訂正有価証券報告書-第30期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)
有報資料
(1) 業績
当社グループは、事業の中核である鉄道事業における安全・安定輸送の確保を最優先に、サービスの一層の充実を図るとともに、社員の業務遂行能力の向上、設備の強化、設備投資を含めた業務執行全般にわたる効率化・低コスト化等の取組みを続け、収益力の強化に努めました。
東海道新幹線については、大規模改修工事や脱線・逸脱防止対策をはじめとする地震対策を引き続き推進したほか、「のぞみ10本ダイヤ」を活用して、需要にあわせたより弾力的な列車設定を実施するとともに、N700A(2次車)の投入を完了し、続いてN700A(3次車)の投入を開始しました。
在来線については、高架橋柱の耐震補強等の地震対策、降雨対策、落石対策、踏切保安設備改良等を計画的に推進しました。
営業施策については、エクスプレス予約等の会員数・ご利用拡大に向けた取組みを引き続き推進するなど積極的な展開に取り組み、昨年8月には会員数が300万人を超えました。
超電導磁気浮上式鉄道(以下「超電導リニア」という。)による中央新幹線については、品川・名古屋間の工事実施計画(その1)について、路線の中心位置を明らかにするための中心線測量や、地権者等の方々に対する用地に関するご説明を行い用地取得を進めるとともに、品川駅(非開削工区)や名古屋駅(中央東工区・中央西工区)、都市部非常口等(5か所)、山岳トンネル(3か所)について工事契約を締結しました。また、地域にお住まいの方々へ工事概要や安全対策等についてご説明するための工事説明会を開催するなど、契約を締結した工区において今後の工事着手に向けた準備を進めました。さらに、工期が長期間に亘り難易度が高い、南アルプストンネル新設(山梨工区)工事、品川駅新設(北工区・南工区)工事を進めたことに加え、南アルプストンネル新設(長野工区)工事、岐阜県の日吉トンネル新設(南垣外工区)工事、名古屋駅新設(中央東工区・中央西工区)工事、神奈川県の梶ヶ谷非常口及び資材搬入口新設工事等について、本格的な土木工事に着手しました。資金面では、昨年11月に独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法施行令(以下「鉄道・運輸機構法施行令」という。)に基づき、中央新幹線の建設の推進のため、総額3兆円(予定)の財政投融資を活用した長期借入の申請を鉄道・運輸機構に対して行い、これまでに鉄道・運輸機構より、平成28年度に予定していた1兆5,000億円の借入を行いました。引き続き、工事の安全、環境の保全、地域との連携を重視して着実に取り組みます。
一方、山梨リニア実験線においては、営業線仕様の車両及び設備により、2編成を交互に運用して、引き続き長距離走行試験を実施することなどにより、営業運転に対応した保守体系の確立に向けた検証を行うとともに、超電導リニア技術のブラッシュアップ及び営業線の建設・運営・保守のコストダウンに取り組みました。また、2月には国土交通省の超電導磁気浮上式鉄道実用技術評価委員会(以下「評価委員会」という。)において、超電導リニアの技術開発については、「営業線に必要な技術開発は完了」していると改めて評価されました。さらに、「超電導リニア体験乗車」を引き続き計画的に実施し、多くの方々に速度500km/h走行を体験していただきました。
海外における高速鉄道プロジェクトへの取組みについては、米国テキサスプロジェクトの開発主体に対し、昨年設立した現地子会社「High-Speed-Railway Technology Consulting Corporation」による技術支援を開始しました。また、引き続き超電導リニアシステムの米国北東回廊プロジェクトへのプロモーション活動を推進しました。加えて、台湾高速鉄道における今後の技術コンサルティング実施に向けて取り組みました。さらに、日本型高速鉄道システムを国際的な標準とする取組みを推進しました。
鉄道以外の事業については、ジェイアール名古屋タカシマヤにおいて商品力・販売力を高めるとともに、駅商業施設のリニューアルを行うなど既存事業の強化に努めました。また、JRゲートタワーについて、昨年11月7日にオフィス入居を開始し、本年4月の全面開業に向けて引き続き営業・宣伝活動を行うなど準備を進めました。
さらに、経営体力の一層の充実を図るため、安全を確保した上で設備投資を含めた業務執行全般にわたる効率化・低コスト化の徹底に取り組みました。
上記の結果、当期における全体の輸送実績(輸送人キロ)は、ビジネス、観光ともにご利用が堅調に推移したことから、前期比1.3%増の622億6千9百万人キロとなりました。また、営業収益は前期比1.1%増の1兆7,569億円、経常利益は前期比10.3%増の5,639億円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比16.4%増の3,929億円となりました。
これをセグメントごとに示すと以下のとおりです。
運輸業
東海道新幹線については、土木構造物の健全性の維持・向上を図るため、不断のコストダウンを重ねながら大規模改修工事を着実に進めました。地震対策については、敷設工法を開発したことにより施工が可能となった区間を対象に加えて脱線・逸脱防止対策に取り組むとともに、新幹線車両の全般検査(オーバーホール)を担う浜松工場について耐震性向上等を目的としたリニューアル工事が概ね完了し、新ラインでの全般検査を開始しました。また、「のぞみ10本ダイヤ」を活用して、お客様のご利用の多い時期や時間帯に、需要にあわせたより弾力的な列車設定に努め、多くのお客様にご利用いただきました。さらに、セキュリティの更なる向上を図るため客室内等への防犯カメラ増設工事に取り組むとともに、N700A(2次車)の投入を完了し、続いてN700A(3次車)の投入を開始しました。加えて、平成26年度から取り組んできた新型自動改札機への取替を全駅で完了するとともに、品川駅・新横浜駅での可動柵の追加設置工事を進め、新横浜駅4番線ホームへの設置を完了するなど、安全・安定輸送の確保と輸送サービスの一層の充実に取り組みました。
在来線については、高架橋柱の耐震補強等に加え、在来線車両の全般検査等を担う名古屋工場の耐震化工事等の地震対策を引き続き進めるとともに、降雨対策、落石対策、踏切保安設備改良等を計画的に推進しました。また、「しなの」、「ひだ」等の特急列車について、需要にあわせ弾力的に増発や増結を行いました。さらに、橋上駅舎化及び自由通路新設の計画を引き続き進め、高山駅等で供用開始するなど、安全・安定輸送の確保と輸送サービスの一層の充実に取り組みました。
新幹線・在来線共通の取組みとしては、駅の天井の地震対策に取り組むとともに、自然災害等の異常時に想定される様々な状況に対応すべく実践的な訓練等を実施しました。また、通訳・翻訳機能も備えたお客様ご案内用のタブレット端末を駅等に導入し、サービス向上に取り組みました。
営業施策については、エクスプレス予約やプラスEXの会員の方を対象に、観光型商品である「IC早特タイプ21」、「EXファミリー早特」、「一緒に☆こだま早特」を拡充してご家族やグループでのご利用も含めた需要喚起を図ったほか、エクスプレス予約のスマートフォンアプリの提供を開始し、利便性の向上に努めました。また、京都、奈良、東京に加えサミット開催で国内外から注目を集めた伊勢志摩等の観光資源を活用した各種キャンペーンやこれと連動した旅行商品を強化しました。さらに、本年話題となっている井伊直虎ゆかりの地である浜松市、静岡県と連携したキャンペーン等を行った「Japan Highlights Travel」や、「Shupo」により地域と連携した販売促進に取り組むとともに、訪日外国人旅行者向け「周遊きっぷ」を拡充し、お客様のご利用拡大に努めました。加えて、TOICAについて、電子マネー加盟店舗の拡大等に取り組みました。そのほか、エクスプレス会員以外のお客様にもご利用いただける新幹線の新しいネット予約・チケットレス乗車サービス「スマートEX」について、本年9月末のサービス開始に向けた準備を着実に進めました。
当期における輸送実績(輸送人キロ)は、ビジネス、観光ともにご利用が堅調に推移したことから、東海道新幹線は前期比1.4%増の529億9百万人キロ、在来線は前期比0.6%増の93億5千9百万人キロとなりました。
バス事業においては、安全の確保を最優先として顧客ニーズを踏まえた商品設定を行い、収益の確保に努めました。
上記の結果、当期における営業収益は前期比1.6%増の1兆3,804億円、営業利益は前期比6.5%増の5,931億円となりました。
また、運輸業の大部分を占める当社の鉄道事業の営業成績は次のとおりです。
(注) 1 旅客運輸収入の新幹線及び在来線区分は、旅客輸送計数により区分しています。また、旅客輸送人員の合計については、新幹線、在来線の重複人員を除いて計上しています。
2 旅客輸送人員、旅客輸送人キロ及び旅客運輸収入については、前事業年度より、定期について発売月を基準とした計上方法から有効開始月を基準とした計上方法へ変更しています。
3 輸送効率の算出方法は次のとおりです。
4 旅客運輸収入のうち主要なJR他社(当該会社の旅行代理店等を含む。)による発売額の構成比は、次のとおりです。
流通業
流通業においては、ジェイアール名古屋タカシマヤで、魅力ある品揃えや、お客様のニーズを捉えたサービスの提供等により収益力の強化に努めた一方、「タカシマヤ ゲートタワーモール」開業を見据えた開業以来の大規模リニューアルを2月に完了するとともに、本年4月17日の「タカシマヤ ゲートタワーモール」の開業に向けて営業・宣伝活動を行うなど準備を進めました。
上記の結果、当期における営業収益は前期比1.1%減の2,370億円、営業利益は前期比14.2%減の75億円となりました。
不動産業
不動産業においては、JRゲートタワーで昨年11月7日にオフィス入居を開始しました。また、本年4月7日の「ゲートタワープラザ レストラン街」やビックカメラ、ユニクロ、ジーユー等の開業、17日の「タカシマヤ ゲートタワーモール」、「名古屋JRゲートタワーホテル」の開業に向けて営業・宣伝活動を行うなど準備を進めました。さらに、駅の商業施設においては「東京駅一番街」でリニューアルを行い「にっぽん、グルメ街道」をオープンするなど競争力、販売力の強化に取り組みました。加えて、愛知県岡崎市内の社宅跡地を開発した分譲マンション「セントラルガーデン・レジデンス岡崎」の販売を進めました。
上記の結果、当期における営業収益は前期比3.9%増の686億円、営業利益は前期比16.0%増の181億円となりました。
その他
ホテル業においては、魅力ある商品の設定及び販売力強化に取り組むとともに、海外からのお客様のニーズも踏まえたより高品質なサービスの提供に努めました。また、本年4月17日の「名古屋JRゲートタワーホテル」の開業に向けて、営業・宣伝活動を行うなど準備を進めました。
旅行業においては、京都、奈良、東京に加え伊勢志摩等の各方面へ向けた観光キャンペーン等と連動した魅力ある旅行商品を積極的に販売しました。
鉄道車両等製造業においては、鉄道車両や建設機械等の受注・製造に努めました。
上記の結果、当期における営業収益は前期比4.5%増の2,539億円、営業利益は16億円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当期末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期末と比べ962億円増の4,145億円となりました。また、長期債務残高は、中央新幹線建設長期借入金1兆5,000億円の借入を実施したことなどから3兆3,954億円となりました。そのうち中央新幹線建設長期借入金を除いた長期債務残高は1兆8,954億円となり、前期末と比べ495億円減少しました。
営業活動の結果得られた資金は、ビジネス、観光ともにご利用が堅調に推移し、当社の運輸収入は増加したものの、法人税等の支払額が増加したことなどから、前期比209億円減の5,805億円となりました。
投資活動の結果支出した資金は、中央新幹線建設長期借入金を信託したことに加え、設備投資に伴う固定資産の取得等による支出が増加したことなどから、前期比1兆7,392億円増の1兆9,095億円となりました。
財務活動の結果得られた資金は、中央新幹線建設長期借入金の借入を実施したことなどから、前期比1兆6,680億円増の1兆4,251億円となりました。
営業活動の結果得られた資金から有形・無形固定資産の取得等の結果支出した資金を引いた実質的なフリー・キャッシュ・フローは前期比987億円減の2,504億円となりました。
当社グループは、事業の中核である鉄道事業における安全・安定輸送の確保を最優先に、サービスの一層の充実を図るとともに、社員の業務遂行能力の向上、設備の強化、設備投資を含めた業務執行全般にわたる効率化・低コスト化等の取組みを続け、収益力の強化に努めました。
東海道新幹線については、大規模改修工事や脱線・逸脱防止対策をはじめとする地震対策を引き続き推進したほか、「のぞみ10本ダイヤ」を活用して、需要にあわせたより弾力的な列車設定を実施するとともに、N700A(2次車)の投入を完了し、続いてN700A(3次車)の投入を開始しました。
在来線については、高架橋柱の耐震補強等の地震対策、降雨対策、落石対策、踏切保安設備改良等を計画的に推進しました。
営業施策については、エクスプレス予約等の会員数・ご利用拡大に向けた取組みを引き続き推進するなど積極的な展開に取り組み、昨年8月には会員数が300万人を超えました。
超電導磁気浮上式鉄道(以下「超電導リニア」という。)による中央新幹線については、品川・名古屋間の工事実施計画(その1)について、路線の中心位置を明らかにするための中心線測量や、地権者等の方々に対する用地に関するご説明を行い用地取得を進めるとともに、品川駅(非開削工区)や名古屋駅(中央東工区・中央西工区)、都市部非常口等(5か所)、山岳トンネル(3か所)について工事契約を締結しました。また、地域にお住まいの方々へ工事概要や安全対策等についてご説明するための工事説明会を開催するなど、契約を締結した工区において今後の工事着手に向けた準備を進めました。さらに、工期が長期間に亘り難易度が高い、南アルプストンネル新設(山梨工区)工事、品川駅新設(北工区・南工区)工事を進めたことに加え、南アルプストンネル新設(長野工区)工事、岐阜県の日吉トンネル新設(南垣外工区)工事、名古屋駅新設(中央東工区・中央西工区)工事、神奈川県の梶ヶ谷非常口及び資材搬入口新設工事等について、本格的な土木工事に着手しました。資金面では、昨年11月に独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法施行令(以下「鉄道・運輸機構法施行令」という。)に基づき、中央新幹線の建設の推進のため、総額3兆円(予定)の財政投融資を活用した長期借入の申請を鉄道・運輸機構に対して行い、これまでに鉄道・運輸機構より、平成28年度に予定していた1兆5,000億円の借入を行いました。引き続き、工事の安全、環境の保全、地域との連携を重視して着実に取り組みます。
一方、山梨リニア実験線においては、営業線仕様の車両及び設備により、2編成を交互に運用して、引き続き長距離走行試験を実施することなどにより、営業運転に対応した保守体系の確立に向けた検証を行うとともに、超電導リニア技術のブラッシュアップ及び営業線の建設・運営・保守のコストダウンに取り組みました。また、2月には国土交通省の超電導磁気浮上式鉄道実用技術評価委員会(以下「評価委員会」という。)において、超電導リニアの技術開発については、「営業線に必要な技術開発は完了」していると改めて評価されました。さらに、「超電導リニア体験乗車」を引き続き計画的に実施し、多くの方々に速度500km/h走行を体験していただきました。
海外における高速鉄道プロジェクトへの取組みについては、米国テキサスプロジェクトの開発主体に対し、昨年設立した現地子会社「High-Speed-Railway Technology Consulting Corporation」による技術支援を開始しました。また、引き続き超電導リニアシステムの米国北東回廊プロジェクトへのプロモーション活動を推進しました。加えて、台湾高速鉄道における今後の技術コンサルティング実施に向けて取り組みました。さらに、日本型高速鉄道システムを国際的な標準とする取組みを推進しました。
鉄道以外の事業については、ジェイアール名古屋タカシマヤにおいて商品力・販売力を高めるとともに、駅商業施設のリニューアルを行うなど既存事業の強化に努めました。また、JRゲートタワーについて、昨年11月7日にオフィス入居を開始し、本年4月の全面開業に向けて引き続き営業・宣伝活動を行うなど準備を進めました。
さらに、経営体力の一層の充実を図るため、安全を確保した上で設備投資を含めた業務執行全般にわたる効率化・低コスト化の徹底に取り組みました。
上記の結果、当期における全体の輸送実績(輸送人キロ)は、ビジネス、観光ともにご利用が堅調に推移したことから、前期比1.3%増の622億6千9百万人キロとなりました。また、営業収益は前期比1.1%増の1兆7,569億円、経常利益は前期比10.3%増の5,639億円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比16.4%増の3,929億円となりました。
これをセグメントごとに示すと以下のとおりです。
運輸業
東海道新幹線については、土木構造物の健全性の維持・向上を図るため、不断のコストダウンを重ねながら大規模改修工事を着実に進めました。地震対策については、敷設工法を開発したことにより施工が可能となった区間を対象に加えて脱線・逸脱防止対策に取り組むとともに、新幹線車両の全般検査(オーバーホール)を担う浜松工場について耐震性向上等を目的としたリニューアル工事が概ね完了し、新ラインでの全般検査を開始しました。また、「のぞみ10本ダイヤ」を活用して、お客様のご利用の多い時期や時間帯に、需要にあわせたより弾力的な列車設定に努め、多くのお客様にご利用いただきました。さらに、セキュリティの更なる向上を図るため客室内等への防犯カメラ増設工事に取り組むとともに、N700A(2次車)の投入を完了し、続いてN700A(3次車)の投入を開始しました。加えて、平成26年度から取り組んできた新型自動改札機への取替を全駅で完了するとともに、品川駅・新横浜駅での可動柵の追加設置工事を進め、新横浜駅4番線ホームへの設置を完了するなど、安全・安定輸送の確保と輸送サービスの一層の充実に取り組みました。
在来線については、高架橋柱の耐震補強等に加え、在来線車両の全般検査等を担う名古屋工場の耐震化工事等の地震対策を引き続き進めるとともに、降雨対策、落石対策、踏切保安設備改良等を計画的に推進しました。また、「しなの」、「ひだ」等の特急列車について、需要にあわせ弾力的に増発や増結を行いました。さらに、橋上駅舎化及び自由通路新設の計画を引き続き進め、高山駅等で供用開始するなど、安全・安定輸送の確保と輸送サービスの一層の充実に取り組みました。
新幹線・在来線共通の取組みとしては、駅の天井の地震対策に取り組むとともに、自然災害等の異常時に想定される様々な状況に対応すべく実践的な訓練等を実施しました。また、通訳・翻訳機能も備えたお客様ご案内用のタブレット端末を駅等に導入し、サービス向上に取り組みました。
営業施策については、エクスプレス予約やプラスEXの会員の方を対象に、観光型商品である「IC早特タイプ21」、「EXファミリー早特」、「一緒に☆こだま早特」を拡充してご家族やグループでのご利用も含めた需要喚起を図ったほか、エクスプレス予約のスマートフォンアプリの提供を開始し、利便性の向上に努めました。また、京都、奈良、東京に加えサミット開催で国内外から注目を集めた伊勢志摩等の観光資源を活用した各種キャンペーンやこれと連動した旅行商品を強化しました。さらに、本年話題となっている井伊直虎ゆかりの地である浜松市、静岡県と連携したキャンペーン等を行った「Japan Highlights Travel」や、「Shupo」により地域と連携した販売促進に取り組むとともに、訪日外国人旅行者向け「周遊きっぷ」を拡充し、お客様のご利用拡大に努めました。加えて、TOICAについて、電子マネー加盟店舗の拡大等に取り組みました。そのほか、エクスプレス会員以外のお客様にもご利用いただける新幹線の新しいネット予約・チケットレス乗車サービス「スマートEX」について、本年9月末のサービス開始に向けた準備を着実に進めました。
当期における輸送実績(輸送人キロ)は、ビジネス、観光ともにご利用が堅調に推移したことから、東海道新幹線は前期比1.4%増の529億9百万人キロ、在来線は前期比0.6%増の93億5千9百万人キロとなりました。
バス事業においては、安全の確保を最優先として顧客ニーズを踏まえた商品設定を行い、収益の確保に努めました。
上記の結果、当期における営業収益は前期比1.6%増の1兆3,804億円、営業利益は前期比6.5%増の5,931億円となりました。
また、運輸業の大部分を占める当社の鉄道事業の営業成績は次のとおりです。
| 区分 | 単位 | 前事業年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) | 当事業年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) | ||||||
| 新幹線 | 在来線 | 合計 | 新幹線 | 在来線 | 合計 | ||||
| 営業日数 | 日 | 366 | 366 | 366 | 365 | 365 | 365 | ||
| 営業キロ | キロ | 552.6 | 1,418.2 | 1,970.8 | 552.6 | 1,418.2 | 1,970.8 | ||
| 客車走行キロ | 千キロ | 981,020 | 219,969 | 1,200,989 | 1,001,614 | 224,048 | 1,225,662 | ||
| 旅 客 輸 送 人 員 | 定期 | 千人 | 14,551 | 262,389 | 274,629 | 14,697 | 265,439 | 277,849 | |
| 定期外 | 千人 | 148,407 | 138,407 | 276,302 | 150,221 | 139,745 | 279,319 | ||
| 計 | 千人 | 162,958 | 400,796 | 550,930 | 164,919 | 405,183 | 557,168 | ||
| 旅客輸送人キロ | 百万人キロ | 52,166 | 9,302 | 61,467 | 52,909 | 9,359 | 62,269 | ||
| 旅 客 運 輸 収 入 | 旅 客 運 賃 ・ 料 金 | 定期 | 百万円 | 16,820 | 33,912 | 50,732 | 17,370 | 34,839 | 52,210 |
| 定期外 | 百万円 | 1,175,226 | 68,755 | 1,243,981 | 1,194,552 | 69,116 | 1,263,668 | ||
| 計 | 百万円 | 1,192,046 | 102,667 | 1,294,714 | 1,211,923 | 103,955 | 1,315,879 | ||
| 小荷物運賃・ 料金 | 百万円 | ― | 11 | 11 | ― | 10 | 10 | ||
| 合計 | 百万円 | 1,192,046 | 102,679 | 1,294,725 | 1,211,923 | 103,966 | 1,315,890 | ||
| 鉄道線路使用料収入 | 百万円 | ― | ― | 4,379 | ― | ― | 4,265 | ||
| 運輸雑収 | 百万円 | ― | ― | 50,608 | ― | ― | 51,750 | ||
| 収入合計 | 百万円 | ― | ― | 1,349,713 | ― | ― | 1,371,906 | ||
| 輸送効率 | % | 座席利用率 64.3 | 乗車効率 32.8 | ― | 座席利用率 63.9 | 乗車効率 32.4 | ― | ||
(注) 1 旅客運輸収入の新幹線及び在来線区分は、旅客輸送計数により区分しています。また、旅客輸送人員の合計については、新幹線、在来線の重複人員を除いて計上しています。
2 旅客輸送人員、旅客輸送人キロ及び旅客運輸収入については、前事業年度より、定期について発売月を基準とした計上方法から有効開始月を基準とした計上方法へ変更しています。
3 輸送効率の算出方法は次のとおりです。
| 新幹線座席利用率= | 旅客輸送人キロ | ×100 | |
| 座席キロ(編成別列車キロ×座席数) |
| 在来線乗車効率 = | 旅客輸送人キロ | ×100 | |
| 客車走行キロ×平均定員 |
4 旅客運輸収入のうち主要なJR他社(当該会社の旅行代理店等を含む。)による発売額の構成比は、次のとおりです。
| 会社名 | 前事業年度(%) | 当事業年度(%) | |
| 東日本旅客鉄道株式会社 | 27.2 | 26.3 | |
| 西日本旅客鉄道株式会社 | 20.1 | 19.9 |
流通業
流通業においては、ジェイアール名古屋タカシマヤで、魅力ある品揃えや、お客様のニーズを捉えたサービスの提供等により収益力の強化に努めた一方、「タカシマヤ ゲートタワーモール」開業を見据えた開業以来の大規模リニューアルを2月に完了するとともに、本年4月17日の「タカシマヤ ゲートタワーモール」の開業に向けて営業・宣伝活動を行うなど準備を進めました。
上記の結果、当期における営業収益は前期比1.1%減の2,370億円、営業利益は前期比14.2%減の75億円となりました。
不動産業
不動産業においては、JRゲートタワーで昨年11月7日にオフィス入居を開始しました。また、本年4月7日の「ゲートタワープラザ レストラン街」やビックカメラ、ユニクロ、ジーユー等の開業、17日の「タカシマヤ ゲートタワーモール」、「名古屋JRゲートタワーホテル」の開業に向けて営業・宣伝活動を行うなど準備を進めました。さらに、駅の商業施設においては「東京駅一番街」でリニューアルを行い「にっぽん、グルメ街道」をオープンするなど競争力、販売力の強化に取り組みました。加えて、愛知県岡崎市内の社宅跡地を開発した分譲マンション「セントラルガーデン・レジデンス岡崎」の販売を進めました。
上記の結果、当期における営業収益は前期比3.9%増の686億円、営業利益は前期比16.0%増の181億円となりました。
その他
ホテル業においては、魅力ある商品の設定及び販売力強化に取り組むとともに、海外からのお客様のニーズも踏まえたより高品質なサービスの提供に努めました。また、本年4月17日の「名古屋JRゲートタワーホテル」の開業に向けて、営業・宣伝活動を行うなど準備を進めました。
旅行業においては、京都、奈良、東京に加え伊勢志摩等の各方面へ向けた観光キャンペーン等と連動した魅力ある旅行商品を積極的に販売しました。
鉄道車両等製造業においては、鉄道車両や建設機械等の受注・製造に努めました。
上記の結果、当期における営業収益は前期比4.5%増の2,539億円、営業利益は16億円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当期末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期末と比べ962億円増の4,145億円となりました。また、長期債務残高は、中央新幹線建設長期借入金1兆5,000億円の借入を実施したことなどから3兆3,954億円となりました。そのうち中央新幹線建設長期借入金を除いた長期債務残高は1兆8,954億円となり、前期末と比べ495億円減少しました。
営業活動の結果得られた資金は、ビジネス、観光ともにご利用が堅調に推移し、当社の運輸収入は増加したものの、法人税等の支払額が増加したことなどから、前期比209億円減の5,805億円となりました。
投資活動の結果支出した資金は、中央新幹線建設長期借入金を信託したことに加え、設備投資に伴う固定資産の取得等による支出が増加したことなどから、前期比1兆7,392億円増の1兆9,095億円となりました。
財務活動の結果得られた資金は、中央新幹線建設長期借入金の借入を実施したことなどから、前期比1兆6,680億円増の1兆4,251億円となりました。
営業活動の結果得られた資金から有形・無形固定資産の取得等の結果支出した資金を引いた実質的なフリー・キャッシュ・フローは前期比987億円減の2,504億円となりました。