有価証券報告書-第148期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/28 14:46
【資料】
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【項目】
146項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は1920年に、東京都新宿区新宿に於いて映画館「武蔵野館」を開館させて以来、社会に映画を中心とした健全な娯楽を提供することを主要な事業目的・経営の基本方針とし、その後、長期にわたり映画興行事業を中心とした事業展開を行ってまいりました。しかしながら、娯楽の形態も時代の変遷とともに多様な変化を遂げるなか、当社も映画興行事業を会社の主力事業と認識し経営の軸に据えながらも、不動産賃貸事業やフィットネスクラブ運営等のスポーツ・レジャー事業(現在営業中止中)、また連結子会社で展開する自動車教習事業など、複合的な事業展開によって、グループ全体の安定的な経営基盤を構築維持してまいりました。
今後も、複合的な事業からなる経営基盤を安定的に構築維持していくことを礎としながら、創業の地・新宿において、2020年6月には「武蔵野館」開館100周年を迎えることもあり、映画興行のみならず、映画配給も手掛ける包括的な映画事業を長期安定的に手掛ける会社として、健全かつ快適で安全な娯楽空間を提供し、より多くの方々に映画を楽しんでいただくことが、創業以来の会社の経営の基本方針と考えております。
(2)当社グループを取り巻く経営環境
当連結会計年度末における当社グループの経営環境につきましては、当社グループの不動産事業においては、間接的に国内外経済等の影響下にはあるものの、主軸である不動産賃貸事業は、主要な賃貸物件は首都圏の利便性の高い場所に所在しており、比較的安定した顧客の確保を維持しております。また自動車教習事業は、少子化による運転免許取得資格者の減少や若年層の自動車運転免許離れ、近隣の自動車教習所との競合といった厳しい経営環境の中、地域との信頼関係とサービスの充実を心がけ自動車運転免許の取得需要の確保に注力しております。一方で当社の主力事業である映画事業を取り巻く経営環境につきましては、2018年においては、業界全体としては前々年度、前年度に次ぐ映画興行収入を記録したものの、それはシネコンでの興行を中心とした大ヒット作品の力によるところが大きく、中規模以下のクリーンヒットと呼べるような作品はどちらかといえば減少の傾向となり、業界全体の収益はほぼ横ばいとなりました。そんな中、ミニシアター系の作品は一部にロングラン上映となった話題作もあったものの、上映回数や上映期間、劇場のキャパシティ等、上映環境は限られており、当社のようなミニシアターにおいて、さらなるヒット作を生み出すには依然として厳しい状況にあります。当社におきましても、シネコンのラインナップとは一線を画したミニシアターならではの作品の魅力を認知していただくため、映画祭「カリテ・ファンタスティック!シネマ・コレクションⓇ(通称『カリコレⓇ』)」等のイベントの企画や劇場内におけるディスプレイ等でのPRに加え、番組編成にも工夫を凝らし、口コミによる情報の広がりにも注意を払うなど、その経営環境に対し、臨機応変に対応してまいります。
(3)目標とする経営指標
当社グループは、具体的な目標とする中長期的な経営指標を設定しておりませんが、将来の復配を視野に、営業利益の積み上げによる安定的な内部留保の充実を目指しております。なお、2020年3月期(連結)の業績見込といたしましては、前連結会計年度の各事業部門の営業成績をベースに目標値を設定し、加えてテナントビルにおける修繕費、100周年記念事業に係る諸経費等を考慮した結果、親会社株主に帰属する当期純利益を2千万円と見込んでおりますが、基幹事業の営業利益による内部留保の積み上げには今しばらくの時間を要するものと考えております。そのため今後も、経営基盤のさらなる安定化を目指すため、特に映画事業におきましては将来のセグメント利益の確保に向けて、映画興行のみならず映画配給も手掛けることで事業コンテンツの充実をはかるなど、復配を目標としたより前向きな経営施策を講じてまいります。
(4)中長期的な会社の経営戦略
中長期的な会社の経営戦略として、殊にミニシアター経営に係る映画事業を取り巻く厳しい経営環境の中、主軸である映画事業を今後も継続して行くため、映画興行に加え映画配給も手掛ける総合的な映画事業の展開を行うとともに、映画事業以外でも当社グループの事業資産のポテンシャルをしっかりと引き出し、有効活用していくことが重要であると考えております。
当社は「社会に健全な娯楽を提供すること」を主要な事業目的としており、その役割を現在担っているのが映画事業であると考えております。しかしながら、映画事業は個人消費の動向や上映作品の持つ集客力、流行等に大きな影響を受けやすい事業であるため、主力事業として企業イメージに対する数字に表れない貢献はあるものの、収益面で常時安定的に会社の業績向上に寄与できる事業とは言い難い側面があることも否めません。当社の映画館が所在する東京都新宿区におきましても、多くのシネコンが開設されている現状では、当社のようなミニシアターでは上映作品の選定においても厳しい環境にあるといえます。そんな経営環境の中にあって、ミニシアターの存在価値をより高めるために、絵劇場の規模に見合ったより良い作品を自ら選別する力をより磨いていく必要があると考え、番組編成の強化に加えて、映画の自社買付配給にも力を入れてまいります。当社は映画興行と映画配給は車の両輪であると認識しており、映画配給に関するノウハウを蓄積し、包括的に映画事業を手がける会社として経営戦略を練り直してまいります。
また、収益的に不確実性が伴う映画事業を継続的に運営していくには、会社の経営基盤の安定が不可欠であり、そのためには、不動産賃貸事業を中心とした不動産事業や自動車教習事業においても確実に収益を上げていくことが重要であります。従いまして、映画事業に加えて不動産事業や自動車教習事業も含めたグループ全体の事業資産をより有効に活用することで、確実に収益を生み出せる経営体質を維持継続していくことが経営戦略として重要であると考えております。
今後も当社では、主要な事業目的である映画事業を主軸とした「社会に健全な娯楽を提供すること」を安定的に継続していくために、さらなる経営基盤の充実を心がけてまいります。
(5)会社が対処すべき課題
主力事業である映画事業をはじめ、基幹事業による営業利益を長期継続的に確保し、復配を実現することが当社グループの課題であります。
当連結会計年度におきましては、不動産投資に係る一時的な収入があったことにより、前連結会計年度と比べ、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益が増加しておりますが、映画事業をはじめとした基幹事業の収益による安定的な内部留保の積み上げには、いましばらくの時間を要するものと考えております。
そのため今後も、将来の継続的な利益配分を念頭に置き、営業利益による自己資本の充実に向けて、映画の自社買付配給等、映画に関連した新たなビジネス・コンテンツの開発に力を入れることにより映画事業の収益力改善を目指し、また不動産事業、自動車教習事業のより一層の安定化を進め、グループの収益力の強化と早期復配に向け、経営の全力を傾注してまいります。
具体的には、映画事業におきましては、2020年6月に「武蔵野館」が100周年を迎えるにあたっての記念上映・記念企画や、本年で6回目を迎える「シネマカリテ」における映画祭「カリテ・ファンタスティック!シネマ・コレクションⓇ(通称『カリコレⓇ』)」の開催、また、お客様のニーズを把握するために業界の情報・動向をしっかりと把握し、当社が所有する東京都新宿地区5スクリーンの連携により、良作・話題作に富んだ魅力的な番組編成を行い、安定的な来場者の確保・増加を目指してまいります。映画の自社買付配給につきましても、当連結会計年度は中国・香港合作映画『閃光少女』、イタリア映画『チャンブラにて』を公開し好評を博しましたが、今後も映画の規模や品質、収益性等のバランスを考慮し、より良い映画を買い付け配給していくことで映画興行との相乗効果をはかってまいります。
不動産事業におきましては、不動産投資に係る一時的な収入があったことにより、前連結会計年度に比べ増益となりましたが、一方で主要テナントビルの老朽化等による大規模修繕・減価償却費の増加もより顕著になってくることが懸念され、今まで以上に関連業者や顧客との連携・連絡に気を配り、しっかりとしたプロパティ・マネジメントを行っていくことで引き続き安定した収益の確保をはかってまいります。
自動車教習事業におきましては、少子化や若年層の運転免許離れ、また近隣の自動車教習所との競合といった厳しい経営環境が教習生の確保に影響を及ぼしているものと認識しております。そのような経営環境の中、普通自動車運転免許以外にも、準中型自動車や大型自動車、大型特殊自動車、大型二輪、さらには高齢者教習など、多様な教習メニューを受けられるコンテンツの充実性をPRし、きめ細かな送迎ルートによる通い易い自動車教習所を目指し、収益の維持に努めてまいります。
商事事業におきましては、東京都目黒区にて経営委託している飲食店「ピーターラビット ガーデンカフェ」の営業成績が収益の中心となっておりますが、そのイメージキャラクターの世界観を活かした店舗作りと顧客の嗜好とのマッチングが営業成績に影響を及ぼす重要な要素であると考えております。今後も、イメージキャラクターの魅力を活かしたオリジナルメニューやキャラクターとのコラボグッズの開発、イベントの開催など、営業成績の向上に向けて収益力の強化をはかってまいります。
以上のように、各事業部門において経営環境に留意しながら諸施策を実施することにより、対処すべき課題の解消に向けて、全社挙げて全力で取り組んでまいります。

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