訂正有価証券報告書-第130期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2020/02/13 10:17
【資料】
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【項目】
141項目
中長期的なグループ経営戦略
当社グループでは、特に以下の経営課題に対して対応を強化しています。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)安定と成長の戦略
当期の事業環境を振り返りますと、燃料油価格が一時下落したものの、その後上昇に転じ、また円高も進行したことにより、海運市況は歴史的低水準で低迷した一年でした。
一般貨物輸送事業では、コンテナ船部門においてのさらなる高品質かつ競争力のあるサービスの提供を目指し、川崎汽船株式会社・株式会社商船三井との定期コンテナ船事業の統合を決定しました。また、ターミナル事業においては新たな安定収益の確保を目指し、インドネシアでの新コンテナターミナルの操業開始、米国でのコンテナターミナルへの出資等、コンテナ船とのシナジー効果で他社との差別化を図りました。
自動車輸送部門では、環境課題を成長のチャンスに転換すべく、優れた環境性能を持つ世界初のLNG燃料自動車専用船を竣工し、自動車物流事業ではケニアやベトナムでの完成車物流会社設立に合意する等により海外拠点の増強を図りました。
エネルギー輸送部門では、LNG輸送事業において、拡大する需要を見据えて米国でのプロジェクトにおける新造船の共同保有を決定しました。また、LNG燃料のさらなる普及・発展に貢献すべく世界初のLNG燃料供給船を竣工し、船舶向けLNG燃料供給・販売のための新たなブランドを立ち上げました。
海洋事業においては、業容の拡大を図り、ブラジル及びメキシコでもFPSO(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)を稼働し、今後も拡大が見込まれる海洋資源開発事業での取組みを進めています。
ドライバルク部門の収益性の安定的な向上は中期的かつ重要な課題であり、市況耐性の高い収支構造とするため、長期安定契約の拡充と適正な船隊規模とのバランスを図り、収益性の改善に努めています。
周囲を取り巻く環境の激変により、当社は平成26年度からの5ヵ年中期経営計画“More Than Shipping 2018~Stage 2 きらり技術力~” の最終年度の利益・財務計画を取り下げました。しかし、現中期経営計画において掲げていた運賃安定型事業の積み上げ、市況変動事業におけるライトアセット化推進等の基本戦略はその妥当性を失っておらず、今後も同戦略に基づき以下の主要な課題に沿って取り組みます。新中期経営計画は、本年度中に策定します。
当社グループの主力事業である定期コンテナ船事業の収益を回復させ安定的な成長を図るため、川崎汽船株式会社・株式会社商船三井と設立する統合新会社は、3社のシナジーの創出により競争力を高め、140万TEU(※)に達する統合後の船隊によって実現する運航規模の拡大により世界に伍して戦える体制を構築できるよう取り組みます。また、着実に収益を安定させ成長を遂げている物流事業を当社グループの中核とすべく、新興国をはじめ既存の拠点の量的拡大を図るとともに、顧客ニーズに対応したサービスの深化により、さらなる競争力の強化に努めます。
サービスの柔軟な改編と効率化とともに、オペレーションの品質向上により顧客の信頼を獲得してきた自動車輸送部門では、事業におけるさらなる優位性を追求します。また、先んじてリアルタイムに個々の車両の動静を管理する革新的な技術力と顧客ニーズを追求する現場力を融合した完成車輸送の豊富なソリューションを提供してきた成果により、自動車物流事業におけるマーケットの拡大への取組みを継続します。
業界ネットワークに基づく営業力と船舶管理等の技術優位を背景とするLNG輸送事業は、新興市場への参入の機会を追求するとともに、長期契約を積み上げることで収益性の安定的な向上に注力し、海洋事業においては、ドリルシップ、シャトルタンカー事業やFPSO事業の継続的なオペレーションの効率化と技術的知見の蓄積に努め、新規プロジェクトの獲得を目指します。
当社グループは、安定的な利益創出に向けた事業モデルを追求し、ライトアセット型事業を志向することで経営効率性を高め、ソフトとハードの両面から創意工夫をもって他社との差別化を図る「きらり技術力」(Creative Solutions)を競争力の源泉とする戦略に邁進し、新中期経営計画の策定を通じて中長期的に持続可能な成長を達成すべく全力で取り組みます。
(※)TEU:20フィートの海上輸送コンテナを1単位とした換算個数
(2)ESG(環境・社会・ガバナンス)への取組み
当社グループは、グローバルな視野を持って企業の社会的責任を果たすべく、「安全」「環境」「ガバナンス」「人材」についても経営の最重要課題に位置付け、社会課題(ESG)に対して積極的に取り組みます。
船舶等のオペレーションの安全は当社グループの事業の根幹であり、あらゆる現場での安全推進活動の一層の継続に努めます。環境保全については、長期ビジョンに基づき技術開発に取り組んでいます。平成30年度までに平成22年度比で燃料消費効率を15%向上させるべく、最適運航の深度化を図り、重油に代わる次世代燃料としてCO₂・SOx・NOx排出量を削減することができるLNG燃料への転換を積極的に進めています。当期は、世界初となるLNG燃料の自動車専用船やLNG燃料供給船が竣工しました。環境規制が年々強化されていくなかで、バラスト水処理装置の先行搭載や、平成32年から実施予定の燃料油に含まれる硫黄分規制強化等への対応を進めています。
また、企業経営の健全性と透明性をより高めるために、引き続き内部統制の実効性向上とコンプライアンス徹底等のガバナンス強化に努めます。さらに、当社グループ企業理念を支える “NYKグループ・バリュー”(誠意・創意・熱意)の実践を通じて、誇りを持って働ける職場づくりの実現を目指し、多様な人材が活躍できる環境づくりを進めていきます。当社グループは、今後もこれらの取組みに関する積極的な情報開示とその充実を図るとともに、ステークホルダーの皆様との良好な関係の構築とサービスの品質向上に努めます。

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