有価証券報告書-第174期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
今般の新型コロナウイルス感染症の拡大は、当社グループの事業活動にも影響を及ぼしつつありますが、先ずは、足元の体制をしっかり整え、お客さまの安全・安心とエネルギーの安定供給に万全を期してまいります。 一方、人口減少や少子高齢化といった社会構造の変化、地球温暖化に伴う気候変動等の事業環境をいかに見極め、計画を立てていくかが大きな課題となっております。 このような中、当社グループが、事業環境の変化に対応しつつ成長していくためには、安定的な収益基盤の構築が不可欠です。ガス供給設備や自社電源等の大型投資により総資産が増加していますが、ガス・電力の需要開発を確実に進めていくことに加え、設備稼働率を向上させることにより収益力を高め、財務体質の強化を図ります。このため、2020年度を最終年度とする「2016中期経営計画」の総仕上げに向けて、各施策を積極的に進めてまいります。また、当社グループ全体の人材基盤の強化に向けて「働き方改革」、「女性活躍推進」、「健康経営」を推進してまいります。 昨年11月には、新たな組織として「次世代プラットフォーム検討プロジェクト」を設置しました。これは、事業に関わるあらゆる情報(ビッグデータ)を繋ぎ、デジタル技術を活用することにより事業の革新を図り、持続的成長を目指すものであります。さらに、今後も起こり得る地震等の自然災害に対し、危機管理の観点から、レジリエンス(強靭性)をより一層強化し、適切かつ柔軟に対応してまいります。 新型コロナウイルス感染症の終息が見通せない中、先行きが不透明な状況が続いておりますが、今後の推移を注視しながら、これらの課題にしっかりと取り組んでまいります。
<ガス事業基盤の強化>当社の普及率は50%台前半であり、拡大・成長の余地が大きいことから、引き続き、ガス事業基盤の強化に取り組んでまいります。家庭用分野では、エネルギー効率に優れた省エネ型給湯暖房システム「エコジョーズ」や、省エネ・節電効果の高いガスマイホーム発電「コレモ」、「エネファーム」の普及拡大を図ります。加えて、ガス供給エリア内のガス導管未整備地区において、ガス導管を戦略的に整備・拡充し、家庭用、業務用の燃料転換を推進し、ガス普及率の向上と将来の顧客基盤づくりを進めます。また、業務用分野では、既築物件の燃料転換や、ガスコージェネレーションシステムといった天然ガスの高度利用を推進してまいります。さらに、供給エリアから離れた遠方の地域には、「LNGサテライト供給」の営業活動により、北海道全域に天然ガスの普及拡大を進めてまいります。
このような事業展開を見据え、安定的かつ低廉なLNGの調達や工事体制の強化に取り組み、ガス製造・供給設備の災害対策やセキュリティ向上に加え、お客さま設備の安全対策の確実な実施など、お客さまの安心・安全の確保に向けた取り組みを着実に進めるとともに、ガスの自由化における競合にも万全を期してまいります。
<電力事業の推進>当社グループ一丸となって営業活動を展開した結果、累計件数は契約ベースで17万件を突破し、北海道内全ての市町村(※1)のお客さまへ「北ガスの電気」を供給しております。引き続き、更なる普及拡大を実現するため、当社グループのガスをお使いのお客さまに対する営業活動の強化に加え、ガス供給エリア外の北海道全域に「北ガスの電気」を浸透させてまいります。
一方、電源の整備・調達につきましては、「北ガス石狩発電所」が一昨年10月に運転を開始し、環境にやさしい天然ガスを燃料とした高効率発電により、環境性、経済性に優れた電源を安定的に供給しております。このような大型電源に加え、昨年6月から、本社ビル地下に設置した「北ガス札幌発電所」により、自立分散型エネルギーとして、地域へのエネルギー安定供給、環境負荷低減を図るとともに、地域のまちづくり計画にも貢献しております。
また、分散型電源であるガスコージェネレーションシステムやガスマイホーム発電、また、当社が事業参画している「苫小牧バイオマス発電所」をはじめとする地産地消の環境負荷が少ない電源を活用することに加え、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT制度)の期間満了に伴い余剰電力の買取サービスを積極的に進めるとともに、風力発電等の再生可能エネルギーの利用を進めるなど、高効率で環境にやさしい電源構成を目指してまいります。
<総合エネルギーサービス事業の全道展開>当社では、省エネルギーを推進することにより、経済合理性を追求しながら低炭素社会へ貢献するという理念に基づき開発した当社独自のエネルギーマネジメントシステム「EMINEL(エミネル)※2」によりガス(給湯・暖房)や電気のデータの見える化、暖房の省エネ自動運転や省エネアドバイスに加え、マルチセンサーを活用した「警備会社による駆けつけサービス」をはじめとする各種サービスをご提供し、普及拡大を進めております。
また、北海道初のCEMS(セムス)(※3)による供給開始など、道内各自治体とともに「まちづくり」と一体となった効率的で環境性・持続性に優れた「地産地消型エネルギーモデル」を推進しております。
このような当社独自のエネルギーマネジメントシステムを、北海道全域に広く普及拡大することにより、当社グループの持続的な成長を実現するとともに、地域のエネルギー利用の効率化を図り、地域が抱える課題や深刻化する地球環境問題の解決に貢献してまいります。
当社グループは「エネルギーと環境の最適化による快適な社会の創造」という理念のもと、「総合エネルギーサービス事業」を展開することにより、地域社会の発展と環境負荷の低減に貢献し、ともに成長する企業グループを目指してまいります。
※1:離島を除く175市町村
※2:EMINEL(Energy Management for INteractive Eco Life)
住まいのエネルギー利用を最適にコントロールする最新技術を活用したエネルギーシステム
お客さまとの双方向コミュニケーションを通じて、快適便利で経済的な暮らしと、省エネ・低炭素化による環境に優しい北海道のエネルギー社会を実現。
※3:CEMS(Community Energy Management System)
地域全体のエネルギー利用を最適にコントロールする最新技術を活用したエネルギーシステム
北ガス工場跡地を含む「北4東6周辺地区」において天然ガスコージェネレーションと再生可能エネルギー (太陽熱・地中熱)を活用し、ICTを利用したエネルギーセンターの最適運転により、周辺地区に電気と熱を供給。また、自立型のエネルギー供給システムにより、災害時もエネルギーの供給を継続し、災害に強いまちづくりを支援。
○目標とする経営指標
2016中期経営計画における目標は次のとおり。
| 項目 | 目標(2020年度の姿) |
| 自己資本比率 | 30% |
| ROE | 8% |