有価証券報告書-第35期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/20 15:01
【資料】
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【項目】
108項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
・信頼性の高いネットワーク、付加価値の高い商品・サービスの提供を通じ、世界中の人々に感動、安心、幸せ、感謝の笑顔をお届けできるような企業を目指してまいります。
・全てのステークホルダーの皆さまの満足度を高めるTCS(トータル・カスタマー・サティスファクション)活動を推進してまいります。
・キャッシュ・フローを重視し、株主・投資家の皆さまにとって魅力ある企業となるべく努力してまいります。
・効率的な設備投資と各種経費削減の徹底等により、財務体質の健全化に努めてまいります。
・情報管理・コンプライアンス遵守を徹底し、リスク管理体制の整備強化を推進してまいります。
・地球環境との調和を重視し、人間性あふれる豊かな社会をつくるため、省エネルギー・省資源、リサイクル、グリーン購入等、積極的に環境保全活動に取り組んでまいります。
・安全で快適な情報通信サービスの提供を通じ、あらゆる社会経済活動を支えていくことをサステナビリティ活動の基本とし、豊かなコミュニケーション社会の発展に積極的に貢献してまいります。
(2)中長期的な会社の経営戦略及び目標とする経営指標
世の中を取り巻く環境は大きな変革期にあり、5G(第5世代移動通信システム)/IoT、AI・ビッグデータ
をはじめとした技術の進展により本格的なデジタル化が進み、データにさらなる価値を見出す「データ駆動型社会」へと変容しています。また、政府は、これら先端技術をあらゆる産業や社会生活に取り入れ、経済発展と社会課題の解決を両立していく新たな社会であるSociety 5.0(※1)の実現を目指しています。さらに、通信業界においては、新規通信事業者の参入等、競争が激化するとともに、新たな技術の進展により、通信・インターネットの活用で全ての産業が変革するデジタルトランスフォーメーション(DX)の時代を迎え、事業環境は大きく変化しています。
このような事業環境の変化に迅速に対応しながら持続的な成長を実現し、企業理念に掲げる「豊かなコミュニケーション社会の発展」に貢献するため、以下のとおり中期経営計画(2019-21年度)を策定しています。
※1 日本政府の中長期的な成長戦略の一つで、サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより目指すべき人間中心の社会。
■ブランドメッセージ
Tomorrow, Together KDDI / おもしろいほうの未来へ。au
■目指す姿
①お客さまに一番身近に感じてもらえる会社
②ワクワクを提案し続ける会社
③社会の持続的な成長に貢献する会社
■事業戦略
通信を中心に周辺ビジネスを拡大する「通信とライフデザインの融合」を核として、持続的な成長を実現していきます。
■財務目標
営業利益については、持続的な成長を目指し、EPS(※1)については、2024年度1.5倍(2018年度比)の実現を目指します。
株主還元については、安定的な配当を継続し、連結配当性向は従来の35%超から40%超へ、成長投資とのバランスにより機動的な自己株式取得を実施し、全ての自己株式を消却(※2)します。
※1 「Earnings Per Share」の略で、1株当たり当期利益
※2 役員報酬BIP信託口及び株式付与ESOP信託口が保有する当社株式を除く。
(3)会社の対処すべき課題
当社グループは新たな事業戦略に沿って、持続的な成長に向けた取り組みを以下のとおり進めてまいります。
■5G時代に向けたイノベーションの創出
次世代の社会基盤インフラとなる5Gを積極的に展開し、様々なパートナー企業との共創によるビジネス
開発、スタートアップ企業の斬新なアイデアや先進的なテクノロジーを取り入れたオープンイノベーショ
ンによって、新たな体験価値を創造するとともに、5Gを地方創生事業でも積極的に活用していきます。
■通信とライフデザインの融合
個人のお客さま向け事業(コンシューマビジネス)では、グループ全体でお客さまとのエンゲージ
メントを高め、ライフタイムバリュー(お客さま数(ID)×総合ARPA×継続率)を最大化すると
ともに、当社の事業基盤である通信を中心に新たなライフデザイン領域に積極的に取り組むことで、事業の持続的成長を図っていきます。法人のお客さま向け事業(法人ビジネス)では、お客さまの
DXをサポートし、国内外のお客さま企業の「通信とライフデザインの融合」を実現していくことで、お客さまと共に持続的成長を目指していきます。
■グローバル事業のさらなる拡大
国内コンシューマビジネスで培った知見・ノウハウを海外のコンシューマビジネスに活用し、アジ
ア域での市場拡大を目指していきます。また、法人ビジネスにおいては、IoT世界基盤やデータセン
ター事業を軸に、グローバル・国内一体化でのグローバルICT事業のさらなる拡大を図っていきます。
■ビッグデータの活用
データの活用によって、お客さまを徹底的に理解し、お客さま視点に立った「心地よい提案」を通
じた体験価値の最大化を図っていきます。また、今後5G/IoTによって、モノのデジタル化・ネット
ワーク化が急速に拡大することから、様々な産業におけるビッグデータを用いることでお客さま企
業のDXを推進していきます。
■金融事業の拡大
生活の中心となったスマートフォンを通じ、お客さまの日常生活における決済・金融サービスをよ
り身近に、スマホ・セントリック(中心)な金融体験を提案することで、エンゲージメント強化と
利益成長を目指していきます。
■グループとしての成長
当社のアセットを最大限活用し、グループ会社の成長を支援することで、相互シナジーの最大化と
グループ全体での新たな成長基盤の拡大・強化を目指していきます。
■サステナビリティ
事業や企業活動全体を通じて取り組むSDGs(※1)目標を定め、全社でサステナビリティ活動を推進し
ていきます。通信、グローバル、地方創生、教育、金融などの事業戦略に連動する目標と人財育成、女性活躍推進、人権・D&I(※2)、地球環境などの企業活動に連動する目標の達成を通じて、社会とと
もに持続的な成長とさらなる企業価値の向上を目指していきます。
※1 「Sustainable Development Goals (持続可能な開発目標)」の略で、2015年9月に国連サミットで採択された国際目標。
※2 ダイバーシティ&インクルージョン。