有価証券報告書-第93期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)
当社は、平成27年に策定した「九州電力グループ中期経営方針」(平成27~31年度)に基づき、原子力発電所の早期再稼働、あらゆる収支改善対策、電力・ガスの小売全面自由化を勝ち抜くための取組みなどに、最大限の努力を傾注してきた。
さらに、エネルギー事業を取り巻く環境が変化し続ける中、当社グループの経営姿勢をさらに明確にし、経営革新への取組みを一段と加速化していく必要があることから、本年6月、今後5か年の財務目標を掲げた。
今後も、中期経営方針に掲げた「日本一のエネルギーサービスを提供する企業グループ」を目標として、全力を挙げて以下の取組みを推進し、お客さまから信頼され、選ばれ続ける企業を目指していく。
なお、昨年4月に発生した「平成28年熊本地震」により、当社設備は多大な被害を受けたが、各自治体・関係機関をはじめ、地域の皆さまや、全国の電力会社の方々のご協力を得て、本震発生から4日後には、送電をほぼ完了した。今後も、被災地の電力の安定供給の確保に向け、設備の本格復旧に努めていく。
「九州電力グループ中期経営方針」
○ 2030年のありたい姿
○ ありたい姿に向けた3つの戦略の柱
○ 成長事業の目標
(注) 2015年の数値は、「九州電力グループ中期経営方針」策定時の実績
○ 財務目標
(連結ベース)
(注) 財務目標については、平成29年6月に公表
(1) 九州のお客さまのエネルギーに関する様々な思いにお応えする
○ 電力の安定供給については、質の高い電気を安定的かつ効率的にお客さまにお届けし続けるため、電力設備の着実な保全、設備形成を図り、安全・安定運転を徹底していく。
原子力発電については、玄海原子力発電所3、4号機の一日も早い再稼働に向け、全社を挙げて対応していく。また、川内原子力発電所における特定重大事故等対処施設の設置などに関する国の審査や検査に、グループ一体となって対応するとともに、更なる安全性向上のための自主的かつ継続的な取組みを進めていく。
また、火力発電については、競争力と安定性を備えた電源を確保するため、松浦発電所2号機の開発を着実に進めるとともに、燃料トレーディングの実施など、燃料調達における柔軟性向上と競争力強化を図っていく。
さらに、再生可能エネルギーについては、地熱や水力などの開発を積極的に進めるとともに、太陽光などの気象条件等による出力変動が大きい電源は、電力の安定供給を前提としつつ、受入れ拡大に努めていく。
これらの取組みを進めるにあたっては、将来の環境変化にも柔軟に対応できるよう、原子力、石炭、LNG及び再生可能エネルギーによるバランスの取れた供給体制を構築していく。
○ エネルギーサービスの提供については、「電気をお届けする」会社から多様な「エネルギーサービスを提供する」企業グループを目指して、お客さまのニーズにお応えできる最適なサービスメニューを、グループ一体となってお届けしていく。
電力小売の全面自由化への対応として、お客さまのニーズに応じた料金プランや「九電あんしんサポート」などを提供するとともに、本年4月から全面自由化が始まったガス事業については、ご家庭向けに「きゅうでんガス」の販売を開始した。今後、オール電化に加え、お客さまのご要望に応じて、ガスも組み合わせた多様なエネルギーサービスを展開していく。
(2) 九電グループの強みを活かして、成長市場で発展していく
○ 海外電気事業については、本年3月、世界最大規模の地熱発電所であるインドネシアのサルーラ地熱発電所の初号機が、営業運転を開始したが、引き続き、2、3号機の営業運転開始に向けて、着実に工事を進めていく。今後とも、市場の成長性が高いアジアを中心に、発電事業を拡大していく。
また、ケニアにおける地熱発電所の運営状況の調査など、海外コンサルティングについても、引き続き積極的に展開し、海外事業の開発能力強化、グループ全体の収益機会の拡大に資する案件を実施していく。
○ 九州域外における電気事業については、出光興産株式会社及び東京ガス株式会社と共同で設立した株式会社千葉袖ケ浦エナジーが、石炭火力発電所開発に向け、環境影響評価の手続きなどを進めている。
また、昨年4月に、九電みらいエナジー株式会社が関東エリアでの電力販売を開始しており、引き続き、他社との提携などによる営業強化に努めていく。
○ 再生可能エネルギー事業については、当社と九電みらいエナジー株式会社が共同で山川バイナリー発電所の建設を進めるとともに、同社が参加するコンソーシアムが新たに北九州市響灘地区で洋上風力の開発に向けた検討を開始するなど、安定供給や環境への影響を考慮しながら国内外で積極的に展開していく。
(3) 強固な事業基盤を築く
○ 事業の基盤となる人づくりについては、競争時代を勝ち抜くため、事業戦略の実現に資する人材の育成に向け、採用・育成・キャリアパスなど人材マネジメントの改革に取り組むとともに、多様な人材を活かすダイバーシティ推進への取組みを展開していく。
また、組織づくりについては、環境が大きく変化する中においても、スピード感をもって、柔軟に対応できる組織・業務運営体制を構築していく。具体的には、本年4月に、事業分野ごとの特性に応じた最適な事業戦略のもと、自律的な業務運営を推進するため、これまでの本部等を統括する「統括本部」を新たに設置した。
併せて、送配電事業において、組織上も、高い独立性・中立性を実現するため、企画管理や内部監査の機能を有する「送配電カンパニー」を設置した。
○ 九電グループにおける財務基盤・競争力については、海外や九州域外における電気事業をはじめとする成長事業への投資などにより、収益拡大に努め、さらに、事業活動全般にわたる徹底した効率化に取り組み、競争力を強化することで、収支の改善、財務基盤の回復を図っていく。
また、グループ一体となった技術開発などを推進し、競争優位性の確保に取り組んでいく。
○ 安全・安心の追求については、全ての事業活動の基本として、これを最優先に取り組んでいく。
本年4月には、社長を委員長とする「全社安全推進委員会」を設置し、地域の皆さまの「安心」と信頼確保につながる安全対策を強化するとともに、社員一人ひとりが「安全」を最優先する風土・文化を醸成していく。
特に、原子力については、本年4月に社長直轄組織として「原子力発電本部」、「原子力監査室」を設置し、トップの強いリーダーシップのもと、規制対応に留まらない自主的な安全対策などを実施していく。また、地域コミュニケーション機能等を強化した「立地コミュニケーション本部」を設置し、フェイス・トゥ・フェイスの対話活動や積極的な情報発信などを、より一層充実させていく。
○ CSR(企業の社会的責任)経営については、法令遵守はもとより、誠実かつ公正な行動により、社会から信頼される事業運営を徹底していく。
また、社会とのコミュニケーションを強化し、いただいた声を事業運営に的確に反映していく。併せて、迅速で分かりやすい情報発信を徹底し、事業活動の透明性を高めていく。
さらに、昨年5月に設立した「九電みらい財団」が中心となり、大分県坊ガツル湿原一帯の環境保全、次世代育成支援を推進するとともに、グループ全体で各地域の課題解決のための活動に取り組んでいく。
今後、エネルギー事業を取り巻く環境は、変化し続けることが予想される。
しかしながら、いかなる事業環境においても、「ずっと先まで、明るくしたい。」をブランド・メッセージとする「九州電力の思い」のもと、「低廉で良質なエネルギーを安定してお届けすることを通じて、お客さまや地域・社会の生活や経済活動を支える。」という当社の使命は変わるものではない。
当社としては、グループ一体となった取組みを進めることにより、持続的な成長を目指すとともに、ステークホルダーの皆さまへの価値提供を果たしていく。
(文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したもの)
さらに、エネルギー事業を取り巻く環境が変化し続ける中、当社グループの経営姿勢をさらに明確にし、経営革新への取組みを一段と加速化していく必要があることから、本年6月、今後5か年の財務目標を掲げた。
今後も、中期経営方針に掲げた「日本一のエネルギーサービスを提供する企業グループ」を目標として、全力を挙げて以下の取組みを推進し、お客さまから信頼され、選ばれ続ける企業を目指していく。
なお、昨年4月に発生した「平成28年熊本地震」により、当社設備は多大な被害を受けたが、各自治体・関係機関をはじめ、地域の皆さまや、全国の電力会社の方々のご協力を得て、本震発生から4日後には、送電をほぼ完了した。今後も、被災地の電力の安定供給の確保に向け、設備の本格復旧に努めていく。
「九州電力グループ中期経営方針」
○ 2030年のありたい姿
○ ありたい姿に向けた3つの戦略の柱
○ 成長事業の目標
| 2015年 | 2030年 | |
| 海外電気事業(発電事業持分出力) | 150万kW | 500万kW |
| 九州域外電気事業(電源開発量) | ― | 200万kW |
| 再生可能エネルギー事業(開発量) | 150万kW | 400万kW |
(注) 2015年の数値は、「九州電力グループ中期経営方針」策定時の実績
○ 財務目標
(連結ベース)
| 項 目 | 目 標 |
| 自己資本比率(2021年度) | 20%程度 |
| 経常利益(2017~2021年度平均) | 1,100億円以上 |
| 成長投資(2017~2021年度累計) | 4,200億円 |
(注) 財務目標については、平成29年6月に公表
(1) 九州のお客さまのエネルギーに関する様々な思いにお応えする
○ 電力の安定供給については、質の高い電気を安定的かつ効率的にお客さまにお届けし続けるため、電力設備の着実な保全、設備形成を図り、安全・安定運転を徹底していく。
原子力発電については、玄海原子力発電所3、4号機の一日も早い再稼働に向け、全社を挙げて対応していく。また、川内原子力発電所における特定重大事故等対処施設の設置などに関する国の審査や検査に、グループ一体となって対応するとともに、更なる安全性向上のための自主的かつ継続的な取組みを進めていく。
また、火力発電については、競争力と安定性を備えた電源を確保するため、松浦発電所2号機の開発を着実に進めるとともに、燃料トレーディングの実施など、燃料調達における柔軟性向上と競争力強化を図っていく。
さらに、再生可能エネルギーについては、地熱や水力などの開発を積極的に進めるとともに、太陽光などの気象条件等による出力変動が大きい電源は、電力の安定供給を前提としつつ、受入れ拡大に努めていく。
これらの取組みを進めるにあたっては、将来の環境変化にも柔軟に対応できるよう、原子力、石炭、LNG及び再生可能エネルギーによるバランスの取れた供給体制を構築していく。
○ エネルギーサービスの提供については、「電気をお届けする」会社から多様な「エネルギーサービスを提供する」企業グループを目指して、お客さまのニーズにお応えできる最適なサービスメニューを、グループ一体となってお届けしていく。
電力小売の全面自由化への対応として、お客さまのニーズに応じた料金プランや「九電あんしんサポート」などを提供するとともに、本年4月から全面自由化が始まったガス事業については、ご家庭向けに「きゅうでんガス」の販売を開始した。今後、オール電化に加え、お客さまのご要望に応じて、ガスも組み合わせた多様なエネルギーサービスを展開していく。
(2) 九電グループの強みを活かして、成長市場で発展していく
○ 海外電気事業については、本年3月、世界最大規模の地熱発電所であるインドネシアのサルーラ地熱発電所の初号機が、営業運転を開始したが、引き続き、2、3号機の営業運転開始に向けて、着実に工事を進めていく。今後とも、市場の成長性が高いアジアを中心に、発電事業を拡大していく。
また、ケニアにおける地熱発電所の運営状況の調査など、海外コンサルティングについても、引き続き積極的に展開し、海外事業の開発能力強化、グループ全体の収益機会の拡大に資する案件を実施していく。
○ 九州域外における電気事業については、出光興産株式会社及び東京ガス株式会社と共同で設立した株式会社千葉袖ケ浦エナジーが、石炭火力発電所開発に向け、環境影響評価の手続きなどを進めている。
また、昨年4月に、九電みらいエナジー株式会社が関東エリアでの電力販売を開始しており、引き続き、他社との提携などによる営業強化に努めていく。
○ 再生可能エネルギー事業については、当社と九電みらいエナジー株式会社が共同で山川バイナリー発電所の建設を進めるとともに、同社が参加するコンソーシアムが新たに北九州市響灘地区で洋上風力の開発に向けた検討を開始するなど、安定供給や環境への影響を考慮しながら国内外で積極的に展開していく。
(3) 強固な事業基盤を築く
○ 事業の基盤となる人づくりについては、競争時代を勝ち抜くため、事業戦略の実現に資する人材の育成に向け、採用・育成・キャリアパスなど人材マネジメントの改革に取り組むとともに、多様な人材を活かすダイバーシティ推進への取組みを展開していく。
また、組織づくりについては、環境が大きく変化する中においても、スピード感をもって、柔軟に対応できる組織・業務運営体制を構築していく。具体的には、本年4月に、事業分野ごとの特性に応じた最適な事業戦略のもと、自律的な業務運営を推進するため、これまでの本部等を統括する「統括本部」を新たに設置した。
併せて、送配電事業において、組織上も、高い独立性・中立性を実現するため、企画管理や内部監査の機能を有する「送配電カンパニー」を設置した。
○ 九電グループにおける財務基盤・競争力については、海外や九州域外における電気事業をはじめとする成長事業への投資などにより、収益拡大に努め、さらに、事業活動全般にわたる徹底した効率化に取り組み、競争力を強化することで、収支の改善、財務基盤の回復を図っていく。
また、グループ一体となった技術開発などを推進し、競争優位性の確保に取り組んでいく。
○ 安全・安心の追求については、全ての事業活動の基本として、これを最優先に取り組んでいく。
本年4月には、社長を委員長とする「全社安全推進委員会」を設置し、地域の皆さまの「安心」と信頼確保につながる安全対策を強化するとともに、社員一人ひとりが「安全」を最優先する風土・文化を醸成していく。
特に、原子力については、本年4月に社長直轄組織として「原子力発電本部」、「原子力監査室」を設置し、トップの強いリーダーシップのもと、規制対応に留まらない自主的な安全対策などを実施していく。また、地域コミュニケーション機能等を強化した「立地コミュニケーション本部」を設置し、フェイス・トゥ・フェイスの対話活動や積極的な情報発信などを、より一層充実させていく。
○ CSR(企業の社会的責任)経営については、法令遵守はもとより、誠実かつ公正な行動により、社会から信頼される事業運営を徹底していく。
また、社会とのコミュニケーションを強化し、いただいた声を事業運営に的確に反映していく。併せて、迅速で分かりやすい情報発信を徹底し、事業活動の透明性を高めていく。
さらに、昨年5月に設立した「九電みらい財団」が中心となり、大分県坊ガツル湿原一帯の環境保全、次世代育成支援を推進するとともに、グループ全体で各地域の課題解決のための活動に取り組んでいく。
今後、エネルギー事業を取り巻く環境は、変化し続けることが予想される。
しかしながら、いかなる事業環境においても、「ずっと先まで、明るくしたい。」をブランド・メッセージとする「九州電力の思い」のもと、「低廉で良質なエネルギーを安定してお届けすることを通じて、お客さまや地域・社会の生活や経済活動を支える。」という当社の使命は変わるものではない。
当社としては、グループ一体となった取組みを進めることにより、持続的な成長を目指すとともに、ステークホルダーの皆さまへの価値提供を果たしていく。
(文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したもの)