- #1 事業等のリスク
これらのリスクへの対応策として、2025年2月に海外事業を統括する当社100%子会社のTOHO Global株式会社を経営統括会社として機関決定し、同社を中心にグループとしての内部統制体制の構築を図っております。今後も海外での事業展開においては、各地域におけるリスク情報の収集に努めるとともに、海外子会社のグループ・ガバナンスの実効性を高めてまいります。また、グループ内での知見の共有や経験豊富な専門家にアドバイスを得るなど、可能な限りリスクの低減に努めてまいります。
⑤ 物価、人件費等の高騰による収益構造悪化のリスク
当社グループの以下の事業において、エネルギー費・原材料費などを含む物価や人件費の高騰といった要因がもたらす収益構造悪化のリスクが存在します。
2025/05/29 16:00- #2 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(連結)
映画興行事業においては、自然暦における2024年の全国興行収入は2,069億円(前年比93.5%)と微減となりましたが、その内訳を見ると、アニメ作品が好調な邦画は1,558億円で過去最高を記録した一方、ハリウッドスタジオのストライキの影響が残る洋画は魅力ある新作に乏しく、511億円と落ち込みが顕著になりました。したがって映画興行界としては、ハリウッドを中心とした「洋画の復活」が待たれるところです。なお、2025年以降はストライキの影響から回復し、洋画の新作、大作の公開が予定されております。
そのような状況下にあって当社グループのTOHOシネマズ㈱は、全国の主要都市の好立地にシネマコンプレックスを展開し、2024年においてスクリーンシェアでは約19%、興行収入のシェアは約27%と業界トップを維持しており、競合他社との競争優位性に揺るぎはありません。今後もお客様に「選ばれるTOHOシネマズ」であるべく、バラエティ豊かな強力作品を用意すること、積極的な設備投資で最高の鑑賞環境を提供すること、コンセッション(売店)やストア等の非興行収入を拡大・強化すること、適切な映画鑑賞料金施策を実施することなどが重要な課題です。一方で、建設費の高騰や出店適地の減少等により、新規出店のペースは鈍くならざるを得なくなっており、出店による収入やシェア拡大は以前より難しい状況になっております。また、エネルギー価格や人件費コストなどの上昇傾向が映画館の収支構造に与える影響や、動画配信の普及が映画館で映画を観る習慣に与える影響についても、引き続き懸念すべき課題です。また、長期的には国内の人口減も市場の縮小につながる大きな懸念材料です。
映像事業においては、「TOHO VISION 2032 東宝グループ 経営戦略」において「第4の柱」、成長ドライバーとして位置付けたアニメ事業が急速な成長を遂げております。TOHO animationには、「僕のヒーローアカデミア」「ハイキュー‼」「呪術廻戦」「SPY×FAMILY」「葬送のフリーレン」「薬屋のひとりごと」「Dr.STONE」といった強力タイトルに加え、新たな作品として「怪獣8号」「狼と香辛料」「天穂のサクナヒメ」「ぷにるはかわいいスライム」などがラインナップに加わりました。これらのタイトルの国内外の動画配信、商品化ライセンス、マーチャンダイジング、パッケージ販売などの幅広いビジネス展開や、ゲーム事業における「呪術廻戦 ファントムパレード」や「ゴジラ バトルライン」などが当社グループ全体の業績を大きく牽引しています。アニメ事業については市場そのものが着実に伸長しているという手ごたえが感じられ、国内外の多くの熱心なファンに支えられ、今後も中長期的に成長を続けるポテンシャルがあると認識しています。当社グループは、これら市場の成長を確実に取り込み、アニメ事業の持続的成長を目指してまいります。一方で、強力な原作のアニメ化権の獲得については競争が激化しております。それらの競争を勝ち抜くためには、良質なアニメ・コンテンツをさらに数多く企画・製作できる人員と体制の整備、海外の地域ごとにきめ細かいライセンス販売ができる拠点・機能の整備、ゲーム事業の開発・運営等のノウハウの習得などが課題になるものと認識しています。引き続き、当社グループの成長ドライバーとして経営資源を集中し、多面的・重層的・長期的なビジネス展開に注力してまいります。
2025/05/29 16:00- #3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(連結)
当連結会計年度の営業原価は、前連結会計年度と比べ15,831百万円増加の168,611百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比べ8,559百万円増加の79,875百万円となりました。これは人件費が3,147百万円、広告宣伝費が1,835百万円、減価償却費が1,531百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。
(c) 営業利益
2025/05/29 16:00