有価証券報告書-第28期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/26 13:10
【資料】
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【項目】
138項目

有報資料

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当連結グループが判断したものです。
(1)会社の経営の基本方針
当連結グループは、2023年に制定した「2030年ありたい姿」を、近年の社会情勢や経営環境の大きな変化を踏まえ、“いい空港”を実現するための「ありたい姿」に見直しました。2026~2028年度中期経営戦略、それ以降も、“いい空港”の実現に向けて、取り組みを進めていきます。
・ 安全・安心
安全を確実に提供し、いつでも安心して利用できる空港
・ 地域・航空ネットワーク
地域とともに魅力を高め、世界とつながる国際拠点空港
・ 環境
最先端技術で、ゼロカーボンを達成するとともに循環型社会に寄与する空港
・ お客様
快適な時間と期待を上回る体験により、感動と笑顔があふれる空港
・ 働く人
働く人を思いやり、強固なチームワークのもとで働きがいと誇りを持てる空港
・ 経営基盤
強固な経営基盤と高い収益力を持ち、持続的な成長を遂げる企業
(2)経営環境及び対処すべき課題
世界の航空需要は中長期ではアジアを中心に強い伸びが予測されています。一方で、翌連結会計年度である2026年度につきましては、とりわけ中国路線の減便が通期にわたると、その影響は極めて大きいものとなります。加えて、中東情勢の不安定化による特に原油価格への影響、また、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化は航空需要に大きな影響を及ぼすものと考えられます。また、世界の航空業界における航空機材や乗員の不足、さらに、我が国における人手不足等、様々なコストの上昇が供給に影響を与える可能性が懸念されます。
このようななか、当連結グループは2026~2028年度中期経営戦略を策定し、その最終年度である2028年度における旅客数目標は、当期より約140万人多い1,300万人としました。そして、以下を本期間中における重点戦略テーマとし、持続的な成長を実現します。
・ 地域とともに回す成長の好循環
・ “いい空港”を持続させるための経営基盤の確立
・ より人を大切にする空港運営
<地域とともに回す成長の好循環>まず、東アジアや東南アジアの既に路線がある地域について着実に便数、旅客数を増やす努力をします。既存路線の機材大型化、増便に向けて、航空会社や地域の皆様と協業し、積極的な販促活動を通じて需要の拡大を図ります。
さらに、将来のより安定した空港運営や中部地域の皆様の渡航ニーズに応えるべく、欧米や新たな成長市場への新規就航や増便の実現に向けて粘り強く取り組みます。そのためには、中部企業の出張需要をはじめとするフライセントレアのご協力を改めてお願いし、また、中部を訪れるインバウンドの増加を図っていくことが不可欠です。自治体や経済界、観光関連の事業者の皆様と連携して、中部全体の観光の振興、需要の拡大が新たな航空路線の増加をもたらし、路線の増加が新たな観光需要を産むという好循環を創り、これを回していきたいと考えています。
当中部地域を観光の目的地として選んでいただけるよう地域特有の魅力を国内外へ発信する「愛知『発酵食文化』振興協議会」の一員として、また、地域の中小観光事業者の皆様との連携や支援を推進するため、前期に立ち上げた地域ブランド共創室の取り組みを推進します。
2026年9月開催の愛知・名古屋アジア競技大会及びアジアパラ競技大会に向けては、この地域にある国際的な玄関口として、引き続き空港施設を活用して当大会のアピールに努めます。さらに、大会期間中国内外から訪れる多くのお客様を快適なおもてなしでお迎えをすべく万全の準備を進めます。そして、両大会を契機とし、航空旅客の増加や航空ネットワークの拡充に向けて取り組みます。
国際貨物取扱量の更なる獲得に向けては、当中部地域の航空貨物の大部分が、主に首都圏の空港にトラックにて輸送されているという根本的な問題の解決に向けて、関係者の皆様のご理解とご協力を得たうえで、ともに粘り強く取り組みます。
<“いい空港”を持続するための経営基盤の確立>当連結グループは、近年、人件費及び物件費並びに建築物価の上昇を背景として、施設維持費等の運営費や減価償却費、金利上昇に伴う支払利息の増加が続いており、利益を上げにくい体質になりつつあります。セントレアをお客様や地域の皆様から期待される“いい空港”として持続させていくためには、事業全体の売上高の増加に加え、費用支出の適正化を図っていくことが必要です。全社を挙げて、事業の採算性、業務の費用対効果やプロセスの簡素化等、生産性向上に資するよう丁寧に検証し改善を図ります。
設備投資に関しては、開港から20年が経ち様々な施設の老朽更新に加え、代替滑走路事業や拡大する航空需要に対応する省力化・省人化投資等、空港としての機能強化の投資も見込まれます。これらについて費用対効果や必要時期等を精査し、適切に進めます。また、設計及び施工等関係事業者とともに知恵を絞り、適正な規模を見極めた工事の実施等により、費用低減を図ります。
<より人を大切にする空港運営>商業事業につきましては、特に中国のお客様の減少を大きく受けた免税店について、各地のお客様の嗜好やニーズにあわせた品揃えにより売上高の増加を図ります。2026年4月に「Centrair Duty Free センターピア店」をオープンしたほか、化粧品等を取り扱う総合免税店について、より魅力的な店舗にすべく、現在改装工事を進めております。免税店以外の商業事業全般につきましても、お客様にとって魅力ある店舗の出店を進める等、売上高の拡大を図ります。
また、各空港アクセスからターミナル各所へ円滑に向かうことができるよう、アクセスプラザのリニューアルや案内サインの改修にも順次取り組みます。
このように、空港の収益機会の向上を投資や改善に繋げ、更なる快適性の向上とお客様の期待を超える体験を追求します。
空港品質格付「World Airport Star Rating 5star」と顧客サービスに関する国際空港評価「Regional Airport部門1位」は、セントレアで働く全ての従業員の皆様の誇り、創意工夫、献身の賜物であり、空港の最大の財産ですので、しっかりと未来に引き継いでいかねばなりません。
そのために、空港で働く全ての「人」に対する投資は積極的に行います。セントレアグループにおいては、人材育成や技術力及び生産性の向上にて従業員の価値を高めるとともに、適切な労働条件の改定、健康経営の推進等に取り組みます。さらに、空港内事業者の皆様と一体となって、空港全体の従業員の安全確保や働きやすい職場環境の改善について取り組みます。
<空港として持続的に取り組む施策>安全・安心の確保が、セントレアの最優先事項としての位置付けであることは変わりません。常日頃から全ての従業員がお客様、従業員自身、そして空港運用上の安全をどう守るかを考え、行動していくよう啓発や教育、様々な訓練を引き続き空港内事業者の皆様と連携して実施し、安全体制の維持に努めます。また、空港施設やシステムに起因する重大トラブルを未然に防止すべく、必要な点検、予防保全、修繕を適切に実施します。
脱炭素化推進と地球環境の保全につきましては、新技術であるペロブスカイト太陽電池導入も視野に入れた再生可能エネルギーの活用拡大や、空港内で使用するガソリン・軽油車両の段階的なEV車への移行による燃料起因の排出量の削減に取り組みます。また、豊かな海づくりの一助となる河川上流部での植樹活動や伊勢湾内での海岸清掃等、循環型社会の形成及び自然共生に資する取り組みを継続的に推進します。
世界の航空需要、そして訪日外国人は引き続き拡大していく見込みであり、当空港は日本の主要ゲートウェイ空港のひとつとして地域の皆様のご期待に応え、誇りをもっていただける空港となるよう努力します。皆様におかれましては、より一層のご支援とご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
(3)目標とする客観的な指標等
当連結グループは、2026~2028年度セントレアグループ中期経営戦略において、2028年度における航空取扱量及び財務指標を以下のとおり定めています。
2028年度(目標)
旅客数(万人)1,300
国際線(万人)650
国内線(万人)650
発着回数(万回)11.5
国際貨物取扱量(万トン)16
連結売上高(億円)690
連結当期純利益(億円)15
連結EBITDA(億円)185
連結売上営業利益率(ROS)7.3%
連結総資産利益率(ROA)1.1%
連結債務残高(億円)3,260
連結設備投資額 ※3年間計(億円)640

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