有価証券報告書-第34期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経営理念
当社グループは、「情報革命で人々を幸せに」という経営理念のもと、情報革命を通じた人類と社会への貢献を推進してきました。情報・テクノロジー領域において様々な事業に取り組み、「世界の人々から最も必要とされる企業グループ」を目指し、企業価値の最大化に取り組んでいます。
(2) 重要課題(マテリアリティ)
当社グループは、上記の経営理念に基づき、「すべてのモノ・情報・心がつながる世の中」の実現を通じて、持続可能な社会の維持に貢献し、中長期的な企業価値向上を達成すべく、当社グループが優先的に取り組むべき課題として、下記6つの重要課題(マテリアリティ)を2020年4月に特定しました。
a. デジタルトランスフォーメーション(注)による社会・産業の構築
5GやAIなどの最先端テクノロジーを活用し、新しい産業を創出するとともに、世の中の様々なビジネスを変革していくためのソリューションを提供します。
(注)デジタルトランスフォーメーションとは、企業が、データとデジタル技術を活用して、組織、プロセス、業務等を変革していくことです。
b. 人・情報をつなぎ新しい感動を創出
スマートデバイスの普及を促進し、これを通じて新しい体験の提供を行い、お客さまの豊かなライフスタイルを実現します。同時に、人・情報をつなぐ魅力的なプラットフォームをパートナー企業に提供し、お客さまと企業の双方に価値を生み出します。
c. オープンイノベーションによる新規ビジネスの創出
グローバルのトップランナー企業とのつながりを生かし、最先端のテクノロジーや革新的なビジネスモデルを日本に展開します。同時に、新たなビジネスの拡大や普及を支えていく高度な人材の育成と組織の構築を推進します。
d. テクノロジーのチカラで地球環境へ貢献
持続可能な地球環境を次の世代につなぐため、最先端テクノロジーを活用し、気候変動への対応と、循環型社会の推進および自然エネルギー普及に貢献します。
e. 質の高い社会ネットワークの構築
通信ネットワークはライフラインであるとの考えに基づき、どんな時でも安定的につながるネットワークの維持に全力を尽くすとともに、お客さまの大切なデータを保護します。
f. レジリエント(強靭)な経営基盤の発展
コーポレート・ガバナンスの高度化を図り、ステークホルダーの皆さまとの継続的な対話を通じて、社会に信用される誠実な企業統治を行います。また、最先端テクノロジーを活用して、多様な人材が活躍できる先進的な職場環境を整備し、イノベーションの創発と従業員の幸福度向上を図ります。
当社グループは今後も、「情報革命で人々を幸せに」の経営理念に基づき、事業活動と企業活動の両面で社会課題の解決に継続的に取り組むことで、国連の定める「SDGs(持続可能な開発目標)」の達成に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
(3) 経営方針
a. 経営環境
世の中を取り巻く環境は、デジタル技術の進展により大きな変革期を迎えています。超高速・大容量・低遅延・多接続といった特長を持つ次世代通信規格5Gの商用化や、AIやIoT、ビッグデータの活用が急速に浸透し、人々の生活やビジネスのあらゆる場面がデジタル化されることで、産業そのものの構造が変わるデジタルトランスフォーメーションが起こっています。
日本の通信市場では、政府による競争促進政策の強化、MVNOによる格安スマートフォンサービスの普及、異業種からの新規参入など、事業環境の変化が続いています。またインターネット市場では、アメリカを中心とした海外企業の優勢が続いており、特にeコマースや金融・決済の分野で競争が激化しています。
また、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により経済環境の悪化が発生する一方で、在宅勤務の拡大など、デジタル化が一気に加速しています。これによる当社グループの通信事業への影響は比較的軽微であると考えています。累計契約数は引き続き安定的な推移を見込んでいることや、自宅での通信サービスの利用増加などを背景に通信料収入は底堅く推移すると見込んでいます。ヤフー事業に関しては、特定業種からの広告出稿の減少によりメディア領域の先行きが不透明な一方で、eコマースを中心としたオンラインサービスの利用が増加すると見込んでおり、不要不急の費用は当面抑制すること等により通期での営業利益増加を目指します。
b. 事業戦略
当社グループは、変化の激しい情報通信業界において継続的な企業価値の向上を図るべく、成長戦略「Beyond Carrier」を推進しています。従来の通信キャリアという枠組みを超え、通信事業に加えて、ヤフーおよび新領域の3つの領域を伸ばしていくことで収益基盤を強化し、持続的な成長を目指します。
(a) 通信事業のさらなる成長
当社グループのビジネスの基盤となる通信事業では、新たな通信インフラである5Gの展開やスマートフォン・ブロードバンドの契約数拡大を図ることで、さらなる成長を目指します。
ⅰ.スマートフォン契約数の拡大
当社グループは特長の異なる3つのモバイルブランドを展開することで、大容量ユーザーから節約志向まで、幅広いユーザーのニーズに応えることにより、全ブランドで着実に契約数を伸ばしています。今後は「Yahoo!」の各種サービスやモバイル決済サービス「PayPay」との連携強化や、5Gを活用したVR・クラウドゲーミングなどのコンテンツの展開によって、新たな魅力を提供し、契約数を伸ばしていきます。
ⅱ.ブロードバンド契約数の拡大
当社グループは「SoftBank 光」を中心とする家庭向け高速インターネットサービスについても、販売の拡大に注力します。
ⅲ.5Gの展開
当社グループは、第5世代移動通信システム5Gの商用サービスを2020年3月に開始しました。今後、4Gで培った強みを最大限活用し、他社とも連携しながら、展開エリアの拡大を図ります。2021年3月に全国47都道府県への展開、2022年3月には人口カバー率90%超を目指します。
ⅳ.法人向けソリューションビジネスの拡大
当社グループは、今後大きな需要拡大が見込まれる企業の業務デジタル化や自動化に適した通信ソリューションの販売に注力します。さらに、IoTやAI、クラウド、ロボットなどの最先端技術を用いた高付加価値なソリューションを提案することで、企業のデジタルトランスフォーメーションを加速させ、社会に新しい価値を生み出していきます。
(b) ヤフー事業の成長
当社グループは、ヤフー㈱を傘下に持つ国内最大級のインターネット企業・Zホールディングス㈱を2019年6月に子会社化し、収益構造の改善やシナジーの最大化を図っています。
ⅰ.コマース・メディア領域の拡大
コマース領域では、2019年11月に買収したファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営する㈱ZOZOとの連携や「PayPay」ブランドを冠した新コマースサービスの積極展開により、eコマース取扱高の拡大を図っています。メディア領域では、マルチビッグデータを活用した新たな広告プロダクトの開発に加え、当社の法人事業との連携強化により新規顧客の獲得を図るなど、今後の収益拡大に取り組みます。
ⅱ.LINE㈱との経営統合
Zホールディングス㈱およびLINE㈱の対等な精神に基づく経営統合を実現すべく、2019年12月に当社およびLINEの親会社であるNAVER Corporationを含む4社間で最終の経営統合契約書を締結しました。統合完了後は、AI、通信、広告、決済、コミュニケーションなど、様々な分野での協業を想定しており、当社は、本経営統合を当社グループの企業価値向上に資する重要な取引と位置付けています。
(c) 新規事業の創出・拡大
当社グループは、AI、IoT、FinTech、セキュリティ、モビリティなどの領域で、最先端のテクノロジーやビジネスモデルを活用した新規事業の拡大を積極的に推進しています。新規事業の創出にあたっては、親会社のソフトバンクグループ㈱が既に投資を行っている世界的に有力なAI企業群と連携することで、単独でビジネスを立ち上げるのに比べて、初期投資を最小限に抑えた効率的な事業運営が可能です。さらに当社グループの強みである、通信事業やヤフー事業での顧客基盤、5Gやソフトウエアの技術、法人事業の営業力を組み合わせることで、新規事業の垂直立ち上げを実現します。その事例として、当社がZホールディングス㈱およびPaytm社と連携して2018年に開始したモバイル決済サービス「PayPay」は、2020年3月末において登録者数が2,700万人を突破し、金融領域にサービスの幅を広げるなど、急速に成長しています。
c. 財務戦略
当社グループは、成長投資と株主還元の原資となるフリー・キャッシュ・フローを重要な経営指標と考えています。ZホールディングスグループおよびIFRS第16号適用による影響を除いた調整後フリー・キャッシュ・フロー(注1)は、2019年3月31日に終了した1年間に5,120億円、2020年3月31日に終了した1年間に5,242億円と当期純利益を上回る水準を維持しています。当社は、成長投資の継続と高い株主還元の両立を図るため、今後も年間5,000億円以上(注2)の安定的なフリー・キャッシュ・フローの創出を目指します。
(注1) 調整後フリー・キャッシュ・フローの算定方法は、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (4) <財務指標に関する説明>IFRSに基づかない指標」をご参照ください。
(注2) 2021年3月31日に終了する1年間については、当社によるLINE㈱公開買付けのための支出による影響を除きます。
(1) 経営理念
当社グループは、「情報革命で人々を幸せに」という経営理念のもと、情報革命を通じた人類と社会への貢献を推進してきました。情報・テクノロジー領域において様々な事業に取り組み、「世界の人々から最も必要とされる企業グループ」を目指し、企業価値の最大化に取り組んでいます。
(2) 重要課題(マテリアリティ)
当社グループは、上記の経営理念に基づき、「すべてのモノ・情報・心がつながる世の中」の実現を通じて、持続可能な社会の維持に貢献し、中長期的な企業価値向上を達成すべく、当社グループが優先的に取り組むべき課題として、下記6つの重要課題(マテリアリティ)を2020年4月に特定しました。
a. デジタルトランスフォーメーション(注)による社会・産業の構築
5GやAIなどの最先端テクノロジーを活用し、新しい産業を創出するとともに、世の中の様々なビジネスを変革していくためのソリューションを提供します。
(注)デジタルトランスフォーメーションとは、企業が、データとデジタル技術を活用して、組織、プロセス、業務等を変革していくことです。
b. 人・情報をつなぎ新しい感動を創出
スマートデバイスの普及を促進し、これを通じて新しい体験の提供を行い、お客さまの豊かなライフスタイルを実現します。同時に、人・情報をつなぐ魅力的なプラットフォームをパートナー企業に提供し、お客さまと企業の双方に価値を生み出します。
c. オープンイノベーションによる新規ビジネスの創出
グローバルのトップランナー企業とのつながりを生かし、最先端のテクノロジーや革新的なビジネスモデルを日本に展開します。同時に、新たなビジネスの拡大や普及を支えていく高度な人材の育成と組織の構築を推進します。
d. テクノロジーのチカラで地球環境へ貢献
持続可能な地球環境を次の世代につなぐため、最先端テクノロジーを活用し、気候変動への対応と、循環型社会の推進および自然エネルギー普及に貢献します。
e. 質の高い社会ネットワークの構築
通信ネットワークはライフラインであるとの考えに基づき、どんな時でも安定的につながるネットワークの維持に全力を尽くすとともに、お客さまの大切なデータを保護します。
f. レジリエント(強靭)な経営基盤の発展
コーポレート・ガバナンスの高度化を図り、ステークホルダーの皆さまとの継続的な対話を通じて、社会に信用される誠実な企業統治を行います。また、最先端テクノロジーを活用して、多様な人材が活躍できる先進的な職場環境を整備し、イノベーションの創発と従業員の幸福度向上を図ります。
当社グループは今後も、「情報革命で人々を幸せに」の経営理念に基づき、事業活動と企業活動の両面で社会課題の解決に継続的に取り組むことで、国連の定める「SDGs(持続可能な開発目標)」の達成に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
(3) 経営方針
a. 経営環境
世の中を取り巻く環境は、デジタル技術の進展により大きな変革期を迎えています。超高速・大容量・低遅延・多接続といった特長を持つ次世代通信規格5Gの商用化や、AIやIoT、ビッグデータの活用が急速に浸透し、人々の生活やビジネスのあらゆる場面がデジタル化されることで、産業そのものの構造が変わるデジタルトランスフォーメーションが起こっています。
日本の通信市場では、政府による競争促進政策の強化、MVNOによる格安スマートフォンサービスの普及、異業種からの新規参入など、事業環境の変化が続いています。またインターネット市場では、アメリカを中心とした海外企業の優勢が続いており、特にeコマースや金融・決済の分野で競争が激化しています。
また、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により経済環境の悪化が発生する一方で、在宅勤務の拡大など、デジタル化が一気に加速しています。これによる当社グループの通信事業への影響は比較的軽微であると考えています。累計契約数は引き続き安定的な推移を見込んでいることや、自宅での通信サービスの利用増加などを背景に通信料収入は底堅く推移すると見込んでいます。ヤフー事業に関しては、特定業種からの広告出稿の減少によりメディア領域の先行きが不透明な一方で、eコマースを中心としたオンラインサービスの利用が増加すると見込んでおり、不要不急の費用は当面抑制すること等により通期での営業利益増加を目指します。
b. 事業戦略
当社グループは、変化の激しい情報通信業界において継続的な企業価値の向上を図るべく、成長戦略「Beyond Carrier」を推進しています。従来の通信キャリアという枠組みを超え、通信事業に加えて、ヤフーおよび新領域の3つの領域を伸ばしていくことで収益基盤を強化し、持続的な成長を目指します。
(a) 通信事業のさらなる成長
当社グループのビジネスの基盤となる通信事業では、新たな通信インフラである5Gの展開やスマートフォン・ブロードバンドの契約数拡大を図ることで、さらなる成長を目指します。
ⅰ.スマートフォン契約数の拡大
当社グループは特長の異なる3つのモバイルブランドを展開することで、大容量ユーザーから節約志向まで、幅広いユーザーのニーズに応えることにより、全ブランドで着実に契約数を伸ばしています。今後は「Yahoo!」の各種サービスやモバイル決済サービス「PayPay」との連携強化や、5Gを活用したVR・クラウドゲーミングなどのコンテンツの展開によって、新たな魅力を提供し、契約数を伸ばしていきます。
ⅱ.ブロードバンド契約数の拡大
当社グループは「SoftBank 光」を中心とする家庭向け高速インターネットサービスについても、販売の拡大に注力します。
ⅲ.5Gの展開
当社グループは、第5世代移動通信システム5Gの商用サービスを2020年3月に開始しました。今後、4Gで培った強みを最大限活用し、他社とも連携しながら、展開エリアの拡大を図ります。2021年3月に全国47都道府県への展開、2022年3月には人口カバー率90%超を目指します。
ⅳ.法人向けソリューションビジネスの拡大
当社グループは、今後大きな需要拡大が見込まれる企業の業務デジタル化や自動化に適した通信ソリューションの販売に注力します。さらに、IoTやAI、クラウド、ロボットなどの最先端技術を用いた高付加価値なソリューションを提案することで、企業のデジタルトランスフォーメーションを加速させ、社会に新しい価値を生み出していきます。
(b) ヤフー事業の成長
当社グループは、ヤフー㈱を傘下に持つ国内最大級のインターネット企業・Zホールディングス㈱を2019年6月に子会社化し、収益構造の改善やシナジーの最大化を図っています。
ⅰ.コマース・メディア領域の拡大
コマース領域では、2019年11月に買収したファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営する㈱ZOZOとの連携や「PayPay」ブランドを冠した新コマースサービスの積極展開により、eコマース取扱高の拡大を図っています。メディア領域では、マルチビッグデータを活用した新たな広告プロダクトの開発に加え、当社の法人事業との連携強化により新規顧客の獲得を図るなど、今後の収益拡大に取り組みます。
ⅱ.LINE㈱との経営統合
Zホールディングス㈱およびLINE㈱の対等な精神に基づく経営統合を実現すべく、2019年12月に当社およびLINEの親会社であるNAVER Corporationを含む4社間で最終の経営統合契約書を締結しました。統合完了後は、AI、通信、広告、決済、コミュニケーションなど、様々な分野での協業を想定しており、当社は、本経営統合を当社グループの企業価値向上に資する重要な取引と位置付けています。
(c) 新規事業の創出・拡大
当社グループは、AI、IoT、FinTech、セキュリティ、モビリティなどの領域で、最先端のテクノロジーやビジネスモデルを活用した新規事業の拡大を積極的に推進しています。新規事業の創出にあたっては、親会社のソフトバンクグループ㈱が既に投資を行っている世界的に有力なAI企業群と連携することで、単独でビジネスを立ち上げるのに比べて、初期投資を最小限に抑えた効率的な事業運営が可能です。さらに当社グループの強みである、通信事業やヤフー事業での顧客基盤、5Gやソフトウエアの技術、法人事業の営業力を組み合わせることで、新規事業の垂直立ち上げを実現します。その事例として、当社がZホールディングス㈱およびPaytm社と連携して2018年に開始したモバイル決済サービス「PayPay」は、2020年3月末において登録者数が2,700万人を突破し、金融領域にサービスの幅を広げるなど、急速に成長しています。
c. 財務戦略
当社グループは、成長投資と株主還元の原資となるフリー・キャッシュ・フローを重要な経営指標と考えています。ZホールディングスグループおよびIFRS第16号適用による影響を除いた調整後フリー・キャッシュ・フロー(注1)は、2019年3月31日に終了した1年間に5,120億円、2020年3月31日に終了した1年間に5,242億円と当期純利益を上回る水準を維持しています。当社は、成長投資の継続と高い株主還元の両立を図るため、今後も年間5,000億円以上(注2)の安定的なフリー・キャッシュ・フローの創出を目指します。
(注1) 調整後フリー・キャッシュ・フローの算定方法は、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (4) <財務指標に関する説明>IFRSに基づかない指標」をご参照ください。
(注2) 2021年3月31日に終了する1年間については、当社によるLINE㈱公開買付けのための支出による影響を除きます。