訂正臨時報告書

【提出】
2021/09/28 15:00
【資料】
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提出理由

当社は、2021年7月16日付の当社取締役会において、第三者割当の方法によりA種優先株式を発行すること(以下、「本第三者割当増資」といいます。)を決議いたしましたので、金融商品取引法第24条の5第4項並びに企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第1項及び同条第2項第2号の規定に基づき本臨時報告書を提出するものであります。なお、本第三者割当増資は、2021年9月27日開催予定の当社臨時株主総会(以下、「本臨時株主総会」といいます。)において、(ⅰ)本第三者割当増資、及び(ⅱ)本第三者割当増資により発行されるA種優先株式に関する規定の新設等に係る定款の一部変更(以下、「本定款変更」といいます。)に係る議案の承認が得られることを条件としております。また、DBJ飲食・宿泊支援ファンド投資事業有限責任組合(以下、「本割当予定先」といいます。)との間で締結した株式投資契約書(以下、「本投資契約」といいます。)上、本割当予定先によるA種優先株式に係る払込みは、本臨時株主総会において、本第三者割当増資、本定款変更、並びに、本第三者割当増資の効力が生じることを条件とし、2021年9月28日を効力発生日として、資本金及び資本準備金の額を減少し、その他資本剰余金へ振り替えること(以下、「本資本金等の減少」といいます。)に係る各議案の承認が得られること等を条件としております。

連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に著しい影響を与える事象

(1) 有価証券の種類及び銘柄
藤田観光株式会社 A種優先株式
(2) 発行数
150株
(3) 発行価格(払込金額)及び資本組入額
発行価格(払込金額) 1株につき 100,000,000円
資本組入額 1株につき 50,000,000円
(4) 発行価額の総額及び資本組入額の総額
発行価額の総額 15,000,000,000円
資本組入額の総額 7,500,000,000円
(注) 資本組入額の総額は、会社法上の増加する資本の額であり、増加する資本準備金の額は7,500,000,000円であります。
なお、当社は、本資本金等の減少として、本第三者割当増資の効力が生じることを条件とし、2021年9月28日を効力発生日として、資本金の額を19,481,592,677円(本第三者割当増資により増額する資本金の額を含みます。)、資本準備金の額を10,495,675,089円(本第三者割当増資により増額する資本準備金の額を含みます。)減少させることを予定しております。
(5) 株式の内容
A種優先株式の内容は、以下のとおりです。
1. 剰余金の配当
① 期末配当の基準日
当会社は、各事業年度末日の最終の株主名簿に記載又は記録されたA種優先株式を有する株主(以下「A種優先株主」という。)又はA種優先株式の登録株式質権者(以下「A種優先登録株式質権者」という。)に対して、金銭による剰余金の配当(期末配当)をすることができる。
② 期中配当
当会社は、期末配当のほか、基準日を定めて当該基準日の最終の株主名簿に記載又は記録されたA種優先株主又はA種優先登録株式質権者に対し金銭による剰余金の配当(期中配当)をすることができる。
③ 優先配当金
当会社は、ある事業年度中に属する日を基準日として剰余金の配当を行うときは、当該基準日の最終の株主名簿に記載又は記録されたA種優先株主又はA種優先登録株式質権者に対して、当該基準日の最終の株主名簿に記載又は記録された普通株式を有する株主(以下「普通株主」という。)又は普通株式の登録株式質権者(以下「普通登録株式質権者」という。)に先立ち、A種優先株式1株につき、下記1.④に定める額の配当金(以下「優先配当金」という。)を金銭にて支払う。ただし、当該剰余金の配当の基準日の属する事業年度中の日であって当該剰余金の配当の基準日以前である日を基準日としてA種優先株主又はA種優先登録株式質権者に対し剰余金を配当したとき(以下、当該配当金を「期中優先配当金」という。)は、その額を控除した金額とする。また、当該剰余金の配当の基準日から当該剰余金の配当が行われる日までの間に、当会社がA種優先株式を取得した場合、当該A種優先株式につき当該基準日に係る剰余金の配当を行うことを要しない。
④ 優先配当金の額
優先配当金の額は、A種優先株式1株につき、以下の算式に基づき計算される額とする。ただし、除算は最後に行い、円単位未満小数第3位まで計算し、その小数第3位を四捨五入する。
A種優先株式1株当たりの優先配当金の額は、A種優先株式の1株当たりの払込金額及び前事業年度に係る期末配当後の未払A種優先配当金(下記1.⑤において定義される。)(もしあれば)の合計額に年率4.0%を乗じて算出した金額について、当該剰余金の配当の基準日の属する事業年度の初日(ただし、当該剰余金の配当の基準日が払込期日と同一の事業年度に属する場合は、払込期日)(同日を含む。)から当該剰余金の配当の基準日(同日を含む。)までの期間の実日数につき、1年を365日として日割計算により算出される金額とする。
⑤累積条項
ある事業年度に属する日を基準日としてA種優先株主又はA種優先登録株式質権者に対して行われた1株当たりの剰余金の配当の総額が、当該事業年度の末日を基準日として計算した場合の優先配当金の額に達しないときは、その不足額(以下「未払A種優先配当金」という。)は翌事業年度以降に累積する。
⑥ 非参加条項
当会社は、A種優先株主又はA種優先登録株式質権者に対して、上記1.④に定める優先配当金の合計額を超えて剰余金の配当を行わない。
2. 残余財産の分配
① 残余財産の分配
当会社は、残余財産を分配するときは、A種優先株主又はA種優先登録株式質権者に対して、普通株主又は普通登録株式質権者に先立って、A種優先株式1株当たり、下記2.②に定める金額を支払う。
② 残余財産分配額
(ア)基本残余財産分配額
A種優先株式1株当たりの残余財産分配額は、下記4.②(ア)に定める基本償還価額算式(ただし、基本償還価額算式における「償還請求日」は「残余財産分配日」(残余財産の分配が行われる日をいう。以下同じ。)と読み替えて適用する。)によって計算される基本償還価額相当額(以下「基本残余財産分配額」という。)とする。
(イ)控除価額
上記2.②(ア)にかかわらず、残余財産分配日までの間に支払われた優先配当金(残余財産分配日までの間に支払われた期中優先配当金を含み、以下「解散前支払済優先配当金」という。)が存する場合には、A種優先株式1株当たりの残余財産分配額は、下記4.②(イ)に定める控除価額算式(ただし、控除価額算式における「償還請求日」「償還請求前支払済優先配当金」は、それぞれ「残余財産分配日」「解散前支払済優先配当金」と読み替えて適用する。)に従って計算される控除価額相当額を、上記2.②(ア)に定める基本残余財産分配額から控除した額とする。なお、解散前支払済優先配当金が複数回にわたって支払われた場合には、解散前支払済優先配当金のそれぞれにつき控除価額相当額を計算し、その合計額を上記2.②(ア)に定める基本残余財産分配額から控除する。
③ 非参加条項
A種優先株主又はA種優先登録株式質権者に対しては、上記のほか残余財産の分配を行わない。
3. 議決権
A種優先株主は、法令に別段の定めのある場合を除き、株主総会において、議決権を有しない。
4. 金銭を対価とする取得請求権(償還請求権)
① 償還請求権の内容
A種優先株主は、いつでも、当会社に対して金銭を対価としてA種優先株式を取得することを請求(以下「償還請求」という。)することができる。この場合、当会社は、A種優先株式1株を取得するのと引換えに、当該償還請求の日(以下「償還請求日」という。)における会社法第461条第2項所定の分配可能額を限度として、法令上可能な範囲で、当該効力が生じる日に、当該A種優先株主に対して、下記4.②に定める金額(ただし、除算は最後に行い、円単位未満小数第3位まで計算し、その小数第3位を四捨五入する。以下「償還価額」という。)の金銭を交付する。なお、償還請求日における分配可能額を超えて償還請求が行われた場合、取得すべきA種優先株式は、抽選又は償還請求が行われたA種優先株式の数に応じた比例按分その他の方法により当会社の取締役会において決定する。
② 償還価額
(ア)基本償還価額
A種優先株式1株当たりの償還価額は、以下の算式によって計算される額(以下「基本償還価額」という。)とする。
(基本償還価額算式)
基本償還価額=100,000,000円×(1+0.04)m+n/365
払込期日(同日を含む。)から償還請求日(同日を含む。)までの期間に属する日の日数を「m年とn日」とする。
(イ)控除価額
上記4.②(ア)にかかわらず、償還請求日までの間に支払われた優先配当金(償還請求日までの間に支払われた期中優先配当金を含み、以下「償還請求前支払済優先配当金」という。)が存する場合には、A種優先株式1株当たりの償還価額は、次の算式に従って計算される価額を上記4.②(ア)に定める基本償還価額から控除した額とする。なお、償還請求前支払済優先配当金が複数回にわたって支払われた場合には、償還請求前支払済優先配当金のそれぞれにつき控除価額を計算し、その合計額を上記4.②(ア)に定める基本償還価額から控除する。
(控除価額算式)
控除価額=償還請求前支払済優先配当金×(1+0.04)x+y/365
償還請求前支払済優先配当金の支払日(同日を含む。)から償還請求日(同日を含む。)までの期間に属する日の日数を「x年とy日」とする。
③ 償還請求受付場所
東京都文京区関口二丁目10番8号
藤田観光株式会社
④ 償還請求の効力発生
償還請求の効力は、償還請求書が償還請求受付場所に到着した時に発生する。
5. 金銭を対価とする取得条項(強制償還)
① 強制償還の内容
当会社は、いつでも、当会社の取締役会に基づき別に定める日(以下「強制償還日」という。)の到来をもって、A種優先株主又はA種優先登録株式質権者の意思にかかわらず、当会社がA種優先株式の全部又は一部を取得するのと引換えに、当該日における分配可能額を限度として、A種優先株主又はA種優先登録株式質権者に対して、下記5.②に定める金額(以下「強制償還価額」という。)の金銭を交付することができる(以下、この規定によるA種優先株式の取得を「強制償還」という。)。なお、A種優先株式の一部を取得するときは、取得するA種優先株式は、抽選、比例按分その他の方法により当会社の取締役会において決定する。
② 強制償還価額
(ア)基本強制償還価額
A種優先株式1株当たりの強制償還価額は、上記4.②(ア)に定める基本償還価額算式(ただし、基本償還価額算式における「償還請求日」は「強制償還日」と読み替えて適用する。)によって計算される基本償還価額相当額(以下「基本強制償還価額」という。)とする。
(イ)控除価額
上記5.②(ア)にかかわらず、強制償還日までの間に支払われた優先配当金(強制償還日までの間に支払われた期中優先配当金を含み、以下「強制償還前支払済優先配当金」という。)が存する場合には、A種優先株式1株当たりの強制償還価額は、上記4.②(イ)に定める控除価額算式(ただし、控除価額算式における「償還請求日」「償還請求前支払済優先配当金」は、それぞれ「強制償還日」「強制償還前支払済優先配当金」と読み替えて適用する。)に従って計算される控除価額相当額を、上記5.②(ア)に定める基本強制償還価額から控除した額とする。なお、強制償還前支払済優先配当金が複数回にわたって支払われた場合には、強制償還前支払済優先配当金のそれぞれにつき控除価額相当額を計算し、その合計額を上記5.②(ア)に定める基本強制償還価額から控除する。
6. 株式の併合又は分割
法令に別段の定めがある場合を除き、A種優先株式について株式の併合又は分割は行わない。A種優先株主には、募集株式又は募集新株予約権の割当を受ける権利を与えず、株式又は新株予約権の無償割当を行わない。
(6) 発行方法
第三者割当の方法により、DBJ飲食・宿泊支援ファンド投資事業有限責任組合に全てのA種優先株式を割り当てます。
(7) 当社が取得する手取金の総額並びに使途ごとの内容、金額及び支出予定時期
1. 手取金の総額
払込金額の総額150億円
発行諸費用の概算額2.7億円
差引手取概算額147.3億円

(注1) 「発行諸費用の概算額」には、消費税等は含まれておりません。
(注2) 「発行諸費用の概算額」の内訳は、登記関連費用、事務手数料、弁護士費用、アドバイザリー費用、臨時報告書等の書類作成費用等であります。
2. 手取金の使途ごとの内容、金額及び支出予定時期
本第三者割当増資により当社が調達する資金合計150億円(差引手取概算額の合計147.3億円)の具体的な使途は、以下のとおりです。
具体的な使途金額(百万円)支出予定時期
事業資金147.3億円2021年1月以降

(注) 調達資金を実際に支出するまでは、銀行口座にて管理いたします。
当社は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて著しく低下した収支を改善させ、会社を再建するために、「Ⅰ.構造改革の推進」、「Ⅱ.事業ポートフォリオの見直し」、「Ⅲ.経営管理体制の強化」の3つの戦略を骨子とする新たな事業計画を策定、推進しております。この度調達する資金につきましては、主に事業計画の推進に充当する事を予定しており、各資金使途についての詳細は以下のとおりです。なお、以下①~③に対する各支出金額については、当社を取り巻く経済状況によって段階的に判断する必要があり、現時点では具体的に区別しておりません。
① 運転資金
新型コロナウイルス感染症の世界的拡大に伴い、インバウンド需要の喪失、国内の観光及びビジネス需要の減退、婚礼・宴会の延期やキャンセルの発生に加え、政府による緊急事態宣言の発出を受けた営業休止や営業規模縮小などの影響により、2020年度末時点において、当社の連結純資産は13億円まで急激に減少いたしました。当社存続のため、2021年2月に太閤園の土地・建物を売却したことで債務超過は回避いたしましたが、度重なる緊急事態宣言の発出や変異株による感染拡大等、当社を取り巻く事業環境は厳しい状態が続いております。
足元では、ワクチンの普及などによる需要回復への期待要素はあるものの、依然不透明な先行きであることを踏まえ、当社の施設利用の需要低迷が今後も継続するリスクに備える観点から、本第三者割当増資に係る調達資金の一部については、運転資金に充当することを予定しております。
② 設備投資資金
本第三者割当増資に係る調達資金の一部については、当社の設備投資資金全般への充当を予定しております。特に、事業計画の戦略の一つである「事業ポートフォリオの見直し」では、リゾート事業の中核である箱根小涌園の収益改善が重要な課題であると認識しており、既存の箱根小涌園天悠・箱根小涌園ユネッサンに加え、箱根新ホテルを建設することによってさらに幅広い顧客層のニーズに対応し、宿泊客・日帰り客の両方が足を運ぶ複合リゾートへと進化させる再開発を予定しております。箱根新ホテルは、中価格帯で高い価値を提供しマーケットのボリュームゾーンを取り込むことを目的としており、2021年より着工し、2023年4月に竣工、同年7月からの営業開始を予定しております。
また、隣接する箱根小涌園ユネッサンにおいても、2022年から2023年にかけて、水着ゾーンの機能強化や貸切風呂の増設を計画しているほか、温泉街を模したエリア・屋外アクティビティの新設によって飲食・物販・アミューズメントの充実を図ります。これらの箱根一帯への投資により同エリア全体の魅力を高め、低収益化した事業構造からの脱却を目指します。
なお、箱根新ホテルの建設及び箱根小涌園ユネッサンへの追加投資については、2021年11月から2023年4月にかけて実施することを計画しております。
③ 不採算事業撤退への対応資金
事業計画の中核である「構造改革の推進」では、その一つの施策として、営業縮小及びコスト対策を実施してもなお赤字継続が見込まれる不採算事業からの撤退を進めております。
当該不採算事業撤退については、2022年3月頃までを目途に対応を進めることを計画しており、本第三者割当増資に係る調達資金の一部についても係る費用に充当することを予定しております。
(8) 新規発行年月日(払込期日)
2021年9月28日
(9) 当該有価証券を金融商品取引所に上場しようとする場合における当該金融商品取引所の名称
該当事項はありません。
(10) 引受人の氏名又は名称に準ずる事項
該当事項はありません。
(11) 募集を行う地域に準ずる事項
日本国内
(12) 金融商品取引法施行令第1条の7に規定する譲渡に関する制限その他の制限
該当事項はありません。
(13) 保有期間その他の当該株券の保有に関する事項についての取得者と当社との間の取決めの内容
該当事項はありません。
なお、本割当予定先のA種優先株式の保有方針については、下記(14)3.をご参照ください。
(14) 第三者割当の場合の特記事項
1. 割当予定先の状況
① 名称DBJ飲食・宿泊支援ファンド投資事業有限責任組合
② 所在地東京都千代田区大手町一丁目9番6号
③ 設立根拠等投資事業有限責任組合契約に関する法律
④ 組成目的中堅・大企業の飲食・宿泊業等の発行する償還型無議決権優先株の取得
⑤ 組成日2021年3月31日
⑥ ファンド総額500億円(当初)
⑦ 出資者の概要株式会社日本政策投資銀行
代表取締役 渡辺 一
東京都千代田区大手町一丁目9番6号
⑧ 業務執行
組合員の概要
名称DBJ地域投資株式会社
所在地東京都千代田区大手町一丁目9番6号
代表者の
役職・氏名
代表取締役社長 松木 大
事業内容投資事業有限責任組合への出資及び組成・運営に関する業務
株式、社債又は持分等に対する投資業務等
主たる出資者株式会社日本政策投資銀行 100%
資本金700万円
⑨ 当社と当該ファンドの間の関係資本関係当該事項はありません。
人的関係当該事項はありません。
取引関係当該事項はありません。

2. 割当予定先の選定理由
当社は、2019年末に発生した新型コロナウイルス感染症の世界的拡大に伴い、インバウンド需要の喪失、国内の観光及びビジネス需要の減退、婚礼・宴会の延期やキャンセルの発生に加え、営業休止や営業規模縮小を余儀なくされるなど、厳しい環境変化の影響を受けております。その影響により、当社の2020年度における連結売上高は2019年度比で61.4%減の大幅な減収となったほか、当社の自己資本比率は2019年度末時点の25.4%から2020年度末時点で1.2%にまで急激に低下するなど、2020年度単年度の業績にとどまらず、会社存続に重大な影響を及ぼす水準にまで達しました。
そのような状況を踏まえ、毀損した資本を早期に補強し、財務状況の改善及び経営基盤の強化を行うことが喫緊の課題であると認識し、2020年4月16日開示の「資金の借入に関するお知らせ」のとおり、2020年4月には手元資金を厚くすることを目的に、金融機関より緊急的な追加借入等を実施いたしました。さらに、当社存続のため、2021年2月12日開示の「固定資産の譲渡及び特別利益の計上に関するお知らせ」のとおり、太閤園の土地・建物を売却したことにより、332億円の売却益を計上いたしました。その結果、当社の2021年3月末時点における自己資本比率は20.7%となり、債務超過を回避いたしました。
また、2020年12月には「Ⅰ.構造改革の推進」、「Ⅱ.事業ポートフォリオの見直し」、「Ⅲ.経営管理体制の強化」の3つの戦略を骨子とする新たな事業計画を策定いたしました。その中核である「構造改革の推進」においては、委託業務の内製化、間接部門・事業所の体制変更、不採算事業所の撤退・縮小、新規出店計画の見直し、賃料減額など、2020年からの継続施策として大幅な固定費削減に取り組んでおります。加えて、賞与の不支給、給与・諸手当の減額などを行うとともに、要員の適正化を図ることを目的に、早期希望退職者の募集を行いました。「事業ポートフォリオの見直し」においては、デジタルマーケティングの確立、ブランディングの強化に取り組んでおり、さらに、中長期の成長戦略としてホテル椿山荘東京、箱根小涌園への大型投資と、WHGのビジネスモデルを再構築することによって、従前より課題であった低収益化した事業構造からの脱却を図ることを予定しております。
一方で、2021年度第1四半期における連結売上高は前年同四半期比5,501百万円減収の5,132百万円となり、厳しい事業環境が継続しております。足元では、上記の各種施策により財務状況は一定程度回復しており、また、ワクチンの普及などコロナ禍からの回復への期待要素はあるものの、先行きは依然不透明であり、一時的に回復した自己資本が毀損する可能性も否定できない状況が続いております。
そのため、当社としては、更なる構造改革及びアフターコロナを見据えた成長戦略を推進し、今後も相当期間見込まれる新型コロナウイルス感染症の影響に耐えうる財務体質を築くためには資本性資金の調達が依然として必要であるとの結論に至りました。
このような状況の中、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けた飲食・宿泊等の企業に対する支援を目的として本割当予定先であるDBJ飲食・宿泊支援ファンド投資事業有限責任組合が組成されたことを受け、本割当予定先に対して本第三者割当増資についての打診をいたしました。当社としては、当社の直面している状況と本割当予定先の出資目的が合致しており、その支援を通じて新たな事業計画を推進していくことが当社の中長期的な企業価値向上に寄与するものと考え、本割当予定先を選定いたしました。
なお、当社は、本割当予定先との間で、以下の内容を含む本投資契約を締結しております。
① 当社の本割当予定先に対する剰余金の配当又は本割当予定先によるA種優先株式の全部又は一部の取得請求権の行使に際し、当社の資本金、資本準備金又は利益準備金の額の減少を行わなければ、これらに応じることができない場合、当社は、速やかに、法令等の定めに従い、資本金、資本準備金又は利益準備金の額の減少を会議の目的事項とする株主総会を招集し、本割当予定先に対する剰余金の配当又はA種優先株式の金銭を対価とする取得を可能にするために、法令等に違反しない範囲で、必要な措置を講じること。
② 本投資契約締結日以降、本割当予定先がA種優先株式又は取得請求権の行使若しくは取得条項に基づく当社に対する金銭債権を保有している期間中、本割当予定先の事前の書面による承諾がある場合を除き、一定の重要な事項(事業の全部若しくは重要な一部の中止若しくは廃止、重要な不動産の譲渡若しくは譲受け、事業全部の賃貸、事業全部の経営の委任、子会社若しくは関連会社に係る株式の取得若しくは売却、重要な知的財産権若しくはライセンスの売却、処分若しくは放棄、定款の重要な変更、重要な組織再編行為、解散、倒産手続開始の申出若しくは申立て、自己株式若しくは自己新株予約権の取得、普通株主に対する剰余金の配当(但し、当社の各事業年度末日時点の分配可能額から、当該事業年度の翌事業年度中に見込まれる剰余金の配当額その他の会社法第461条第1項各号に定める行為に係る金額の合計額を除いた額が、当該事業年度末日を強制償還日として当該時点におけるA種優先株式の全部について強制償還をしたと仮定した場合の強制償還価額の合計額以上になる場合は、除く。)、資本金若しくは資本準備金の増加、代表取締役の変更、債務保証若しくは債務引受による債務負担行為、新たなスワップ取引、オプション取引その他のデリバティブ取引、第三者への新たな出資若しくは貸付、又は第三者の負担する債務を被担保債務として行う担保提供等)を行わないこと(但し、本割当予定先は、その承諾を不合理に留保又は拒絶しないものとする。)。
③ 本投資契約締結日以降、本割当予定先がA種優先株式又は取得請求権の行使若しくは取得条項に基づく当社に対する金銭債権を保有している期間中、本割当予定先が必要と認めて要請した場合は、合理的な方法及び態様により、本割当予定先との間で定期的にモニタリング会議を開催するなど、一定の重要な事項に関する報告等を行うこと。
3. 株券等の保有方針
当社は、本割当予定先から、原則として、A種優先株式を中期的に保有する方針である旨の説明を受けております。
4. 払込みに要する資金等の状況
当社は、本割当予定先から、払込みに要する資金を既に保有している旨の報告を得ております。また、本割当予定先の業務執行組合員の出資者である株式会社日本政策投資銀行(以下、「日本政策投資銀行」といいます。)が2021年6月24日付で関東財務局長宛てに提出している有価証券報告書の2021年3月31日における連結貸借対照表により、A種優先株式の払込みのために十分な現金及び現金同等物(現金預け金:2,187,820百万円)を保有していることを確認するなどし、また、本割当予定先が日本政策投資銀行との間の投資事業有限責任組合契約等に基づき、日本政策投資銀行に対して当該払込みに充てるための出資等を請求できることを口頭で確認することなどにより、払込期日においても割当予定株式を引き受けるのに十分な資金を確保できるものと判断しております。
5. 割当予定先の実態
本割当予定先の業務執行組合員であるDBJ地域投資株式会社は、日本政策投資銀行の完全子会社であるところ、当社は、日本政策投資銀行が2021年6月24日付で関東財務局長宛てに提出している有価証券報告書により、同社が、「内部統制基本方針」を策定し、社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力との関係を一切遮断するための態勢を整備していること、及び同社の株主が財務大臣のみであることを確認しております。これらにより、当社は、日本政策投資銀行の完全子会社であるDBJ地域投資株式会社が反社会的勢力とは一切関係していないと判断しております。当社は、以上のとおり、本割当予定先の全ての業務執行組合員が反社会的勢力とは一切関係していないと判断するとともに、本割当予定先が反社会的勢力でない旨を直接確認し、その旨の確認書を東京証券取引所に提出しています。
6. 株券等の譲渡制限
A種優先株式には譲渡制限が付されておりません。
7. 発行条件に関する事項
当社は、当社にとって最も有利な条件での資金調達の実現に向けて、当社の置かれた足元の厳しい経営環境及び財務体質、多額の資本性の資金需要、及び当社の足元の株価状況等を踏まえつつ、本割当予定先との間で本第三者割当増資に係る出資の方法及び内容に関する交渉を重ねてまいりました。真摯な交渉を重ねた結果、A種優先株式については払込金額を1株当たり100,000,000円と決定いたしました。当社としては、本割当予定先は新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受けた飲食・宿泊等の企業に対する支援を目的として組成された投資事業有限責任組合であり、本投資契約に基づき一定の事務手数料を本割当予定先に支払うことを要するものの、社債型優先株式に係る優先配当率の市場水準等を勘案しても、A種優先株式の優先配当率は割高ではないと判断していることから、かかる払込金額には合理性が認められると考えております。
上記のとおり、当社としては、A種優先株式の払込金額には合理性が認められると考えておりますが、A種優先株式は客観的な市場価格がなく、また優先株式の評価は非常に高度かつ複雑であり、その評価については様々な見解があり得ることから、会社法上、A種優先株式の払込金額が本割当予定先によって特に有利な金額であると判断される可能性も否定できないため、念のため、当社は、本臨時株主総会での会社法第199条第2項に基づく有利発行に係る株主総会の特別決議による承認を得ることを条件としてA種優先株式を発行することとしておりましたが、本臨時株主総会においてかかる承認を得ております。
8. 大規模な第三者割当に関する事項
A種優先株式については、株式総会における議決権がなく、普通株式への転換権及び普通株式を対価とする取得条項も付されていないため、本第三者割当増資は大規模な第三者割当には該当しないと考えております。
9. 第三者割当後の大株主の状況
① 普通株式
氏名又は名称住所所有株式数
(千株)
総議決権数に対する所有議決権数の割合(%)割当後の所有株式数
(千株)
割当後の総議決権数に対する所有議決権数の割合(%)
DOWAホールディングス株式会社東京都千代田区外神田四丁目14番1号3,81431.93%3,81431.93%
明治安田生命保険相互会社(常任代理人 株式会社日本カストディ銀行)東京都千代田区丸の内二丁目1番1号(東京都中央区晴海一丁目8番12号)3002.52%3002.52%
日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)東京都港区浜松町二丁目11番3号2271.90%2271.90%
日本生命保険相互会社(常任代理人 日本マスタートラスト信託銀行株式会社)東京都千代田区丸の内一丁目6番6号(東京都港区浜松町二丁目11番3号)2181.83%2181.83%
清水建設株式会社東京都中央区京橋二丁目16番1号1841.54%1841.54%
アサヒビール株式会社東京都墨田区吾妻橋一丁目23番1号1811.52%1811.52%
株式会社みずほ銀行(常任代理人 株式会社日本カストディ銀行)東京都千代田区大手町一丁目5番5号(東京都中央区晴海一丁目8番12号)1801.51%1801.51%
株式会社三菱UFJ銀行東京都千代田区丸の内二丁目7番1号1801.51%1801.51%
サッポロビール株式会社東京都渋谷区恵比寿四丁目20番1号1471.24%1471.24%
BofA証券株式会社東京都中央区日本橋一丁目4番1号1321.11%1321.11%
-5,56746.60%5,56746.60%

(注1) 「所有株式数」及び「総議決権数に対する所有議決権数の割合」は、2020年12月31日現在の株主名簿を基準として記載しています。
(注2) 「総議決権数に対する所有議決権数の割合」及び「割当後の総議決権数に対する所有議決権数の割合」 は、小数点以下第3位を四捨五入しております。
② A種優先株式
氏名又は名称住所所有株式数
(千株)
総議決権数に対する所有議決権数の割合(%)割当後の所有株式数
(株)
割当後の総議決権数に対する所有議決権数の割合(%)
DBJ飲食・宿泊支援ファンド投資事業有限責任組合東京都千代田区大手町一丁目9番6号--150100%
---150100%

10. 株式併合等の予定の有無及び内容
該当事項はありません。
11. その他参考になる事項
該当事項はありません。
(15) その他
1. 2021年3月31日現在の発行済株式総数及び資本金の額
発行済株式総数(普通株式) 12,207,424株
資本金の額 12,081百万円
2. A種優先株式の発行は、本臨時株主総会において、(ⅰ)本第三者割当増資、及び(ⅱ)本定款変更に係る各議案の承認が得られることを条件としておりましたが、本臨時株主総会において、各議案の承認を得ております。
以上