有価証券報告書-第37期(2022/04/01-2023/03/31)
(3) 【監査の状況】
a. 監査役監査の状況
(a) 組織・人員
当社の監査役会は、監査役4名であり、うち社外監査役が2名となります。当事業年度の各監査役の状況は以下のとおりです。
(注) 1 独立社外常勤監査役 山田康治氏は、2023年6月20日付で監査役を任期満了により退任しました。
2 独立社外監査役 阿部謙一郎は、2022年6月23日付で監査役を任期満了により退任しました。
3 独立社外監査役 工藤陽子は、2022年6月23日付で監査役に就任しました。
また、監査役室を設置し、専従かつ執行側から一定の独立性が確保された従業員を4名配置し、情報収集や調査など監査役の職務を補助しています。
(b) 監査役会の運営
監査役会は、原則月1回開催しています。当事業年度において、合計16回開催され、1回あたりの平均所要時間は約2時間でした。監査役は、以下の5点を中心とした監査を実施し、取締役の業務執行の善管注意義務および忠実義務等を監督するとともに、経営リスクの予防・軽減に努めます。
(1)企業倫理、法令・定款、社内規程等の遵守状況等のいわゆる適法性等の監査
(2)取締役会で決議された「内部統制システムの整備と運用」に関する監査
(3)取締役会等の経営判断原則に基づく意思決定の監査と取締役会の監督義務の履行状況の監査
(4)適時・適正な情報開示についての監査
(5)グループ経営の監査
なお、具体的には年間を通じて次のような決議、協議・審議および報告がなされました。
[決議事項] 監査方針、監査計画、監査役会の監査報告書、監査役選任議案の同意、会計監査人の再任、
会計監査人の監査報酬に関する同意、監査役監査規程改定など
[協議・審議事項] 監査方針、監査計画案、監査役会の監査報告書案、監査実績報告書、監査役報酬、
代表取締役等との面談時確認事項、会計監査人再任に向けた評価項目、監査役候補者の選任基準等の作成など
[報告事項] 監査役の業務分担、常勤監査役の職務執行状況、内部統制システムに係る整備・運用状況、
経理(会計監査人との連携状況報告を含む)、財務戦略、IR、子会社管理、法務・コン
プライアンス、リスク管理、人事、情報セキュリティ、内部監査、内部統制、渉外、総務(BCP等)
各監査役の監査役会ならびに取締役会への出席状況は以下のとおりです。
(注)1 独立社外監査役 阿部 謙一郎については、2022年6月23日の退任までの状況を記載しています。
2 独立社外監査役 工藤 陽子については、2022年6月23日の就任後の状況を記載しています。
また、監査役会を補完し、各監査役の監査活動その他の情報共有を図るため必要に応じて監査役連絡会を開催しています。当事業年度の主な議論は次のとおりです。
● 監査役会実効性評価(トライアル)評価結果の共有、課題の議論
取締役会実効性評価の有効性を鑑み、監査役会においても監査役会実効性評価のトライアルを実施いたしました。本実効性評価は、監査品質の向上を目的に監査役4名全員が当事業年度の監査活動を振り返り、評価・分析を行うものです。当事業年度の結果としては基本的な監査役活動は有効に機能しており、出された課題等については翌期の監査計画に反映するとともに一部継続的に議論していくこととしました。
(c) 監査役会および監査役の活動状況
監査役会は、(1)取締役、(2)業務執行、(3)子会社、(4)内部監査、(5)会計監査の5つの領域についてのリスクや課題を検討し、年間の活動計画を定めました。各領域に対する監査活動の概要は下表のとおりです。これらの監査活動を通じて認識した事項について取締役や執行部門に申し入れや提言を行いました。
常勤監査役は、社内監査役と社外監査役とが協働して経営会議等の重要会議に出席するほか、取締役等からの報告聴取、重要書類閲覧、実地調査等に加え、各部署や子会社等を通した情報収集を行い有機的な監査に努めています。
非常勤監査役は、常勤監査役から監査結果の報告を受け、その監査の適正性や妥当性等について意見交換をするとともに必要に応じ、常勤監査役と共に監査を行うなど、監査の実効性の向上に努めています。
社外取締役と監査役(会)は、取締役会において必要に応じ積極的に議論および意見交換を行うことで連携を図っています。また、社外取締役が適切な判断ができるよう取締役会以外でも定期的な情報交換の場を設け、ガバナンス状況やリスクへの対応について意見交換等を行っています。
全監査役の業務をサポートする組織として監査役室を設置しており、専任のスタッフ(4名)が監査役の指示の下で情報収集や調査などを行っています。
表:監査活動の概要(★は監査役が主催する会議)
(注) 1 IESBA:国際会計士倫理基準審議会(The International Ethics Standards Board for Accountants)
2 KAM:監査上の主要な検討事項(Key Audit Matters)
なお、当事業年度の監査上の主要な検討事項(KAM:Key Audit Matters)については、経営者の重要な判断を含む見積りの要素が多く且つ金額的重要性が高い事項およびITシステムに多大に依拠している会計処理を中心に会計監査人の監査計画説明や四半期レビュー報告などで複数回協議を行うことを通じて、その検討プロセスについて質疑を行い認識の相違がない旨の確認を行いました。
b. 内部監査の状況
(a) 内部監査の活動概要
当社内部監査室は、代表取締役 社長執行役員直下の独立した組織として設置され、「経営に資する監査」の理念のもと、「経営目標達成と価値向上」の目標を掲げ、リスクベースの年度監査計画を策定し、当社の業務全般を対象に内部監査を実施しているほか、関係会社(主に連結子会社対象)に対して全社的な内部統制監査を実施しています。
年度監査計画は、毎年取締役会の決議事項として上程しており、当事業年度は2022年4月22日に決議しています。その策定プロセスは、代表取締役3名とマネジメント層(取締役/社外取締役/統括/執行役員/本部長等)47名が認識している全社リスクの視点を取り入れるだけでなく、監査役、会計監査人(有限責任監査法人トーマツ)の意見等も考慮しつつ進めています。
また、半期経過時点(上期末)で、再びマネジメントインタビューを実施し、年度監査計画の見直し(ロールオーバー)を図ることで、当社を取り巻く経営・事業環境、リスクの変化に即した内部監査の充実に努めております。
なお、当社ERM(全社的リスク管理)は、内部監査室が構築に深く関与し(2017年5月~)、その後、専任部署(リスク管理室)の立ち上げとともに移管(2019年7月)しています。
当事業年度は、販売戦略・法令遵守等の観点から、合計22件の内部監査を実施しており、事業/領域別の主な監査テーマは次のとおりです。
(b) 組織の体制、独立性、監査品質
ⅰ 人員・専門性
内部監査室は、内部監査の実施に特化(内部統制報告制度の評価およびコンプライアンス調査等はそれぞれ内部統制部門、コンプライアンス部門が実施)しており、室員は総勢26名(2023年3月末現在)で、全員が内部監査業務に専従しています。うち公認内部監査人(CIA)、公認情報システム監査人(CISA)、内部監査士(QIA)、公認不正検査士(CFE)など内部監査に直接関係する有資格者は延べ20名を超えています。その他、経営修士、経営管理修士、中小企業診断士、情報処理安全確保支援士など、リスクベースの内部監査を実践するに相応な資格を有する人材も在籍しています。
ⅱ 組織の独立性、監査品質
また、内部監査の実施に際しては、取締役会で承認された「内部監査規程」に基づき、The Institute of Internal Auditors が定める 「専門職的実施の国際フレームワーク(以下、IPPF)」に準拠しています。
内部監査の独立性確保については、毎年、組織内でIPPFの基準適合状況を判断するために内部品質評価を実施する際の項目に含まれており、その評価結果は取締役会で報告しています。加えて、IPPFの基準に則り、5年に一度、外部品質評価を受検(2013年/2018年)しており、結果はいずれも、「一般的に適合している(Generally Conforms)」の評価を受けております。なお、次回は2023年に外部品質評価を受検予定です。
(c) 監査役、会計監査人、内部監査部門の連携状況
<監査役と会計監査人との連携状況>監査役は、会計監査人(有限責任監査法人トーマツ)から監査方針・監査計画について説明を受け意見交換を行います。期中・期末の監査(四半期レビューを含む)につき、監査重点項目、監査方法および結果について報告を受けています。また、常勤監査役は毎月、情報・意見交換を行う他、会計監査人の往査に同行し監査に立ち会う等、会計監査人との連携保持を図っています。
<監査役と内部監査部門の連携状況>監査役は、当社内部監査室、内部統制部門と定期的に情報交換の場を持ち、必要に応じ調査依頼をする等有機的連携を図っています。
特に、内部監査室とは、常勤監査役が出席する定例会を開催するなど、毎月、内部監査計画の進捗確認、意見交換などを行っています。加えて、内部監査室長は監査役会に半期に一度、内部監査計画・実績等を報告するとともに、代表取締役宛の監査結果報告については都度、資料の共有を行っています。
<会計監査人と内部監査部門の連携状況>会計監査人は、内部監査室から監査計画について説明を受けているほか、必要に応じて内部監査の結果等についても説明を受けています。内部監査室は、会計監査人から監査結果等について定期的に説明を受けています。このほかにも両者は必要に応じて情報・意見交換を行う等して、連携を図っています。
(d) 内部監査の実効性を確保するための取組
ⅰ 内部監査のデュアル・レポーティングライン
内部監査では、業務の遵法性および内部統制の有効性等を評価し、内部監査の結果および過去に実施した監査指摘事項のフォローアップ状況については、以下のとおり、当社の代表取締役 社長執行役員のみならず、取締役会ならびに監査役および監査役会に対しても報告しています。
<各監査共通(定常)>[監査終了後]:会長、代表取締役社長・副社長、専務取締役(CFO)、監査役、監査対象部署および関連部署の
部門責任者に対して「内部監査報告書」を配信しています。
[月次定例会議]:CFO定例会議および常勤監査役定例会議にて監査結果を説明し、相互連携を図っています。
[四半期毎]:社外取締役に対して監査結果を臨場報告しています。
[半期毎]:上期/下期の監査結果および過去監査フォローアップ状況等を取締役会、監査役会にて臨場報告して
います。
<監査にて重大な指摘事項が発見された場合>・上記に加え、取締役会等にて監査結果を臨場報告しています。
●内部監査のデュアル・レポーティングラインの全体像
ⅱ 内部監査室と事業管理部門との関係
内部監査室は、IIA(内部監査人協会)が2020年に発表した新3線モデル(The IIA’s Three Lines Model)に則り、内部監査等で発見および知得した事象は対象部門(主に第1線)に対する監査結果報告のみならず、各々の事業管理部門(第2線)にも課題共有し改善策を協議する等、企業価値の保全及び向上に努めています。
ⅲ グループ会社の内部監査部門との連携
内部監査室では、内部監査部門設置の当社グループ会社(連結子会社)12社に対して、継続的なモニタリング活動を実施しています。具体的には、当社およびグループ会社に重大な影響を与えるリスクを早期に検知できるように、同部門策定の内部監査計画書や監査報告書を確認しています。また、定期的に、グループ会社の内部監査人連絡会や勉強会の開催、個別対話などを通じて、緊密な連携を図っています。
c. 会計監査の状況
(a) 監査法人の名称
有限責任監査法人トーマツ
(b) 継続監査期間
22年間
(c) 業務を執行した公認会計士
指定有限責任社員 業務執行社員:丸山友康、下平貴史、増田裕介
(d) 監査業務に係る補助者の構成
公認会計士27名、その他64名
(e) 提出会社が監査公認会計士等を選定した理由(候補とした理由と選解任の方針)
監査役会が有限責任監査法人トーマツを会計監査人として選定した理由は、監査役監査規程において、会計監査人候補者を適切に評価するための基準を定めており、取締役および社内関係部署から必要な資料を入手し、かつ報告を受け、会計監査を適正に行うために必要な品質管理、監査体制、独立性および専門性等を総合的に勘案し、検討した結果、適任と判断したためです。
また、監査役会は、会計監査人の解任または不再任の決定方針として、会計監査人が会社法第340条第1項各号に定める項目のいずれかに該当すると認められる場合は、監査役全員の合意に基づき、会計監査人の解任または不再任を株主総会に提案する旨決議します。
なお、監査公認会計士等は、会社法施行規則第126条第5号・第6号の事由(会計監査人が現に処分を受け、または2年以内に処分を受けた者である場合における当該処分の内容)に該当する事項はございません。
(f) 提出会社の監査役会等による監査公認会計士等の評価
監査役会は、監査役監査規程において、監査公認会計士等たる会計監査人候補者を適切に選定し、会計監査人を適切に評価するための基準を定めています。当該基準に基づいて、監査法人の品質管理、監査チーム、監査報酬等、監査役等とのコミュニケーション、経営者等との関係、グループ監査および不正リスクの各項目ならびに会計監査人に求められる独立性と専門性を有しているか否か等について評価した結果、当期も再任が適当であると判断しています。
d. 監査報酬の内容等
(a) 監査公認会計士等に対する報酬
前連結会計年度
当社における非監査業務の内容は、社債発行時のコンフォートレター作成等の委託となります。また、連結子会社における非監査業務の内容は、出資者の連結財務諸表の監査のために実施される手続等になります。
当連結会計年度
当社における非監査業務の内容は、社債発行時のコンフォートレター作成等の委託となります。また、連結子会社における非監査業務の内容は、事業戦略策定支援業務等となります。
(b) 監査公認会計士等と同一のネットワーク(Deloitte Touche Tohmatsu Limited)に属する組織に対する報酬
((a)を除く)
前連結会計年度
当社における非監査業務の内容は、新卒研修・市場調査等となります。また、連結子会社における非監査業務の内容は、システム関連支援業務等となります。
当連結会計年度
当社における非監査業務の内容は、新卒研修・市場調査等となります。また、連結子会社における非監査業務の内容は、認証資格取得支援業務等となります。
(c) その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
前連結会計年度
当社の連結子会社であるアスクル㈱は有限責任あずさ監査法人に対して監査証明業務に基づく報酬を支払っています。
当連結会計年度
当社の連結子会社である㈱イーエムネットジャパンはPwCあらた有限責任監査法人に対して監査証明業務に基づく報酬を支払っています。
(d) 監査報酬の決定方針
監査公認会計士等から年度監査計画の提示を受け、その内容について監査公認会計士等と協議の上、有効性および効率性の観点を総合的に判断し決定しています。
なお、監査公認会計士等の独立性を担保する観点から、監査報酬の額の決定に際しては監査役会の同意を得ています。
(e) 監査役会が会計監査人の報酬等に同意した理由
監査役会は、日本監査役協会が公表する「会計監査人との連携に関する実務指針」を踏まえ、会計監査人の監査計画の内容、会計監査の職務遂行状況、および報酬見積りの算出根拠などを確認し、検討した結果、会計監査人の報酬等につき会社法第399条第1項の同意を行っています。
a. 監査役監査の状況
(a) 組織・人員
当社の監査役会は、監査役4名であり、うち社外監査役が2名となります。当事業年度の各監査役の状況は以下のとおりです。
役職 | 氏名 | 経歴 |
常勤監査役 | 島上 英治 | 当社執行役員 兼 CCO人事総務統括総務本部 本部長を務め、コーポレート・ガバナンス、リスク管理、コンプライアンス分野に関する豊富な知識や経験を有しているほか、グループ企業の代表取締役社長などを務め、企業経営に関する豊富な知識や経験も有しています。 |
独立社外 常勤監査役 | 山田 康治 (注)1 | 金融機関におけるコンプライアンス・リスク管理に関する豊富な知識と経験があり、財務および会計に関する相当程度の知見を有しており、より独立した立場からの監査を確保するため、社外監査役として選任しています。 |
監査役 | 君和田 和子 | 公認会計士として豊富な知識と経験を有しているほか、ソフトバンクグループ㈱の常務執行役員 経理統括を務めるなど、その知識と経験に基づく専門的な見地から監査を行っています。 |
独立社外 監査役 | 阿部 謙一郎 (注)2 | 公認会計士として財務および会計に関する豊富な知識と経験を有しており、その知識と経験に基づく専門的な見地から監査するとともに、より独立した立場からの監査を確保するため、社外監査役として選任しています。 |
独立社外 監査役 | 工藤 陽子 (注)3 | カリフォルニア州公認会計士として財務および会計に関する豊富な知識と経験を有しており、その知識と経験に基づく専門的な見地から監査するとともに、より独立した立場からの監査を確保するため、社外監査役として選任しています。 |
(注) 1 独立社外常勤監査役 山田康治氏は、2023年6月20日付で監査役を任期満了により退任しました。
2 独立社外監査役 阿部謙一郎は、2022年6月23日付で監査役を任期満了により退任しました。
3 独立社外監査役 工藤陽子は、2022年6月23日付で監査役に就任しました。
また、監査役室を設置し、専従かつ執行側から一定の独立性が確保された従業員を4名配置し、情報収集や調査など監査役の職務を補助しています。
(b) 監査役会の運営
監査役会は、原則月1回開催しています。当事業年度において、合計16回開催され、1回あたりの平均所要時間は約2時間でした。監査役は、以下の5点を中心とした監査を実施し、取締役の業務執行の善管注意義務および忠実義務等を監督するとともに、経営リスクの予防・軽減に努めます。
(1)企業倫理、法令・定款、社内規程等の遵守状況等のいわゆる適法性等の監査
(2)取締役会で決議された「内部統制システムの整備と運用」に関する監査
(3)取締役会等の経営判断原則に基づく意思決定の監査と取締役会の監督義務の履行状況の監査
(4)適時・適正な情報開示についての監査
(5)グループ経営の監査
なお、具体的には年間を通じて次のような決議、協議・審議および報告がなされました。
[決議事項] 監査方針、監査計画、監査役会の監査報告書、監査役選任議案の同意、会計監査人の再任、
会計監査人の監査報酬に関する同意、監査役監査規程改定など
[協議・審議事項] 監査方針、監査計画案、監査役会の監査報告書案、監査実績報告書、監査役報酬、
代表取締役等との面談時確認事項、会計監査人再任に向けた評価項目、監査役候補者の選任基準等の作成など
[報告事項] 監査役の業務分担、常勤監査役の職務執行状況、内部統制システムに係る整備・運用状況、
経理(会計監査人との連携状況報告を含む)、財務戦略、IR、子会社管理、法務・コン
プライアンス、リスク管理、人事、情報セキュリティ、内部監査、内部統制、渉外、総務(BCP等)
各監査役の監査役会ならびに取締役会への出席状況は以下のとおりです。
役職名 | 氏名 | 当事業年度の 監査役会出席率 | 当該事業年度の 取締役会出席率 |
常勤監査役 | 島上 英治 | 100% (16/16回) | 100% (13/13回) |
独立社外常勤監査役 | 山田 康治 | 100% (16/16回) | 100% (13/13回) |
監査役 | 君和田 和子 | 100% (16/16回) | 92.3% (12/13回) |
独立社外監査役 | 阿部 謙一郎 (注)1 | 100% (4/4回) | 100% (2/2回) |
独立社外監査役 | 工藤 陽子 (注)2 | 100% (12/12回) | 100% (11/11回) |
(注)1 独立社外監査役 阿部 謙一郎については、2022年6月23日の退任までの状況を記載しています。
2 独立社外監査役 工藤 陽子については、2022年6月23日の就任後の状況を記載しています。
また、監査役会を補完し、各監査役の監査活動その他の情報共有を図るため必要に応じて監査役連絡会を開催しています。当事業年度の主な議論は次のとおりです。
● 監査役会実効性評価(トライアル)評価結果の共有、課題の議論
取締役会実効性評価の有効性を鑑み、監査役会においても監査役会実効性評価のトライアルを実施いたしました。本実効性評価は、監査品質の向上を目的に監査役4名全員が当事業年度の監査活動を振り返り、評価・分析を行うものです。当事業年度の結果としては基本的な監査役活動は有効に機能しており、出された課題等については翌期の監査計画に反映するとともに一部継続的に議論していくこととしました。
(c) 監査役会および監査役の活動状況
監査役会は、(1)取締役、(2)業務執行、(3)子会社、(4)内部監査、(5)会計監査の5つの領域についてのリスクや課題を検討し、年間の活動計画を定めました。各領域に対する監査活動の概要は下表のとおりです。これらの監査活動を通じて認識した事項について取締役や執行部門に申し入れや提言を行いました。
常勤監査役は、社内監査役と社外監査役とが協働して経営会議等の重要会議に出席するほか、取締役等からの報告聴取、重要書類閲覧、実地調査等に加え、各部署や子会社等を通した情報収集を行い有機的な監査に努めています。
非常勤監査役は、常勤監査役から監査結果の報告を受け、その監査の適正性や妥当性等について意見交換をするとともに必要に応じ、常勤監査役と共に監査を行うなど、監査の実効性の向上に努めています。
社外取締役と監査役(会)は、取締役会において必要に応じ積極的に議論および意見交換を行うことで連携を図っています。また、社外取締役が適切な判断ができるよう取締役会以外でも定期的な情報交換の場を設け、ガバナンス状況やリスクへの対応について意見交換等を行っています。
全監査役の業務をサポートする組織として監査役室を設置しており、専任のスタッフ(4名)が監査役の指示の下で情報収集や調査などを行っています。
表:監査活動の概要(★は監査役が主催する会議)
対象 | 会議体等 | 頻度・主な監査活動 | 常勤 | 非常勤 | |
(1)取締役会 | 取締役会 | 取締役会事前説明会および取締役会への出席(月次)、監査方針・監査計画の報告 | ● | ● | |
個別面談★ | ・代表取締役および社外取締役との 情報交換(半期毎) | ● | ● | ||
・取締役との情報交換(半期毎) | ● | ||||
(2)業務執行 | 監査役会 (当社執行部門との 各種連携)★ | ・執行側からの内部統制に関する 報告聴取(毎月) | ● | ● | |
会議・委員会等 | ・経営会議・統括単位の重要会議への出席(毎週) ・特別委員会・リスク管理委員会・SDGs推進委員会(現ESG 推進委員会)・人権委員会・懲罰審査委員会・ 安全衛生委員会 (開催都度) ・グループCEOシナジー会議への陪席(月次) | ● | |||
個別面談★ | 専務執行役員(半期毎)、常務執行役員(年1回) その他役職者(CCO、CISO等)(年1回) | ● | |||
重要書類閲覧 | 重要会議議事録、決裁書類、契約書、その他会社財産に重要な影響をおよぼす業務報告書等 | ● | |||
(3)子会社 | 監査役会 (当社執行部門との 各種連携) ★ | 子会社管理統括部門(経営状況、リスクの確認/四半期毎)、子会社の内部統制管理部門(人事、法務、コンプライアンス、リスク管理、内部監査、内部統制、情報セキュリティ/半期毎) | ● | ● | |
グループ監査役との 各種連携 ★ | ・グループ監査役連絡会(半期毎) ・子会社監査役向け監査役研修 ・子会社監査役への情報提供 (メールマガジン、ポータルサイトの企画運営) | ● | ● | ||
個別面談★ | 子会社代表取締役または監査役との面談(年1回) | ● | ● | ||
(4)内部監査 | 監査役会★ | 監査計画、監査実績、重大な監査結果等の詳細報告 (半期毎) | ● | ● | |
常勤監査役との 定例会議 ★ | 監査計画、テーマ監査等の監査進捗状況および結果報告等 (月次) | ● | |||
(5)会計監査 | 監査役会★ | 財務経理 部門 | ・月次決算報告(毎月) ・決算短信・四半期決算報告(四半) ・投資戦略・資金調達(四半期) ・子会社業績管理(四半期) ・税務報告(年1回) ・会計監査人評価・報酬(適宜) | ● | ● |
会計監査人との連携 (注)1 (注)2 | ・会計監査人からの四半期 レビュー報告*、監査結果報告* *内部監査室長も参加し、適宜意見交換を 行っています。 ・監査計画および監査報酬説明 ・IESBA独立性確認(発生都度) ・その他開示事項(KAM、内部統制 結果報告、有価証券報告書等)説明等 ・法令等の施行・改訂事項等に関する 情報・意見交換 ・会計監査人の評価実施 | ● | ● | ||
常勤監査役との 定例会議等 | ・監査品質、重点監査項目の進捗・結果 ・監査役活動状況の共有、重点監査項目等について(月次) | ● | |||
実査立会い | 固定資産(基地局)、棚卸資産(移動機等) | ● |
(注) 1 IESBA:国際会計士倫理基準審議会(The International Ethics Standards Board for Accountants)
2 KAM:監査上の主要な検討事項(Key Audit Matters)
なお、当事業年度の監査上の主要な検討事項(KAM:Key Audit Matters)については、経営者の重要な判断を含む見積りの要素が多く且つ金額的重要性が高い事項およびITシステムに多大に依拠している会計処理を中心に会計監査人の監査計画説明や四半期レビュー報告などで複数回協議を行うことを通じて、その検討プロセスについて質疑を行い認識の相違がない旨の確認を行いました。
b. 内部監査の状況
(a) 内部監査の活動概要
当社内部監査室は、代表取締役 社長執行役員直下の独立した組織として設置され、「経営に資する監査」の理念のもと、「経営目標達成と価値向上」の目標を掲げ、リスクベースの年度監査計画を策定し、当社の業務全般を対象に内部監査を実施しているほか、関係会社(主に連結子会社対象)に対して全社的な内部統制監査を実施しています。
年度監査計画は、毎年取締役会の決議事項として上程しており、当事業年度は2022年4月22日に決議しています。その策定プロセスは、代表取締役3名とマネジメント層(取締役/社外取締役/統括/執行役員/本部長等)47名が認識している全社リスクの視点を取り入れるだけでなく、監査役、会計監査人(有限責任監査法人トーマツ)の意見等も考慮しつつ進めています。
また、半期経過時点(上期末)で、再びマネジメントインタビューを実施し、年度監査計画の見直し(ロールオーバー)を図ることで、当社を取り巻く経営・事業環境、リスクの変化に即した内部監査の充実に努めております。
なお、当社ERM(全社的リスク管理)は、内部監査室が構築に深く関与し(2017年5月~)、その後、専任部署(リスク管理室)の立ち上げとともに移管(2019年7月)しています。
当事業年度は、販売戦略・法令遵守等の観点から、合計22件の内部監査を実施しており、事業/領域別の主な監査テーマは次のとおりです。
事業/領域 | 着眼点 | 監査テーマ |
コンシューマ事業 | 販売戦略 | キャンペーン構築プロセスの整備・運用状況 |
法人事業 | 法令遵守 | モバイル契約における本人確認(携帯電話不正利用防止法) |
テクノロジーユニット | 業務の有効性 | ソフトウエア/機器更新における作業管理 |
(b) 組織の体制、独立性、監査品質
ⅰ 人員・専門性
内部監査室は、内部監査の実施に特化(内部統制報告制度の評価およびコンプライアンス調査等はそれぞれ内部統制部門、コンプライアンス部門が実施)しており、室員は総勢26名(2023年3月末現在)で、全員が内部監査業務に専従しています。うち公認内部監査人(CIA)、公認情報システム監査人(CISA)、内部監査士(QIA)、公認不正検査士(CFE)など内部監査に直接関係する有資格者は延べ20名を超えています。その他、経営修士、経営管理修士、中小企業診断士、情報処理安全確保支援士など、リスクベースの内部監査を実践するに相応な資格を有する人材も在籍しています。
ⅱ 組織の独立性、監査品質
また、内部監査の実施に際しては、取締役会で承認された「内部監査規程」に基づき、The Institute of Internal Auditors が定める 「専門職的実施の国際フレームワーク(以下、IPPF)」に準拠しています。
内部監査の独立性確保については、毎年、組織内でIPPFの基準適合状況を判断するために内部品質評価を実施する際の項目に含まれており、その評価結果は取締役会で報告しています。加えて、IPPFの基準に則り、5年に一度、外部品質評価を受検(2013年/2018年)しており、結果はいずれも、「一般的に適合している(Generally Conforms)」の評価を受けております。なお、次回は2023年に外部品質評価を受検予定です。
(c) 監査役、会計監査人、内部監査部門の連携状況
<監査役と会計監査人との連携状況>監査役は、会計監査人(有限責任監査法人トーマツ)から監査方針・監査計画について説明を受け意見交換を行います。期中・期末の監査(四半期レビューを含む)につき、監査重点項目、監査方法および結果について報告を受けています。また、常勤監査役は毎月、情報・意見交換を行う他、会計監査人の往査に同行し監査に立ち会う等、会計監査人との連携保持を図っています。
<監査役と内部監査部門の連携状況>監査役は、当社内部監査室、内部統制部門と定期的に情報交換の場を持ち、必要に応じ調査依頼をする等有機的連携を図っています。
特に、内部監査室とは、常勤監査役が出席する定例会を開催するなど、毎月、内部監査計画の進捗確認、意見交換などを行っています。加えて、内部監査室長は監査役会に半期に一度、内部監査計画・実績等を報告するとともに、代表取締役宛の監査結果報告については都度、資料の共有を行っています。
<会計監査人と内部監査部門の連携状況>会計監査人は、内部監査室から監査計画について説明を受けているほか、必要に応じて内部監査の結果等についても説明を受けています。内部監査室は、会計監査人から監査結果等について定期的に説明を受けています。このほかにも両者は必要に応じて情報・意見交換を行う等して、連携を図っています。
(d) 内部監査の実効性を確保するための取組
ⅰ 内部監査のデュアル・レポーティングライン
内部監査では、業務の遵法性および内部統制の有効性等を評価し、内部監査の結果および過去に実施した監査指摘事項のフォローアップ状況については、以下のとおり、当社の代表取締役 社長執行役員のみならず、取締役会ならびに監査役および監査役会に対しても報告しています。
<各監査共通(定常)>[監査終了後]:会長、代表取締役社長・副社長、専務取締役(CFO)、監査役、監査対象部署および関連部署の
部門責任者に対して「内部監査報告書」を配信しています。
[月次定例会議]:CFO定例会議および常勤監査役定例会議にて監査結果を説明し、相互連携を図っています。
[四半期毎]:社外取締役に対して監査結果を臨場報告しています。
[半期毎]:上期/下期の監査結果および過去監査フォローアップ状況等を取締役会、監査役会にて臨場報告して
います。
<監査にて重大な指摘事項が発見された場合>・上記に加え、取締役会等にて監査結果を臨場報告しています。
●内部監査のデュアル・レポーティングラインの全体像
ⅱ 内部監査室と事業管理部門との関係
内部監査室は、IIA(内部監査人協会)が2020年に発表した新3線モデル(The IIA’s Three Lines Model)に則り、内部監査等で発見および知得した事象は対象部門(主に第1線)に対する監査結果報告のみならず、各々の事業管理部門(第2線)にも課題共有し改善策を協議する等、企業価値の保全及び向上に努めています。
ⅲ グループ会社の内部監査部門との連携
内部監査室では、内部監査部門設置の当社グループ会社(連結子会社)12社に対して、継続的なモニタリング活動を実施しています。具体的には、当社およびグループ会社に重大な影響を与えるリスクを早期に検知できるように、同部門策定の内部監査計画書や監査報告書を確認しています。また、定期的に、グループ会社の内部監査人連絡会や勉強会の開催、個別対話などを通じて、緊密な連携を図っています。
c. 会計監査の状況
(a) 監査法人の名称
有限責任監査法人トーマツ
(b) 継続監査期間
22年間
(c) 業務を執行した公認会計士
指定有限責任社員 業務執行社員:丸山友康、下平貴史、増田裕介
(d) 監査業務に係る補助者の構成
公認会計士27名、その他64名
(e) 提出会社が監査公認会計士等を選定した理由(候補とした理由と選解任の方針)
監査役会が有限責任監査法人トーマツを会計監査人として選定した理由は、監査役監査規程において、会計監査人候補者を適切に評価するための基準を定めており、取締役および社内関係部署から必要な資料を入手し、かつ報告を受け、会計監査を適正に行うために必要な品質管理、監査体制、独立性および専門性等を総合的に勘案し、検討した結果、適任と判断したためです。
また、監査役会は、会計監査人の解任または不再任の決定方針として、会計監査人が会社法第340条第1項各号に定める項目のいずれかに該当すると認められる場合は、監査役全員の合意に基づき、会計監査人の解任または不再任を株主総会に提案する旨決議します。
なお、監査公認会計士等は、会社法施行規則第126条第5号・第6号の事由(会計監査人が現に処分を受け、または2年以内に処分を受けた者である場合における当該処分の内容)に該当する事項はございません。
(f) 提出会社の監査役会等による監査公認会計士等の評価
監査役会は、監査役監査規程において、監査公認会計士等たる会計監査人候補者を適切に選定し、会計監査人を適切に評価するための基準を定めています。当該基準に基づいて、監査法人の品質管理、監査チーム、監査報酬等、監査役等とのコミュニケーション、経営者等との関係、グループ監査および不正リスクの各項目ならびに会計監査人に求められる独立性と専門性を有しているか否か等について評価した結果、当期も再任が適当であると判断しています。
d. 監査報酬の内容等
(a) 監査公認会計士等に対する報酬
区分 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
監査証明業務に 基づく報酬(百万円) | 非監査業務に 基づく報酬(百万円) | 監査証明業務に 基づく報酬(百万円) | 非監査業務に 基づく報酬(百万円) | |
提出会社 | 561 | 36 | 598 | 30 |
連結子会社 | 1,493 | 346 | 2,809 | 85 |
計 | 2,053 | 382 | 3,407 | 115 |
前連結会計年度
当社における非監査業務の内容は、社債発行時のコンフォートレター作成等の委託となります。また、連結子会社における非監査業務の内容は、出資者の連結財務諸表の監査のために実施される手続等になります。
当連結会計年度
当社における非監査業務の内容は、社債発行時のコンフォートレター作成等の委託となります。また、連結子会社における非監査業務の内容は、事業戦略策定支援業務等となります。
(b) 監査公認会計士等と同一のネットワーク(Deloitte Touche Tohmatsu Limited)に属する組織に対する報酬
((a)を除く)
区分 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
監査証明業務に 基づく報酬(百万円) | 非監査業務に 基づく報酬(百万円) | 監査証明業務に 基づく報酬(百万円) | 非監査業務に 基づく報酬(百万円) | |
提出会社 | - | 47 | - | 4 |
連結子会社 | 103 | 571 | 130 | 299 |
計 | 103 | 618 | 130 | 303 |
前連結会計年度
当社における非監査業務の内容は、新卒研修・市場調査等となります。また、連結子会社における非監査業務の内容は、システム関連支援業務等となります。
当連結会計年度
当社における非監査業務の内容は、新卒研修・市場調査等となります。また、連結子会社における非監査業務の内容は、認証資格取得支援業務等となります。
(c) その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
前連結会計年度
当社の連結子会社であるアスクル㈱は有限責任あずさ監査法人に対して監査証明業務に基づく報酬を支払っています。
当連結会計年度
当社の連結子会社である㈱イーエムネットジャパンはPwCあらた有限責任監査法人に対して監査証明業務に基づく報酬を支払っています。
(d) 監査報酬の決定方針
監査公認会計士等から年度監査計画の提示を受け、その内容について監査公認会計士等と協議の上、有効性および効率性の観点を総合的に判断し決定しています。
なお、監査公認会計士等の独立性を担保する観点から、監査報酬の額の決定に際しては監査役会の同意を得ています。
(e) 監査役会が会計監査人の報酬等に同意した理由
監査役会は、日本監査役協会が公表する「会計監査人との連携に関する実務指針」を踏まえ、会計監査人の監査計画の内容、会計監査の職務遂行状況、および報酬見積りの算出根拠などを確認し、検討した結果、会計監査人の報酬等につき会社法第399条第1項の同意を行っています。