四半期報告書-第85期第3四半期(令和3年10月1日-令和3年12月31日)

【提出】
2022/02/10 9:45
【資料】
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【項目】
36項目

事業等のリスク

当第3四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大が当社グループの事業活動に影響を及ぼしており、今後も状況を注視し、対策を講じてまいります。
(債務超過の解消に向けた計画の進捗状況)
当社グループでは、2021年2月に公表いたしました中期経営計画のとおり、事業構造改革と再成長に向けた事業基盤固めに取り組んでおります。本経営計画期間(2021年度~2025年度)においては、グループの事業構造を抜本的に見直し、より専門性、収益性の高い分野に経営資源を集中して、再成長に向けた基盤固めを図ってまいります。加えて、積極的なアライアンスを通じてこれまでの事業運営の中で培った当社グループならではの「企画立案力・提案力」、「教育機関・法人等への営業網」、「アクティブシニアを中心とした会員組織」、「全国に広がるサプライヤーネットワーク」等の強みを活かした旅行近接サービスを含む新規事業の開発に取り組んでまいります。これらとともに、次の事業構造改革に伴うコスト構造の見直しにより、2018年度比で、2022年度には約200億円の経費削減効果を図り、2025年度には営業利益ベースで100億円以上の改善を見込んでおります。
・事業構造改革と再成長に向けた事業基盤固め
①組織の再編
2021年10月1日付で、株式会社近畿日本ツーリスト首都圏を存続会社、株式会社近畿日本ツーリスト北海道、株式会社近畿日本ツーリスト東北、株式会社近畿日本ツーリスト関東、株式会社近畿日本ツーリスト中部、株式会社近畿日本ツーリスト関西、株式会社近畿日本ツーリスト中国四国、株式会社近畿日本ツーリスト九州、株式会社KNT-CTウエブトラベルを消滅会社とする吸収合併を行い、合併を機に、株式会社近畿日本ツーリスト首都圏の商号を近畿日本ツーリスト株式会社に変更し、本社部門等の後方部門の統合を行ったことをはじめ、組織体制の見直しにより、消滅会社各社に設置されていた営業本部などの間接部門を存続会社に集約するスリム化を進めるとともに、当連結会計年度に閉鎖を計画している営業拠点数94に対し、当第3四半期連結累計期間に既に91拠点を閉鎖するなど、支店、店舗の統廃合を前倒しで進めております。同時にKNT-CTホールディングス株式会社から合併後の新近畿日本ツーリスト株式会社に事業推進部門を移管し、当社はグループ全体の経営戦略および経営管理部門に特化する体制としました。
②人員調整
2021年1月に実施した希望退職の募集に加え、新規採用の抑制、定年退職等による自然減、グループ外への出向を実施し、2024年度末までに2020年3月末時点6,968名の在籍人員を約3分の2に縮小する予定であり、現段階では概ね計画どおりに進捗しております。あわせて、旅行業務が減少する中、ワクチン接種関連事業等の受託業務や、オンデマンド印刷事業など旅行近接サービス領域への人材投入等、再成長に向けた人員の適切な再配分に取り組んでいます。
③その他のコスト削減
旧来のシステムに関わるITコストを削減するほか、組織の見直し、テレワークやフリーアドレス化など働き方改革の推進等により、短期的には当社本社オフィスをはじめ各グループ会社の事務所スペースの縮小や営業拠点の閉鎖など、引き続き事務所経費をはじめ諸経費のさらなる圧縮を進めております。
・資本施策の実施
当社は、2021年5月12日開催の取締役会において、第三者割当の方法により、当社の親会社である近鉄グループホールディングス株式会社、合同会社あかりおよび合同会社まつかぜを割当先とする、総額400億円のA種種類株式およびB種種類株式の発行を決議いたしました。その後、同年6月16日開催の当社定時株主総会において、本第三者割当についてご承認をいただき、同年6月30日付にて本第三者割当による種類株式の発行および払込の完了をいたしました。
本第三者割当により調達した資金は、クラブツーリズム株式会社の「新・クラブ1000事業」のクラブツーリズム・パス(10月1日サービス提供開始)や近畿日本ツーリスト株式会社のダイナミックパッケージへの移行加速、アバターエージェントによる接客である「新・旅のコンシェルジュ」および上質な旅館・ホテルをお客さまのニーズにあわせて展開する新ブランド「KNT ハイクラスサイト Blue Planet」(10月8日サービス提供開始)等の機能拡充に向けたシステム構築に充当しております。これらの取組みは、サービス開始後の当第3四半期連結累計期間においては、新型コロナウイルス感染症の海外におけるオミクロン株の感染報道による影響もあり計画を下回る販売状況ですが、当社の置かれた厳しい経営状況から脱却するべく事業構造改革を実行し、一層の事業拡大、収益性の向上に努めてまいります。
(継続企業の前提に関する重要事象等)
当社グループは、2020年2月以降新型コロナウイルスの感染拡大により、国内外の旅行需要の大半が消失し、海外旅行および訪日旅行の催行ができず、2020年4月中旬から5月末まで全旅行店舗を休業せざるをえない状況となる等、厳しい環境変化に見舞われました。
このため、感染症対策に徹底的に取り組んだ安心安全な旅の販売に注力し、旅行業以外の収入確保に努める等様々な対策を講じたものの、前連結会計年度(2021年3月期)において、連結営業損失270億82百万円、連結経常損失167億27百万円、親会社株主に帰属する当期純損失284億56百万円を計上し、期末純資産は96億54百万円の債務超過となりました。
(債務超過の解消に向けた計画の進捗状況)に記載の資本施策の実施により、第1四半期連結会計期間の期末において債務超過は解消しておりますが、当第3四半期連結累計期間においても当該感染拡大の影響等により、連結営業損失77億58百万円、連結経常損失44億72百万円、親会社株主に帰属する四半期純損失58億5百万円を計上しており、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせる事象等が存在しております。
当社におきましては、中期経営計画の目標達成に向けた事業構造改革を引き続き推進していくこととしており、2022年3月期の連結業績予想を踏まえ、2022年3月末時点においても債務超過にはならないものと見込んでおります。
以上により、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。