有価証券報告書-第11期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 会社の経営の基本方針
衛星という社会性の高いインフラを保有し、かつ、メディア事業を展開している当社グループは、日本における有料多チャンネル放送の市場拡大及び国内外の衛星インフラの発展を図るとともに、放送・通信の融合を見据えた総合的な事業の拡大と経営の効率化を通じて企業価値を最大限に高めることを目指しております。また、当社グループの理念として、①放送と通信という公共性の高いサービスを提供する企業グループとして、社会的責任を強く認識し、法令・倫理を遵守すること、②常にパイオニア精神を持ってサービスの向上を図り、豊かな社会生活の創造に貢献することを掲げております。
(2) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループでは、平成32年度を最終年度とする中期経営計画を定めております。この計画では、積極的な設備投資や事業投資による事業領域の拡大を含めた、新たな成長の基盤を構築することを目指しております。以下はその骨子となります。
<メディア事業>・放送事業者と共にプラットフォーム全体でコンテンツの差別化を推進。
・DTH(衛星による家庭への直接番組配信)に加え、FTTH(光ファイバーケーブルによる家庭への直接番組配信)やOTT(インターネット配信)による加入者獲得を実施するとともに、DTHでは4K・8K放送に対応した事業基盤を構築。
・海外コンテンツ事業を拡大することで国内市場に留まらない事業の成長を図る。
<宇宙・衛星事業>・グローバル・モバイル需要の拡大に対応するために、ハイスループット衛星(以下「HTS」:従来よりも伝送容量を大幅に拡張した衛星)等の新型衛星を投入することで、競争力を強化し成長の基盤を構築。
・宇宙基本計画に対応した宇宙事業の拡大や、非静止衛星をはじめとした新たな衛星利用の開拓を推進。
・衛星フリートを見直すことにより資産効率の改善を図る。
<事業領域拡大>・両事業ともにアジアを中心とした海外展開を加速し、確固たる事業基盤の構築を目指す。
・M&Aや事業提携を積極的に行なうことで事業領域の拡大や新たな競争環境へ対応する。
(3) 目標とする経営指標
上記の中期経営計画を推進することで、平成32年度において以下の業績目標を達成することを定めております。
<平成32年度の連結業績目標>営業収益 2,000億円以上
営業利益 300億円以上
EBITDA 600億円以上
有料多チャンネル加入件数 400万件以上(スカパー!オンデマンドサービスの有料商品契約者数を含む)
(4) 経営環境
国内では少子高齢化による人口減少を受け国内市場が徐々に縮小する一方で、有力な産業政策として訪日観光客の大幅な増加が想定されるなど、国内における市場環境が大きく変化するものとみております。
またこの期間においては2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向け、通信環境が大きく拡充するとともに、放送及び非放送エリアでも4K・8K利活用が期待されており、衛星放送関連では110度BS/CS左旋のインフラ拡大も実現するものと考えております。更に「宇宙基本計画」や「宇宙活動法」、「衛星リモートセンシング法」等の計画や制度の整備による宇宙産業拡大も期待されます。
当社を取り巻く環境変化のなかで、スマートフォンを核とした巨大ネット系企業による侵食と、IoTの進展、AIなどの技術の進化により、通信・放送・宇宙分野を含む様々な領域で新たなプレーヤー、新たなサービスが誕生し、既存事業領域での競争がより激化すると考えております。
(5) 対処すべき課題
メディア事業及び宇宙・衛星事業において、衛星を軸とした国内の既存市場が成熟期を迎えていることを認識し、当社グループの各事業について、収支構造の改善及び事業領域の拡大を図ってまいります。また、その実現のためにM&Aや事業提携に積極的に取り組んでまいります。
<メディア事業>(1) 事業構造改革による収益性の改善
既存の有料放送市場が成熟し、資金力の豊富な国内外のインターネット動画配信サービスが次々と参入する中、コンテンツ獲得及び加入者獲得の両面で競争が激化しており、従来の延長線上にある各種施策だけでは加入者数の減少を免れない状況にあります。このような従来とは異なる競争環境の中において、一定の加入者減少による収益減があったとしても、引き続き日本における有料多チャンネル事業のメインプレーヤーでありつづけるために、有料多チャンネル放送の運営を中心としたプラットフォーム事業のコスト構造の見直しを進めるとともに、自主運営チャンネルを中心とするコンテンツ事業の収益性改善を図ってまいります。
(2) サービスの拡充と差別化
有料、無料を問わず数多くの放送サービス・動画配信サービスがある中で、当社グループのサービスを選択していただくためには、魅力的かつ差別化されたコンテンツがあることに加え、優れた顧客体験価値(カスタマーエクスペリエンス)を提供できるサービスであることが重要となってまいります。
平成29年12月1日より平成30年3月31日まで実施し好評を博した「スカパー!新基本パック複数台無料キャンペーン」を平成30年9月末日まで延長致します。ご家庭内の複数のお部屋で視聴出来る環境を増やし、接触人数・接触時間の増加及び満足度の向上を図り、解約抑止と加入者数の増加につなげるべく、引き続き快適で便利な視聴環境の提供促進を検討、実行してまいります。
平成29年12月1日には、最新のハイブリッドキャスト機能を搭載した4Kテレビ等でお楽しみいただける、テレビとインターネットをシームレスに融合させた「スカパー!ハイブリッド」の提供を開始致しました。また、スマートフォンやPCで手軽に視聴したいお客様や衛星放送の視聴環境を準備できないお客様にもサービスをお楽しみいただけるよう「スカパー!オンデマンド」でのチャンネル配信を平成30年3月末日には80チャンネルまで拡大し、インターネット上でも魅力的なスカパー!のサービスが受けられる環境を整えております。
平成30年12月1日にはBS・110度CSにおいて新4K8K衛星放送が開始されます。東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて拡販が進んでいく4Kテレビの普及にあわせ、当社グループも110度CS上4Kチャンネルを提供し、放送サービスの高度化を推進してまいります。これら衛星放送の直接受信やインターネット回線での動画配信サービスの提供に加え、ご家庭内のインターネットブロードバンドサービスの中心となっている光ファイバー上においても、地上波やBS・110度CSの同時再放送サービスを提供しており、その世帯数は平成30年3月末日において218万世帯に達するまで成長してまいりました。今後もBS・110度CSでの4K放送の展開をにらみながら、光ファイバー経由での同時再放送サービスの拡充を検討、実行してまいります。
以上の展開を着実に推進することにより、サービスの拡充及び差別化による加入基盤の維持・拡大を図ってまいります。
(3) 新たな収益の獲得
既存事業による収益に加え、新たな収益源を育てることも課題と認識しております。
WAKUWAKU JAPAN㈱による海外でのチャンネル事業や、自主運営チャンネル内の広告営業、既存のお客様に対する電子雑誌や福利厚生サービスといった加入基盤を生かした付加価値サービスの提供、コールセンター機能の外販などを推進してまいります。
<宇宙・衛星事業>(4) 衛星運用の安定性及び信頼性の確保と効率化
衛星運用の安定性及び信頼性を確保するために、予備衛星の配置や後継衛星の適切な調達に加え、衛星を制御する衛星管制センターやネットワーク設備に関しても、引き続き、設備調達、保守管理、運用環境等の最適化を図ってまいります。
効率化についても、寿命後期の衛星を燃料消費の少ない制御に切り替え、需要が増大している航空機や船舶などの移動体向け通信に提供するなどの施策を実施してまいります。
(5) 既存事業の強化
持続的な成長のためには、衛星サービスの優位な領域における新規顧客の開拓が必要不可欠と考えております。以下に示す各分野での取り組みを強化することで、既存事業の強化を図ってまいります。
ⅰ)国内衛星ビジネス
既存顧客に対する長期契約更新の提案に加え、災害医療チーム向けに可搬型小型地球局を用いた衛星通信サービスの提案や、携帯電話基地局向けのバックホール回線提供など、新たな需要の開拓を図ってまいります。
ⅱ)宇宙・防衛ビジネス
内閣府により平成29年12月に策定された「宇宙基本計画工程表(平成29年度改訂)」などに基づき、宇宙利用サービスへの参入や、防衛分野を含む、政府主導のプロジェクトへの参画によるビジネスの拡大を目指してまいります。
ⅲ)グローバル・モバイルビジネス
経済環境変化の影響はあるものの、アジア・オセアニア地域や、北米及びロシア地域での営業展開を引き続き進めてまいります。これらの地域における厳しい価格競争に勝ち抜くため、平成30年度中にIntelsat S.A.(以下「Intelsat社」)との共同調達HTSであるHorizons 3eを打ち上げます。また、平成31年度下期にはさらにもう1機のHTSを打ち上げ、競争力を強化してまいります。
インド洋や太平洋の船舶向けインターネット接続サービス「OceanBB」については、次世代サービス「OceanBB plus」を開始し収益拡大を目指すとともに、パートナーであるKVH Industries, Inc.(以下「KVH社」)との協業体制を強化してまいります。また、導入機数や機内での利用が引き続き拡大している航空機向けインターネット接続サービス事業者に対する衛星回線の提供拡大を図るとともに、機内エンターテインメント向けに衛星通信による人気チャンネルの配信を行う等によりビジネスの拡大を図ってまいります。
(6) 新たな技術の活用や事業領域拡大への取り組み
宇宙ビジネスの分野においては、世界レベルで多数のベンチャー企業が立ち上がっている他、巨大資本を持つ新しいプレーヤーが、安価な打ち上げロケットの開発や全世界的な低軌道衛星通信システムの計画を推進しております。
当社グループは、これまでの高度3万6千キロの静止軌道を活用する静止衛星ビジネスに加え、高度千キロ周辺の低軌道衛星ビジネスや、成層圏での高高度無人機の活用、大気圏の航空機との通信、海洋における船舶との通信、空中や海中におけるドローンの活用といった、空間領域を新たな事業領域として取り組むこととし、巨大資本がこれからもたらすプロダクトやベンチャーの新規技術などを組み合わせながら、以下のような活動をさらに進め、事業領域を拡大してまいります。
ⅰ)自動追尾型平面アンテナの活用
今後の移動体衛星通信のキーデバイスとなる自動追尾型平面アンテナを開発するKymeta Corporation(以下「Kymeta社」)に出資し、その利用権を確保することで、より設置や調整が簡便になる移動体衛星通信システムの利用拡大を目指してまいります。
ⅱ)低軌道衛星通信システム
低軌道衛星通信システムについてはLeoSat Enterprises, Inc.(以下「LeoSat社」)への出資等を通じて参入の本格的な検討を開始しております。
ⅲ)地球観測関連ビジネス
地球を周回する低軌道衛星に搭載された各種センサーが取得する情報を地上局で受信しお客様に提供するサービスや、Planet社の小型衛星が日々撮影する地球画像情報の販売等を既に開始しております。
また、平成29年11月、当社グループは伊藤忠商事㈱と共同で、Orbital Insight, Inc.(以下「Orbital Insight社」)の衛星画像解析データの代理店契約を締結致しました。Orbital Insight社のサービスは、低軌道衛星等から取得された膨大な画像データから地上物体の識別・解析作業を行い、その解析データをユーザーに提供するもので、金融、農業、海運、建設等の様々な領域での活用が見込まれています。
これら低軌道衛星からの情報に加え、空中や水中のドローン等がもたらす情報も併せて分析することで大きな価値を創造できる可能性があるため、情報を解析しビジネス価値を創造するビジネスインテリジェンス分野にも取り組んでまいります。
(1) 会社の経営の基本方針
衛星という社会性の高いインフラを保有し、かつ、メディア事業を展開している当社グループは、日本における有料多チャンネル放送の市場拡大及び国内外の衛星インフラの発展を図るとともに、放送・通信の融合を見据えた総合的な事業の拡大と経営の効率化を通じて企業価値を最大限に高めることを目指しております。また、当社グループの理念として、①放送と通信という公共性の高いサービスを提供する企業グループとして、社会的責任を強く認識し、法令・倫理を遵守すること、②常にパイオニア精神を持ってサービスの向上を図り、豊かな社会生活の創造に貢献することを掲げております。
(2) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループでは、平成32年度を最終年度とする中期経営計画を定めております。この計画では、積極的な設備投資や事業投資による事業領域の拡大を含めた、新たな成長の基盤を構築することを目指しております。以下はその骨子となります。
<メディア事業>・放送事業者と共にプラットフォーム全体でコンテンツの差別化を推進。
・DTH(衛星による家庭への直接番組配信)に加え、FTTH(光ファイバーケーブルによる家庭への直接番組配信)やOTT(インターネット配信)による加入者獲得を実施するとともに、DTHでは4K・8K放送に対応した事業基盤を構築。
・海外コンテンツ事業を拡大することで国内市場に留まらない事業の成長を図る。
<宇宙・衛星事業>・グローバル・モバイル需要の拡大に対応するために、ハイスループット衛星(以下「HTS」:従来よりも伝送容量を大幅に拡張した衛星)等の新型衛星を投入することで、競争力を強化し成長の基盤を構築。
・宇宙基本計画に対応した宇宙事業の拡大や、非静止衛星をはじめとした新たな衛星利用の開拓を推進。
・衛星フリートを見直すことにより資産効率の改善を図る。
<事業領域拡大>・両事業ともにアジアを中心とした海外展開を加速し、確固たる事業基盤の構築を目指す。
・M&Aや事業提携を積極的に行なうことで事業領域の拡大や新たな競争環境へ対応する。
(3) 目標とする経営指標
上記の中期経営計画を推進することで、平成32年度において以下の業績目標を達成することを定めております。
<平成32年度の連結業績目標>営業収益 2,000億円以上
営業利益 300億円以上
EBITDA 600億円以上
有料多チャンネル加入件数 400万件以上(スカパー!オンデマンドサービスの有料商品契約者数を含む)
(4) 経営環境
国内では少子高齢化による人口減少を受け国内市場が徐々に縮小する一方で、有力な産業政策として訪日観光客の大幅な増加が想定されるなど、国内における市場環境が大きく変化するものとみております。
またこの期間においては2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向け、通信環境が大きく拡充するとともに、放送及び非放送エリアでも4K・8K利活用が期待されており、衛星放送関連では110度BS/CS左旋のインフラ拡大も実現するものと考えております。更に「宇宙基本計画」や「宇宙活動法」、「衛星リモートセンシング法」等の計画や制度の整備による宇宙産業拡大も期待されます。
当社を取り巻く環境変化のなかで、スマートフォンを核とした巨大ネット系企業による侵食と、IoTの進展、AIなどの技術の進化により、通信・放送・宇宙分野を含む様々な領域で新たなプレーヤー、新たなサービスが誕生し、既存事業領域での競争がより激化すると考えております。
(5) 対処すべき課題
メディア事業及び宇宙・衛星事業において、衛星を軸とした国内の既存市場が成熟期を迎えていることを認識し、当社グループの各事業について、収支構造の改善及び事業領域の拡大を図ってまいります。また、その実現のためにM&Aや事業提携に積極的に取り組んでまいります。
<メディア事業>(1) 事業構造改革による収益性の改善
既存の有料放送市場が成熟し、資金力の豊富な国内外のインターネット動画配信サービスが次々と参入する中、コンテンツ獲得及び加入者獲得の両面で競争が激化しており、従来の延長線上にある各種施策だけでは加入者数の減少を免れない状況にあります。このような従来とは異なる競争環境の中において、一定の加入者減少による収益減があったとしても、引き続き日本における有料多チャンネル事業のメインプレーヤーでありつづけるために、有料多チャンネル放送の運営を中心としたプラットフォーム事業のコスト構造の見直しを進めるとともに、自主運営チャンネルを中心とするコンテンツ事業の収益性改善を図ってまいります。
(2) サービスの拡充と差別化
有料、無料を問わず数多くの放送サービス・動画配信サービスがある中で、当社グループのサービスを選択していただくためには、魅力的かつ差別化されたコンテンツがあることに加え、優れた顧客体験価値(カスタマーエクスペリエンス)を提供できるサービスであることが重要となってまいります。
平成29年12月1日より平成30年3月31日まで実施し好評を博した「スカパー!新基本パック複数台無料キャンペーン」を平成30年9月末日まで延長致します。ご家庭内の複数のお部屋で視聴出来る環境を増やし、接触人数・接触時間の増加及び満足度の向上を図り、解約抑止と加入者数の増加につなげるべく、引き続き快適で便利な視聴環境の提供促進を検討、実行してまいります。
平成29年12月1日には、最新のハイブリッドキャスト機能を搭載した4Kテレビ等でお楽しみいただける、テレビとインターネットをシームレスに融合させた「スカパー!ハイブリッド」の提供を開始致しました。また、スマートフォンやPCで手軽に視聴したいお客様や衛星放送の視聴環境を準備できないお客様にもサービスをお楽しみいただけるよう「スカパー!オンデマンド」でのチャンネル配信を平成30年3月末日には80チャンネルまで拡大し、インターネット上でも魅力的なスカパー!のサービスが受けられる環境を整えております。
平成30年12月1日にはBS・110度CSにおいて新4K8K衛星放送が開始されます。東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて拡販が進んでいく4Kテレビの普及にあわせ、当社グループも110度CS上4Kチャンネルを提供し、放送サービスの高度化を推進してまいります。これら衛星放送の直接受信やインターネット回線での動画配信サービスの提供に加え、ご家庭内のインターネットブロードバンドサービスの中心となっている光ファイバー上においても、地上波やBS・110度CSの同時再放送サービスを提供しており、その世帯数は平成30年3月末日において218万世帯に達するまで成長してまいりました。今後もBS・110度CSでの4K放送の展開をにらみながら、光ファイバー経由での同時再放送サービスの拡充を検討、実行してまいります。
以上の展開を着実に推進することにより、サービスの拡充及び差別化による加入基盤の維持・拡大を図ってまいります。
(3) 新たな収益の獲得
既存事業による収益に加え、新たな収益源を育てることも課題と認識しております。
WAKUWAKU JAPAN㈱による海外でのチャンネル事業や、自主運営チャンネル内の広告営業、既存のお客様に対する電子雑誌や福利厚生サービスといった加入基盤を生かした付加価値サービスの提供、コールセンター機能の外販などを推進してまいります。
<宇宙・衛星事業>(4) 衛星運用の安定性及び信頼性の確保と効率化
衛星運用の安定性及び信頼性を確保するために、予備衛星の配置や後継衛星の適切な調達に加え、衛星を制御する衛星管制センターやネットワーク設備に関しても、引き続き、設備調達、保守管理、運用環境等の最適化を図ってまいります。
効率化についても、寿命後期の衛星を燃料消費の少ない制御に切り替え、需要が増大している航空機や船舶などの移動体向け通信に提供するなどの施策を実施してまいります。
(5) 既存事業の強化
持続的な成長のためには、衛星サービスの優位な領域における新規顧客の開拓が必要不可欠と考えております。以下に示す各分野での取り組みを強化することで、既存事業の強化を図ってまいります。
ⅰ)国内衛星ビジネス
既存顧客に対する長期契約更新の提案に加え、災害医療チーム向けに可搬型小型地球局を用いた衛星通信サービスの提案や、携帯電話基地局向けのバックホール回線提供など、新たな需要の開拓を図ってまいります。
ⅱ)宇宙・防衛ビジネス
内閣府により平成29年12月に策定された「宇宙基本計画工程表(平成29年度改訂)」などに基づき、宇宙利用サービスへの参入や、防衛分野を含む、政府主導のプロジェクトへの参画によるビジネスの拡大を目指してまいります。
ⅲ)グローバル・モバイルビジネス
経済環境変化の影響はあるものの、アジア・オセアニア地域や、北米及びロシア地域での営業展開を引き続き進めてまいります。これらの地域における厳しい価格競争に勝ち抜くため、平成30年度中にIntelsat S.A.(以下「Intelsat社」)との共同調達HTSであるHorizons 3eを打ち上げます。また、平成31年度下期にはさらにもう1機のHTSを打ち上げ、競争力を強化してまいります。
インド洋や太平洋の船舶向けインターネット接続サービス「OceanBB」については、次世代サービス「OceanBB plus」を開始し収益拡大を目指すとともに、パートナーであるKVH Industries, Inc.(以下「KVH社」)との協業体制を強化してまいります。また、導入機数や機内での利用が引き続き拡大している航空機向けインターネット接続サービス事業者に対する衛星回線の提供拡大を図るとともに、機内エンターテインメント向けに衛星通信による人気チャンネルの配信を行う等によりビジネスの拡大を図ってまいります。
(6) 新たな技術の活用や事業領域拡大への取り組み
宇宙ビジネスの分野においては、世界レベルで多数のベンチャー企業が立ち上がっている他、巨大資本を持つ新しいプレーヤーが、安価な打ち上げロケットの開発や全世界的な低軌道衛星通信システムの計画を推進しております。
当社グループは、これまでの高度3万6千キロの静止軌道を活用する静止衛星ビジネスに加え、高度千キロ周辺の低軌道衛星ビジネスや、成層圏での高高度無人機の活用、大気圏の航空機との通信、海洋における船舶との通信、空中や海中におけるドローンの活用といった、空間領域を新たな事業領域として取り組むこととし、巨大資本がこれからもたらすプロダクトやベンチャーの新規技術などを組み合わせながら、以下のような活動をさらに進め、事業領域を拡大してまいります。
ⅰ)自動追尾型平面アンテナの活用
今後の移動体衛星通信のキーデバイスとなる自動追尾型平面アンテナを開発するKymeta Corporation(以下「Kymeta社」)に出資し、その利用権を確保することで、より設置や調整が簡便になる移動体衛星通信システムの利用拡大を目指してまいります。
ⅱ)低軌道衛星通信システム
低軌道衛星通信システムについてはLeoSat Enterprises, Inc.(以下「LeoSat社」)への出資等を通じて参入の本格的な検討を開始しております。
ⅲ)地球観測関連ビジネス
地球を周回する低軌道衛星に搭載された各種センサーが取得する情報を地上局で受信しお客様に提供するサービスや、Planet社の小型衛星が日々撮影する地球画像情報の販売等を既に開始しております。
また、平成29年11月、当社グループは伊藤忠商事㈱と共同で、Orbital Insight, Inc.(以下「Orbital Insight社」)の衛星画像解析データの代理店契約を締結致しました。Orbital Insight社のサービスは、低軌道衛星等から取得された膨大な画像データから地上物体の識別・解析作業を行い、その解析データをユーザーに提供するもので、金融、農業、海運、建設等の様々な領域での活用が見込まれています。
これら低軌道衛星からの情報に加え、空中や水中のドローン等がもたらす情報も併せて分析することで大きな価値を創造できる可能性があるため、情報を解析しビジネス価値を創造するビジネスインテリジェンス分野にも取り組んでまいります。