有価証券報告書-第42期(2025/04/01-2026/03/31)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、企業理念「KDDIグループは、全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、お客さまの期待を超える感動をお届けすることにより、豊かなコミュニケーション社会の発展に貢献します。」に謳われた使命を果たすために、社員一人ひとりが持つべき考え方、価値観、行動規範を「KDDIフィロソフィ」として定めております。このフィロソフィをグループ全従業員で共有・実践し、持続的な成長を目指しております。
また、KDDIグループは「サステナビリティ経営」を経営の柱に位置づけ、マテリアリティの解決を通じた事業成長と社会価値創出を両立させ、その好循環により持続的な企業価値向上を目指しています。長期的な視点から、「社会への影響」と「KDDIグループの経営への影響」を総合的に評価し、本年5月に重点的に取り組むべき6つの新重要課題を策定しました。
(1)中長期的な会社の経営戦略
当社は本年5月、中期経営戦略(2026年度-2028年度)「Power-to-Connect 2028」を発表しました。
現代社会において、通信は社会を支える基幹インフラとしての役割を一層高めています。さらに今後はAI技術の進化が、生活や産業をはじめとする社会全般に新たな価値を創出する時代が到来しつつあります。
今後、AIが社会インフラとして広く浸透する「AI前提社会」では、AIを使う時代から当たり前の時代へと移ります。テクノロジーが効率化や高度化をもたらす一方、AI自体が急速に同質化し、代替性が低くAIに壊されにくい価値こそが差別化につながると考えています。
この「AI前提社会」において、当社はお客さま起点での価値づくりを重視し、日々の中で効果を実感いただける具体的な価値として、お客さまの事業成長に貢献する「AI労働力」、暮らしや体験を変革する「AI生活力」を支える新事業を創造し、社会実装を先導するフロントランナーを目指します。
また、新ブランドスローガン「Spark Your Journey」を策定しました。KDDIグループが有する全てのテクノロジーと品質でお客さま一人ひとりの挑戦を支え、その人らしく輝ける未来を後押しする存在となることを目指し、グループ一丸で挑戦し続けます。
(2)中期経営戦略「Power-to-Connect 2028」
当社グループは「中期経営戦略(2026年度-2028年度)」の取り組みを通じ、グループ全体の持続的な成長と企業価値のさらなる向上を実現していきます。
■新たな価値創造手法「Fusion」
AI前提社会の新たな成長構造として、異分野融合による価値創造手法である「Real-Tech Fusion(お客さま体験におけるリアルとテクノロジーの融合)」、「Infrastructure Fusion(通信基盤とAI基盤の融合)」、「HR Fusion(多様なスキル・経験の融合)」の3つの「Fusion」を推進し、持続的成長を目指してまいります。
AIやテクノロジーが進化する中、その社会実装を加速させ、お客さまに新たな価値を実感いただくためには、リアルな接点やアセットとの融合が重要であると考えています。この課題に対し、価値創造の中核として、AIに代替されにくいリアルなアセットの持つ強みとテクノロジーを掛け合わせ、お客さま体験を変革するとともにリアルならではの差異化に注力します。盤石なインフラ(Infrastructure Fusion)と、それを使いこなす人財(HR Fusion)の力を結集し、企業の事業成長に貢献する「AI労働力」と、お客さま一人ひとりの暮らしを変革する「AI生活力」を創出・提供してまいります。
AIが前提となる社会において、低遅延かつ高信頼な通信ネットワークと、膨大なデータを処理する計算基盤(AI基盤)の一体的な提供が不可欠であると認識しています。
この課題に対し、当社は「デジタルベルト構想」を掲げ、通信基盤の進化に加えてAI基盤を組み合わせた次期デジタルインフラの構築を目指します。日本の地理的優位性を活かしながら、陸・海・空を網羅する「全国低遅延網・AI計算資源基盤」の構築を進め、Real-Tech Fusionの土台を支えるとともに強固な競争優位性を確立してまいります。
AI前提社会における新たな成長戦略を推進するためには、多様な専門性やスキル、経験を持つ人財の育成と、その能力を最大限に発揮できる環境の構築が急務であると認識しています。当社は既存のネットワーク技術者やフロント人財が、新技術の専門スキル習得(アドスキル)や「AI武装」を通じ、国内外のグループ各社で実践経験を積むことで、社会実装を担う「両利きの人財」へと進化することを推進します。外部からのハイスキル人財の獲得も進めながら、イノベーションを生み出し続ける企業風土を醸成してまいります。
■セグメント別の重点取組み
Fusionによって創出された価値を、具体的な事業成長へと転換するため、報告セグメントを以下の3領域に定義しました。中核事業である「テレコムコア」が生み出す安定的な利益・投資原資を、高い成長を牽引する「パーソナルグロース」「ビジネスグロース」に再投資することで、グループ全体の成長を加速させます。さらに、グロース領域のサービスがお客さまのエンゲージメントを高め、テレコムコアの解約率を低減させるといった、事業間の好循環を創出していきます。
<テレコムコアセグメント>LTV(ライフタイムバリュー)を重視した構造改革を推進し、モバイル収入と営業利益の安定成長を追求します。さらに、AIの活用により通信品質の更なる高度化と運用の効率化を推進し、筋肉質な利益構造へと変革することで、グループ成長のための投資原資を創出します。
<パーソナルグロースセグメント>AIを活用しお客さまの生活に寄り添う「AI生活力」を提供するために、通信を核とした多様なサービスを融合させ、新たな体験価値を創出します。金融・エネルギーに加え、デバイス、Pontaパス・ローソンの領域で、新たなビジネスモデルの創出に向けた取組を加速させるとともに、日本国内で得た知見や成功モデルの海外展開を図り、さらなる成長を目指します。
<ビジネスグロースセグメント>AIやロボティクスなどを社会実装し、「AI労働力」を提供することで、法人のお客さまの事業変革を強力に支援します。AIインテグレーション、サイバーセキュリティの領域で、AI活用ニーズや制度変更機会などを捉え、成長を加速します。また、コネクティッド、データセンターの領域では、次なるデジタルインフラとして高付加価値化と安定成長の両立を目指し、AI-BPOではAIを駆使しお客さま体験価値向上と企業業務の変革を推進していきます。
■財務目標
さらなる企業価値向上に向け、持続的成長とクオリティ向上に注力し、リターンに基づくキャピタルアロケーションを実行します。「テレコムコアセグメント」の安定成長を維持しつつ、「グロースセグメント」において2桁成長を実現することで、調整後営業利益(注)の年平均成長率(CAGR)5%を目指します。また、資本効率をより意識し、ROE(自己資本利益率)及びROIC(投下資本利益率)スプレッドを重要な経営指標として掲げ、役員報酬と連動させることで、その実行力を高めてまいります。株主還元については、調整後当期利益(注)に対する配当性向40%超、事業成長に沿った安定増配を継続、自己株式取得については、成長投資とのリターンを比較検討しながら機動的に実施する方針としています。
(注)上記の調整後利益は、非経常的かつ大規模なコストやポートフォリオ見直しに伴う一時損益を除外したものです。
■グループガバナンスの強化
当社の連結子会社であるビッグローブ株式会社及び同社の子会社であるジー・プラン株式会社(以下、併せて「本件子会社」といいます。)の広告代理事業に関し、本件子会社の社員により不適切な取引が行われていた疑いが確認されたことに伴い、外部の弁護士・公認会計士で構成される特別調査委員会による調査を実施した結果、実体が存在しない架空循環取引が行われていたことが認められました。当該調査結果を受け、過年度の有価証券報告書等の訂正を行うとともに、2026年6月2日に東京証券取引所へ改善報告書を提出いたしました。
当社グループは、本件を厳粛に受け止め、グループガバナンスの更なる強化による信頼回復と再発防止を重要な経営課題と認識しております。
当該課題への対応に向け、新規事業を含む事業内容への理解の深化およびリスク感度の向上を図るとともに、事業計画、収益構造ならびに資金需要の妥当性を多面的に検証する体制の整備を進めております。
また、グループ会社に対する管理・モニタリング体制の充実、出資先管理部門とコーポレート部門との連携強化ならびにグループ内部監査機能の高度化を進めることで、財務報告の信頼性向上および実効性の高いグループガバナンス体制の構築に努めてまいります。
当社グループは、企業理念「KDDIグループは、全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、お客さまの期待を超える感動をお届けすることにより、豊かなコミュニケーション社会の発展に貢献します。」に謳われた使命を果たすために、社員一人ひとりが持つべき考え方、価値観、行動規範を「KDDIフィロソフィ」として定めております。このフィロソフィをグループ全従業員で共有・実践し、持続的な成長を目指しております。
また、KDDIグループは「サステナビリティ経営」を経営の柱に位置づけ、マテリアリティの解決を通じた事業成長と社会価値創出を両立させ、その好循環により持続的な企業価値向上を目指しています。長期的な視点から、「社会への影響」と「KDDIグループの経営への影響」を総合的に評価し、本年5月に重点的に取り組むべき6つの新重要課題を策定しました。
(1)中長期的な会社の経営戦略
| ■企業理念 KDDIグループは、全従業員の物心両面の幸福を 追求すると同時に、お客さまの期待を超える感 動をお届けすることにより、豊かなコミュニケ ーション社会の発展に貢献します。 ■ブランド Spark Your Journey ■KDDI VISION 2030 「つなぐチカラ」を進化させ、誰もが思いを 実現できる社会をつくる。 ■目指す姿 夢中に挑戦できる会社 挑戦1.未来をつくる仲間とつながる。 挑戦2.つなぐチカラを世界に広める。 挑戦3.お客さまの今とこれからにつながる。 | ![]() |
当社は本年5月、中期経営戦略(2026年度-2028年度)「Power-to-Connect 2028」を発表しました。
現代社会において、通信は社会を支える基幹インフラとしての役割を一層高めています。さらに今後はAI技術の進化が、生活や産業をはじめとする社会全般に新たな価値を創出する時代が到来しつつあります。
今後、AIが社会インフラとして広く浸透する「AI前提社会」では、AIを使う時代から当たり前の時代へと移ります。テクノロジーが効率化や高度化をもたらす一方、AI自体が急速に同質化し、代替性が低くAIに壊されにくい価値こそが差別化につながると考えています。
この「AI前提社会」において、当社はお客さま起点での価値づくりを重視し、日々の中で効果を実感いただける具体的な価値として、お客さまの事業成長に貢献する「AI労働力」、暮らしや体験を変革する「AI生活力」を支える新事業を創造し、社会実装を先導するフロントランナーを目指します。
また、新ブランドスローガン「Spark Your Journey」を策定しました。KDDIグループが有する全てのテクノロジーと品質でお客さま一人ひとりの挑戦を支え、その人らしく輝ける未来を後押しする存在となることを目指し、グループ一丸で挑戦し続けます。
(2)中期経営戦略「Power-to-Connect 2028」
当社グループは「中期経営戦略(2026年度-2028年度)」の取り組みを通じ、グループ全体の持続的な成長と企業価値のさらなる向上を実現していきます。
■新たな価値創造手法「Fusion」
AI前提社会の新たな成長構造として、異分野融合による価値創造手法である「Real-Tech Fusion(お客さま体験におけるリアルとテクノロジーの融合)」、「Infrastructure Fusion(通信基盤とAI基盤の融合)」、「HR Fusion(多様なスキル・経験の融合)」の3つの「Fusion」を推進し、持続的成長を目指してまいります。
この課題に対し、当社は「デジタルベルト構想」を掲げ、通信基盤の進化に加えてAI基盤を組み合わせた次期デジタルインフラの構築を目指します。日本の地理的優位性を活かしながら、陸・海・空を網羅する「全国低遅延網・AI計算資源基盤」の構築を進め、Real-Tech Fusionの土台を支えるとともに強固な競争優位性を確立してまいります。
AI前提社会における新たな成長戦略を推進するためには、多様な専門性やスキル、経験を持つ人財の育成と、その能力を最大限に発揮できる環境の構築が急務であると認識しています。当社は既存のネットワーク技術者やフロント人財が、新技術の専門スキル習得(アドスキル)や「AI武装」を通じ、国内外のグループ各社で実践経験を積むことで、社会実装を担う「両利きの人財」へと進化することを推進します。外部からのハイスキル人財の獲得も進めながら、イノベーションを生み出し続ける企業風土を醸成してまいります。
■セグメント別の重点取組み
Fusionによって創出された価値を、具体的な事業成長へと転換するため、報告セグメントを以下の3領域に定義しました。中核事業である「テレコムコア」が生み出す安定的な利益・投資原資を、高い成長を牽引する「パーソナルグロース」「ビジネスグロース」に再投資することで、グループ全体の成長を加速させます。さらに、グロース領域のサービスがお客さまのエンゲージメントを高め、テレコムコアの解約率を低減させるといった、事業間の好循環を創出していきます。
<テレコムコアセグメント>LTV(ライフタイムバリュー)を重視した構造改革を推進し、モバイル収入と営業利益の安定成長を追求します。さらに、AIの活用により通信品質の更なる高度化と運用の効率化を推進し、筋肉質な利益構造へと変革することで、グループ成長のための投資原資を創出します。
<パーソナルグロースセグメント>AIを活用しお客さまの生活に寄り添う「AI生活力」を提供するために、通信を核とした多様なサービスを融合させ、新たな体験価値を創出します。金融・エネルギーに加え、デバイス、Pontaパス・ローソンの領域で、新たなビジネスモデルの創出に向けた取組を加速させるとともに、日本国内で得た知見や成功モデルの海外展開を図り、さらなる成長を目指します。
<ビジネスグロースセグメント>AIやロボティクスなどを社会実装し、「AI労働力」を提供することで、法人のお客さまの事業変革を強力に支援します。AIインテグレーション、サイバーセキュリティの領域で、AI活用ニーズや制度変更機会などを捉え、成長を加速します。また、コネクティッド、データセンターの領域では、次なるデジタルインフラとして高付加価値化と安定成長の両立を目指し、AI-BPOではAIを駆使しお客さま体験価値向上と企業業務の変革を推進していきます。
■財務目標
さらなる企業価値向上に向け、持続的成長とクオリティ向上に注力し、リターンに基づくキャピタルアロケーションを実行します。「テレコムコアセグメント」の安定成長を維持しつつ、「グロースセグメント」において2桁成長を実現することで、調整後営業利益(注)の年平均成長率(CAGR)5%を目指します。また、資本効率をより意識し、ROE(自己資本利益率)及びROIC(投下資本利益率)スプレッドを重要な経営指標として掲げ、役員報酬と連動させることで、その実行力を高めてまいります。株主還元については、調整後当期利益(注)に対する配当性向40%超、事業成長に沿った安定増配を継続、自己株式取得については、成長投資とのリターンを比較検討しながら機動的に実施する方針としています。
(注)上記の調整後利益は、非経常的かつ大規模なコストやポートフォリオ見直しに伴う一時損益を除外したものです。
■グループガバナンスの強化
当社の連結子会社であるビッグローブ株式会社及び同社の子会社であるジー・プラン株式会社(以下、併せて「本件子会社」といいます。)の広告代理事業に関し、本件子会社の社員により不適切な取引が行われていた疑いが確認されたことに伴い、外部の弁護士・公認会計士で構成される特別調査委員会による調査を実施した結果、実体が存在しない架空循環取引が行われていたことが認められました。当該調査結果を受け、過年度の有価証券報告書等の訂正を行うとともに、2026年6月2日に東京証券取引所へ改善報告書を提出いたしました。
当社グループは、本件を厳粛に受け止め、グループガバナンスの更なる強化による信頼回復と再発防止を重要な経営課題と認識しております。
当該課題への対応に向け、新規事業を含む事業内容への理解の深化およびリスク感度の向上を図るとともに、事業計画、収益構造ならびに資金需要の妥当性を多面的に検証する体制の整備を進めております。
また、グループ会社に対する管理・モニタリング体制の充実、出資先管理部門とコーポレート部門との連携強化ならびにグループ内部監査機能の高度化を進めることで、財務報告の信頼性向上および実効性の高いグループガバナンス体制の構築に努めてまいります。
