有価証券報告書-第41期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/16 15:51
【資料】
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【項目】
168項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものです。
(1)事業環境の変化
社会・経済活動のデジタル化が進む中、AIやロボティクスの高度化を背景にDXが一段と進展しています。その一方で、AI活用に伴う消費電力の増大や偽・誤情報の拡散、さらにはAIの悪用といったデジタル化の負の側面が顕在化しています。加えて、経済安全保障の重要性の高まりやサイバー攻撃の高度化、巧妙化する特殊詐欺、世界規模での自然災害の激甚化等、事業環境は激しく変化しています。こうした中、通信サービスにおいては、アフターコロナにおける人流回復や動画視聴の増加に加え、生成AIの普及に伴うデータ通信量の増加により、通信トラフィックが大幅に増加しています。さらに、クラウド利用や多拠点接続ニーズの高まりにより、固定・モバイル双方で通信量は増加を続けており、ネットワークの増強や品質維持に向けた投資負担は一段と増大しています。一方、市場に目を向けると、テレワーク需要の一巡や競争の進展により光回線の純増拡大が鈍化しているほか、モバイル通信における顧客獲得競争も激化しています。加えて、金融やエンターテインメント等を含む経済圏全体へと競争領域が拡大しており、ネットワーク投資の増大と市場競争の激化という両面から、NTTグループを取り巻く環境は一層厳しさを増しています。
(2)NTTグループ中期経営戦略に基づく事業展開
NTTグループは、中長期的な成長と安定した財務基盤の両立を図るため、2023年5月に公表した中期経営戦略『New value creation & Sustainability 2027 powered by IOWN』について、事業環境の変化を踏まえて戦略を一部見直し、「中期的な利益成長に向けた取り組み『New value creation & Sustainability 2030 powered by AIOWN』」を2026年5月に公表しました。これまでの成長分野を「バリュー分野」へ変更し、更なるビジネス拡大が期待できるAIを軸に、利益を大きく伸長させるとともに、既存分野を「コネクティビティ分野」と改め、AIネイティブなインフラへの転換を進めることで、2030年度にEBITDA4兆円の達成をめざします。あわせて、資本効率の向上と一定の財務健全性の確保の両立に向け、ROIC(金融事業除き)5.5%の達成及び有利子負債/EBITDA倍率(金融事業除き)3.5倍程度までの低下をめざします。
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新たな価値の創造による2030年度EBITDA4兆円達成とグローバルサステナブル社会を支えるNTTへ
バリュー分野において、国内法人向けビジネスでは、AIの急速な進展を踏まえ、顧客提供価値を起点としたビジネスモデルへの転換と、高付加価値なインテグレーションの提供を推進することにより、顧客基盤の拡大を図ります。海外事業では、AIとデータセンターを成長ドライバーとしたフルスタックサービスにより成長を加速していきます。具体的には、ITサービス事業ではAIネイティブなビジネス創出とM&A等を通じたケイパビリティの拡張を進め、データセンター事業では旺盛な需要を踏まえ、第三者資本を活用しつつ成長投資を継続します。また、金融を中心としたパーソナルビジネスでは、2026年7月に事業開始予定の「NTTドコモ・フィナンシャルグループ」を中核に、決済や銀行サービスを起点とした金融顧客基盤の拡大を図るとともに、投資・融資・保険サービスの利用促進により収益機会の拡大をめざします。
コネクティビティ分野においては、AIの進展に伴う通信の高度化やトラフィックの増大を背景に、GPU・ネットワーク・電力等のリソースを最適化したAIネイティブな次世代インフラ「AIOWN」への転換を進めます。コンシューマ通信事業では、AI活用による顧客接点の強化やサービス高度化を通じ、契約数の維持とARPUの向上により収益基盤の維持・向上を図ります。地域通信事業では、従来型サービスの減少を見据え、オペレーションの変革と光ビジネス・法人ビジネス・新規事業領域の拡大により、収益基盤の安定を図ります。
将来の成長に向けては、IOWN APNの全国への面的拡大をめざすとともに、多様なパートナーとの連携を通じて光電融合デバイスのエコシステムを拡大し、IOWNの社会実装を加速します。モビリティ、宇宙、光量子コンピュータ等の分野への戦略的投資を継続し、2030年以降の持続的な成長を支えていきます。
事業基盤の更なる強靭化にも取り組んでいます。グリーンエネルギーとICTを組み合わせたグリーンソリューションの推進や、廃棄物再利用を促進する循環型ビジネスの創出を進めています。さらに、IOWN、5G/IoT、AI・ロボットの活用による一次産業の効率化と付加価値化を図り、産業振興や地域創生に貢献します。加えて、自然災害や通信故障等過去の事案・知見を踏まえ、激甚化する災害にも耐えうるネットワーク・システムの構築を推進します。ランサムウェア等のサイバー攻撃に対しては、世界標準のサイバーセキュリティ対策を講じ、安心・安全なサービスの提供に努めていきます。
お客さま体験(CX)の高度化
あらゆるステークホルダーを「お客さま」や「パートナー」と捉え、すべての顧客接点においてお客さま体験ファーストの取り組みを推進していきます。具体的には、研究開発推進機能、マーケティング機能、アライアンス機能を融合した研究開発マーケティング本部を中心に、研究開発にマーケット視点を一層取り込むとともに、研究開発から社会実装・提供までを見据えた価値創出を進め、多様なパートナーとの共創を通じて提供価値の拡大を図ります。また、申込み・契約・問い合わせまでの体感調査を行うことでより顧客接点の改善に取り組んでいくとともに、AIを活用することで、お客さまサポート・通信品質の改善を加速させ、CXの更なる向上にも努めてまいります。今後もCX指標を継続的にモニタリングし、分析・改善のサイクルを回すことで、お客さまに選ばれ続ける体験価値を実現していきます。
従業員体験(EX)の高度化
事業ポートフォリオの変革が進む中、戦略の実行力を高めるためには、人と組織のパフォーマンスの最大化が不可欠です。
従業員エンゲージメント調査からは「戦略の浸透」「対話の機会」「キャリアに対する不安」といった課題が明らかになっており、社員一人ひとりが事業戦略と自身の業務を結びつけ、主体的に挑戦できる状態の実現が求められています。これらの課題に対応するため、NTTグループはEXを経営基盤と位置づけ、自律的なキャリア形成の支援、多様性を尊重する企業文化の醸成、柔軟で生産性の高い働き方の実現を推進しています。特に、キャリア自律の定着や対話の質の向上等、組織変革に踏み込んだ取り組みへと深化させています。
また、AI等の先端領域では、お客さまへの価値提供にとどまらず、自社の業務プロセスや働き方の変革を一体で推進するため、人材育成と人材ポートフォリオの転換を加速します。
(3)中期財務目標
「中期的な利益成長に向けた取り組み『New value creation & Sustainability 2030 powered by AIOWN』」において、中期財務目標を以下のとおり見直しました。
目標指標目標水準(2030年度)
EBITDA(連結)4兆円
ROIC(金融事業※除き)5.5%

※NTTドコモ・フィナンシャルグループ連結
なお、サステナビリティ指標については従前のとおりです。
・女性の新任管理者登用率 : 毎年30%以上
・温室効果ガス排出量 : 2040年度カーボンニュートラル、ネットゼロをめざす
・従業員エンゲージメント率 : 改善

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