有価証券報告書-第102期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)

【提出】
2022/06/30 12:15
【資料】
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【項目】
146項目

対処すべき課題

(1)経営方針
当社グループは、下記の企業理念・経営理念・ビジョンのもとで、今後の事業展開と収益拡大に邁進してまいります。
≪企業理念≫
人々や社会を幸せにし、ニッポンを元気に
≪経営理念≫
新しい価値の創出に挑む
≪ビジョン≫
(1)日本の上場企業に投資し、資本市場の活性化に貢献する
(2)アジア市場へのゲートウェイとして、日本の優れた技術や企業を世界に羽ばたかせる
(2)経営戦略等
当社は、BJBグループ及びSHKグループと、双方の企業価値向上と相互の協力関係強化を図るため、包括的業務提携を締結し、より一層、関係強化、協業推進をしてまいります。そしてこの2グループの強大な背景とパートナーシップを活かし、当社はその巨大2グループの日本投資部門の役割を果たし、投資相手先の選定、投資の実行、投資先企業の価値向上に注力し、当社グループの事業拡大に邁進いたします。
現在、財政状態の改善、及び収益力の強化が経営の最重要課題となっている当社は、BJBグループ及びSHKグループの様々なシナジー効果を最大限活用し、当社グループのコア事業である投資業をより安定的に進めてまいります。そしてこれらにより、当社の経営課題解決や総合的な事業基盤の拡大、各グループ事業の成長につなげてまいります。
これらを確実に実行していくにあたり、より強固なパートナーシップをBJBグループ及びSHKグループと確立するため、BJBグループを代表する北京北大青鳥環宇科技股份有限公司(Beijing Beida Jade Bird Universal Sci-Tech Co., Ltd.)、 SHKグループを代表する新鴻基有限公司(Sun Hung Kai & Co. Limited)の双方と包括的業務提携の基本合意書を締結しております。今後、より強いパートナーシップのもとで、事業推進を図ってまいります。
当社グループの今後の戦略は下記の通りです。
BJBグループ及びSHKグループとのシナジーが見込める事業、「証券事業」、「投資事業」、「貸金事業」の3本柱を、グループ内事業の中核事業体として投資を実行し、グループの拡大・グループ企業価値の向上を図ってまいります。
①ワンアジア証券株式会社(証券事業)
ワンアジア証券株式会社の自己資本の健全化を行い、信用取引の売上拡大を可能とすることにより、利益の最大化を計画しております。
また、企業向け新規融資、ファンド出資等にも今後注力し、さらなる競争力と企業価値を向上してまいります。
②アジアインベストメントファンド株式会社(投資事業)
アジアインベストメントファンド株式会社は、当社グループのコア事業である投資事業を担っております。
BJBグループ及びSHKグループのネットワークを活かし、それらとシナジーが期待される日本、及びアジア各国に上場する企業に積極的に投資を実行していきます。
また、グループシナジーを活用したその他の商取引にも取り組んでまいります。
③アジアビジネスファイナンス株式会社(貸金事業)
アジアビジネスファイナンス株式会社は、従来の債権担保融資に加え、株式や不動産等の担保融資も取り扱ってまいります。貸金事業範囲を拡大し、より質の高い機動的なサービスを提供してまいります。
また、収益不動産の取得等の不動産投資、株式投資分野にまで事業を拡大しております。
(3)目標とする経営指標
当社グループが行う投資事業は、その特性上、国内外の経済情勢、株式市場動向等から受ける影響が極めて大きいことから、目標とする経営指標および具体的な目標数値は設定しておりませんが、未だ「継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせる状況」にあるため、かかる状況からの脱却を第一の経営目標としております。また、上記の経営方針・経営戦略等に基づき事業を推進することを通じて、企業価値の向上、経営成績の改善に努めてまいります。
(4)経営環境並びに優先的に対処すべき事業上、財務上の課題
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の再拡大の影響が懸念されるものの、ワクチン接種の普及や感染後の重症化リスクが低いことなどから、経済活動の再開に軸足を移しつつある一方で、半導体や原材料の不足、物流の停滞、金融市場の混乱や原油価格の高騰など、引き続き経済の先行きについては注視していく必要があります。
このような状況の下で、当社グループは、収益事業の確立によって財務体質を改善すべく、新規投資案件の探索や既存投資先の業績改善に取り組んでまいりました。
新規投資案件については、いくつかの候補先について関係先との交渉や投資計画の検討などを行った結果、再生エネルギー事業を主要事業とする株式会社AGパワーソリューションズの発行済み全株式を取得し完全子会社化とした他、電動自転車バイク開発販売事業を主要事業とする豊田TRIKE株式会社、コンテンツ制作事業を主要事業とするC+株式会社、計2社の第三者割当増資を引き受け、持分法適用関連会社といたしました。
アジアインベストメントファンド株式会社は、コア事業の有価証券投資が好調に推移し、事業収益拡大に大きく貢献した他、収益性の高い分野の商取引にも積極的に取り組み、取引は増加基調にあります。アジアビジネスファイナンス株式会社は、売掛債権担保融資に限定せず、株式担保融資、不動産担保融資まで取扱商品の範囲を拡大し、貸金事業を行っております。Cleath Biomass Energy Sdn. Bhd.によるマレーシアでのバイオマス燃料PKS(パーム椰子種子穀)供給事業は、経営環境の悪化により、当初計画値を大きく下回っており、2022年3月期で事業撤退致しました。臻萃本物(福建)餐飲管理有限公司による中国・福州での日本食レストラン事業については、事業撤退致しましたが、一部店舗については歩合方式のサブリース契約に切り替え、継続しております。
このような経営環境のもとで、当社は、下記の課題に対処してまいります。
① 継続企業の前提の疑義解消
当社グループは、当連結会計年度まで継続して重要な経常損失、親会社株主に帰属する当期純損失を計上しております。当社は、この状況を改善すべく、2020年12月に旧経営陣から新経営陣に人員の刷新を実行し、収益力の向上と販管費抑制に取り組み、2022年3期は営業利益を確保したものの、旧経営陣の不祥事に伴う上場契約違約金や真相究明のための第三者委員会設置費用に加えて、事業成長が期待できる投資先の保有株式評価が会計基準に則り評価損計上となったことや、当社グループが保有していた東京機械製作所の株式について同社経営陣との対立から2022年3月2日に同株式を譲渡した結果、特別損失計上となり、2022年3月期においても、経常損失、親会社株主に帰属する当期純損失を計上するに至りました。引き続き当社は、収益力の向上に取り組んでいるところでありますが、当連結会計年度におきましては、未だ継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような状況が存在している状況であります。
当該重要事象等を解消し、または改善するための対応策等につきまして、「注記事項(継続企業の前提に関する事項)」に記載しております。当社グループは、当該対応策を着実に行うことにより、できるだけ早期に継続企業の前提の疑義を解消することが最重要課題であると認識しております。
② 経営基盤の確立
当社グループは、安定的にキャッシュ・フローを生み出す収益基盤の確立を通じて財務基盤を強化することが最大の経営課題であると認識しております。その実現のためには、すぐれた人材を確保することが重要であり、企業投資および不動産投資等の知識や経験、投資案件の発掘における人的ネットワーク、さらには投資先事業の経営および運営に必要な能力を有する人材の確保・育成を進めてまいります。
③ 内部管理体制の強化
当社グループは、当社株式が2021年8月7日付で東京証券取引所より特設注意市場銘柄に指定されたことを受け、内部管理体制等の改善整備に努めております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響について長期化が予想されるため、この対応につきましては、時差出勤等の実施により従業員の安全確保と新型コロナウイルス感染症の拡大防止に配慮しつつ業務を継続してまいります。