訂正有価証券報告書-第37期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)

【提出】
2022/10/24 15:07
【資料】
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【項目】
133項目
(3)【監査の状況】
①監査役会の状況
○ 監査役会の構成
監査役会は、弁護士、大学教授及び公認会計士等としての専門分野の経験、見識を有した独立社外監査役4名と社内監査役2名(各1名ずつ女性2名を含む)で構成され、独立社外監査役の独立性と社内監査役の高度な情報収集力を組み合わせた実効性のある監査を実施しています。そのうち監査役 腰山謙介氏は会計検査院での職務に携わった経験があり、また監査役 柳圭一郎氏は日本証券アナリスト協会検定会員の資格を有し、監査役 鹿島かおる氏は公認会計士の資格を有していることから、財務及び会計に関する相当程度の知見を有するものであります。
詳細につきましては「(2)役員の状況」に記載しています。
○ 監査役会の活動
2021年度は監査計画に基づき、グローバル事業の競争力強化や新ドコモグループの機能統合に向けた取組み等、引き続き経営が大きく変化する中、法令に基づく監査に加え、中期経営戦略の進捗状況やコーポレート・ガバナンスの維持、向上に向けた取組み状況等について、内部監査部門・会計監査人・グループ会社監査役等との連携による効率的・効果的な監査に努めました。
独立社外監査役を含む当社の監査役は、取締役会等、重要な会議に出席するほか、代表取締役及び独立社外取締役等との意見交換を実施するとともに、海外子会社を含むグループ会社の代表取締役及び監査役等とテーマに応じた意見交換を実施することで、取締役及び執行役員の職務の執行状況の実情を把握するとともに必要に応じて提言を行っています。
2021年度は、代表取締役及び独立社外取締役等との意見交換を43回実施しました。特に2020年度の監査役会の実効性評価結果を踏まえ、経営幹部に対する監査に際して独立社外取締役との意見交換の機会を大幅に増加させるとともに、経営課題や対応等について議論を実施しました。2021年度においては監査役会を26回開催しました(前澤孝夫、髙橋香苗、飯田隆、神田秀樹、鹿島かおるともに26回のうち26回出席。)。
また、監査役会とは別に監査役打合せ会を40回開催し、執行部から執行役員会議付議案件の説明を聴取する等、情報の共有を図っています。さらに、会計監査人との意見交換を11回、内部監査部門との意見交換を10回実施し、監査計画の説明や内部統制システムの状況等について報告を受けるとともに、必要に応じ提言を行う等、会計監査人・内部監査部門と密に連携しています。
グループ各社に関する取組みとしては、グループ監査体制の高度化に向け、主要グループ会社の監査役等との間で、重要性、及びリスク・アプローチに基づき、リスク認識の統一を図り、主要グループ会社の監査役を通じた監査を実施しました。2021年度は、グループ会社の代表取締役、及び監査役等との意見交換を53回行い、中期経営戦略の進捗状況、及びコーポレート・ガバナンスの状況やその維持、向上に向けた取組み等を聴取し、それらについて議論を行うとともに、グループ会社の監査役等からは、統一されたリスク認識に基づく監査項目に対する監査結果等について報告を受け、意見交換を実施しました。また、主要会社連絡会やグループ会社監査役等連絡会を開催しリスク認識の共有を行う等、各社監査役の監査活動の向上に資する取組みを実施しています。
このような活動を通じて、業務執行者とは異なる独立した立場から当社及びグループ各社に対し、健全でかつ持続的な成長と発展を促すとともに、コーポレート・ガバナンスの体制強化やコンプライアンス意識の向上に寄与しています。
なお、関係監査組織との連携、往査にあたっては、新型コロナウイルス感染症の流行が継続する中、Web会議システムを積極的に活用することにより、監査の実効性に支障を来たすことがないよう、対応しています。
○ 監査役会の実効性評価
2021年度の監査活動を振り返り、次年度の監査計画への反映、及び監査品質の向上等を目的に、2018年度以降継続して監査役会の実効性を評価しています。2021年度の実効性の評価に際しては、各監査役に対するアンケートに加え、独立社外監査役3名に対するインタビューを実施しました。なお、匿名性を確保するとともに客観的な視点を導入するため、アンケートやインタビューの実施、集計結果の分析にあたり、第三者機関を活用いたしました。また、当社グループのグローバル化が進展する中、監査役会としてもグローバルな視点を監査に取り入れる観点から、2021年度においては、従来の経年変化を問う評価項目に加え、米国・英国企業の監査委員会に関するプラクティスを参考にしつつ分析評価のプロセスを深掘りし、アンケート項目や分析の参考とするアプローチを実施しました。2021年度の主な評価項目は、監査計画、経営幹部への提言・業務執行監査、グループ監査体制、不正対応、三様監査(監査役による監査、会計監査人による監査、内部監査部門による内部監査)連携、監査役会の運営等です。これらを踏まえ、監査役会で議論・検証した結果、監査役会の実効性は確保されていると評価しました。
引き続き、NTTグループの事業展開や国内外の組織再編等を踏まえ、内部監査部門及びグループ会社監査役等との連携を強化するとともに、グループ監査体制の高度化に向けて取り組みます。また、内外経営環境を踏まえ、リスクシナリオに基づいた監査計画を毎年策定していますが、社会的要請への責任の高まりや非財務情報の開示の充実等の状況を踏まえ、取締役及び執行役員の取組み状況を一層注視し、積極的に提言を行っていきます。経営幹部に対する監査に際しては独立社外取締役との連携を一層強化する等、今後も監査役会の実効性の一層の向上に努めます。
○ 監査役の選任方針・選任手続
監査役候補は、専門的な経験、見識等からの視点に基づく監査が期待できる人材を選任することとします。なお、取締役の業務執行を公正に監査する観点から、一般株主と利益相反を生じるおそれのない人材を社外監査役とし、会社法に則り監査役の半数以上を選任します。
監査役候補の選任手続にあたっては、監査役候補の選任方針に基づき取締役が提案する監査役候補について、社外監査役が半数以上を占める監査役会における審議・同意を経て取締役会で決議し、株主総会に付議することとしています。
○ 監査役の活動の支援体制等
監査役監査業務を支援する体制として、専任の社員6名で構成する監査役室を設置しています。さらに、会社の費用において弁護士等外部の専門家と契約を締結し、必要に応じて助言を得ることができるよう体制を整えています。
また、就任に際しては、市場動向やコンプライアンス等に関する研修を行っています。就任後も国内外の経済・社会問題等、多岐にわたる研修を行っています。
加えて社外監査役に対しては、当社及びNTTグループへの理解をさらに深めるため、視察の機会を設ける等の取組みも行っています。
②内部監査の状況
当社の内部監査部門(提出日現在の人員12名)とグループ各社の内部監査部門が連携し、グループ全体の内部統制の整備・運用状況の検証等を行っています。具体的には、グループ各社の内部監査部門による内部監査、その監査状況についての親会社による監査レビューの実施、グループとしてリスクの高い共通項目についての統一的な監査の実施、金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制システムの整備・運用状況のテストにより、それらの有効性を検証し、強化に取り組んでいます。
また、内部監査部門は、上記の結果を社長及び取締役会へ報告するとともに、監査役会及び会計監査人に報告・共有し、必要な連携を図っています。
さらに、内部監査部門は、上記の結果を関係部門へも共有しています。関係部門はそれらに基づき、必要に応じて内部統制システムの改善を図っています。
③会計監査の状況
○ 会計監査人の活動
当社は、会計監査人として、1985年以降、有限責任 あずさ監査法人を選任しています。
会計監査人は、監査役会における監査計画及び監査結果の報告等や、内部監査部門との間で財務報告に係る内部統制評価手続の一環として統制状況をモニタリングする体制の整備等を通じて、監査役会、内部監査部門と十分に連携し、適正な監査を行っています。2021年度の監査を執行した公認会計士は寺澤 豊、田中 賢二、大木 正志であり、監査業務に係る補助者の構成は公認会計士18名、その他28名です。
なお、監査の独立性を保持するため、あずさ監査法人の業務執行社員の公認会計士法に基づくローテーションについても適切に実施しており、筆頭業務執行社員は、連続して5会計期間を超えて監査業務に関与せず、関与した後は5会計期間のインターバルを設けています。
また、筆頭業務執行社員以外の業務執行社員は、連続して7会計期間を超えて監査業務に関与せず、関与した後は2会計期間のインターバルを設けています。
○ 会計監査人の選任方針及び理由等
当社は、会計監査は、監査品質の維持・向上を図りつつ効率的に行われることが重要と考えています。会計監査人の候補の選任に際しては、監査役会は、この基本的な考え方をもとに、会計監査人の独立性・専門性、会計監査人による監査活動の適切性・妥当性を評価項目として会計監査人を評価し、監査役会の決議を経て株主総会に付議することとしています。
また、解任・不再任については、監査役会は、会計監査人が会社法第340条第1項各号に定める項目に該当すると認められる場合に、監査役全員の同意により会計監査人を解任します。このほか、監査役会は、会計監査人の適正な監査の遂行が困難であると認められる場合に、株主総会に提出する会計監査人の解任又は不再任に関する議案の内容を決定します。
④監査報酬の内容等
○ 監査公認会計士等に対する報酬の内容
区 分前連結会計年度当連結会計年度
監査証明業務に
基づく報酬(百万円)
非監査業務に
基づく報酬(百万円)
監査証明業務に
基づく報酬(百万円)
非監査業務に
基づく報酬(百万円)
提出会社3415034621
連結子会社2,580852,482123
2,9211352,828144

当社及び当社の連結子会社が、当社の監査公認会計士等である有限責任 あずさ監査法人に対して支払っている非監査業務の内容は、当社の海外子会社に対する専門業務実務指針4400(合意された手続業務に関する実務指針)に準拠して実施された業務及び保証業務実務指針3850(情報セキュリティ等に関する受託業務のTrustに係る内部統制の保証報告書に関する実務指針)に基づく保証報告書作成業務等です。
○ 監査公認会計士等と同一のネットワーク(KPMGネットワーク)に対する報酬
(上記の監査公認会計士等に対する報酬を除く)
区 分前連結会計年度当連結会計年度
監査証明業務に
基づく報酬(百万円)
非監査業務に
基づく報酬(百万円)
監査証明業務に
基づく報酬(百万円)
非監査業務に
基づく報酬(百万円)
提出会社----
連結子会社1,9702092,225248
1,9702092,225248

当社及び当社の連結子会社は、当社の監査公認会計士等である有限責任 あずさ監査法人を含むKPMGネットワークに属する各メンバーファームに対し、監査証明業務及び非監査業務に基づく報酬を支払っています。
そのうち、有限責任 あずさ監査法人以外に属するものは、監査証明業務については、海外の連結子会社322社の財務諸表の監査であり、非監査業務については、国内外の連結子会社55社の税務申告書の作成及び税務コンサルティング等です。
○ その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
該当事項はありません。
○ 監査報酬の決定方針
該当事項はありませんが、監査報酬については、当社及び連結子会社の規模・特性、監査日数等の諸要素を勘案し、法令に従い監査役会の同意を得て、決定しています。
○ 監査役会による会計監査人の評価及びその理由
監査役会は、会計監査人の独立性・専門性、会計監査人による監査活動の適切性・妥当性を評価項目とし、具体的には会計監査人の品質管理、監査チームの編成、監査役会や経営者等とのコミュニケーション、海外のネットワーク・ファームの品質、監査報告等について評価を行い、当社の会計監査人として相応しい業務遂行能力、品質管理体制を有していることを確認しています。
○ 監査役会による会計監査人への報酬等の同意理由
監査役会は、会計監査人の監査計画の内容、会計監査の職務執行状況及び報酬見積もりの算出根拠等を確認し、検討した結果、会計監査人の報酬等につき、会社法第399条第1項の同意を行っています。