有価証券報告書-第141期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/26 15:01
【資料】
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【項目】
145項目

有報資料

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
①地域から信頼され尊敬される企業集団の確立
・企業の社会的責任を常に意識し、インフラを担う当社グループは「安心」・「安全」・「快適」な公共交通の提供に努めます。
・地域社会との調和を図り、地域の発展に貢献するとともに、求められる企業責任を自覚し、事業活動を通じて地域から信頼され愛される「ちてつ」を目指します。
②企業経営の安定
・運輸事業においては、運営の効率化や更なる徹底したコストの削減に努め、収益改善に向けた取り組みを強化します。
・すべての役職員並びに現場従事者は、労働安全衛生管理を徹底し、労働災害及びその他災害事故等の発生を防止します。
・不動産など資産の有効活用と、遊休地などの資産売却を実施し、有利子負債の早期圧縮を図り、財務体質の強化に努めます。
・社員一人ひとりの積極性を促す風土と責任の自覚を図るとともに、働きがいのある明るい職場づくりを目指します。
(2)経営環境
当連結会計年度におけるわが国経済は、コロナ禍収束後の経済活動の正常化が進み景気回復への期待が高まりましたが、ウクライナや中東情勢等の地政学リスクの高まりによる資源高騰や円安の進行、更には2024年1月1日に発生した能登半島地震の災害が北陸の地域経済に打撃を与えるなど、先行き不透明で厳しい状況が続きました。
地方の中小私鉄・バス業界においては、コロナ禍中の在宅勤務の定着化などから地元客の需要が完全には回復しない中、一方でインバウンドを含めた観光需要の回復が見受けられるものの、著しい運転手不足が足枷となり貸切バスの受注を制限せざるを得ないなどの大変厳しい事業環境が続きました。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループを取り巻く事業環境は、地政学リスクの高まりや円安等による資源価格の高止まりなどの不安定な経済状況が続いており先行き不透明ではありますが、本年は、北陸新幹線の金沢~敦賀間が開業したほか、北陸デスティネーションキャンペーン開催などが予定され、またインバウンド需要の本格的な回復も期待されることから、観光客が大きく増加するものと想定されますので、需要の変化に即したサービスの提供に取り組み、収益の確保に努めてまいります。
しかしながら、当社の基幹事業である鉄道事業は、コロナ禍からの回復の遅れと動力費・部材の高騰により経営状況が厳しさを増しており、その収支は大きな損失となり会社自体の経営基盤を揺るがしかねない状況となっております。地域の公共交通を支える使命感を持って、他事業の利益を鉄道事業に対する内部補助として全力で取り組んでまいりましたが、一民間企業である当社が対処できる限界に来ていると考えております。富山県の地域交通戦略会議において富山県地域交通戦略が策定され、その中で地域交通にかかわる関係者の役割分担として、「地域交通サービスはその地域の活力・魅力に直結する「公共サービス」であり、自治体・県民の役割を、事業者への側面支援から、自らの地域に対する「投資」・「参画」へと舵を切ることが必要」とされました。今後の鉄道事業にかかる「当社の経営の範囲」とそれを超える部分の在り方について、関係者と十分に協議を尽くし、早期に方向性を定めてまいる所存です。
生産年齢人口の減少に加え、バスの運転に必要である大型二種免許保有者数の減少と在籍社員の高齢化が進んでおり、また、2024年度から時間外労働に関する法改正がバス運転業務にも適用開始されることから、当社においてもバス運転手の要員不足が更に厳しさを増すことが憂慮されます。そのため、乗合一般路線では利用実態に応じたダイヤ編成と運行系統の見直しを行うとともに、職種による労働条件の変更や勤務体系の多様化、職場の環境改善を行うなど、バス運転手等の要員不足の解消に向け全力で取り組んでまいります。
また、運転事故および労働災害の無事故の実現に向けて、運輸安全マネジメントに継続的に取り組むとともに、労働安全衛生活動においても従前の活動に加え他部門と情報共有を図り安全衛生意識を高揚させるべく新たな会議体を設けるなど、今後も取り組みを深化させてまいります。事故防止対策および関係施設の徹底した保全管理を行い、安全輸送体制の一層の強化を図り、安全・安心な生活交通の提供と労働災害の起きない職場環境の実現に向け邁進してまいります。
各事業におけるその他の課題として、鉄道事業では、4月のダイヤ改正でパターンダイヤの拡大や電鉄富山発最終列車の繰り下げを行うなど利便性の向上を図り、ラッピング電車を活用したイベント開催などで引き続き集客に努めるとともに、駅舎の老朽化対策にも取り組んでまいります。
富山駅付近連続立体交差事業における本線の高架化工事では、関係機関と連携しながら着実に進めてまいります。2024年度は橋台や橋脚の構築、高架駅舎の基礎工事等を予定しており、2028年度の完成を目指します。
軌道事業では、4月のダイヤ改正で、平日朝ラッシュ時間帯の富山大学前方面の電車を増発するなどいたしました。今後も利便性の向上に取り組んでまいります。
高速バス事業では、高山線の復便を行い、インバウンド需要の回復を取り込み増収に繋げてまいります。
貸切バス事業では、回復している需要に対応すべく要員の確保と育成に努め、受注と稼働率の向上に努めてまいります。
付帯事業では、社有地の更なる有効活用を図るとともに、地鉄ビルおよび電鉄富山駅ビル「エスタ」の賃貸事業においては、人出が回復しつつある富山駅周辺の賑わいとの相乗効果の創出に努めてまいります。ボウリング事業では、イベント開催や大会誘致などの集客策を継続しながら、好調な個人利用の一層の増加と団体利用の回復に取り組んでまいります。
連結子会社につきましても、更なる営業増進と業務の効率化、業績向上を目指すとともに、各社間の連携強化によりグループの総合力を高め、安定した経営基盤の確立のため努力を重ねてまいります。
これまで当社が長年の歴史の中で培ってまいりました地域の皆様との信頼関係を事業の礎として、これからもお客様第一主義に徹しながら、安全・安心の輸送サービスを提供し、常に必要とされ続ける企業として更なる飛躍を遂げられるよう、役職員一丸となって尽力してまいる所存であります。

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