有価証券報告書-第123期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/29 12:30
【資料】
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【項目】
72項目

業績等の概要

(1) 業績
当事業年度におけるわが国経済は、前半は個人消費の減速と円高による企業業績の悪化で低迷が続きましたが、11月の米国大統領選挙におけるトランプ氏の勝利をきっかけに円安ドル高に転じ、輸出が伸び企業収益の改善が続いてきました。しかしながら、中国経済の減速や英国のEU離脱に揺れる欧州経済、国内では低迷を続ける個人消費と景気の先行きは不透明な状況です。
このような状況のもと、建替えのため本舘休館中の当社は、本舘および昨年10月に東京銀行協会ビル建替えに伴い閉店した銀行倶楽部のお客様を、既存の営業所へ最大限誘致するとともにケータリングの拡充を図るなど、本舘休館中の収益源となる営業所の営業力・集客力の強化に取り組んでまいりました。
その結果、当事業年度の売上高は、上述の取り組みにより既存営業所で前期比2.9%増加したものの、銀行倶楽部閉店による売上減少が大きく、前期比1.9%減の5,884百万円となりました。
これを部門別にみますと
宴会部門につきましては、一般宴会は、本舘ならびに銀行倶楽部のお客様を各営業所へ積極的に誘致し、加えて新規開拓に重点を置き、企業や各団体、個人に対するセールス活動やケータリングセールスの強化に努めました。
一方、婚礼については、ブライダルフェアを頻繁に開催するとともに、婚礼情報誌への広告掲載ならびにホームページの刷新など宣伝活動の充実を図り、婚礼組数の獲得に積極的に取り組みましたが、銀行倶楽部閉店や婚礼件数の減少により売上高は前年比減となりました。
以上の結果、一般宴会、婚礼合計の宴会部門売上高は、2,651百万円(既存店前期比4.5%増)となりました。
食堂部門につきましては、昨年に引き続き東京交通会館屋上にビアガーデンを開業したほか、直木賞作家 辻村深月氏の著作「東京會舘とわたし」刊行記念コースをレストラン5店舗で提供するなど特色あるフェアを企画、開催するとともにWEBセールスにも注力し、売上の拡大に努めました。その結果、食堂部門の売上高は2,581百万円(既存店前期比0.2%増)となりました。
売店・その他の営業につきましては、食品部門で、季節限定商品の開発・販売と、宴会関連のギフト商品の売上獲得および百貨店における催事への出店に積極的に努めました。その結果、売店・その他の営業の売上高は651百万円(既存店前期比7.5%増)となりました。
一方、経費面では、社員の同業他社への出向による人件費の圧縮、原価管理の徹底、建替費用を含めた一般経費の削減等によりきめ細かくコスト削減に努めましたが、退職給付費用の増加や本舘休館による売上減少が大きく影響し営業損失1,089百万円、経常損失1,045百万円となりました。しかしながら建替え事業の資金に充当するため、本舘敷地一部売却等により1,381百万円を特別利益に計上した結果、当期純利益は142百万円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度末に比べ53百万円増加し、当事業年度末は1,452百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、減少した資金は1,285百万円(前事業年度比5.0%増)となりました。
これは主に税引前当期純利益194百万円に対して、減価償却費168百万円等の増加要因があったものの、有形固定 資産売却益1,379百万円や長期前払費用の増加額172百万円等の減少要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、増加した資金は1,373百万円(前事業年度比30.5%減)となりました。
これは主に有形固定資産の売却による収入1,501百万円や、有形固定資産の取得による支出981百万円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、減少した資金は34百万円(前事業年度比58.9%減)となりました。
これは主に配当金の支払額33百万円等によるものであります。