有価証券報告書-第34期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/25 15:00
【資料】
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注記事項-重要な会計上の見積り及び判断、連結財務諸表(IFRS)

5.重要な判断および見積り
IFRSに準拠した連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用ならびに資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積りおよび仮定の設定を行っています。
見積りおよび仮定は、過去の経験および利用可能な情報を収集し、決算日において合理的であると考えられる様々な要因を勘案した経営者の最善の判断に基づいています。
しかし、その性質上、将来において、これらの見積りおよび仮定とは異なる結果となる可能性があります。
見積りおよびその基礎となる仮定は継続して見直されます。会計上の見積りの見直しによる影響は、その見積りを見直した連結会計年度と将来の連結会計年度において認識しています。
(1) 重要な判断
当社グループの連結財務諸表で認識した金額に重要な影響を与える判断は、以下の通りです。
a. 連結範囲の決定における投資先を支配しているか否かの判断(「注記3.重要な会計方針 (1) 連結の基礎」)
当社は、投資先における関連性のある活動を一方的に指図する実質的な能力を、当社が有しているかどうかを評価することにより、当該会社を支配する能力を有しているか否か判断しています。当該評価は、持分比率や議決権所有割合、契約上の権利および関連性のある活動を指図する能力を示すその他の要素について、それぞれの規模を考慮して実施しています。当社は、当該評価結果に基づいて、当該会社を連結すべきか、持分法により会計処理すべきか、または投資として会計処理すべきか決定しています。経営者による判断の詳細は、「注記19.主要な子会社」および「注記21.ストラクチャード・エンティティ」をご参照ください。
b. リースを含む契約の会計処理に関する判断(「注記3.重要な会計方針(10)リース」、「注記18.リース」)
2019年3月31日に終了した1年間
契約がリースを含むかの決定
当社グループは、契約がリースであるかまたはリースを含んでいるか判断するために契約内容を評価しています。当社グループは、契約の履行が特定の資産の使用に依存しているかどうか、および契約により当該資産を使用する権利が与えられるかどうかを評価することにより、当該判断を行っています。当社は、主に伝送路、通信設備および通信設備を設置するための土地、建物について、契約がリースであるかまたはリースを含んでいるか判断しています。
リースの分類
当社グループはリースがファイナンス・リースとオペレーティング・リースのいずれに分類されるか決定する判断を行っています。当社グループは以下の状況を評価した上で、リースがファイナンス・リースに該当するか判断しています。
(a) 当該リースが資産の所有に伴うリスクと経済価値のほとんどすべてを移転するものであるか
(b) リース終了時に資産の所有権が借手に移転するか
(c) 借手が資産の公正価値よりも十分に低い価格でリース資産を購入することができるかどうか
(d) リース期間が資産の経済的耐用年数の大部分を占めるかどうか
(e) 資産に関連して当社グループが保有するリスクの程度
リースに関連して上記のうち1つまたは複数の組合せが存在する場合、当社グループはそのリースをファイナンス・リースとして分類し、その他すべてのリースはオペレーティング・リースとして分類しています。
当社グループは上記の判断を貸手、借手の双方の立場で適用しています。詳細は、「注記18.リース」をご参照ください。
2020年3月31日に終了した1年間
契約がリースを含むかの決定
当社グループは、契約の開始時に、契約がリースまたはリースを含んだものであるのかどうかを判定しています。契約が特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する場合には、当該契約はリースであるかまたはリースを含んでいると判断しています。当社グループでは、特定された資産の使用を支配する権利が移転するのかどうかを下記基準に基づき判断しています。
(a) 契約が特定された資産の使用を含んでおり、貸手が実質的に資産を入れ替える権利を有していない。
(b) 借手が使用期間全体を通じて、その資産から生じる経済的便益のほとんど全てを得る権利を有している。
(c) 借手が資産の使用を指図する権利を有している。事前に資産の使用方法および使用目的が決められている場合には、下記基準のいずれかに該当する場合、資産の使用を指図する権利を有していると判断しています。
ⅰ.資産を稼働させる権利を有している
ⅱ.資産の使用方法および使用目的を事前に決定するように資産を設計している
リースの分類
当社グループは貸手のリースがファイナンス・リースとオペレーティング・リースのいずれに分類されるか決定する判断を行っています。当社グループは以下の状況を評価した上で、リースがファイナンス・リースに該当するか判断しています。
(a) 当該リースが資産の所有に伴うリスクと経済価値のほとんどすべてを移転するものであるか
(b) リース終了時に資産の所有権が借手に移転するか
(c) 借手が資産の公正価値よりも十分に低い価格でリース資産を購入することができるかどうか
(d) リース期間が資産の経済的耐用年数の大部分を占めるかどうか
(e) 資産に関連して当社が保有するリスクの程度
リースに関連して上記のうち1つまたは複数の組合せが存在する場合、当社グループはそのリースをファイナンス・リースとして分類し、その他すべてのリースはオペレーティング・リースとして分類しています。
c. 収益認識に関する判断(「注記3.重要な会計方針 (16) 収益」)
本人か代理人かの検討
総額または純額表示
当社グループが、本人として財またはサービスを販売する場合、収益およびサプライヤーへの支払は、売上高および営業費用として総額により表示されます。当社グループが代理人として財またはサービスを販売する場合、収益およびサプライヤーへの支払は、獲得利益として純額により表示されます。当社グループが取引における本人または代理人のいずれとみなされるかについては、当社グループとその取引先との間の契約形式や実質的な取引内容の両側面による判断で決定されます。当該判断の結果、売上高および営業費用の金額に影響が生じますが、資産、負債またはキャッシュ・フローの金額に影響はありません。
間接販売における収益の認識時点
当社グループが間接販売を行う際には、経営者は代理店が代理人として行動しているのか、本人として行動しているのかを判断します。代理店が当社グループにとって本人として行動する場合には、在庫に関する支配が代理店に移転した時点で収益を認識します。代理店が代理人として行動している場合には、在庫に関する支配が代理店の販売先である顧客に移転した時点で収益を認識します。この評価を行う際には、経営者は在庫に関する支配が代理店に対する在庫の受け渡し時に移転するかを考慮します。代理店が本人として行動していると経営者が判断した場合、在庫の受け渡し時点で収益を認識します。一方、代理店が代理人として行動していると判断された場合は、顧客が財やサービスを受領した時点で収益を認識します。この判断の適用に関する詳細については、「注記3.重要な会計方針 (16) 収益 a.収益 (a) 移動通信サービスおよび携帯端末の販売」をご参照ください。
「契約期間」および契約に「重要な権利」が含まれていることの判断
当社グループは、顧客との契約条件に基づいて、契約の当事者が現在の強制可能な権利および義務を有している期間(すなわち、契約期間)についての判断を行っています。
また、当社グループは、顧客との契約条件に基づいて、顧客に契約を更新するオプションを付与しており、かつ、顧客が当該オプションを行使することで将来の通信サービスに対する値引きを享受することができる場合には、当該オプションが顧客へと「重要な権利」を提供することになるかについての判断を行っています。当該オプションが顧客へと「重要な権利」を提供していると判断した場合には、当該オプションを別個の履行義務として識別しています。なお、当社グループは、当該オプションの独立販売価格を見積ることの実務的代替として、提供すると予想される通信サービスおよびそれに対応する予想対価を参照して、取引価格を当該オプションに係る通信サービスに配分しています。
(2) 重要な見積り
翌連結会計年度中に資産および負債の帳簿価額に重要な修正をもたらすリスクのある、将来に関する仮定および見積りの不確実性に関する情報は、以下の通りです。
なお、本連結財務諸表では、作成時点で利用可能な情報・事実に基づき、新型コロナウイルス感染症の感染拡大期間とその影響のリスクや不確実性を考慮の上、合理的な金額の見積りを行っています。
しかしながら、感染拡大の収束が遅れるなど、将来の不確実性が高まるような状況においては、会計上の見積りおよび仮定に影響を及ぼし、資産または負債の帳簿価額に重要な修正をもたらすリスクがあります。
a.企業結合により取得した無形資産およびのれんの公正価値測定ならびに減損にかかる見積り
企業結合により取得した無形資産およびのれんは、支配獲得日における公正価値で認識しています。企業結合時の取得対価の配分に際しては、経営者の判断および見積りが、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。企業結合により識別した無形資産(顧客基盤や商標権など)およびのれんは、見積将来キャッシュ・フローや割引率、既存顧客の逓減率、対象商標権から生み出される将来売上予想やロイヤルティレート等の仮定に基づいて測定しています。
また、無形資産およびのれんの減損を判断する際に、資金生成単位の回収可能価額の見積りが必要となりますが、減損テストで用いる回収可能価額は、資産の耐用年数、資金生成単位により生じることが予想される見積将来キャッシュ・フロー、市場成長率見込、市場占有率見込、成長率見込および割引率等の仮定に基づいて測定しています。
これらの仮定は、経営者の最善の見積りによって決定されますが、将来の不確実な経済条件の変動により影響を受ける可能性があり、仮定の見直しが必要となった場合には連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
企業結合により取得した無形資産およびのれんの公正価値に関連する内容については「注記3.重要な会計方針 (2) 企業結合」、「注記6.企業結合」に記載しています。無形資産およびのれんの減損に関連する内容については「注記3.重要な会計方針 (11) 有形固定資産、使用権資産、無形資産およびのれんの減損」、「注記14.のれんおよび無形資産」に記載しています。
b.有形固定資産および無形資産の残存価額・耐用年数の見積り
有形固定資産および無形資産は、当社グループの総資産に対する重要な構成要素です。見積りおよび仮定は、資産の帳簿価額および減価償却費または償却費に重要な影響を及ぼす可能性があります。詳細は、「注記13.有形固定資産」および「注記14.のれんおよび無形資産」をご参照ください。
資産の減価償却費は、耐用年数の見積りおよび残存価額(有形固定資産の場合)を用いて算出されます。資産の耐用年数および残存価額は、資産を取得または創出した時点で見積りを行い、その後各連結会計年度末に見直しを行います。資産の耐用年数および残存価額の変更は、連結財政状態計算書および連結損益計算書に対して重要な調整を必要とする可能性があります。経営者は、資産を取得または創出した時点ならびに見直し時に、同種資産に対する経験に基づき、予想される技術上の変化、除却時の見積費用、当該資産の利用可能見込期間、既存顧客の逓減率、当該資産から得られると見込まれる生産高またはこれに類似する単位数および資産の耐用年数に制約を与える契約上の取決めなどの関連する要素を勘案して、当該資産の耐用年数および残存価額を決定しています。
有形固定資産および無形資産の残存価額・耐用年数の見積りに関連する内容については「注記3.重要な会計方針 (7) 有形固定資産、(9) 無形資産」に記載しています。
c.金融商品の公正価値の測定方法
当社グループは、特定の金融商品の公正価値を評価する際に、市場で観察可能ではないインプットを利用する評価技法を用いています。観察可能ではないインプットは、将来の不確実な経済条件の変動の結果によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
金融商品の公正価値に関連する内容については、「注記30.金融商品の公正価値 (1) 公正価値ヒエラルキーのレベル別分類、(2) レベル3に分類した金融商品の公正価値測定」に記載しています。
d.契約獲得コストの償却期間の見積り
当社グループは、契約獲得コストについて、契約獲得コストに直接関連する財またはサービスが提供されると予想される期間(すなわち、契約獲得コストの償却期間)にわたって、定額法により償却しています。契約獲得コストの償却期間は、契約条件および過去の実績データなどに基づいた解約率や機種変更までの予想期間などの関連する要素を勘案して決定しています。契約獲得コストの償却期間の変更は、連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
契約獲得コストに関連する内容については、「注記3.重要な会計方針 (16) 収益 b.契約コスト」に記載しています。