有価証券報告書-第102期(2025/01/01-2025/12/31)
(1) 戦略
当社グループは、TCFD提言を参考に、気候変動リスク及び機会が事業活動に与える影響を特定したうえで、対応策等を検討しております。
[前提条件]
実施対象範囲
当社グループの事業の内、特に気候変動による財務的影響が大きいと思われる、公営競技事業(競馬施設賃貸のみ)と遊園地事業に加え、2024年度からサービス事業(商業施設及びオフィスビル賃貸と空調整備のみ)と倉庫賃貸事業を対象としております。
参照した気候関連シナリオ
シナリオ分析については、脱炭素社会への移行リスクが大きいと思われる「1.5℃」と、災害等の物理的リスクが大きいと思われる「4℃」のシナリオを採用しました。
IEA(International Energy Agency):国際エネルギー機構
IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change):国連気候変動に関する政府間パネル
時間軸、リスク重要度の評価基準
時間軸は、グループ中期経営計画実行年度及び日本の温室効果ガス排出削減目標の時間軸にあわせ、短期2025年、中期2030年、長期2050年に設定しました。リスク重要度は、リスク管理委員会のリスクアセスメント基準を基に、影響度「小」「中」「大」の3つに分類しております。
[シナリオ分析のステップ]
シナリオ分析の実施にあたり、影響の大きいと考えられる公営競技事業と遊園地事業を優先的に対応し、2024年度に事業インパクト評価、対応策の検討まで完了しました。また、2025年度には、サービス事業と倉庫賃貸事業についても同様に事業インパクト評価、対応策の検討を実施し、4事業全てについて分析を完了しております。
シナリオ分析結果の概況
1.5℃シナリオでは、脱炭素社会の実現に向けて、炭素税の導入や資源循環・リサイクル規制等の政策推進に加え、顧客の環境意識の高まりが想定されます。また、環境政策の推進や電力需要の増加により、エネルギー価格の上昇や、環境負荷の少ない設備・備品(バイオプラスチック・代替燃料)等への切り替えによるコスト負担の増加が懸念されます。消費者行動の変化については、気候変動や自然資本に対する意識の向上により、娯楽のための外出先の選択において、EVの充電スタンドの有無や環境負荷の程度が重視されるようになる可能性があります。このシナリオでは、特に公営競技事業・遊園地事業に影響が大きいと考えられ、競馬開催やプール・遊園地の営業などを円滑に継続するため、ハード面・ソフト面への投資拡大の必要性が高まると考えられます。
4℃シナリオでは、温暖化の進行により異常気象の増加が予想され、これに対応するため、豪雨対策をはじめとする施設の防災対策が求められると想定されます。エネルギーや資材のコストの増減は限定的である一方で、極端な気象現象を起因とした食品価格の上昇や、自然災害対策の設備投資によるコスト増加の影響が大きくなるものと見込まれます。このシナリオでは4事業全てにおいて影響が大きいと考えられ、暑熱や大雨等による集客力の低下や、災害激甚化による設備破損・営業停止等のリスクに対応できるよう、BCP(事業継続計画)の重要性がより高まると考えられます。
リスク・対応策の一覧
前年度まで重要度の低いリスク含め開示しておりましたが、投資判断に資する情報開示の観点から、重要度の高いリスクに絞り開示する形式に変更しております。
財務への影響
機会
足元の取り組み
・公営競技事業
<再生可能エネルギーの導入>2021年10月より大井競馬場内の電気については、火力発電を主体とするものから、東京23区内の清掃工場で処理される廃棄物の焼却に伴い発生する排熱を利用して作られる電気(バイオマス発電)に転換いたしました。場内で使用する電気を実質再生可能エネルギー100%(一部地区を除く)とすることで、CO2排出量は大きく減少し、環境負荷の低減に貢献しております。 このことから、公営競技事業においては、炭素税やGHG排出規制によるコスト増加の影響は限定的と判断しております。
<脱プラスチックや廃棄物削減>大井競馬場内の一部飲食サービスを管轄する東京プロパティサービスでは、直営店舗ならびに入居テナントによる飲食の提供を行っており、2022年より、飲食提供用の容器類をプラスチック製から紙製・木製・バイオマス製へと順次切り替えを行っております。また、飲食の提供に伴って発生する廃棄物を、再生可能エネルギー発電の発電燃料や再生プラスチックなどへと転用を行う専門の収集業者に処理を依頼するなど、サーキュラーエコノミーの実現に向けた取り組みも実施しております。
<環境教育>東京都競馬グループでは全役職員に対し、地球温暖化防止および節電の取り組みとして「スーパークールビズ」を実施し、従業員の環境に対する意識向上を目的とした啓発活動を行っております。
・遊園地事業
<省エネ対策>東京サマーランドは、主に照明や空調設備を通じて電力エネルギーを使用しており、LED照明の導入などを通じて環境にやさしい空間づくりに努めております。
<太陽光発電設備>自然環境に配慮した取り組みの一環として、2014年3月にお客様用駐車場の屋根に太陽光パネル3,465枚、総面積13,000㎡、約900kWの発電能力を持つ大型の太陽光発電設備を整備いたしました。発電した電力については、すべて電力供給網へ売電し、周辺地域の生活を支えております。
<植林と伐採サイクルの促進>東京サマーランドの敷地面積の4分の3以上(約100ha)は、森林が占めており、水源涵養(かんよう)、生物多様性、健全な里山環境創出のための森林整備を実施しております。サントリーホールディングス株式会社が行う「天然水の森」の活動に賛同し、2014年より同社と協同して、敷地内の森林整備活動を行っております。また森林整備により発生した間伐材で作ったベンチをわんダフルネイチャーヴィレッジ園内に設置するなど、間伐材の有効活用を図っております。
<再生素材製品の販売や脱プラスチック>東京サマーランドでは、園内において再生素材を使用した製品を積極的に取り扱っております。2023年には園内で販売する一部のペットボトル飲料の容器素材を再生ペットにリニューアルし、そのほかにも再生ペットを素材とする水着の取り扱いを開始するなど、環境に配慮した商品を積極的に採用しております。また、東京サマーランド・わんダフルネイチャーヴィレッジでは、環境保全に向けた取り組みの一環として、園内飲食店舗にて提供しているプラスチック製消費材を、紙・木製や植物由来素材を配合した製品等へ段階的に切り替えております。また、飲食の提供に伴って発生する廃棄物を、堆肥や製紙原料、再生プラスチックなどへと転用を行う専門の収集業者に処理を依頼しております。
・サービス事業
<省エネ対策>ウィラ大井・ウィラ大森ビルでは、主に照明や空調設備を通じて電力エネルギーを使用しており、LED照明の導入などを通じて環境にやさしい空間づくりに努めております。
・倉庫賃貸事業
<省エネルギー化・再生可能エネルギーの導入>倉庫賃貸事業では、東京都品川区勝島第1・第2・第3地区、大田区平和島地区、千葉県習志野茜浜地区にて、トータル約36万㎡の物流倉庫施設を賃貸しております。大手物流企業への一棟貸しを中心に、マルチテナント型も展開しております。物流倉庫施設では、主にLED照明や高効率型空調機の導入を通じて省エネルギー化を図るとともに、勝島第1・第2地区においては、出光グリーンパワー株式会社様より再生可能エネルギー100%の電力を導入し、CO2排出量削減に寄与しております。
当社グループは、TCFD提言を参考に、気候変動リスク及び機会が事業活動に与える影響を特定したうえで、対応策等を検討しております。
[前提条件]
実施対象範囲
当社グループの事業の内、特に気候変動による財務的影響が大きいと思われる、公営競技事業(競馬施設賃貸のみ)と遊園地事業に加え、2024年度からサービス事業(商業施設及びオフィスビル賃貸と空調整備のみ)と倉庫賃貸事業を対象としております。
参照した気候関連シナリオ
シナリオ分析については、脱炭素社会への移行リスクが大きいと思われる「1.5℃」と、災害等の物理的リスクが大きいと思われる「4℃」のシナリオを採用しました。
| 採用シナリオ | 1.5℃シナリオ ※急速に脱炭素社会が実現 | 4℃シナリオ ※気候変動により自然災害の甚大化と頻度が増加 | |
| 現象 | 産業革命以前と比較して平均気温上昇が1.5℃程度。気候変動対策の政策・法規制が大幅に強化され、この結果、脱炭素に向けて社会変容が発生する。災害等の物理的リスクは現状比不変。 | 産業革命以前と比較して平均気温上昇が4℃程度。気候変動対策の政策・法規制および脱炭素社会への移行が進まず、気候変動による物理的リスクが顕在化。 | |
| 参照 シナリオ | 物理面 | IPCC SSP1-1.9 | IPCC SSP5-8.5 |
| 移行面 | IEA WEO2023 APS シナリオ(Announced Pledges Scenario) IEA WEO2023 NZE シナリオ(Net Zero Emissions Scenario) | IEA WEO2023 STEPSシナリオ(Stated Policies Scenario) | |
IEA(International Energy Agency):国際エネルギー機構
IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change):国連気候変動に関する政府間パネル
時間軸、リスク重要度の評価基準
時間軸は、グループ中期経営計画実行年度及び日本の温室効果ガス排出削減目標の時間軸にあわせ、短期2025年、中期2030年、長期2050年に設定しました。リスク重要度は、リスク管理委員会のリスクアセスメント基準を基に、影響度「小」「中」「大」の3つに分類しております。
[シナリオ分析のステップ]
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シナリオ分析の実施にあたり、影響の大きいと考えられる公営競技事業と遊園地事業を優先的に対応し、2024年度に事業インパクト評価、対応策の検討まで完了しました。また、2025年度には、サービス事業と倉庫賃貸事業についても同様に事業インパクト評価、対応策の検討を実施し、4事業全てについて分析を完了しております。
シナリオ分析結果の概況
1.5℃シナリオでは、脱炭素社会の実現に向けて、炭素税の導入や資源循環・リサイクル規制等の政策推進に加え、顧客の環境意識の高まりが想定されます。また、環境政策の推進や電力需要の増加により、エネルギー価格の上昇や、環境負荷の少ない設備・備品(バイオプラスチック・代替燃料)等への切り替えによるコスト負担の増加が懸念されます。消費者行動の変化については、気候変動や自然資本に対する意識の向上により、娯楽のための外出先の選択において、EVの充電スタンドの有無や環境負荷の程度が重視されるようになる可能性があります。このシナリオでは、特に公営競技事業・遊園地事業に影響が大きいと考えられ、競馬開催やプール・遊園地の営業などを円滑に継続するため、ハード面・ソフト面への投資拡大の必要性が高まると考えられます。
4℃シナリオでは、温暖化の進行により異常気象の増加が予想され、これに対応するため、豪雨対策をはじめとする施設の防災対策が求められると想定されます。エネルギーや資材のコストの増減は限定的である一方で、極端な気象現象を起因とした食品価格の上昇や、自然災害対策の設備投資によるコスト増加の影響が大きくなるものと見込まれます。このシナリオでは4事業全てにおいて影響が大きいと考えられ、暑熱や大雨等による集客力の低下や、災害激甚化による設備破損・営業停止等のリスクに対応できるよう、BCP(事業継続計画)の重要性がより高まると考えられます。
リスク・対応策の一覧
前年度まで重要度の低いリスク含め開示しておりましたが、投資判断に資する情報開示の観点から、重要度の高いリスクに絞り開示する形式に変更しております。
| リスク分類 | 要因 | 事業への影響 | 関連事業 | インパクト | 時間軸 | 対応策 | ||
| 1.5℃ | 4℃ | |||||||
| 移 行 リ ス ク | 政策 ・ 規制 | 気候変動による競馬法の改正、主催者の方針変更 | 電力消費量が多いナイター競馬の開催数減少 | 公営競技事業 | 大 | 小 | 長期 | ・調達先、調達方法の見直し ・産業用蓄電池の導入検討 |
| リスク分類 | 要因 | 事業への影響 | 関連事業 | インパクト | 時間軸 | 対応策 | ||
| 1.5℃ | 4℃ | |||||||
| 移 行 リ ス ク | 政策 ・ 規制 | 資源循環、リサイクル規制強化 | リサイクル可能な資材・備品への変更 | 公営競技事業 | 大 | 小 | 長期 | ・グリーンローンの利用検討 ・調達先・調達方法の見直し |
| 産業廃棄物処理の厳格化による処理コスト増加 | 公営競技事業 | 大 | 小 | 長期 | ・調達先、調達方法の見直し ・低炭素化への取り組み(3R促進、包装紙やプラ資材等の提供削減) | |||
| 市場 | エネルギー価格・需要の変動 | 電源構成やエネルギー価格変動への対応 | 公営競技事業 遊園地事業 | 中 | 小 | 中-長期 | ・調達先、調達方法の見直し、エネルギー効率を最大化する制御システムの構築 ・太陽光パネルの設置検討 | |
| 物 理 的 リ ス ク | 急性 | 気候変動による災害激甚化 | 積雪・豪雨・凍結によるコンディション不良を原因とした競技開催中止 | 公営競技事業 | 大 | 大 | 長期 | ・自然災害発生を前提とした施設・設備の増強・更新 ・危機管理対応マニュアルの整備 ・大規模な停電や断水に備えた自家発電設備の設置 ・地方行政と防災活動の協定書を締結、防災拠点地としての体制整備 ・洪水リスクを前提とした排水処理システムの構築 ・自然災害発生を前提とした収益計画・料金体系の構築検討 |
| 競馬設備の破損やダートコースの整備不良による競技開催中止 | 公営競技事業 | 中 | 大 | 長期 | ||||
| 自然災害による競走馬の輸送移動不能による競技開催中止 | 公営競技事業 | 小 | 大 | 長期 | ||||
| SPAT4サーバー設置地域の甚大な被災等によるシステム障害の発生 | 公営競技事業 | 小 | 大 | 中期 | ||||
| 災害を起因とした河川増水・氾濫、土砂崩れによる施設・設備の破損・修理コスト発生 | 遊園地事業 | 中 | 大 | 長期 | ||||
| 洪水・河川氾濫・土砂崩れ等による営業停止 | 遊園地事業 | 大 | 大 | 長期 | ||||
| 洪水・河川氾濫等による営業停止、賃貸収入の減少 | 倉庫賃貸事業 サービス事業 | 中 | 大 | 短・中 ・長期 | ||||
| 施設や設備破損、修理コスト発生 | 倉庫賃貸事業 | 中 | 大 | 中-長期 | ||||
| 浸水等の災害被害発生時及びテナント撤退による賃貸収入の減少 | 倉庫賃貸事業 | 中 | 大 | 中-長期 | ||||
| 慢性 | 平均気温の上昇 | 暑熱による競走馬や競馬関係者(騎手や厩務員等)の健康被害増大 | 公営競技事業 | 中 | 大 | 長期 | ・BCPの見直し・構築、その後の迅速な営業再開に向けた事前準備実施 | |
| 設備冷却のための電力消費量の増加 | 公営競技事業 | 小 | 大 | 長期 | ||||
| 降水・気象パターンの変動 | 気候や気温の変動による集客力の低下 | 遊園地事業 | 小 | 大 | 中-長期 | ・プール設備投資による避暑地レジャー施設の価値強化、オフシーズンにおける施設利用検討 | ||
| 降水・気象パターンの変化による屋外営業の停止 | 遊園地事業 | 小 | 大 | 長期 | ||||
財務への影響
| リスク | 関連事業 | 財務への影響の想定 | |
| 要因 | 内容 | ||
| 移行リスク-政策・規制 | |||
| 気候変動の影響による競馬法の改正・主催者の方針変更 | 電力消費量が多いナイター競馬の開催数減少 | 公営競技事業 | ・灯油使用※が禁止された場合、ナイター競馬の開催が停止、ナイター競馬由来の売上が減少 ※停電による馬の暴走等、事故発生リスク対策のためナイター競馬では、灯油による発電を行っています。 ・合成燃料の普及・商用化された場合、合成燃料への切り替えコストが発生 |
| 資源循環、リサイクル規制強化 | リサイクル可能な資材・備品への変更 | 公営競技事業 | ・ワンウェイプラスチック規制が強化された場合、削減目標の設定とともに、バイオプラスチックへの切り替えにより費用増加 |
| 廃棄物処理の厳格化による処理コスト増加 | 公営競技事業 | ・廃棄物処理規制が厳格化された場合、廃棄物処理手数料の増加により費用増加 | |
| 移行リスク-市場 | |||
| エネルギー価格・需要の変動 | 電源構成やエネルギー価格変動への対応 | 公営競技事業遊園地事業 | ・電力需要の増加に伴い電力価格が上昇、電力料金の費用増加 ・ガス等の燃料については、需要に伴い価格は低下し費用は減少。一方で、炭素税導入による税コストの上昇による費用増加も発生 |
| 物理的リスク-急性 | |||
| 気候変動による災害激甚化 | 積雪・豪雨・凍結によるコンディション不良を原因とした競技開催中止 | 公営競技事業 | ・風水害や干ばつを含む災害の激甚化による設備のコンディション不良や破損、競走馬・騎手の輸送・移動不能、加えてSPAT4サーバー設置地域の重度罹災によるシステム障害等が発生した場合、競技開催が中止となり営業停止日数に応じて売上が減少。また、設備の復旧のため費用増加 |
| 競馬設備の破損やダートコースの整備不良による競技開催中止 | 公営競技事業 | ||
| 自然災害による競走馬の輸送移動不能による競技開催中止 | 公営競技事業 | ||
| SPAT4サーバー設置地域の重度罹災等によるシステム障害の発生 | 公営競技事業 | ||
| 洪水・河川氾濫・土砂崩れ等による営業停止 | 遊園地事業 | ・災害の激甚化により、施設の営業停止や設備の破損が発生した場合、営業停止日数に応じて売上が減少。また設備の復旧のため費用増加 | |
| 災害を起因とした河川増水・氾濫・土砂崩れによる施設・設備の破損・修理コスト発生 | 遊園地事業 | ||
| 洪水・河川氾濫等による営業停止、賃貸収入の減少 | 倉庫賃貸事業 サービス事業 | ・洪水や河川氾濫等の災害激甚化により、当社が保有する商業施設が一定の期間において営業が停止。また営業停止となった期間においてテナントからの賃貸収入が減少 | |
| 施設や設備破損、修理コスト発生 | 倉庫賃貸事業 | ・災害激甚化により当社が保有する倉庫や付帯設備が破損、修理のため追加費用が発生 | |
| 浸水などの災害被害発生時及びテナント撤退による賃貸収入の減少 | 倉庫賃貸事業 | ・災害激甚化による浸水被害の発生等により、顧客離れを引き起こし空室が増加、ひいては空室となった部分の売上が減少 | |
| 物理的リスク-慢性 | |||
| 平均気温の上昇 | 暑熱による競走馬や競馬関係者(騎手や厩務員等)の健康被害増大 | 公営競技事業 | ・暑熱の影響で、労働力生産性の低下により売上減少 ・冷房等の使用量の増加が発生した場合、費用増加 |
| 設備冷却のための電力消費量の増加 | 公営競技事業 | ||
| 降水・気象パターンの変化 | 気候や気温の変動(雨、寒冷、極端な猛暑)による集客力の減少 | 遊園地事業 | ・豪雨の長期化または高頻度化による集客力の低下や施設の営業停止が発生した場合、売上減少 |
| 降水・気象パターンの変化による屋外営業の停止 | 遊園地事業 | ||
機会
| リスク分類 | 要因 | 事業への影響 | 関連事業 | 影響度 | 対応策 | |
| 1.5℃ | 4℃ | |||||
| 機会 | GHG排出規制強化 | 施設・設備等の省エネ・脱炭素化による固定資産価値の向上 | 倉庫賃貸事業 サービス事業 | ○ | △ | ・更なる省エネ・再エネ化の促進、プロアクティブな環境規制対応の実施と積極的な開示対応 ・環境対応の第三者認証取得による信頼性向上 |
| EV等の普及拡大 | EV等に対応した駐車場の整備による集客増加、収益力向上 | 公営競技事業 遊園地事業 サービス事業 | ○ | △ | ・駐車場へのEV充電ステーションの設置及び設置コスト低減を見越した設備投資実施時期の検討 ・他社連携でのEV自動車シェアリングサービスの提供検討 | |
| 気候変動による広報・PRの質的変化 | グリーン競馬イベント等のキャンペーン実施による評判向上 | 公営競技事業 | ○ | △ | ・先進的な気候変動対応の実施と競技との連動キャンペーンの実施による「グリーンな競馬」との評判醸成 | |
| 環境活動やイベント企画による評判・集客力向上 | 遊園地事業 | ○ | △ | ・植林・生物多様性保全にかかる補助金獲得に向けた機会模索 ・植林や生物多様性保全による土地の資産価値向上、地域の活性化・街づくりへの貢献、集客数増加、評判向上 | ||
| 評判の変化 (グリーン意識の高まり) | 気候変動への積極対応によるステークホルダー(顧客・投資家・従業員)からの信頼性向上 | 全事業 | ○ | △ | ・先進的な気候変動対応の実施 ・特に気候変動への意識が高いジェネレーション世代、ミレニアル世代の顧客裾野拡大、従業員のロイヤリティ向上 ・気候変動対応の開示及び投資家とのエンゲージメントによる企業価値向上 | |
| 低炭素技術の普及及び移行、水資源への影響 | 水の需給調整システムの高度化によるレジリエンス強化 | 遊園地事業 | ○ | △ | ・雨水の収集、生活用水への利用や、飲用水への利用に向けた他社との協業 ・水使用量の削減計画の検討 ・周辺利用者間での取水量の調整、水の融通、緊急的な応援給水対策の整備 ・循環型水システムの構築に向けた、水レジリエンス計画の策定 ・業界全体での水の需給調整システムの構築に向けたガイドラインの策定 | |
| 低炭素技術の普及及び移行 | 太陽光発電の売買による収益増加 | 遊園地事業 | ○ | △ | ・更なる太陽光パネルの設置拡大 ・他社協業の高効率の太陽光発電の開発検討 | |
| 気候変動による災害激甚化 | 災害復興競馬の開催による復興財源確保への貢献 | 公営競技事業 | ○ | △ | ・地方公共団体の災害復興支援への貢献、地方競馬に加え、中央競馬、他競技(競輪、ボートレース、オートレース等)との連携支援 | |
| 空調設備の災害対策へのニーズに対応する新技術活用による売上増加 | サービス事業 | △ | ○ | ・研究開発の効果最大化を意図した技術の見極め及び経営計画の立案 ・設計・施工における高い技術力の保持とコスト競争力の両立 ・将来の技術動向の把握と要件を満たすエンジニアの積極採用 | ||
| 平均気温の上昇 | 空調設備の使用負荷上昇によるメンテナンスニーズの増加 | サービス事業 | △ | ○ | ・シナリオ分析の継続による需要予測と設計・施工及びメンテナンスキャパシティの確保 ・設計・施工における高い技術力の保持とコスト競争力の強化 | |
| 大型空調設備の導入ニーズ拡大による売上増加 | サービス事業 | △ | ○ | |||
足元の取り組み
・公営競技事業
<再生可能エネルギーの導入>2021年10月より大井競馬場内の電気については、火力発電を主体とするものから、東京23区内の清掃工場で処理される廃棄物の焼却に伴い発生する排熱を利用して作られる電気(バイオマス発電)に転換いたしました。場内で使用する電気を実質再生可能エネルギー100%(一部地区を除く)とすることで、CO2排出量は大きく減少し、環境負荷の低減に貢献しております。 このことから、公営競技事業においては、炭素税やGHG排出規制によるコスト増加の影響は限定的と判断しております。
<脱プラスチックや廃棄物削減>大井競馬場内の一部飲食サービスを管轄する東京プロパティサービスでは、直営店舗ならびに入居テナントによる飲食の提供を行っており、2022年より、飲食提供用の容器類をプラスチック製から紙製・木製・バイオマス製へと順次切り替えを行っております。また、飲食の提供に伴って発生する廃棄物を、再生可能エネルギー発電の発電燃料や再生プラスチックなどへと転用を行う専門の収集業者に処理を依頼するなど、サーキュラーエコノミーの実現に向けた取り組みも実施しております。
<環境教育>東京都競馬グループでは全役職員に対し、地球温暖化防止および節電の取り組みとして「スーパークールビズ」を実施し、従業員の環境に対する意識向上を目的とした啓発活動を行っております。
・遊園地事業
<省エネ対策>東京サマーランドは、主に照明や空調設備を通じて電力エネルギーを使用しており、LED照明の導入などを通じて環境にやさしい空間づくりに努めております。
<太陽光発電設備>自然環境に配慮した取り組みの一環として、2014年3月にお客様用駐車場の屋根に太陽光パネル3,465枚、総面積13,000㎡、約900kWの発電能力を持つ大型の太陽光発電設備を整備いたしました。発電した電力については、すべて電力供給網へ売電し、周辺地域の生活を支えております。
<植林と伐採サイクルの促進>東京サマーランドの敷地面積の4分の3以上(約100ha)は、森林が占めており、水源涵養(かんよう)、生物多様性、健全な里山環境創出のための森林整備を実施しております。サントリーホールディングス株式会社が行う「天然水の森」の活動に賛同し、2014年より同社と協同して、敷地内の森林整備活動を行っております。また森林整備により発生した間伐材で作ったベンチをわんダフルネイチャーヴィレッジ園内に設置するなど、間伐材の有効活用を図っております。
<再生素材製品の販売や脱プラスチック>東京サマーランドでは、園内において再生素材を使用した製品を積極的に取り扱っております。2023年には園内で販売する一部のペットボトル飲料の容器素材を再生ペットにリニューアルし、そのほかにも再生ペットを素材とする水着の取り扱いを開始するなど、環境に配慮した商品を積極的に採用しております。また、東京サマーランド・わんダフルネイチャーヴィレッジでは、環境保全に向けた取り組みの一環として、園内飲食店舗にて提供しているプラスチック製消費材を、紙・木製や植物由来素材を配合した製品等へ段階的に切り替えております。また、飲食の提供に伴って発生する廃棄物を、堆肥や製紙原料、再生プラスチックなどへと転用を行う専門の収集業者に処理を依頼しております。
・サービス事業
<省エネ対策>ウィラ大井・ウィラ大森ビルでは、主に照明や空調設備を通じて電力エネルギーを使用しており、LED照明の導入などを通じて環境にやさしい空間づくりに努めております。
・倉庫賃貸事業
<省エネルギー化・再生可能エネルギーの導入>倉庫賃貸事業では、東京都品川区勝島第1・第2・第3地区、大田区平和島地区、千葉県習志野茜浜地区にて、トータル約36万㎡の物流倉庫施設を賃貸しております。大手物流企業への一棟貸しを中心に、マルチテナント型も展開しております。物流倉庫施設では、主にLED照明や高効率型空調機の導入を通じて省エネルギー化を図るとともに、勝島第1・第2地区においては、出光グリーンパワー株式会社様より再生可能エネルギー100%の電力を導入し、CO2排出量削減に寄与しております。
