有価証券報告書-第38期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)

【提出】
2022/06/23 15:00
【資料】
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【項目】
152項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、企業理念を以下のとおり定めています。また、企業理念に謳われた使命を果たし、持続的な成長を遂げるために、社員一人ひとりが持つべき考え方、価値観、行動規範をKDDIフィロソフィとして定め、心をひとつにしてこれらを共有し実践していくことに努めております。
■企業理念
KDDIグループは、全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、お客さまの期待を超える感動をお届けすることにより、豊かなコミュニケーション社会の発展に貢献します。
(1)中長期的な会社の経営戦略
新型コロナウイルス感染症の流行により、あらゆる領域で急速なデジタルシフトが進んだことで、通信の果たす役割もますます重要になっています。政府においても、デジタル実装を通じた地域活性化を推進する「デジタル田園都市国家構想」が掲げられ、人々の暮らしやビジネスのデジタル化が加速しています。KDDIは生活者の新たなライフスタイルをサポートし、経済発展と社会課題の解決を両立するレジリエントな未来社会の創造に向けた取り組みを推進します。
このような事業環境の変化に対応しながらありたい未来社会を実現するため、「KDDI VISION 2030:『つなぐチカラ』を進化させ、誰もが思いを実現できる社会をつくる。」を新たに掲げ、長期的な視点で社会課題とKDDIグループの経営の重要度を総合的に網羅した新重要課題(マテリアリティ)を策定いたしました。これらを踏まえ、以下のとおり「中期経営戦略(2022-24年度)」を推進していきます。
<中期経営戦略(2022-24年度)>
■企業理念
KDDIグループは、全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、お客さまの期待を超える感動をお届けすることにより、豊かなコミュニケーション社会の発展に貢献します。
■ブランドメッセージ
Tomorrow, Together KDDI / おもしろいほうの未来へ。au
■目指す姿
①お客さまに一番身近に感じてもらえる会社
②ワクワクを提案し続ける会社
③社会の持続的な成長に貢献する会社
■KDDI VISION 2030
「つなぐチカラ」を進化させ、誰もが思いを実現できる社会をつくる。
■財務目標
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持続的な成長に向け、成長投資・株主還元を引き続き強化します。EPS※については、2018年度対比1.5倍を引き続き目指します。株主還元については、安定的な配当を継続し、配当性向40%超、成長投資の状況などを鑑み、機動的な自己株式取得を実施します。
※ 「Earnings Per Share」の略で、1株当たり当期利益。
(2)対処すべき課題(中期経営戦略 ―サステナビリティ経営―)
「中期経営戦略(2022-24年度)」では、パートナーの皆さまとともに社会の持続的成長と企業価値の向上を目指す-サステナビリティ経営-を根幹としました。5Gの特性を活かすことにより「つなぐチカラ」を進化させ、あらゆるシーンに通信が「溶け込む」ことで、新たな価値が生まれる時代を目指します。5Gによる通信事業の進化と通信を核とした注力領域の拡大、さらにそれを支える経営基盤を強化します。
<事業戦略 ~ サテライトグロース戦略 ~>5Gによる通信事業の進化と、通信を核とした注力領域の事業拡大を図ります。特に以下の5つの注力領域を中心に、KDDIグループの企業価値の最大化を図ります。
(1)DX(デジタルトランスフォーメーション)
・ 通信をIoTという形であらゆるもの(車、工業設備、各種メーターなど)に溶け込ませ、お客さまが意識することなく5Gを活用できる環境を整備します。そのために、さまざまな業界ごとの個別ニーズに応じたビジネスプラットフォームを提供し、お客さまのビジネス創造をサポートします。新たに生まれた付加価値により、人々の暮らしがトランスフォームされていくDXの好循環を目指します。
(2)金融
・ 金融クロスユースの拡大を推進し、通信と金融によるエンゲージメント向上へ寄与します。また、金融各機能のさらなるスケール化を推進し、KDDIグループの金融各社の成長を実現します。
(3)エネルギー
・ 電力小売事業を引き続き強化するとともに、カーボンニュートラル関連事業の新規参入を図り、カーボンニュートラルへ貢献します。
(4)LX(ライフトランスフォーメーション)
・ KDDIのテクノロジー戦略である「ライフトランスフォーメーション テクノロジー(LXテクノロジー)」により、モビリティ・宇宙・メタバースなど、多様化が進む消費・体験行動に革新を起こす新たなビジネスの創出を実現します。
(5)地域共創 -CATV等-
・ 過疎化・高齢化などによる地域社会が抱える課題に向き合い、デジタルデバイド解消・地域共創を実現します。また、全国の地域CATV局や地域を支える企業に対する経営支援により地域共創の取り組みを推進します。
<経営基盤強化>KDDIグループは、社会と企業の持続的な成長に貢献するため、特に以下の3つの経営基盤を強化します。
(1)カーボンニュートラルの実現
・ KDDI単体で2030年度、グループ全体で2050年度のカーボンニュートラル達成を目指し、省エネルギーの取り組みと再生可能エネルギーへの切り替えを組み合わせて、CO2排出量実質ゼロを実現します。
(2)人財ファースト企業への変革
・ 「人財ファースト企業」への変革を、「KDDI版ジョブ型人事制度」・「社内DXの推進」・「KDDI 新働き方宣言の実現」の3つの柱で進めるとともに、「KDDI DX University」の活用による全社員のDXスキル向上とプロフェッショナル人財の育成により、注力領域への要員シフトも実行します。
(3)グループ一体経営の推進とガバナンスの強化
・ KDDIグループの持続的な企業経営に向け、事業活動における人権尊重の徹底、リスクマネジメント体制・情報セキュリティ体制を強化し、サテライトグロース戦略推進に伴うグループ会社の増加と事業の多様化を踏まえたガバナンスを強化します。