有価証券報告書-第152期(平成29年3月1日-平成30年2月28日)
有報資料
(1)業績
当連結会計年度におけるわが国の経済は、企業収益が改善し、雇用・所得情勢が堅調であることから、個人消費は緩やかな回復が続きました。景気の拡大が引き続き期待されますが、原油価格の上昇や人手不足、金融市場の急変動等に留意することが必要となりました。
映画業界は、興行収入が2,285億7,200万円(前年比97.1%)となり、興行収入での発表を始めた2000年以降での最高成績となった前年に次ぐ成績となりました。また、入場人員は1億7,448万人(前年比96.8%)となりました。邦画・洋画の構成比は邦画が54.9%、洋画が45.1%となり、「美女と野獣」「怪盗グルーのミニオン大脱走」等の洋画が高稼働でしたが、依然として邦画が優勢な状況が続きました。全国のスクリーン数は前年より53スクリーン増えて3,525スクリーンとなりました。
演劇業界は、依然としてお客様が公演を厳しく選別している状況が続いています。その中で、お客様の嗜好に合致した公演・企画を実現させていくとともに、現状の観客動員を維持しながら、新たな販路を開拓していくこと、また、多様な規模の新しい劇場やホールの建設・開場が決定され、今後の興行多様化に注力していくことが課題となりました。
不動産業界は、賃貸オフィスビル市場で、雇用の増加からオフィスの需要は堅調に推移し、空室率の改善が続いておりますが、建築費は依然として高い水準にあることから引き続き注視を必要とする状況が続きました。
このような状況下、当企業グループ(当社及び当社の関係会社、以下同じ)はより一層の経営の効率化を図るとともに、積極的な営業活動を展開しました。
以上の結果、当連結会計年度は、売上高92,878百万円(前連結会計年度比3.4%減)、営業利益6,463百万円(同14.3%減)、経常利益5,774百万円(同12.9%減)となり、特別利益363百万円、特別損失593百万円を計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は3,749百万円(同1.0%増)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(映像関連事業)
配給は、邦画17本、洋画8本、アニメ18本、シネマ歌舞伎、METライブビューイングとバラエティに富んだ作品を公開しました。5月公開の「家族はつらいよ2」は、山田洋次監督による喜劇作品で、前作に続いてシニア層に支持され好評を博しました。7月公開の「東京喰種 トーキョーグール」は大ヒットコミックの実写化、8月公開の「HiGH&LOW THE MOVIE 2/END OF SKY」と11月公開の「HiGH&LOW THE MOVIE 3/FINAL MISSION」は、EXILE TRIBEをはじめとする豪華キャストが集結するシリーズの完結編と、いずれも大きな話題となりました。12月公開の「8年越しの花嫁 奇跡の実話」は、佐藤健と土屋太鳳をダブル主演に迎え、実話を基にした物語が大きな話題を集め、競合作品が多い正月興行において大ヒットとなりました。
興行は、㈱松竹マルチプレックスシアターズにて、当社配給作品の他、「モアナと伝説の海」「美女と野獣」「パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊」「怪盗グルーのミニオン大脱走」等、春先からゴールデンウィーク、夏休みにかけての興行が盛況だったことに加え、冬休みに入ってからは「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」等、年間を通して多数のヒット作が公開されました。邦画、洋画、アニメの他に、演劇・音楽等、映画ではないコンテンツを映画館で上映するODSは合わせて415本の作品を上映しました。上映作品の編成と劇場宣伝を強化し、競合館との差別化を推進しつつ、ウェブサイトを大幅にリニューアルすることで、チケット購入の利便性向上を図る等、お客様満足度向上を目指す施策を実施しました。
テレビ制作は、地上波にて、時代劇スペシャル「必殺仕事人」、スペシャルドラマ「テミスの剣」、シリーズ企画「司法教官 穂高美子6」「赤かぶ検事奮戦記7」「検事・悪玉2」、連続ドラマ「ウツボカズラの夢」、またBS放送にて、BS連続時代劇「池波正太郎時代劇 光と影」、BSスペシャル時代劇「無用庵隠居修行」、BS情報番組「片岡愛之助の解明!歴史捜査」を制作し、収益に貢献しました。番組販売では、「旧必殺シリーズ」他時代劇作品をCS、BS局への販売も好調に推移しました。
映像ソフトは、「ARIA The AVVENIRE」「魔法使いの嫁」等のアニメ作品の他、「ピーチガール」「PとJK」「破門 ふたりのヤクビョーガミ」「こどもつかい」等を販売しました。
テレビ放映権販売は、BSジャパンにて「釣りバカ日誌」シリーズに続き「男はつらいよ」シリーズが全作放映されました。海外におけるリメイクでは、「家族はつらいよ」の中国版を中国で劇場公開し、好評を博しました。また、8月のヴェネチア国際映画祭では、「お茶漬の味」、2月のベルリン国際映画祭では、「東京暮色」のデジタル修復版がそれぞれ上映され、高い評価を得ることができました。
CS放送事業は、「スカパー!」の契約者数が前年を大きく割り込み、競合となるインターネットを介した映像配信サービスがオリジナルコンテンツを多数投入する等、厳しい状況が続く中、松竹ブロードキャスティング㈱は、映画・舞台・ドラマ等の番組編成および韓国ドラマの超大作の編成等により、安定した収益の確保に努めました。
この結果、売上高は51,757百万円(前年同期比5.4%減)、セグメント利益は2,737百万円(同12.8%減)となりました。
(演劇事業)
歌舞伎座は、「三月大歌舞伎」で河東節開曲三百年記念を銘打ちました「助六由縁江戸桜」が話題となり好評となりました。「七月大歌舞伎」は夜の部の「通し狂言駄右衛門花御所異聞」を中心に大盛況となり、「八月納涼歌舞伎」は、昨年好評を得た「東海道中膝栗毛」の第二弾となる「歌舞伎座捕物帖」や野田秀樹作・演出「野田版桜の森の満開の下」等が大きな話題を呼び大人気の公演となりました。1月、2月は松本幸四郎改め二代目松本白鸚、十代目松本幸四郎、八代目市川染五郎の高麗屋親子三代の襲名披露公演が活況を呈しました。
新橋演舞場は、4月、5月に滝沢秀明主演「滝沢歌舞伎2017」を上演し、10月、11月はスーパー歌舞伎Ⅱ(セカンド)「ワンピース」を再演し、市川猿之助の代役、尾上右近等の熱演により、いずれも盛況となりました。12月は芸能生活55周年を銘打ちました「舟木一夫特別公演」で「忠臣蔵」を昼夜に前編・後編と配し、人気の舞台となりました。「初春歌舞伎公演」は市川海老蔵の宙乗りや、娘である堀越麗禾の出演が話題となり、大盛況となりました。
大阪松竹座は、新築開場二十周年を迎え多彩な公演を行いました。3月、8月、12月の恒例関西ジャニーズJr.公演は盛況を極め、「五月花形歌舞伎」は市川猿之助・中村勘九郎・中村七之助が出演し収益に貢献しました。二代目松本白鸚襲名前最後のストレートプレイとなった松本幸四郎が10月の「アマデウス」の主演で文化庁芸術祭賞の大賞を受賞、1月に坂東玉三郎の4年ぶり舞踊公演となった「坂東玉三郎初春特別舞踊公演」が好評を博しました。
南座は、耐震補強・改装を図る工事のため、休館しております。
その他の公演は、3月に日生劇場では「音楽劇マリウス」を今井翼主演で上演し、6月に三越劇場では劇団新派が江戸川乱歩原作「黒蜥蜴」を喜多村緑郎・河合雪之丞を主演として上演し好評を博しました。明けて1月浅草公会堂では、尾上松也を中心とした花形俳優による「新春浅草歌舞伎」を上演し、三越劇場では新派130年を飾るに相応しく山田洋次監督の原作・脚本・演出による映画「家族はつらいよ」の舞台版を、新しい現代喜劇の劇団新派公演として上演し、いずれも盛況に推移しました。休館中の南座に代わり、ロームシアター京都では、9月に坂東玉三郎×鼓童による「幽玄」と12月に八代目中村芝翫親子四人襲名公演の掉尾を飾る「吉例顔見世興行」を上演し、話題となりました。巡業公演は、4月に五代目中村雀右衛門襲名披露公演「四国こんぴら歌舞伎大芝居」が盛況となり、公文協主催の「松竹大歌舞伎」におきましては、東西両コースを八代目中村芝翫襲名披露公演、中央コースは五代目中村雀右衛門襲名披露公演を行い、秋季巡業では中村獅童を座頭に全国各地で上演し、多くの歌舞伎ファンを魅了しました。
受託製作では、4月にTBS赤坂ACTシアターで「赤坂大歌舞伎」、5月に「明治座五月花形歌舞伎」を製作しました。6月に八代目中村芝翫親子四人襲名公演「六月博多座大歌舞伎」や、名古屋城本丸御殿公開プレイベントとして「名古屋平成中村座」を製作、大人気公演となりました。8月に六本木歌舞伎第二弾「座頭市」を中日劇場および大阪のフェスティバルホールで上演し、10月に日本特殊陶業市民会館での「錦秋名古屋顔見世」を、2月に「二月博多座花形歌舞伎」を製作し、それぞれ盛況となりました。
シネマ歌舞伎は、「東海道中膝栗毛〈やじきた〉」「め組の喧嘩」「四谷怪談」「京鹿子娘五人道成寺/二人椀久」とそれぞれ趣向を凝らした新作4本を公演ラインナップに加え、新たな観客層を取り込みつつ好評を博しました。
METライブビューイング2017-2018シーズンは新演出が注目を集めた「ノルマ」に始まり、プッチーニの「トスカ」まで4作品を上映し多くのオペラ・ファンを魅了しました。
この結果、売上高は24,997百万円(前年同期比0.6%減)、セグメント利益は1,788百万円(同25.9%減)となりました。
(不動産事業)
不動産賃貸では、歌舞伎座タワー・築地松竹ビル(銀座松竹スクエア)・東劇ビル・新宿松竹会館(新宿ピカデリー)・有楽町センタービル(マリオン)・松竹倶楽部ビル・大船の松竹ショッピングセンター・新木場倉庫・浜松松竹ビルおよび大阪松竹座ビル(地下飲食街)等が満室になり、全体でも高い稼働率で安定収入に貢献しました。また、各テナントとの賃料交渉にも誠実に対応し利益確保に努め、効率的運営、経費削減を推進し、計画どおりに利益を確保しました。
この結果、売上高は10,324百万円(前年同期比0.8%増)、セグメント利益は4,446百万円(同2.9%増)となりました。
(その他)
プログラム・キャラクター商品は、劇場プログラムで当社配給作品が好調だったことに加え、「銀魂」や「ブレードランナー2049」等、他社配給の洋画作品も好調で収益に貢献しました。キャラクター商品は、プログラムと同様に「HiGH&LOW THE MOVIE」シリーズや「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」シリーズ等のアニメ作品が好調に推移し、コラボ商品の「すみっコぐらし歌舞伎」商品が好評を得ました。
イベント事業においては、一昨年から海外進出を果たしているホラーイベントを引き続き中国・上海市で開催し、好評を得ました。国内では、これまで開催してきたホラーイベントを東京タワーに加えて、東武動物公園でも実施しました。また、歌舞伎関連の商品店舗である「松竹歌舞伎屋本舗」を鎌倉小町店と通販サイトであるWEB店の2店を新たにオープンしました。貸衣裳事業、清掃事業は堅調な成績で推移いたしました。
この結果、売上高は5,798百万円(前年同期比4.4%減)、セグメント利益は442百万円(同22.3%増)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は15,139百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,705百万円の減少となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は9,637百万円(前年同期比5.0%増)となりました。これは主として、法人税等の支払額2,333百万円があったものの、税金等調整前当期純利益5,544百万円及び減価償却費5,227百万円の計上等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は6,856百万円(同174.7%増)となりました。これは主として、投資有価証券の取得による支出3,257百万円及び有形固定資産の取得による支出2,540百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は4,485百万円(同7.6%増)となりました。これは主として、長期借入れによる収入7,200百万円があったものの、長期借入金の返済による支出8,702百万円及び長期借入金(責任財産限定)の返済による支出1,631百万円等によるものであります。
当連結会計年度におけるわが国の経済は、企業収益が改善し、雇用・所得情勢が堅調であることから、個人消費は緩やかな回復が続きました。景気の拡大が引き続き期待されますが、原油価格の上昇や人手不足、金融市場の急変動等に留意することが必要となりました。
映画業界は、興行収入が2,285億7,200万円(前年比97.1%)となり、興行収入での発表を始めた2000年以降での最高成績となった前年に次ぐ成績となりました。また、入場人員は1億7,448万人(前年比96.8%)となりました。邦画・洋画の構成比は邦画が54.9%、洋画が45.1%となり、「美女と野獣」「怪盗グルーのミニオン大脱走」等の洋画が高稼働でしたが、依然として邦画が優勢な状況が続きました。全国のスクリーン数は前年より53スクリーン増えて3,525スクリーンとなりました。
演劇業界は、依然としてお客様が公演を厳しく選別している状況が続いています。その中で、お客様の嗜好に合致した公演・企画を実現させていくとともに、現状の観客動員を維持しながら、新たな販路を開拓していくこと、また、多様な規模の新しい劇場やホールの建設・開場が決定され、今後の興行多様化に注力していくことが課題となりました。
不動産業界は、賃貸オフィスビル市場で、雇用の増加からオフィスの需要は堅調に推移し、空室率の改善が続いておりますが、建築費は依然として高い水準にあることから引き続き注視を必要とする状況が続きました。
このような状況下、当企業グループ(当社及び当社の関係会社、以下同じ)はより一層の経営の効率化を図るとともに、積極的な営業活動を展開しました。
以上の結果、当連結会計年度は、売上高92,878百万円(前連結会計年度比3.4%減)、営業利益6,463百万円(同14.3%減)、経常利益5,774百万円(同12.9%減)となり、特別利益363百万円、特別損失593百万円を計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は3,749百万円(同1.0%増)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(映像関連事業)
配給は、邦画17本、洋画8本、アニメ18本、シネマ歌舞伎、METライブビューイングとバラエティに富んだ作品を公開しました。5月公開の「家族はつらいよ2」は、山田洋次監督による喜劇作品で、前作に続いてシニア層に支持され好評を博しました。7月公開の「東京喰種 トーキョーグール」は大ヒットコミックの実写化、8月公開の「HiGH&LOW THE MOVIE 2/END OF SKY」と11月公開の「HiGH&LOW THE MOVIE 3/FINAL MISSION」は、EXILE TRIBEをはじめとする豪華キャストが集結するシリーズの完結編と、いずれも大きな話題となりました。12月公開の「8年越しの花嫁 奇跡の実話」は、佐藤健と土屋太鳳をダブル主演に迎え、実話を基にした物語が大きな話題を集め、競合作品が多い正月興行において大ヒットとなりました。
興行は、㈱松竹マルチプレックスシアターズにて、当社配給作品の他、「モアナと伝説の海」「美女と野獣」「パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊」「怪盗グルーのミニオン大脱走」等、春先からゴールデンウィーク、夏休みにかけての興行が盛況だったことに加え、冬休みに入ってからは「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」等、年間を通して多数のヒット作が公開されました。邦画、洋画、アニメの他に、演劇・音楽等、映画ではないコンテンツを映画館で上映するODSは合わせて415本の作品を上映しました。上映作品の編成と劇場宣伝を強化し、競合館との差別化を推進しつつ、ウェブサイトを大幅にリニューアルすることで、チケット購入の利便性向上を図る等、お客様満足度向上を目指す施策を実施しました。
テレビ制作は、地上波にて、時代劇スペシャル「必殺仕事人」、スペシャルドラマ「テミスの剣」、シリーズ企画「司法教官 穂高美子6」「赤かぶ検事奮戦記7」「検事・悪玉2」、連続ドラマ「ウツボカズラの夢」、またBS放送にて、BS連続時代劇「池波正太郎時代劇 光と影」、BSスペシャル時代劇「無用庵隠居修行」、BS情報番組「片岡愛之助の解明!歴史捜査」を制作し、収益に貢献しました。番組販売では、「旧必殺シリーズ」他時代劇作品をCS、BS局への販売も好調に推移しました。
映像ソフトは、「ARIA The AVVENIRE」「魔法使いの嫁」等のアニメ作品の他、「ピーチガール」「PとJK」「破門 ふたりのヤクビョーガミ」「こどもつかい」等を販売しました。
テレビ放映権販売は、BSジャパンにて「釣りバカ日誌」シリーズに続き「男はつらいよ」シリーズが全作放映されました。海外におけるリメイクでは、「家族はつらいよ」の中国版を中国で劇場公開し、好評を博しました。また、8月のヴェネチア国際映画祭では、「お茶漬の味」、2月のベルリン国際映画祭では、「東京暮色」のデジタル修復版がそれぞれ上映され、高い評価を得ることができました。
CS放送事業は、「スカパー!」の契約者数が前年を大きく割り込み、競合となるインターネットを介した映像配信サービスがオリジナルコンテンツを多数投入する等、厳しい状況が続く中、松竹ブロードキャスティング㈱は、映画・舞台・ドラマ等の番組編成および韓国ドラマの超大作の編成等により、安定した収益の確保に努めました。
この結果、売上高は51,757百万円(前年同期比5.4%減)、セグメント利益は2,737百万円(同12.8%減)となりました。
(演劇事業)
歌舞伎座は、「三月大歌舞伎」で河東節開曲三百年記念を銘打ちました「助六由縁江戸桜」が話題となり好評となりました。「七月大歌舞伎」は夜の部の「通し狂言駄右衛門花御所異聞」を中心に大盛況となり、「八月納涼歌舞伎」は、昨年好評を得た「東海道中膝栗毛」の第二弾となる「歌舞伎座捕物帖」や野田秀樹作・演出「野田版桜の森の満開の下」等が大きな話題を呼び大人気の公演となりました。1月、2月は松本幸四郎改め二代目松本白鸚、十代目松本幸四郎、八代目市川染五郎の高麗屋親子三代の襲名披露公演が活況を呈しました。
新橋演舞場は、4月、5月に滝沢秀明主演「滝沢歌舞伎2017」を上演し、10月、11月はスーパー歌舞伎Ⅱ(セカンド)「ワンピース」を再演し、市川猿之助の代役、尾上右近等の熱演により、いずれも盛況となりました。12月は芸能生活55周年を銘打ちました「舟木一夫特別公演」で「忠臣蔵」を昼夜に前編・後編と配し、人気の舞台となりました。「初春歌舞伎公演」は市川海老蔵の宙乗りや、娘である堀越麗禾の出演が話題となり、大盛況となりました。
大阪松竹座は、新築開場二十周年を迎え多彩な公演を行いました。3月、8月、12月の恒例関西ジャニーズJr.公演は盛況を極め、「五月花形歌舞伎」は市川猿之助・中村勘九郎・中村七之助が出演し収益に貢献しました。二代目松本白鸚襲名前最後のストレートプレイとなった松本幸四郎が10月の「アマデウス」の主演で文化庁芸術祭賞の大賞を受賞、1月に坂東玉三郎の4年ぶり舞踊公演となった「坂東玉三郎初春特別舞踊公演」が好評を博しました。
南座は、耐震補強・改装を図る工事のため、休館しております。
その他の公演は、3月に日生劇場では「音楽劇マリウス」を今井翼主演で上演し、6月に三越劇場では劇団新派が江戸川乱歩原作「黒蜥蜴」を喜多村緑郎・河合雪之丞を主演として上演し好評を博しました。明けて1月浅草公会堂では、尾上松也を中心とした花形俳優による「新春浅草歌舞伎」を上演し、三越劇場では新派130年を飾るに相応しく山田洋次監督の原作・脚本・演出による映画「家族はつらいよ」の舞台版を、新しい現代喜劇の劇団新派公演として上演し、いずれも盛況に推移しました。休館中の南座に代わり、ロームシアター京都では、9月に坂東玉三郎×鼓童による「幽玄」と12月に八代目中村芝翫親子四人襲名公演の掉尾を飾る「吉例顔見世興行」を上演し、話題となりました。巡業公演は、4月に五代目中村雀右衛門襲名披露公演「四国こんぴら歌舞伎大芝居」が盛況となり、公文協主催の「松竹大歌舞伎」におきましては、東西両コースを八代目中村芝翫襲名披露公演、中央コースは五代目中村雀右衛門襲名披露公演を行い、秋季巡業では中村獅童を座頭に全国各地で上演し、多くの歌舞伎ファンを魅了しました。
受託製作では、4月にTBS赤坂ACTシアターで「赤坂大歌舞伎」、5月に「明治座五月花形歌舞伎」を製作しました。6月に八代目中村芝翫親子四人襲名公演「六月博多座大歌舞伎」や、名古屋城本丸御殿公開プレイベントとして「名古屋平成中村座」を製作、大人気公演となりました。8月に六本木歌舞伎第二弾「座頭市」を中日劇場および大阪のフェスティバルホールで上演し、10月に日本特殊陶業市民会館での「錦秋名古屋顔見世」を、2月に「二月博多座花形歌舞伎」を製作し、それぞれ盛況となりました。
シネマ歌舞伎は、「東海道中膝栗毛〈やじきた〉」「め組の喧嘩」「四谷怪談」「京鹿子娘五人道成寺/二人椀久」とそれぞれ趣向を凝らした新作4本を公演ラインナップに加え、新たな観客層を取り込みつつ好評を博しました。
METライブビューイング2017-2018シーズンは新演出が注目を集めた「ノルマ」に始まり、プッチーニの「トスカ」まで4作品を上映し多くのオペラ・ファンを魅了しました。
この結果、売上高は24,997百万円(前年同期比0.6%減)、セグメント利益は1,788百万円(同25.9%減)となりました。
(不動産事業)
不動産賃貸では、歌舞伎座タワー・築地松竹ビル(銀座松竹スクエア)・東劇ビル・新宿松竹会館(新宿ピカデリー)・有楽町センタービル(マリオン)・松竹倶楽部ビル・大船の松竹ショッピングセンター・新木場倉庫・浜松松竹ビルおよび大阪松竹座ビル(地下飲食街)等が満室になり、全体でも高い稼働率で安定収入に貢献しました。また、各テナントとの賃料交渉にも誠実に対応し利益確保に努め、効率的運営、経費削減を推進し、計画どおりに利益を確保しました。
この結果、売上高は10,324百万円(前年同期比0.8%増)、セグメント利益は4,446百万円(同2.9%増)となりました。
(その他)
プログラム・キャラクター商品は、劇場プログラムで当社配給作品が好調だったことに加え、「銀魂」や「ブレードランナー2049」等、他社配給の洋画作品も好調で収益に貢献しました。キャラクター商品は、プログラムと同様に「HiGH&LOW THE MOVIE」シリーズや「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」シリーズ等のアニメ作品が好調に推移し、コラボ商品の「すみっコぐらし歌舞伎」商品が好評を得ました。
イベント事業においては、一昨年から海外進出を果たしているホラーイベントを引き続き中国・上海市で開催し、好評を得ました。国内では、これまで開催してきたホラーイベントを東京タワーに加えて、東武動物公園でも実施しました。また、歌舞伎関連の商品店舗である「松竹歌舞伎屋本舗」を鎌倉小町店と通販サイトであるWEB店の2店を新たにオープンしました。貸衣裳事業、清掃事業は堅調な成績で推移いたしました。
この結果、売上高は5,798百万円(前年同期比4.4%減)、セグメント利益は442百万円(同22.3%増)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は15,139百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,705百万円の減少となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は9,637百万円(前年同期比5.0%増)となりました。これは主として、法人税等の支払額2,333百万円があったものの、税金等調整前当期純利益5,544百万円及び減価償却費5,227百万円の計上等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は6,856百万円(同174.7%増)となりました。これは主として、投資有価証券の取得による支出3,257百万円及び有形固定資産の取得による支出2,540百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は4,485百万円(同7.6%増)となりました。これは主として、長期借入れによる収入7,200百万円があったものの、長期借入金の返済による支出8,702百万円及び長期借入金(責任財産限定)の返済による支出1,631百万円等によるものであります。