訂正有価証券届出書(新規公開時)
有報資料
文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経営方針
当社グループは、「情報革命で人々を幸せに」という経営理念の下、企業価値の最大化を図るとともに、世界の人々が最も必要とするテクノロジーやサービスを提供する企業グループを目指し、情報・テクノロジー領域において、さまざまな事業に取り組んでいます。
(2) 経営環境および対処すべき課題
当社グループは、日本国内の移動通信市場において約4,265万件(注1)の移動通信契約を獲得し、主要なMNOとしてのポジションを確立しています。
しかしながら、日本の通信市場においては、スマートフォンなどスマートデバイスの普及が進む中、MNOのサブブランドに加えて、MVNOによる低価格サービスの提供が進んでおり、市場環境の変化と同時に、通信事業者間での競争が激化しています。
この経営環境を背景に、いかにして、着実な利益成長と安定的なキャッシュ・フローの創出を継続していくかが重要な課題であると認識しています。この課題に対処するため、当社グループでは中長期の持続的な成長に向けて、「Beyond Carrier」戦略を策定しました。この戦略は、当社グループが通信領域にて培った高度な営業・マーケティングノウハウを生かし、顧客基盤を拡大しつつ、サービス・コンテンツを差別化するとともに、ソフトバンクグループとして得られる世界中の最先端テクノロジーの知見を最大限に発揮して、新たな領域へ事業を拡大し、収益基盤を強化、確立していくものです。
a. 顧客基盤の拡大および差別化されたサービスの提供等
<顧客基盤拡大>当社グループは積極的に通信領域の顧客基盤の拡大に努めます。
当社グループは日本で最初に「iPhone」を導入するなど、スマートフォンおよび関連するサービスの普及に係るリーディングカンパニーとして市場をけん引してきました。この結果、スマートフォンは今や生活に不可欠なツールとなり、その普及率も依然として上昇傾向にあります。このスマートフォンの普及については、今後も継続して取り組んでいきます。
また、当社グループは、移動通信サービスにおいては、「SoftBank」、「Y!mobile」および「LINEモバイル」の3ブランドを提供しています。このマルチブランド戦略により、種々多様なニーズへの的確な対応が可能です。
これは既存のお客さまとの結びつきを強固なものとしながら、新たなお客さま獲得を考える上でも強みを発揮するものです。
この戦略に沿った施策として「SoftBank」ブランドと「Y!mobile」ブランドの両ブランドを取り扱うデュアルブランドショップの展開を実施しており、その店舗数は全国で1,000店舗を超えて拡大しています。
また、ブロードバンドサービスにおいて展開する「SoftBank 光」を中心とする家庭向けインターネットサービスと、移動通信サービスとのセット契約割引「おうち割 光セット」や、通信回線と「ソフトバンクでんき」のセット契約割引「おうち割 でんきセット」の提供により、お客さまと当社グループの接点を、個人のみならず家庭へと拡大し、収益機会の創出へとつなげています。
これに加え、通信サービスを営むことにより得られるビッグデータの分析を行い、「b.新規事業の創出」で目指す、新たなビジネスソリューションの開発・提案に活かしていきます。
<差別化されたサービスの提供等>当社グループは、ソフトバンクグループ㈱の子会社であるヤフー㈱との連携を深めることで、同業他社に対する差別化と、新たな収益源の確保による当社グループおよびソフトバンクグループの利益の最大化を図っています。
具体的には、2017年より「SoftBank」および「Y!mobile」のスマートフォンユーザーは、追加料金を支払うことなくヤフー㈱が提供する「Yahoo!プレミアム」をご利用いただけるようになりました。これは当社グループにとって重要な顧客基盤であるスマートフォンユーザーと、同様にヤフー㈱にとって重要なプレミアムユーザーを重ねることで、両社サービスの利用最大化を促し、特にユーザーの囲い込み効果をもたらすものです。
これに加え、「SoftBank」スマートフォンユーザーは、「Yahoo!ショッピング」等で商品を購入した際に、追加で特典を受けられます。また、長期契約継続のお客さまに対する特典として、通信料割引等を実施しています。
さらに、事業パートナーとの提携によるお客さま還元プログラムとして、指定の曜日に特定の商品のクーポンを無料で提供する「SUPER FRIDAY」や「CYBER SUNDAY」を実施しています。
今後もコンテンツやシェアリングビジネス等の分野をはじめ、ヤフー㈱との協業の範囲を拡大していく予定です。
なお、当社グループは、2006年にソフトバンクグループの傘下に入って以降、着実に顧客基盤を拡大してきましたが、近時もスマートフォンやブロードバンドの累計契約数は順調に増加しています。
<5G(第5世代移動通信システム)への取り組み>当社グループは、2019年の5Gサービス提供に向け、その要素技術である「Massive MIMO」(注2)を世界で初めて商用化しました。さらに実証実験などを通じた研究開発にも取り組んでいます。
2018年3月には、先頭車両にのみドライバーが乗車し、後続車両を5G通信で接続した3台のトラックの高速道路での隊列走行実証実験を成功させ、超低遅延での情報伝達が可能な5G通信技術を活用したトラックの自動運転の実現への一歩を踏み出しました。
全国約23万サイト(注3)の高密度な基地局網を活かし、5G導入に向けた取り組みを進めていきます。
<構造改革(コスト削減の取り組み)>当社グループは、収益成長とともに、コスト削減にも継続して取り組んでいきます。
「業務工数/コストを半分に、生産性/創造性は2倍に」を目指す「Half&Twice」施策と、AIやRPA(注4)を活用して業務時間の短縮を目指す「Smart&Fun」施策を実施し、効率性の追求やコスト削減を図っています。現在、当社グループ内では2,000(注5)を超えるAI・RPAプロジェクトを実践しています。
b. 新規事業の創出
当社グループは、新規事業の育成・拡大を目指しています。
当社グループが構築してきた事業資産を最大限に活用しながら、新たな成長エンジンを見出すべく、ソフトバンクグループの持つ世界中の優れたテクノロジー企業群とのつながりを活用した投資を行うことにより、FinTech、セキュリティ、クラウド、AI、IoT等の領域において革新的なサービスを展開していきます。
具体的には、当社グループは優れたテクノロジーやビジネスモデルを持つ企業に投資をする「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」の投資先や、その他ソフトバンクグループのビジネスパートナーが日本市場において事業展開する際のインキュベーターとしての役割を果たします。約4,265万件(注1)の移動通信契約数や大企業の約94%(注6)を取引先に持つ強固な顧客基盤、約16,000人の営業人員および約5,000人のエンジニア(注1)に支えられた営業力や技術力、約6,000店(注7)の店舗網、通信ネットワーク・ITシステム・課金システム等のプラットフォーム等の事業資産をフルに活用し、ジョイント・ベンチャー(以下「JV」)の設立等を通じて日本における事業を展開します。
例えば、世界23カ国77都市(注5)でコワーキングスペース提供を行うWeWork Companies Inc.の日本展開を共同で行うために、WeWork Japan合同会社を設立しました。WeWork Companies Inc.は「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」の出資先であり、WeWork Japan合同会社を通して、クリエイター、起業家、中小企業や大手多国籍企業などあらゆる規模の企業へワークスペース、コミュニティ、サービスを提供する革新的なプラットフォームの日本への導入に取り組んでいます。WeWork Japan合同会社は、設立から1年間で、六本木、丸の内、新橋、銀座、日比谷、神宮前の6カ所にオフィスを開設し、メンバー同士の繋がりを伴うコミュニティビルダーや各種交流イベントの開催等により、人と人とのつながりを作り、お互いのアイデアを共有しながら新たなアイデアの創造を促すコミュニティの創出を推進しています。当社は、WeWork Japan合同会社の営業活動をサポートしていますが、このような活動を通じて、当社にとっても新たな顧客との接点が生まれるというシナジー効果が生じています。
また、2018年6月には、ソフトバンクグループ㈱傘下の出資先の一つで、アジア地域を中心に交通プラットフォームを手掛ける滴滴出行(Didi Chuxing Technology Co., Ltd.、以下「DiDi」)と、次世代のタクシー配車サービスの提供会社として、DiDiモビリティジャパン㈱を設立しました。DiDiの革新的なAIとデータ分析技術を活用して、全国のタクシー事業者が利用できるオープンプラットフォームの提供を2018年9月に大阪にて開始しました。この取り組みは日本のタクシーサービスの新たな需要を喚起するだけでなく、主として中国などで合計5.5億人(注8)が登録するDiDiの乗車用アプリケーションをそのまま利用できるため、訪日観光客による需要も期待できると考えています。今後、全国の主要都市へ拡大していきます。
さらに、 2018年6月には、当社とヤフー㈱とのJVであるPayPay㈱を設立し、2018年10月にスマートフォン決済サービス「PayPay」の提供を開始します。「PayPay」は、「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」の投資先でインドの決済サービス事業者であるPaytmのテクノロジーを活用し、QRコードやバーコードを用いた新たなスマートフォン決済サービスです。Paytmは、3.5億人の利用者および950万の加盟店(注9)を有するインドのスマートフォン決済サービスにおけるリーディング企業です。当社グループや口座数4,000万件超の「Yahoo!ウォレット」の顧客基盤を活用した利用者の拡大、当社グループの営業ノウハウを生かした加盟店の獲得、Paytmの技術を活用した利便性の高いサービスの開発を進め、「いつでも・どこでも」簡単に支払いが可能となるキャッシュレス社会の実現を目指しています。
また、当社とトヨタ自動車㈱は、新しいモビリティサービスの構築に向けて戦略的提携に合意し、新会社MONET Technologies㈱を設立し、2018年度内をめどに共同で事業を開始します。同社は、当社が開発したスマートフォンやセンサーデバイスなどからのデータを収集・分析して新しい価値を生み出す「IoTプラットフォーム」と、トヨタ自動車㈱が構築したコネクテッドカーの情報基盤である「モビリティサービスプラットフォーム」とを連携し、車や人の移動などに関するさまざまなデータを活用することにより、移動における社会課題の解決や新たな価値創造を可能にする未来のMaaS事業(注10)を開始します。まずは、利用者の需要に合わせてジャスト・イン・タイムに配車が行える地域連携型オンデマンド交通や企業向けシャトルサービスなどを、全国の自治体や企業向けに展開していく予定です。
また、ソフトバンクグループ㈱の関連会社のアリババグループに属するAlibaba.com (Europe) Limitedとの合弁企業であるSBクラウド㈱は、中国のイーコマースのリーディングカンパニーであるアリババグループを支えるクラウドコンピューティング技術を日本に展開しています。このほか、クラウド事業では、㈱IDCフロンティアを当社の傘下に加え、統合されたクラウド基盤サービスを提供していきます。
「Beyond Carrier」戦略を推進するとともに、通信業の安定的なキャッシュ・フローを背景とした高水準の株主還元を継続しつつ、規律ある成長投資を両立し、継続的な株主価値の最大化を目指します。
(注1) 2018年3月末時点の数字です。
(注2) Massive MIMO:複数のアンテナを使用することにより、大容量かつ高速のデータ通信を実現する技術で
す。
(注3) 2018年8月末時点の数字です。
(注4) RPA(Robotic Process Automation):ソフトウエアロボットによる業務自動化の取り組みです。
(注5) 2018年6月時点の数字です。
(注6) 2018年3月期時点の売上高1,000億円以上の上場企業948社のうち、当社と取引を有する企業890社の割合
です。
(注7) 2018年9月末時点の直営店、代理店、量販店、併売店を含む店舗数です。
(注8) 2018年7月時点の数字です。
(注9) 2018年8月時点の数字です。
(注10) MaaS:車や人の移動に関するデータを活用することで需要と供給を最適化し、移動に関する社会課題の
解決を目指すサービスを指します。
(1) 経営方針
当社グループは、「情報革命で人々を幸せに」という経営理念の下、企業価値の最大化を図るとともに、世界の人々が最も必要とするテクノロジーやサービスを提供する企業グループを目指し、情報・テクノロジー領域において、さまざまな事業に取り組んでいます。
(2) 経営環境および対処すべき課題
当社グループは、日本国内の移動通信市場において約4,265万件(注1)の移動通信契約を獲得し、主要なMNOとしてのポジションを確立しています。
しかしながら、日本の通信市場においては、スマートフォンなどスマートデバイスの普及が進む中、MNOのサブブランドに加えて、MVNOによる低価格サービスの提供が進んでおり、市場環境の変化と同時に、通信事業者間での競争が激化しています。
この経営環境を背景に、いかにして、着実な利益成長と安定的なキャッシュ・フローの創出を継続していくかが重要な課題であると認識しています。この課題に対処するため、当社グループでは中長期の持続的な成長に向けて、「Beyond Carrier」戦略を策定しました。この戦略は、当社グループが通信領域にて培った高度な営業・マーケティングノウハウを生かし、顧客基盤を拡大しつつ、サービス・コンテンツを差別化するとともに、ソフトバンクグループとして得られる世界中の最先端テクノロジーの知見を最大限に発揮して、新たな領域へ事業を拡大し、収益基盤を強化、確立していくものです。
a. 顧客基盤の拡大および差別化されたサービスの提供等
<顧客基盤拡大>当社グループは積極的に通信領域の顧客基盤の拡大に努めます。
当社グループは日本で最初に「iPhone」を導入するなど、スマートフォンおよび関連するサービスの普及に係るリーディングカンパニーとして市場をけん引してきました。この結果、スマートフォンは今や生活に不可欠なツールとなり、その普及率も依然として上昇傾向にあります。このスマートフォンの普及については、今後も継続して取り組んでいきます。
また、当社グループは、移動通信サービスにおいては、「SoftBank」、「Y!mobile」および「LINEモバイル」の3ブランドを提供しています。このマルチブランド戦略により、種々多様なニーズへの的確な対応が可能です。
これは既存のお客さまとの結びつきを強固なものとしながら、新たなお客さま獲得を考える上でも強みを発揮するものです。
この戦略に沿った施策として「SoftBank」ブランドと「Y!mobile」ブランドの両ブランドを取り扱うデュアルブランドショップの展開を実施しており、その店舗数は全国で1,000店舗を超えて拡大しています。
| -「SoftBank」ブランド : | 最新のスマートフォンや携帯端末、大容量データプランを求めるスマートフォンヘビーユーザー向け高付加価値ブランド |
| -「Y!mobile」ブランド : | 格安スマートフォン市場の拡大に対応し、ライトユーザーや月々の通信料を抑えることを重視するお客さま向けのスマートフォン、Pocket Wi-Fi等を提供するブランド |
| -「LINEモバイル」ブランド: | メッセンジャーアプリ「LINE」等の主要SNSの使い放題プランを特徴とした、若年層向けMVNOブランド。オンライン中心の取り扱い |
また、ブロードバンドサービスにおいて展開する「SoftBank 光」を中心とする家庭向けインターネットサービスと、移動通信サービスとのセット契約割引「おうち割 光セット」や、通信回線と「ソフトバンクでんき」のセット契約割引「おうち割 でんきセット」の提供により、お客さまと当社グループの接点を、個人のみならず家庭へと拡大し、収益機会の創出へとつなげています。
これに加え、通信サービスを営むことにより得られるビッグデータの分析を行い、「b.新規事業の創出」で目指す、新たなビジネスソリューションの開発・提案に活かしていきます。
<差別化されたサービスの提供等>当社グループは、ソフトバンクグループ㈱の子会社であるヤフー㈱との連携を深めることで、同業他社に対する差別化と、新たな収益源の確保による当社グループおよびソフトバンクグループの利益の最大化を図っています。
具体的には、2017年より「SoftBank」および「Y!mobile」のスマートフォンユーザーは、追加料金を支払うことなくヤフー㈱が提供する「Yahoo!プレミアム」をご利用いただけるようになりました。これは当社グループにとって重要な顧客基盤であるスマートフォンユーザーと、同様にヤフー㈱にとって重要なプレミアムユーザーを重ねることで、両社サービスの利用最大化を促し、特にユーザーの囲い込み効果をもたらすものです。
これに加え、「SoftBank」スマートフォンユーザーは、「Yahoo!ショッピング」等で商品を購入した際に、追加で特典を受けられます。また、長期契約継続のお客さまに対する特典として、通信料割引等を実施しています。
さらに、事業パートナーとの提携によるお客さま還元プログラムとして、指定の曜日に特定の商品のクーポンを無料で提供する「SUPER FRIDAY」や「CYBER SUNDAY」を実施しています。
今後もコンテンツやシェアリングビジネス等の分野をはじめ、ヤフー㈱との協業の範囲を拡大していく予定です。
なお、当社グループは、2006年にソフトバンクグループの傘下に入って以降、着実に顧客基盤を拡大してきましたが、近時もスマートフォンやブロードバンドの累計契約数は順調に増加しています。
<5G(第5世代移動通信システム)への取り組み>当社グループは、2019年の5Gサービス提供に向け、その要素技術である「Massive MIMO」(注2)を世界で初めて商用化しました。さらに実証実験などを通じた研究開発にも取り組んでいます。
2018年3月には、先頭車両にのみドライバーが乗車し、後続車両を5G通信で接続した3台のトラックの高速道路での隊列走行実証実験を成功させ、超低遅延での情報伝達が可能な5G通信技術を活用したトラックの自動運転の実現への一歩を踏み出しました。
全国約23万サイト(注3)の高密度な基地局網を活かし、5G導入に向けた取り組みを進めていきます。
<構造改革(コスト削減の取り組み)>当社グループは、収益成長とともに、コスト削減にも継続して取り組んでいきます。
「業務工数/コストを半分に、生産性/創造性は2倍に」を目指す「Half&Twice」施策と、AIやRPA(注4)を活用して業務時間の短縮を目指す「Smart&Fun」施策を実施し、効率性の追求やコスト削減を図っています。現在、当社グループ内では2,000(注5)を超えるAI・RPAプロジェクトを実践しています。
b. 新規事業の創出
当社グループは、新規事業の育成・拡大を目指しています。
当社グループが構築してきた事業資産を最大限に活用しながら、新たな成長エンジンを見出すべく、ソフトバンクグループの持つ世界中の優れたテクノロジー企業群とのつながりを活用した投資を行うことにより、FinTech、セキュリティ、クラウド、AI、IoT等の領域において革新的なサービスを展開していきます。
具体的には、当社グループは優れたテクノロジーやビジネスモデルを持つ企業に投資をする「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」の投資先や、その他ソフトバンクグループのビジネスパートナーが日本市場において事業展開する際のインキュベーターとしての役割を果たします。約4,265万件(注1)の移動通信契約数や大企業の約94%(注6)を取引先に持つ強固な顧客基盤、約16,000人の営業人員および約5,000人のエンジニア(注1)に支えられた営業力や技術力、約6,000店(注7)の店舗網、通信ネットワーク・ITシステム・課金システム等のプラットフォーム等の事業資産をフルに活用し、ジョイント・ベンチャー(以下「JV」)の設立等を通じて日本における事業を展開します。
例えば、世界23カ国77都市(注5)でコワーキングスペース提供を行うWeWork Companies Inc.の日本展開を共同で行うために、WeWork Japan合同会社を設立しました。WeWork Companies Inc.は「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」の出資先であり、WeWork Japan合同会社を通して、クリエイター、起業家、中小企業や大手多国籍企業などあらゆる規模の企業へワークスペース、コミュニティ、サービスを提供する革新的なプラットフォームの日本への導入に取り組んでいます。WeWork Japan合同会社は、設立から1年間で、六本木、丸の内、新橋、銀座、日比谷、神宮前の6カ所にオフィスを開設し、メンバー同士の繋がりを伴うコミュニティビルダーや各種交流イベントの開催等により、人と人とのつながりを作り、お互いのアイデアを共有しながら新たなアイデアの創造を促すコミュニティの創出を推進しています。当社は、WeWork Japan合同会社の営業活動をサポートしていますが、このような活動を通じて、当社にとっても新たな顧客との接点が生まれるというシナジー効果が生じています。
また、2018年6月には、ソフトバンクグループ㈱傘下の出資先の一つで、アジア地域を中心に交通プラットフォームを手掛ける滴滴出行(Didi Chuxing Technology Co., Ltd.、以下「DiDi」)と、次世代のタクシー配車サービスの提供会社として、DiDiモビリティジャパン㈱を設立しました。DiDiの革新的なAIとデータ分析技術を活用して、全国のタクシー事業者が利用できるオープンプラットフォームの提供を2018年9月に大阪にて開始しました。この取り組みは日本のタクシーサービスの新たな需要を喚起するだけでなく、主として中国などで合計5.5億人(注8)が登録するDiDiの乗車用アプリケーションをそのまま利用できるため、訪日観光客による需要も期待できると考えています。今後、全国の主要都市へ拡大していきます。
さらに、 2018年6月には、当社とヤフー㈱とのJVであるPayPay㈱を設立し、2018年10月にスマートフォン決済サービス「PayPay」の提供を開始します。「PayPay」は、「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」の投資先でインドの決済サービス事業者であるPaytmのテクノロジーを活用し、QRコードやバーコードを用いた新たなスマートフォン決済サービスです。Paytmは、3.5億人の利用者および950万の加盟店(注9)を有するインドのスマートフォン決済サービスにおけるリーディング企業です。当社グループや口座数4,000万件超の「Yahoo!ウォレット」の顧客基盤を活用した利用者の拡大、当社グループの営業ノウハウを生かした加盟店の獲得、Paytmの技術を活用した利便性の高いサービスの開発を進め、「いつでも・どこでも」簡単に支払いが可能となるキャッシュレス社会の実現を目指しています。
また、当社とトヨタ自動車㈱は、新しいモビリティサービスの構築に向けて戦略的提携に合意し、新会社MONET Technologies㈱を設立し、2018年度内をめどに共同で事業を開始します。同社は、当社が開発したスマートフォンやセンサーデバイスなどからのデータを収集・分析して新しい価値を生み出す「IoTプラットフォーム」と、トヨタ自動車㈱が構築したコネクテッドカーの情報基盤である「モビリティサービスプラットフォーム」とを連携し、車や人の移動などに関するさまざまなデータを活用することにより、移動における社会課題の解決や新たな価値創造を可能にする未来のMaaS事業(注10)を開始します。まずは、利用者の需要に合わせてジャスト・イン・タイムに配車が行える地域連携型オンデマンド交通や企業向けシャトルサービスなどを、全国の自治体や企業向けに展開していく予定です。
また、ソフトバンクグループ㈱の関連会社のアリババグループに属するAlibaba.com (Europe) Limitedとの合弁企業であるSBクラウド㈱は、中国のイーコマースのリーディングカンパニーであるアリババグループを支えるクラウドコンピューティング技術を日本に展開しています。このほか、クラウド事業では、㈱IDCフロンティアを当社の傘下に加え、統合されたクラウド基盤サービスを提供していきます。
「Beyond Carrier」戦略を推進するとともに、通信業の安定的なキャッシュ・フローを背景とした高水準の株主還元を継続しつつ、規律ある成長投資を両立し、継続的な株主価値の最大化を目指します。
(注1) 2018年3月末時点の数字です。
(注2) Massive MIMO:複数のアンテナを使用することにより、大容量かつ高速のデータ通信を実現する技術で
す。
(注3) 2018年8月末時点の数字です。
(注4) RPA(Robotic Process Automation):ソフトウエアロボットによる業務自動化の取り組みです。
(注5) 2018年6月時点の数字です。
(注6) 2018年3月期時点の売上高1,000億円以上の上場企業948社のうち、当社と取引を有する企業890社の割合
です。
(注7) 2018年9月末時点の直営店、代理店、量販店、併売店を含む店舗数です。
(注8) 2018年7月時点の数字です。
(注9) 2018年8月時点の数字です。
(注10) MaaS:車や人の移動に関するデータを活用することで需要と供給を最適化し、移動に関する社会課題の
解決を目指すサービスを指します。