有価証券報告書-第100期(2023/01/01-2023/12/31)
(1) 戦略
当社グループは、TCFD提言を参考に、気候変動リスク及び機会が事業活動に与える影響を特定した上で、対応策等を検討しております。
[前提条件]
実施対象範囲
当社グループの事業の内、特に気候変動による財務的影響が大きいと思われる、公営競技事業と遊園地事業を対象としました。なお、公営競技事業は、当社グループ売上高の約7割を占めています。
参照した気候関連シナリオ
シナリオ分析については、脱炭素社会への移行リスクが大きいと思われる「1.5℃」と、災害等の物理的リスクが大きいと思われる「4℃」のシナリオを採用しました。
[分析結果]
気候変動影響により想定されるリスクと機会を洗い出したのち、対象事業と関係のあるシナリオを参照し、当社グループにとって重要度の高いリスクと機会を特定しました。その後、特定したリスクと機会に対して、考えうる対応策を検討しました。
今後は、分析の範囲を倉庫賃貸事業とサービス事業に拡大するとともに、事業へのインパクト評価を行っていく方針です。
公営競技事業
※影響度は現在分析中です。「〇」は影響が大きいと想定されるもの、「△」は限定的に影響を受けるものとしています。
遊園地事業
※影響度は現在分析中です。「〇」は影響が大きいと想定されるもの、「△」は限定的に影響を受けるものとしています。
当社グループは、TCFD提言を参考に、気候変動リスク及び機会が事業活動に与える影響を特定した上で、対応策等を検討しております。
[前提条件]
実施対象範囲
当社グループの事業の内、特に気候変動による財務的影響が大きいと思われる、公営競技事業と遊園地事業を対象としました。なお、公営競技事業は、当社グループ売上高の約7割を占めています。
参照した気候関連シナリオ
シナリオ分析については、脱炭素社会への移行リスクが大きいと思われる「1.5℃」と、災害等の物理的リスクが大きいと思われる「4℃」のシナリオを採用しました。
| 参照シナリオ | ||
| 1.5℃ | 移行リスク | IEA/NZE(Net-Zero Emissions by 2050 Scenario) |
| 物理的リスク | IPCC/SSP(Shared Socioeconomic Pathways)1-1.9 | |
| 4℃ | 移行リスク | IEA/STEPS(States Policies Scenario) |
| 物理的リスク | IPCC/SSP(Shared Socioeconomic Pathways)5-8.5 | |
[分析結果]
気候変動影響により想定されるリスクと機会を洗い出したのち、対象事業と関係のあるシナリオを参照し、当社グループにとって重要度の高いリスクと機会を特定しました。その後、特定したリスクと機会に対して、考えうる対応策を検討しました。
今後は、分析の範囲を倉庫賃貸事業とサービス事業に拡大するとともに、事業へのインパクト評価を行っていく方針です。
公営競技事業
| リスク | 主な影響 | 影響度(分析中) | 対応策 | |||
| 1.5℃ | 4℃ | |||||
| 移行 リスク | 政策・規制 | 炭素税導入 | カーボンクレジット購入によるコストの増加(カーボンクレジット価格の高騰) | 〇 | △ | ・CO2排出量削減目標を設定し、排出量削減の取り組みを計画的に実行 ・更なる省エネ・再エネ化の促進、グリーン電力証書の購入 ・高効率空調機、高断熱材の導入、全照明のLED化、自家発電(太陽光発電やバイオマス電量発電)の余剰電力利用等による電力消費量削減 |
| 気候変動の影響による競馬法の改正、主催者の方針変更 | 競技開催条件の変更によるコスト増加、開催数減少 | 〇 | △ | ・更なる省エネ・再エネ化の促進、プロアクティブな環境規制対応による現行開催体系の維持 | ||
| 電力消費量が多いナイター競馬の開催数減少 | 〇 | △ | ||||
| 資源循環・リサイクル規制強化(サーキュラーエコノミー) | リサイクル可能な資材・備品への変更 | 〇 | △ | ・ペットボトルのリサイクル徹底、指定席チケット等紙の全量リサイクル、分別・場内回収の徹底 ・コップやカトラリー等を植物由来のバイオプラスチックに切り替え、使い捨てプラスチックの完全除去 ・競馬場特有の廃棄物(藁、馬糞等)、のリサイクル手法の開発 | ||
| 廃棄物処理の厳格化による処理コスト増加 | 〇 | △ | ・3Rの促進、リサイクル建材の利用等による資源利用の削減、効率化 ・資材・備品・食品などの在庫管理の徹底とサプライヤーの見直し、調達の一元化 ・包装紙やプラスチック資材等の提供削減、または一部廃止の検討 | |||
| 技術 | 低排出技術の普及及び移行 | 太陽光パネルの新規設置に伴うコスト増加 | 〇 | △ | ・省エネ・再エネ設備の導入に際してのグリーンローン/ボンドでの資金調達、補助金の活用 ・上記における費用対効果を最大化させるコストシュミレーション及びシナリオ分析の実施 ・太陽光発電よりも炭素効率の高い代替発電・システムの構築検討(バイオマス燃料発電やコージェネレーションシステム以上の炭素効率を実現) | |
| サーバー停止リスクとデータセキュリティ | SPAT4のデータセキュリティの重要性の高まり | 〇 | △ | ・データセキュリティ強化に向けた監視体制、システム制御・人員増強 ・災害激甚化に備えたサーバー設置場所の分散化によるデータセキュリティ強化 | ||
| 市場 | 原材料費高騰 | 必要資材・備品・食品等の調達コストの増加 | △ | 〇 | ・3Rの促進、リサイクル建材の利用等による資源利用の削減、効率化 ・資材・備品・食品などの在庫管理の徹底とサプライヤーの見直し、調達の一元化 ・包装紙やプラスチック資材等の提供削減、または一部廃止の検討 | |
| エネルギー価格・需要の変動 | 電源構成やエネルギー価格変動への対応 | 〇 | △ | ・エネルギー効率を最大化する制御システムの構築、シナリオ分析によるエネルギー構成の多角化検討 | ||
| 物理的 リスク | 急性 | 気候変動による災害激甚化 | 積雪・豪雨・凍結によるコンディション不良を原因とした競技開催中止 | △ | 〇 | ・積雪・豪雨・凍結の頻度の高まりを前提とした、競技開催スケジュールの構築とインフラ更新による予防策の実施 |
| 豪雨や長期的降雨、または渇水によるダートコース整備不調 | △ | 〇 | ・排水性を確保しつつ馬場状態の悪化を防ぐクッション砂の導入、整備不良による開催中止の回避 | |||
| 競馬設備の破損やダートコースの整備不良による競技開催中止 | △ | 〇 | ・コスト効率と気候変動へのレジリエンスを両立する設備の導入検討 | |||
| 自然災害による競走馬・騎手の輸送・移動不能による競技開催中止 | △ | 〇 | ・自然災害発生を前提とした輸送・移動手段の確保、もしくは代替オプションの構築検討 | |||
| 慢性 | 海面の上昇 | 海面上昇による津波リスクの増大と対策設備の増強 | △ | 〇 | ・地方公共団体と共同しての津波に備えた防波堤の整備、補助金活用 ・津波を想定した危機管理マニュアルの整備、従業員・関係者トレーニングの実施 | |
| 平均気温の上昇 | 暑熱による競走馬や競馬関係者(騎手・厩務員等)の健康被害の増大 | △ | 〇 | ・牧場、調教場、競馬場等での冷却設備の増設、屋根の設置 | ||
| 設備冷却のための電力消費量の増加 | △ | 〇 | ・空調温度の一定化等、省エネ活動によるエネルギー使用量の削減 ・高効率空調機、高断熱材の導入、全照明のLED化、自家発電(太陽光発電やバイオマス電量発電)の余剰電力利用等による電力消費量削減 | |||
| 機会 | 主な影響 | 影響度(分析中) | 対応策 | |||
| 1.5℃ | 4℃ | |||||
| 機会 | EV等の普及拡大 | EV等対応の駐車場整備による集客増加、収益力向上 | 〇 | △ | ・駐車場へのEV充電ステーションの設置及び設置コスト低減を見越した設備投資実施時期の検討 ・他社連携でのEV自動車シェアリングサービスの提供検討 | |
| 気候変動による広報・PRの質的変化 | グリーン競馬イベント等のキャンペーン実施による評判向上 | 〇 | △ | ・先進的な気候変動対応の実施と競技との連動キャンペーンの実施による「グリーンな競馬」との評判醸成 ・気候変動対応を共通言語とした異業種パートナーシップの推進、新たな収益機会の獲得模索 ・特に気候変動への意識が高いジェネレーション世代、ミレニアム世代の顧客裾野拡大、従業員のロイヤリティ向上 | ||
| 気候変動への積極対応による顧客、スポンサーからのブランド・信頼性の向上 | 〇 | △ | ||||
| 気候変動による災害激甚化 | 災害復興競馬の開催による復興財源確保への貢献 | △ | 〇 | ・地方公共団体の災害復興支援への貢献、地方競馬に加え、中央競馬、他競技(競輪、ボートレース、オートレース等)との連携支援 | ||
※影響度は現在分析中です。「〇」は影響が大きいと想定されるもの、「△」は限定的に影響を受けるものとしています。
遊園地事業
| リスク | 主な影響 | 影響度(分析中) | 対応策 | |||
| 1.5℃ | 4℃ | |||||
| 移行 リスク | 政策・規制 | 炭素税導入 | カーボンクレジット購入によるコストの増加(カーボンクレジット価格の高騰) | 〇 | △ | ・CO2排出量削減目標を設定し、排出量削減の取り組みを計画的に実行 ・更なる省エネ・再エネ化の促進、グリーン電力証書の購入 ・高効率空調機、高断熱材の導入、全照明のLED化、自家発電(太陽光発電)の余剰電力利用等による電力消費量削減 |
| 資源循環・リサイクル規制強化(サーキュラーエコノミー) | リサイクル可能な資材・備品への変更 | 〇 | △ | ・ペットボトルのリサイクル徹底、分別の徹底 ・コップやカトラリー等を植物由来のバイオプラスチックに切り替え、使い捨てプラスチックの完全除去 | ||
| 廃棄物処理の厳格化による処理コスト増加 | 〇 | △ | ・3Rの促進、リサイクル建材の利用等による資源利用の削減、効率化 ・資材・備品・食品などの在庫管理の徹底とサプライヤーの見直し、調達の一元化 ・包装紙やプラスチック資材等の提供削減、または一部廃止の検討 | |||
| 市場 | エネルギー価格・需要の変化 | 電力構成やエネルギー価格変動への対応 | 〇 | △ | ・エネルギー効率を最大化する制御システムの構築、シナリオ分析によるエネルギー構成の多角化検討 | |
| 気候変動による遊園地の質的変化 | 気候や気温の変動(雨、寒冷、極端な猛暑)による集客力の低下 | 〇 | △ | ・気候や気温の変動に応じた屋内イベントおよび屋内アトラクションの充実化 ・繁忙期以外の雨天時の割引(入園料、園内サービス)の導入による満足度の確保 | ||
| 原材料の高騰 | 必要資材・備品・食品等の調達コストの増加 | 〇 | △ | ・3Rの促進、リサイクル建材の利用等による資源利用の削減、効率化 ・資材・備品・食品などの在庫管理の徹底とサプライヤーの見直し、調達の一元化 ・包装紙やプラスチック資材等の提供削減、または一部廃止の検討 ・共通仕入を中心とした上記施策の積極的な実施 | ||
| サプライチェーンの寸断・脆弱化 | 必要資材・備品・食品等の確保困難によるサービスの質低下 | △ | 〇 | ・サプライヤー調達方針の策定、サプライヤーの環境対応状況の把握、サプライヤー構成の再検討 ・特に食品における地産地消の推進、フードマイレージを最小化するとともに地域経済の活性化に貢献 ・共通仕入を中心とした上記施策の積極的な実施 | ||
| 評判 | 生物多様性保全への対応 | 施設内および近隣の植林実施と生物多様性保全によるコスト増加 | 〇 | △ | ・植林や生物多様性保全による土地の資産価値向上、地域の活性化・街づくりへの貢献、集客数増加 | |
| 気候変動による広報・PRの質的変化 | 近隣河川、森林、生物多様性保全PR等グリーンな取り組みによるコスト増加 | 〇 | △ | ・NPO/NGO、地域コミュニティ、市区町村や異業種との協業による評判向上、集客数増加 ・地域住民のコミュニケーション活性化として機能、新たな顧客獲得 ・植林や生物多様性保全による土地の資産価値向上、地域の活性化・街づくりへの貢献、集客数増加 ・アウトドア事業部エリアを中心とした上記施策の継続的な実施と、遊園地エリアとの協同施策の検討 | ||
| 物理的リスク | 急性 | 気候変動による災害激甚化 | 災害を起因とした河川増水・氾濫、土砂崩れによる、施設・設備の破損・修理コスト発生 | △ | 〇 | ・自然災害発生を前提とした施設・設備の増強・更新、危機管理対応マニュアルの整備 |
| 洪水・河川氾濫・土砂崩れ等による営業停止 | △ | 〇 | ・大規模な停電や断水に備えた自家発電設備の設置 ・地方行政と防災活動の協定書を締結、防災拠点地としての体制整備 ・止水版の設置、高層階へのコントロールセンター・サーバー配置場所の変更等の洪水対策の実施 ・洪水リスクを前提とした排水処理システムの構築 | |||
| 慢性 | 平均気温の上昇 | 気温上昇による屋外営業の停止 | △ | 〇 | ・猛暑対応を前提としたアトラクションの顧客待機エリアの屋内化、屋根設置、スポットクーラーの設置等 ・屋内アトラクションにかかるイベント企画強化及び屋内アトラクション設備の新設・増強 ・屋外大型プールにおける水温調整設備の設置 | |
| 園内従業員の健康被害の増大 | △ | 〇 | ・スポットクーラーの設置、屋内あるいは屋根付きの建物設置 ・屋外業務の自動化およびロボット化による業務再構築の検討 ・屋外(本館より遠いエリア)における従業員休憩室の確保 ・従業員の体調管理に関するガイドラインの構築 | |||
| 降水・気象パターンの変動 | 気温上昇による熱中症予防や豪雨等を回避するため屋内アトラクションの新規投資 | △ | 〇 | ・屋内アトラクションの新設・導入に際してのグリーンローン/ボンドでの資金調達、補助金の活用 | ||
| 降水・気象パターンの変化による屋外営業の停止 | △ | 〇 | ・豪雨対応を前提としたアトラクションの顧客待機エリアの屋内化、屋根の設置等 ・屋内アトラクションにかかるイベント企画強化による豪雨での売上減少回避 | |||
| 機会 | 影響度(分析中) | 対応策 | ||||
| 1.5℃ | 4℃ | |||||
| 機会 | EV等の普及拡大 | EV等対応の駐車場整備による集客増加、収益力向上 | 〇 | △ | ・駐車場へのEV充電ステーションの設置及び設置コスト低減を見越した設備投資実施時期の検討 ・他社連携でのEV自動車シェアリングサービスの提供検討 | |
| 低炭素技術の普及及び移行、水資源への影響 | 水の需給調整システムの高度化によるレジリエンス強化 | 〇 | △ | ・雨水の収集、生活用水への利用や、飲用水への利用に向けた他社との協業 ・水使用量の削減計画を検討 ・周辺利用者間での取水量の調整、水の融通、緊急的な応援給水対策の整備 ・循環型水システムの構築に向けた、水レジリエンス計画の策定 ・業界全体での水の需給調整システムの構築に向けたガイドラインの策定 | ||
| 低炭素技術の普及及び移行 | 太陽光発電の売買による収益増加 | 〇 | △ | ・更なる太陽光パネルの設置拡大、他社協業の高効率の太陽光発電の開発検討 | ||
| 気候変動による遊園地の質的変化 | 他社との環境活動のコラボレーションによる顧客評判・集客力向上 | 〇 | △ | ・東京都森林組合への加盟、秋川やあきる野周辺の森づくりを他社・近隣住民等と協業 | ||
| グリーンイベント企画による顧客評判・集客力向上 | 〇 | △ | ・アウトドア事業部エリアを中心とした秋川やあきる野周辺の森づくり、クリーン活動や、生物多様性の学びの場とするなどのイベントを企画 | |||
| 生物多様性保全 | 生物多様性保全による評判向上、補助金獲得の機会 | 〇 | △ | ・植林・生物多様性保全にかかる補助金獲得に向けた機会模索 ・植林や生物多様性保全による土地の資産価値向上、地域の活性化・街づくりへの貢献、集客数増加、評判向上 | ||
| 評判の変化(グリーン意識の高まり) | 気候変動への積極対応による従業員のエンゲージメント向上 | 〇 | △ | ・先進的な気候変動対応の実施と遊園地での連動キャンペーンの実施による「グリーンな遊園地」との評判醸成 ・気候変動対応を共通言語とした異業種パートナーシップの推進、新たな収益機会の獲得模索 ・特に気候変動への意識が高いジェネレーション世代、ミレニアム世代の顧客裾野拡大、従業員のロイヤリティ向上 | ||
| 気候変動への積極対応による顧客からのブランド・信頼性の向上 | 〇 | △ | ||||
| 気候変動による広報・PRの質的変化 | 近隣河川や森林における環境活動のPRによる評判・集客力向上 | 〇 | △ | ・先進的な気候変動対応の実施と遊園地での連動キャンペーンの実施による「グリーンな遊園地」との評判醸成 ・気候変動対応を共通言語とした異業種パートナーシップの推進、新たな収益機会の獲得模索 ・特に気候変動への意識が高いジェネレーション世代、ミレニアム世代の顧客裾野拡大、従業員のロイヤリティ向上 ・上記施策の他、これまでの実績、現行の取り組みの園内での積極的広報 | ||
| 気候変動への先進的対応による集客増加、収益力向上 | 〇 | △ | ||||
※影響度は現在分析中です。「〇」は影響が大きいと想定されるもの、「△」は限定的に影響を受けるものとしています。