有価証券報告書-第100期(2025/04/01-2026/03/31)
(3) 戦略
① サステナビリティ全般の戦略
上記リスクと機会の認識のもと、当社は2024年3月に発表した中期経営計画「FORWARD 2030 Ⅱ Challenge for innovation and further growth with U」において、「人的資本戦略」「サステナブルシッピング戦略」「ガバナンス強化」「DX戦略」の4つの取り組みを掲げました。クリーンでサステナブルな海上輸送における必要不可欠な存在を目指し、ステークホルダーと協働して変革を続け、企業価値の更なる向上を図ってまいります。
人的資本戦略
サステナブルシッピング戦略
ガバナンス強化
DX戦略
② 気候変動に関する戦略
気候変動については、上記シナリオ分析を踏まえ、中期経営計画では、新燃料船の整備へ1,650億円の投資を計画しています。この投資は、既存船のリプレースやメタノールDF船など新燃料船への投資、バイオ燃料の安定確保などを含みます。
また、詳細は当社ホームページにて開示しております。
https://www.nsuship.co.jp/sustainability/environment/tcfd/
③ 人材の多様性の確保を含む人材育成方針および社内環境整備方針
当社では、持続可能な社会の実現に貢献するためには、多様な個性を活かすとともに、人材へ積極的に投資することにより、さまざまな事業環境の変化に対応し、誇りや意欲を持ちながら会社の成長を支える人材を育成することが重要であると考えております。なお、グループ各社で事業規模や対象市場が異なる他、人材育成や社内環境整備の多くが各社それぞれで行なわれており、本方針は当社単体の方針を記載しております。
人材の確保・育成・定着方針
当社は、人材を企業価値創造の基盤であり、持続的な競争力の源泉であると位置付けています。外航海運を取り巻く事業環境が急速に変化する中、事業戦略を着実に遂行し社会的責任を果たし続けるためには、高い専門性と広い視野に裏打ちされた、自ら考え行動できる人材が不可欠であるとの考えの下、人材の確保・育成・定着に関する施策を継続的に推進しています。
<陸上社員>人材確保においては、新人事制度の導入に伴う職制統合・定年延長等を通じて、多様な人材が長期にわたり活躍できる基盤を整備し、既存人材の定着と活躍の促進を図っています。加えて、中長期的な事業戦略の遂行を見据えた要員計画に基づき、計画的な採用・配置を継続することで、必要な人材を安定的に確保してまいります。
人材育成においては、当社が目指す人材像を「自ら考え行動し、専門性と広い視野をもって課題解決に挑む人材」と定義し、役割や成長段階に応じて必要となる能力・行動を段階的に整理しています。社員一人ひとりが自身の強みと課題を把握し、日々の業務を通じた実践と研修等の体系的な学びを往復することで、学びを成果につなげる自律的な成長サイクルを定着させ、事業戦略を支える人材基盤の強化を進めています。
人材定着においては、挑戦と成果を適切に評価する人事制度の運用を通じて成長実感と貢献実感を高めるとともに、働きやすさと働きがいの両面から職場環境の整備を進めています。労働市場環境や物価動向も踏まえた処遇の充実、両立支援や柔軟な働き方の推進、健康経営の取組等を通じて、エンゲージメント向上と離職防止を図り、安定的に力を発揮できる基盤を整備しています。
<海上社員>人材確保においては、安全で高品質な輸送サービスを継続するために必要な実務能力・安全意識を備えた人材を安定的に確保することを基本方針としています。国内では少子化等を背景に日本人海技者の不足や採用競争の激化が見込まれることから、海事関連校等への採用チャネル拡大や説明会の充実により当社理解を促進し、将来の需給見通しを踏まえた計画的な採用を進めています。
人材育成においては、従来の運航業務に加え、新たな設備・制度への対応など役割が拡大する中でも安全運航の水準を維持・向上できるよう、職位別・技能別に必要な知識・技能を整理し、教育・訓練カリキュラムの見直しを継続しています。乗船前後の研修と乗船中のOJTを組み合わせ、現場事例に基づく学習や昇格時のアセスメントを通じて判断と行動の質を高めています。さらに、フィリピン・ベトナムの研修部門とも毎年直接連携し、育成体制の見直しや研修管理・教育システムの改善を継続することで、世代交代や配乗の変化が生じても教育水準を組織として揃えています。
人材定着においては、海上・陸上の関係者が連携し、配属後のフォローやキャリア形成支援を通じて長期的な活躍を後押しし、離職防止と戦力維持を図っています。あわせて、外国人船員についても乗船にとどまらず、東京本社での海技者としての勤務やインストラクター業務、各国研修部門への配置などを通じて活躍の領域を拡げ、海上と陸上の知見を循環させることで、陸上の海技者ニーズの増加にも対応できる体制づくりを進めています。
多様性の確保を含む社内環境整備方針
人材の多様性の確保及び社内環境の整備について、2025年8月に方針を見直し、以下のような具体的な取り組みの継続・強化を図ります。
女性の活躍推進
高齢者・障がい者雇用
働きがい向上
多様性の尊重
健康の推進
① サステナビリティ全般の戦略
上記リスクと機会の認識のもと、当社は2024年3月に発表した中期経営計画「FORWARD 2030 Ⅱ Challenge for innovation and further growth with U」において、「人的資本戦略」「サステナブルシッピング戦略」「ガバナンス強化」「DX戦略」の4つの取り組みを掲げました。クリーンでサステナブルな海上輸送における必要不可欠な存在を目指し、ステークホルダーと協働して変革を続け、企業価値の更なる向上を図ってまいります。
人的資本戦略
| 事業環境の 変化 | ・新たな市場への挑戦、脱炭素化に向けた技術革新など、中長期的な事業戦略を担える人材の 確保・育成が必要 ・サプライチェーン全体での人権リスクの防止・軽減など「ビジネスと人権」への関心の高まり | |
| 計画 | ・グローバルな海運会社として、人権意識や環境問題への取り組みが企業価値を向上 ・戦略業務に専心できる職場環境の整備によるエンゲージメント向上 | |
| 戦略 | 人財を育て、活かす | ・人材育成・研修体系を整備し人的資本の価値最大化を目指す ・挑戦・成果を評価する人事制度の運用 ・キャリア形成のための教育・研修制度拡充 ・事業戦略実現のための要員・採用施策 ・女性・シニアの活躍推進 |
| 社会的責任を果たす | ・人権DDの推進、Well-beingの実現により人権を尊重する意識の向上を図る ・サプライチェーン全体における人権尊重を徹底し、人権侵害の予防・軽減・救済に取り組む ・働きやすさの向上と健康経営の推進 | |
サステナブルシッピング戦略
| 事業環境の 変化 | ・コロナ禍により船員の交代難が発生し、長期乗船など労働環境が悪化 ・「ビジネスと人権」意識の高まりとともに、船員のWell-being向上などが求められる ・陸から海へのモーダルシフトが進む内航海運業界でも船員不足は深刻 | |
| 計画 | ・「人権DDの対象範囲の拡大」「船員のWell-beingの最大化」「エンゲージメントの向上」に より、船員の判断力、創造力を最大限に発揮できる職場環境を実現 ・職場環境の整備により、優秀な船員を確保し、競争力の源泉とする | |
| 戦略 | ・安全運航の徹底のため、国内外の優秀な船員と海技士の確保・育成に努め重大事故・災害ゼロへ ・新燃料船への配乗・液体貨物輸送への展開など成長戦略を支える有資格船員の育成 | |
| 継続的な次世代船員の確保 | 新卒採用の継続、採用先の多様化 | |
| 船員の教育・訓練システム強化 | 育成プランの充実・明確化、システム連携の高度化 | |
| 船舶管理機能強化 | 監督育成の強化、IT/DXの積極的な導入 | |
| 2050年カーボンニュートラルの実現 | 2030年GHG総排出量削減目標達成に向けた環境ロードマップの実行・次世代燃料の導入検討 | |
| 運航効率追求 | 省エネ装置導入、超減速の深度化 | |
ガバナンス強化
| 事業環境の 変化 | ・海運業界を取り巻く事業環境の変化による経営リスクの増大と、リスクマネジメント強化の 必要性が高まる ・多様なステークホルダーに対する社会的責任を果たすためコーポレート・ガバナンス強化が 求められる | |
| 計画 | ・環境変化に対する迅速な意思決定の実現と、全社的なモニタリング機能の強化を図る ・ステークホルダーとの対話を通じて中長期的な企業価値の向上を目指す | |
| 戦略 | 中期経営計画の進捗状況を継続的にモニタリングすることで、環境変化への対応や、成長戦略 など長期的な課題に関する議論を充実させることにより取締役会の実効性向上を図る | |
| 取締役会の実効性 | 取締役会の実効性評価アンケートを通じた運営の改善 | |
| コンプライアンス 体制強化 | 社内教育の充実、取り組み強化 | |
| リスク管理 | 各組織が自律的に対応できるリスクカルチャーの醸成 | |
| 情報管理 | 情報管理の徹底、情報セキュリティの強化による安全性向上 | |
| 情報開示 | 公平かつ迅速な情報開示の強化 | |
DX戦略
| 事業環境の 変化 | ・環境対応による海運業界の構造変化を踏まえた価値創造モデルの構築 ・脱炭素化や「ビジネスと人権」を意識した顧客ニーズに応える船舶管理の高度化 ・多様なステークホルダーの立場を踏まえた公正かつ迅速な意思決定 | |
| 計画 | 人的資本戦略 | DX推進により社員が高度な戦略業務に専心できる職場環境を整備する |
| サステナブル シッピング戦略 | 船舶DXを推進し事故・災害の予防保全、船舶管理の高度化、 運航効率改善 | |
| ガバナンス強化 | DX推進によりモニタリング効率化を含むガバナンスの強化を図る | |
| 戦略 | サイバーセキュリティの強化 | |
| 船舶DX | 予防保全装置、作業支援ロボ、運航支援システム | |
| IT人材育成 | IT研修の拡充、デジタルコア人材の育成 | |
| 基幹システム投資 | 新基幹システム検討、営業支援システム、会計システム | |
| 業務高度化 | 業務高度化投資、人事DXの活用、DXによる業務の効率化 | |
| デジタル教育の加速 | ||
② 気候変動に関する戦略
気候変動については、上記シナリオ分析を踏まえ、中期経営計画では、新燃料船の整備へ1,650億円の投資を計画しています。この投資は、既存船のリプレースやメタノールDF船など新燃料船への投資、バイオ燃料の安定確保などを含みます。
また、詳細は当社ホームページにて開示しております。
https://www.nsuship.co.jp/sustainability/environment/tcfd/
③ 人材の多様性の確保を含む人材育成方針および社内環境整備方針
当社では、持続可能な社会の実現に貢献するためには、多様な個性を活かすとともに、人材へ積極的に投資することにより、さまざまな事業環境の変化に対応し、誇りや意欲を持ちながら会社の成長を支える人材を育成することが重要であると考えております。なお、グループ各社で事業規模や対象市場が異なる他、人材育成や社内環境整備の多くが各社それぞれで行なわれており、本方針は当社単体の方針を記載しております。
人材の確保・育成・定着方針
当社は、人材を企業価値創造の基盤であり、持続的な競争力の源泉であると位置付けています。外航海運を取り巻く事業環境が急速に変化する中、事業戦略を着実に遂行し社会的責任を果たし続けるためには、高い専門性と広い視野に裏打ちされた、自ら考え行動できる人材が不可欠であるとの考えの下、人材の確保・育成・定着に関する施策を継続的に推進しています。
<陸上社員>人材確保においては、新人事制度の導入に伴う職制統合・定年延長等を通じて、多様な人材が長期にわたり活躍できる基盤を整備し、既存人材の定着と活躍の促進を図っています。加えて、中長期的な事業戦略の遂行を見据えた要員計画に基づき、計画的な採用・配置を継続することで、必要な人材を安定的に確保してまいります。
人材育成においては、当社が目指す人材像を「自ら考え行動し、専門性と広い視野をもって課題解決に挑む人材」と定義し、役割や成長段階に応じて必要となる能力・行動を段階的に整理しています。社員一人ひとりが自身の強みと課題を把握し、日々の業務を通じた実践と研修等の体系的な学びを往復することで、学びを成果につなげる自律的な成長サイクルを定着させ、事業戦略を支える人材基盤の強化を進めています。
人材定着においては、挑戦と成果を適切に評価する人事制度の運用を通じて成長実感と貢献実感を高めるとともに、働きやすさと働きがいの両面から職場環境の整備を進めています。労働市場環境や物価動向も踏まえた処遇の充実、両立支援や柔軟な働き方の推進、健康経営の取組等を通じて、エンゲージメント向上と離職防止を図り、安定的に力を発揮できる基盤を整備しています。
<海上社員>人材確保においては、安全で高品質な輸送サービスを継続するために必要な実務能力・安全意識を備えた人材を安定的に確保することを基本方針としています。国内では少子化等を背景に日本人海技者の不足や採用競争の激化が見込まれることから、海事関連校等への採用チャネル拡大や説明会の充実により当社理解を促進し、将来の需給見通しを踏まえた計画的な採用を進めています。
人材育成においては、従来の運航業務に加え、新たな設備・制度への対応など役割が拡大する中でも安全運航の水準を維持・向上できるよう、職位別・技能別に必要な知識・技能を整理し、教育・訓練カリキュラムの見直しを継続しています。乗船前後の研修と乗船中のOJTを組み合わせ、現場事例に基づく学習や昇格時のアセスメントを通じて判断と行動の質を高めています。さらに、フィリピン・ベトナムの研修部門とも毎年直接連携し、育成体制の見直しや研修管理・教育システムの改善を継続することで、世代交代や配乗の変化が生じても教育水準を組織として揃えています。
人材定着においては、海上・陸上の関係者が連携し、配属後のフォローやキャリア形成支援を通じて長期的な活躍を後押しし、離職防止と戦力維持を図っています。あわせて、外国人船員についても乗船にとどまらず、東京本社での海技者としての勤務やインストラクター業務、各国研修部門への配置などを通じて活躍の領域を拡げ、海上と陸上の知見を循環させることで、陸上の海技者ニーズの増加にも対応できる体制づくりを進めています。
多様性の確保を含む社内環境整備方針
人材の多様性の確保及び社内環境の整備について、2025年8月に方針を見直し、以下のような具体的な取り組みの継続・強化を図ります。
女性の活躍推進
| キャリア意識向上 | ・ライフイベントを見越した育成の前倒しによるキャリア形成 ・強みの発揮を促す研修、セミナーの実施 |
| 働きやすい 環境整備 | ・ライフイベント後の復職支援のための制度整備 育児介護休業関連制度や福利厚生制度の拡充など ・管理職への教育を通じ、職場全体に女性が活躍しやすい風土を醸成 |
高齢者・障がい者雇用
| 高齢者 | ・シニア社員に対して、定年後まで含めたキャリア形成に関する研修、セミナーを実施 |
| 障がい者雇用 | ・法定雇用率の遵守に向けて取り組みを進める ・全社員の理解促進を図るとともに、個々の障害に応じた合理的配慮を提供 |
働きがい向上
| 働き方 | ・業務負荷平準化や生産性向上を推進する組織マネジメントおよび人材育成 ・成果を評価する人事考課制度の運用浸透 ・業務改革、DX推進の加速による効率化 |
| 休み方 | ・休暇取得状況の定期的なモニタリング、取得推進に向けた施策強化・継続 連休取得の奨励など ・男性社員の育児休業取得促進 |
| 人材育成 | ・多様な人材が成長を実感でき、貢献が評価されるしくみの整備 ・人材像実現に向けた能力開発施策の実行 |
| モニタリング | ・四半期ごとのエンゲージメント調査実施および PDCA サイクル継続 |
多様性の尊重
| 多様性の尊重 | ・内部統制・コンプライアンス周知月間を継続し、社員への教育・啓蒙を行う ・ハラスメント防止に関する研修の継続実施 ・アンコンシャス・バイアスや LGBTQ への適切な理解について啓蒙、セミナーの実施 ・多様な人材が貢献を実感できるしくみの整備 |
健康の推進
| 健康診断 | ・健康診断未受診者およびその上長に対し受診義務があることを通知し、全員受診を徹底する |
| 脳心疾患 | ・生活習慣の改善を図る特定保健指導を徹底 |
| 治療と仕事の両立 支援・健康不安なく働ける環境整備 | ・治療中の両立支援に向けた勤務制度や休暇制度の整備 日常的な健康不安(不妊・更年期治療など)に対応できる制度・ 相談窓口の導入など |
| メンタル疾患 | ・未然防止に向けたメンタルヘルス対応体制の整備実施 ラインケア研修、カウンセリング窓口など ・メンタルヘルスチェックの継続実施 |