有価証券報告書-第36期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/25 15:29
【資料】
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【項目】
123項目
4. 資本及び資金調達
本項目ではNTTグループの資本管理及び資本構成、資金調達に関する項目について記載しています。
(会計方針)
① 金融資産
金融資産の認識、分類及び測定
金融資産は、契約当事者になった日に認識し、(a)償却原価で測定する金融資産、(b)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産及び(c)損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。
金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、又は金融資産からのキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利を譲渡し、当該金融資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんど全てが移転している場合において、金融資産の認識を中止し、連結財政状態計算書から除いています。
(a)償却原価で測定する金融資産
貸付金等の負債性金融商品のうち、次の条件をともに満たすものを償却原価で測定する金融資産に分類しています。
・契約上のキャッシュ・フローの回収を目的とする事業モデル※のなかで保有している。
※事業モデル:企業が金融資産からどのようにキャッシュ・フローを生み出しているのか(契約上のキャッシュ・フローの回収、金融資産の売却、又はその両方)を指す。
・契約条件に基づいて、特定の日に元本及び利息のみのキャッシュ・フローを生じさせる。
償却原価で測定する金融資産は、当初認識時に公正価値にその取得に直接起因する取引費用を加算して測定しています。なお、提供した財又はサービスに対する対価の支払時期等を考慮すると、貨幣の時間価値に重要性がないことから、重大な金融要素を含まない営業債権については、貨幣の時間価値を調整することなく取引価格で当初測定しています。
また、当初認識後は実効金利法に基づき算定した総額の帳簿価額から損失評価引当金を控除した償却原価で測定しています。
(b-1)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産(負債性金融商品)
社債等の負債性金融商品のうち、次の条件をともに満たすものをその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。
・契約上のキャッシュ・フローの回収と金融資産の売却の両方を目的とする事業モデルのなかで保有している。
・契約条件に基づいて、特定の日に元本及び利息のみのキャッシュ・フローを生じさせる。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産は、当初認識時に公正価値にその取得に直接起因する取引費用を加算しています。また、当初認識後は公正価値で測定し、その事後的な変動をその他の包括利益として認識しています。その他の包括利益として認識した金額は、売却等により認識を中止した場合、その累計額を損益に振り替えています。
(b-2)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産(資本性金融商品)
株式等の資本性金融商品のうち、売買目的ではないものは、当初認識時に、その公正価値の事後的な変動をその他の包括利益に表示するという選択(事後的な選択の変更は不可)を行うことが認められており、金融商品ごとに当該指定を行っています。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品は、当初認識時に公正価値にその取得に直接起因する取引費用を加算して測定しています。また、当初認識後は公正価値で測定し、その事後的な変動をその他の包括利益として認識しています。「その他の資本の構成要素」に累積したその他の包括利益は、認識を中止した場合にその累積額を利益剰余金に振り替えており、損益には振り替えていません。なお、配当については損益として認識しています。
(c)損益を通じて公正価値で測定する金融資産
デリバティブ等の(a)(b-1)(b-2)以外の金融資産は、損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。
損益を通じて公正価値で測定する金融資産は、当初認識時に公正価値により測定し、その取得に直接起因する取引費用は、発生時に損益として認識しています。また、当初認識後は公正価値で測定し、その事後的な変動を損益として認識しています。
金融資産の減損
償却原価で測定する金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産(負債性金融商品)、リース債権、契約資産及び金融保証契約並びに貸出コミットメントについて、下記に基づき、減損損失(損失評価引当金)の額を算定しています。
・期末日時点で、金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、報告日後12ヵ月以内に生じ得る債務不履行事象から生じると予想される信用損失(12ヵ月の予想信用損失)により損失評価引当金の額を算定しています。
・期末日時点で、金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、当該金融商品の予想存続期間にわたる全ての生じ得る債務不履行事象から生じる予想信用損失(全期間の予想信用損失)により損失評価引当金の額を算定しています。
ただし、リース債権、並びに重大な金融要素を含まない営業債権及び契約資産については、上記に関わらず、常に全期間の予想信用損失により損失評価引当金の額を算定しています。
これらの予想信用損失の認識及び測定について下記のとおり行っています。
(i)営業債権及びその他の債権等(リース債権、契約資産を含む)に係る予想信用損失の測定
営業債権及びその他の債権等に係る予想信用損失については、延滞期間ごとに各債権を分類し、その延滞期間ごとの債務不履行率を算出したものをベースに、期末時点の各債権の残高に対する損失評価引当金を算定しています。
債務不履行率は、各債権の存続期間にわたる過去の信用損失の実績に基づいており、将来予測的な見積り(翌年度中の経済環境の悪化の確率を含む)による追加的な調整を加えています。
(ⅱ)その他の金融資産(負債証券、営業貸付金等)の債権に係る予想信用損失の測定
金融資産の信用リスクが当初認識後に著しく増大したかについて、合理的で裏付け可能な情報を考慮して決定しています。この情報には、過去の情報、社外格付、期日経過の情報の他、将来予測的な情報も含みます。
例えば債務者が以下の状況に該当した場合、信用リスクが当初認識後に著しく増大したと判断しています。
・社外格付が投資不適格とされた場合
・延滞期間が30日以上超過した場合
債務者が以下の状況に該当した場合、債務不履行が生じたと定義しています。
・担保権を実行することなしには、グループに対する債務を払う可能性がほとんどない無いと判断される場合
・延滞期間が90日以上超過した場合
金融商品を以下のグループに分け、予想信用損失を集合的ベースで測定しています。
・金融商品の種類
・債務者の地理的なロケーション
以下の状況が確認された場合に、金融資産が信用減損したと判定しています。
・発行者又は債務者の重大な財政的困難
・契約違反(債務不履行又は期日経過事象など)
・借手に対する融資者が、借手の財政上の困難に関連した経済上又は契約上の理由により、そうでなければ当該融資者が考慮しないであろう譲歩を借手に与えたこと
・借手が破産又は他の財務上の再編を行う可能性が高くなったこと
・当該金融資産についての活発な市場が財政上の困難により消滅したこと
金融資産の全体又は一部分を回収するという合理的な予想を有していない場合に、当該金融資産を直接償却しています。
金融資産について条件変更が生じ、その変更が金融商品の認識の中止に該当しない場合、NTTグループでは当該金融資産に信用リスクが著しい増大があったかどうかを、以下の両者を比較することで判断しています。
(a) 報告日における債務不履行発生のリスク(条件変更後の契約条件に基づく)
(b) 当初認識時における債務不履行発生のリスク(当初の条件変更前の契約条件に基づく)
(ⅲ)貸出コミットメント及び金融保証契約に係る予想信用損失の測定
クレジットカード事業に関する貸出コミットメントの未実行残高に係る予想信用損失は、クレジットカード債権に係るものと区別して識別することができないため、クレジットカード債権に係る損失評価引当金と一括して認識しています。また、営業貸付金に係る貸出コミットメントの未実行残高及び金融保証契約の信用リスクが当初認識後に著しく増大したかについて、上記(ⅱ)に従って決定しています。

(ⅳ)その他
予想信用損失の算定においては、将来予測的な情報として失業率を織り込んでいます。また、当報告期間中に予想信用損失の算定における見積技法又は重要な仮定に変更はありません。
② 金融負債
金融負債は、その当初認識時に、損益を通じて公正価値で測定する金融負債を除き、全てを償却原価で測定する金融負債に分類しており、それぞれ契約当事者になった日に当初認識しています。金融負債は、金融負債が消滅した時、すなわち、契約上で特定された債務が免責、取消し又は失効となった時に認識を中止し、連結財政状態計算書から除いています。
償却原価で測定する金融負債
借入金や社債等の金融負債のうち、損益を通じて公正価値で測定する金融負債以外の金融負債は、償却原価で測定する金融負債に分類しています。償却原価で測定する金融負債は、当初認識時に公正価値からその発行に直接起因する取引費用を減算して測定しています。また、当初認識後は実効金利法に基づく償却原価で測定しています。
損益を通じて公正価値で測定する金融負債
デリバティブ等、売買目的保有の範囲に含まれ損益を通じて公正価値で測定する金融負債は、当初認識時に公正価値により測定しています。また、当初認識後も公正価値で測定し、その事後的な変動を損益として認識しています。
③ デリバティブ及びヘッジ会計
デリバティブ取引の目的
NTTグループでは、為替変動リスク及び金利変動リスクをヘッジするためにリスク管理方針を制定し、先物為替予約取引、金利スワップ取引、通貨スワップ取引などのデリバティブ取引を行っています。NTTグループにおいては、投機目的でデリバティブ取引を行うことはありません。
NTTグループでは、ヘッジの開始時においてヘッジ関係並びにヘッジの実施についてのリスク管理目的等の指定、文書化を行っています。当該文書にはヘッジ手段の特定、ヘッジの対象となる項目又は取引、ヘッジされるリスクの性質、及びヘッジ対象の公正価値又はキャッシュ・フローの変動を相殺するに際してのヘッジ手段の有効性の評価方法が含まれています。
ヘッジの有効性評価
ヘッジ関係の開始時及び継続期間中にわたり、ヘッジ対象取引のキャッシュ・フローの変動がヘッジ手段のキャッシュ・フローの変動により相殺される経済的関係にあることを確認するために、ヘッジ対象とヘッジ手段の重要な条件が一致しているか又は密接に合致しているかどうかの定性的な評価、あるいはヘッジ対象とヘッジ手段の価値が同一のリスクにより価値変動が相殺しあう関係にあることの定量的評価を通じて、ヘッジ対象とヘッジ手段の間の経済的関係の存在を確認しています。
また、NTTグループは、ヘッジ関係の開始時にヘッジ対象リスクの価値変動に起因するヘッジ対象の価値変動とヘッジ手段の価値変動の比率を見積もって必要なヘッジ手段の数量を決定しており、原則としてヘッジ比率は1対1になっています。
なお、NTTグループは有効性の高いヘッジを行っているため、通常、重要な非有効部分は発生しないと想定しています。
認識・測定
デリバティブは公正価値で当初認識し、その後も公正価値で測定しています。公正価値の変動は次のとおり処理しています。

キャッシュ・フロー・ヘッジ
NTTグループは、キャッシュ・フロー・ヘッジとして主に外貨建債権・債務、外貨建確定契約及び外貨建予定取引のキャッシュ・フローを固定化するための為替予約、通貨スワップ、変動利付資産・負債に係る変動金利を固定化するための金利スワップを指定しています。
ヘッジ手段であるデリバティブの公正価値の変動のうち、有効なヘッジと判定される部分は、その他の包括利益として認識し、累積額は「その他の資本の構成要素」に含め、ヘッジ対象に係る損益が認識された会計期間において損益に振り替えています。ただし、ヘッジ対象が非金融資産又は非金融負債を生じさせる予定取引である場合には、「その他の資本の構成要素」として認識されている金額は、非金融資産又は非金融負債の当初の帳簿価額の修正として振り替えています。また、ヘッジ手段であるデリバティブの公正価値の変動のうちヘッジ効果が有効でない部分は、損益として認識しています。
NTTグループでは、キャッシュ・フロー・ヘッジ関係のヘッジ手段として、為替予約についてはその直物要素の公正価値の変動のみを、通貨スワップについては通貨ベーシス・スプレッドを除いた公正価値の変動のみを、それぞれ指定しています。これらのヘッジ手段として指定していない部分についての公正価値の変動額は、「ヘッジ・コスト」としてその他の包括利益に認識し、累積額は「その他の資本の構成要素」に含まれています。
なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、ヘッジの非有効部分及びヘッジの有効性評価から除外した部分に関して損益として認識した金額に重要性はありません。また、ヘッジ会計の中止による影響金額及び予定取引の発生が見込まれなくなったために、キャッシュ・フロー・ヘッジの評価差額から損益に再分類した金額に重要性はありません。
公正価値ヘッジ
NTTグループは、公正価値ヘッジとして主に外貨建債権・債務及び外貨建確定契約に係る公正価値の変動リスクをヘッジするための通貨スワップ、及び固定利付資産・負債に係る固定金利を変動化するための金利スワップを指定しています。
ヘッジ手段であるデリバティブの公正価値の変動は、損益として認識しています。また、ヘッジされたリスクに対応するヘッジ対象の公正価値の変動については、ヘッジ対象の帳簿価額を修正して、損益として認識しています。
ヘッジ指定されていないデリバティブ
NTTグループは、金利や外国為替相場等の変動によるリスクを軽減するため、先物為替予約、金利スワップ契約、通貨スワップ契約、通貨オプション契約及び先渡取引を締結しており、これらの中にはヘッジ会計の適用されないものが含まれています。デリバティブの公正価値の変動は、損益として認識しています。
金融商品については「注記3.2.営業債権及びその他の債権」、「注記3.10.営業債務及びその他の債務」、「注記4.4.その他の金融資産」、「注記4.5.短期借入債務及び長期借入債務」、「注記4.6.その他の金融負債」、「注記4.8.金融商品」に、金融収益及び金融費用については「注記4.7.金融収益及び金融費用」に記載しています。
(見積り及び見積りを伴う判断)
償却原価で測定する金融資産の償却期間及び減損に関する見積りを行っています。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の公正価値測定において見積りを行っています。
ヘッジ会計における予定取引のヘッジ対象としての適格性の判断と、デリバティブの公正価値測定を行っています。

4.1.資本
(1)発行可能株式総数、発行済株式及び自己株式
(会計方針)
自己株式を取得した場合は、直接取得費用(税効果調整後)を含む支払対価を、資本の控除項目として認識しています。自己株式の購入、売却又は消却において損益は認識していません。なお、帳簿価額と売却時の対価との差額は資本剰余金として認識しています。

当社が発行する株式は全て無額面の普通株式であり、発行済株式は全額払込済みです。
発行可能株式総数、発行済株式数及び自己株式数の推移
(単位:株)

発行可能株式総数発行済株式自己株式
前連結会計年度期首(2019年4月1日)6,192,920,9001,950,394,47032,997,746
取締役会決議に基づく自己株式の取得--99,763,016
単元未満株式買取請求による自己株式の取得--47,564
単元未満株式買増請求による自己株式の処分--△4,246
株式分割による増加-1,950,394,470132,788,632
前連結会計年度末(2020年3月31日)6,192,920,9003,900,788,940265,592,712
取締役会決議に基づく自己株式の取得--93,906,900
単元未満株式買取請求による自己株式の取得--62,528
単元未満株式買増請求による自己株式の処分--△10,456
第三者割当による自己株式の処分--△80,775,400
当連結会計年度末(2021年3月31日)6,192,920,9003,900,788,940278,776,284

1995年11月24日、同年4月28日に開催された取締役会の決議に基づき、当社は、総額15,600百万円を資本準備金から資本金に組み入れるとともに、1995年9月30日現在の株主名簿に記載された株主に対して312,000株(株式発行総数の2%)を無償交付しました。
株式分割
当社は、2019年11月5日開催の取締役会決議に基づき、2020年1月1日を効力発生日として、基準日である2019年12月31日の株主の保有する株式を1株につき2株の割合をもって株式分割を実施しています。
トヨタ自動車株式会社の株式取得、及び第三者割当による自己株式の処分
当社は、2020年3月24日開催の取締役会において、トヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ自動車)と業務資本提携に関する合意書を締結することを決議し、同日付で締結いたしました。当該合意のもと、第三者割当増資における総数引受契約を2020年4月9日に相互に締結し、当社は同日付でトヨタ自動車株式の取得、及びトヨタ自動車を割当先とする第三者割当による自己株式の処分を行っています。
トヨタ自動車を割当先とする自己株式の処分の概要
(1)処分日 2020年4月9日
(2)処分する株式の種類及び数 普通株式 80,775,400株
(3)処分価額 1株につき2,476円
(4)処分価額の総額 199,999,890,400円
(5)処分後のトヨタ自動車による持分比率 当社発行済株式総数の2.07%
主な当社の取締役会による発行済普通株式を対象とする自己株式の取得の決議と取得状況
決議日予定実績
取得期間取得株式総数の上限
(万株)
取得総額の上限
(百万円)
取得期間取得株式
総数(株)
取得金額(百万円)取得
状況
2019年5月10日2019年5月13日
から
2019年7月31日
5,300250,0002019年5月
から
2019年7月
50,480,100250,000終了
2019年8月6日2019年8月7日
から
2019年9月30日
5,300300,0002019年9月48,980,000251,071終了
2020年11月6日2020年11月11日から
2021年3月31日
12,000250,0002020年11月
から
2021年2月
93,906,900250,000終了

(2)剰余金の分配
当連結会計年度末現在、当社における会社法上の剰余金の分配可能額は、1,329,165百万円です。剰余金の配当については、当該年度の財務諸表には計上されず、株主総会の承認を得た上で翌年度の財務諸表に計上しています。当連結会計年度における連結財務諸表の利益剰余金には、2021年6月24日開催の株主総会で承認された配当金が199,211百万円(1株当たり55円)含まれています。
①前連結会計年度及び当連結会計年度における配当金支払額
決議株式の種類配当の原資配当金の総額
(百万円)
1株当たり配当額
(円)※1,2
基準日効力発生日
2019年6月25日
定時株主総会
普通株式利益剰余金182,153952019年3月31日2019年6月26日
2019年11月5日
取締役会
普通株式利益剰余金172,674952019年9月30日2019年12月5日
2020年6月23日
定時株主総会
普通株式利益剰余金172,67247.52020年3月31日2020年6月24日
2020年11月6日
取締役会
普通株式利益剰余金185,798502020年9月30日2020年12月8日

②基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
決議株式の種類配当の原資配当金の総額
(百万円)
1株当たり配当額
(円)※2
基準日効力発生日
2021年6月24日
定時株主総会
普通株式利益剰余金199,211552021年3月31日2021年6月25日

※1 2019年6月25日定時株主総会決議及び2019年11月5日取締役会に基づく配当の1株当たり配当額については、2020年1月1日を効力発生日とする普通株式1株につき2株の割合をもって株式分割を行っており、当該株式分割
調整前の金額を記載しています。
※2 2020年6月23日定時株主総会決議、2020年11月6日取締役会、2021年6月24日定時株主総会決議に基づく配当の1株当たり配当額については、当該株式分割後の金額を記載しています。
(3)資本管理
当社は、持続的な発展を目指すべく、利益成長に主眼を置きつつ、自己株式取得による資本効率の向上を図ります。当社が資本管理において用いる主な指標は以下になります。
・EPS(Earnings Per Share) : 基本的1株当たり当期利益
1株当たり当期利益については、「注記2.5.1株当たり利益」に記載しています。
(4)非支配持分へ付与されたプット・オプション
(会計方針)
NTTグループが非支配持分の所有者に対して付与した子会社株式の売建プット・オプション(NTTグループに売却する権利)について、原則としてその償還金額の現在価値を「その他の金融負債」として当初認識するとともに、同額を資本剰余金から減額しています。また、当初認識後は実効金利法に基づく償却原価で測定するとともに、その事後的な変動額を資本剰余金として認識しています。

NTTグループが非支配持分の所有者に対して付与した子会社株式の売建プット・オプションについて、資本剰余金から減額されている金額は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、それぞれ9,894百万円及び13,567百万円です。
(5)その他の資本の構成要素の内容
その他の資本の構成要素の内訳及び増減
(単位:百万円)

その他の包括利益を通じて公正価値測定する金融資産の公正価値
変動額
キャッシュ・
フロー・
ヘッジ
ヘッジ・
コスト
確定給付
制度の再測定
外貨換算
調整額
合計
前連結会計年度期首
(2019年4月1日)
138,290△7,2562,141-48,912182,087
その他の包括利益△52,2881,299△1,6998,425△67,592△111,855
利益剰余金への振替額△37,899--△8,425-△46,324
前連結会計年度末
(2020年3月31日)
48,103△5,957442-△18,68023,908
その他の包括利益186,088△2,711△16,577115,32276,911359,033
利益剰余金への振替額△6,077--△115,322-△121,399
当連結会計年度末
(2021年3月31日)
228,114△8,668△16,135-58,231261,542

非支配持分に含まれるその他の包括利益の内訳
(単位:百万円)
その他の包括利益を通じて公正価値測定する金融資産の公正価値
変動額
キャッシュ・
フロー・
ヘッジ
ヘッジ・
コスト
確定給付
制度の再測定
外貨換算
調整額
合計
2019年4月1日から
2020年3月31日まで
△15,693△87△8152△14,264△29,900
2020年4月1日から
2021年3月31日まで
56,214561224,31311,61272,722

(6)その他の包括利益
その他の包括利益の内訳及び関連する税効果額の金額
(単位:百万円)

前連結会計年度
(2019年4月 1日から
2020年3月31日まで)
当連結会計年度
(2020年4月 1日から
2021年3月31日まで)
損益に振り替えられることのない項目
その他の包括利益を通じて公正価値測定する金融資産の公正価値変動額
当期発生額△99,873351,155
税効果調整前△99,873351,155
税効果額31,370△109,751
税効果調整後△68,503241,404
確定給付制度の再測定
当期発生額16,488180,364
税効果調整前16,488180,364
税効果額△5,123△58,909
税効果調整後11,365121,455
持分法適用会社のその他の包括利益に対する持分
当期発生額△1,068△922
税効果調整前△1,068△922
税効果額△1,198△0
税効果調整後△2,266△922

(単位:百万円)
前連結会計年度
(2019年4月 1日から
2020年3月31日まで)
当連結会計年度
(2020年4月 1日から
2021年3月31日まで)
損益に振り替えられることのある項目
キャッシュ・フロー・ヘッジ
当期発生額1,83937,072
当期利益への組替調整額246△39,586
税効果調整前2,085△2,514
税効果額△396502
税効果調整後1,689△2,012
ヘッジ・コスト
当期発生額318△24,726
当期利益への組替調整額△2,691777
税効果調整前△2,373△23,949
税効果額6667,394
税効果調整後△1,707△16,555
外貨換算調整額
当期発生額△84,10780,248
当期利益への組替調整額-1,108
税効果調整前△84,10781,356
税効果額--
税効果調整後△84,10781,356
持分法適用会社のその他の包括利益に対する持分
当期発生額7,0677,173
当期利益への組替調整額△5,263△92
税効果調整前1,8047,081
税効果額△30△52
税効果調整後1,7747,029
その他の包括利益合計
当期発生額△159,336630,364
当期利益への組替調整額△7,708△37,793
税効果調整前△167,044592,571
税効果額25,289△160,816
税効果調整後△141,755431,755

(7)非支配持分との資本取引
非支配持分との取引による資本剰余金の増減額
(単位:百万円)

前連結会計年度
(2019年4月 1日から
2020年3月31日まで)
当連結会計年度
(2020年4月 1日から
2021年3月31日まで)
NTTドコモの完全子会社化に伴う持分変動影響額-△2,365,090
NTTドコモの自己株式取得に伴う持分変動影響額△82,061-
その他△22,552△989
非支配持分との取引に伴う資本剰余金の増減額の合計△104,613△2,366,079

NTTドコモの自己株式取得
2019年4月26日、NTTドコモの取締役会は、2019年5月7日から2020年4月30日における、発行済普通株式総数1億2,830万株、取得総額300,000百万円の自己株式の取得枠に係る決議をし、2019年5月から2020年3月にかけて普通株式106,601,600株を300,000百万円で取得しました。その結果、NTTグループのNTTドコモに対する持分比率が64.1%から66.2%に上昇し、前連結会計年度において資本剰余金が82,061百万円減少しました。
NTTドコモの完全子会社化について
当社は、NTTドコモ(以下「対象者」)の普通株式(当社保有対象者株式及び対象者が所有する自己株式を除く、以下「対象者株式」)、及びバンクオブニューヨークメロン銀行(以下「本預託銀行」)に預託された対象者株式1株の所有権を表章するものとして本預託銀行により米国で発行されている米国預託証券を対象とする、金融商品取引法に基づく公開買付けを実施し、対象者株式の全てを取得することにより、対象者を当社の完全子会社とすることを目的とした一連の取引を以下のとおり実施しました。
公開買付け
2020年9月29日、当社は、対象者株式を公開買付けにより取得することを決定し、2020年9月30日から2020年11月16日にかけて、対象者株式を3兆1,786億円で取得しました。この結果、NTTグループの対象者に対する所有持分は66.2%から91.5%に上昇しました。
株式売渡請求
2020年11月27日、当社は会社法第179条第1項に基づき、対象者の非支配持分の所有者に対し、その所有持分の全て(8.5%)を当社に売り渡すことの請求(総額1兆758億円)を行い、同日、対象者の取締役会がこれを承認しました。これを踏まえて、NTTグループの対象者に対する所有持分を100%として会計処理を実施しています。また、本株式売渡請求の効力発生により、2020年12月29日をもって、当社は対象者株式の全てを取得し、対象者は当社の完全子会社となりました。
これらの一連の対象者株式の追加取得に伴う「非支配持分との取引」の概要は、次のとおりです。
(単位:百万円)
当連結会計年度
(2020年 4月 1日から2021年 3月31日まで)
取得した非支配持分の帳簿価額1,888,048
売渡対価※14,253,138
親会社の所有者に帰属する持分の減少※2△2,365,090

※1 売渡対価には取引コストを含めていません。
※2 取得した非支配持分の帳簿価額と対価との間に生じた差額により資本剰余金が負の値になる部分については、利益剰余金から減額しています。
資金の確保
当社グループは、一連の取引に要した資金を確保する為に、金融機関からブリッジローンによる調達を行うとともに、ブリッジローンの返済資金の一部として総額2兆1,069億円の社債を発行しました。
(8)その他
日本電信電話株式会社等に関する法律(以下、「NTT法」)によると、当社は、新株又は新株予約権付社債の発行及び剰余金の処分を含む特定の財務関連事項について総務大臣の認可を得なければなりません。NTT法の詳細は「第2 事業の状況」の「2.事業等のリスク」に記載しています。