さらなる国内外のお客さま誘致に努めてまいります。設備面におきましては、車いす・ベ
ビーカースペースなどを備えた、あらゆるお客さまや環境にやさしい省電力型の6000系車両への更新を引き続き行う
ほか、変電所の更新工事や法面防護工事を進めるなど、設備の安全性向上や防災対策にも積極的に取り組んでまいり
ます。このほか、大塩駅において橋上駅化やバリアフリー化工事を行うとともに、駅前広場など駅周辺整備を進める
ほか、一部の駅でホーム待合室設置などを通じて、お客さまサービスのさらなる向上に努めてまいります。
②流通業
流通業におきましては、山陽百貨店において、食料品売場に地元姫路の伝統の味を伝える「あなご料理 柊」や紳
士服売場に「アクアスキュータム」をはじめとする魅力的なテナントの誘致を通じて引き続き商品力の強化をはかり
ます。また、心のこもった笑顔と挨拶の徹底や、おもてなしの心によるサービスの向上などの「接客の質の向上」に
努め、姫路地区における唯一の百貨店として、お客さまから引き続きご支持いただける店舗づくりに取り組んでまい
ります。
③不動産業
不動産業のうち分譲事業では、引き続き西宮市での「ルネ西宮仁川」及び神戸市須磨区での「シエリア須磨鷹
取」の分譲マンション建設・販売を進めます。また、大阪府守口市におきましても分譲マンション事業を推進するほ
か、新たな戸建分譲などにも取り組むなかで、収益拡大に努めてまいります。賃貸事業では、保有土地の有効活用を
進めるほか、収益不動産などの取得を通じて、事業基盤の一層の強化をはかります。
④レジャー・サービス業及びその他の事業
レジャー・サービス業及びその他の事業では、既存飲食店のさらなる収益性向上をはかるとともに、新たな広告
媒体の販売にも注力するほか、総合ビルメンテナンス事業の受注活動を積極的に推進していくなかで、新規顧客の獲
得と一層の事業強化に努めてまいります。