有価証券報告書-第61期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「自由でみずみずしい発想を原動力に すばらしい夢と感動 ひととしての喜び そしてやすらぎを提供する」という企業使命のもと、日本国民はもとより、アジアを中心とする海外の人々からも広く愛され、親しまれる企業であり続けること、あらゆるステークホルダーから信頼と共感を集め、その成果であるキャッシュ・フローの最大化を達成することで、長期持続的な企業価値の向上を目指してまいります。またその過程において、地球環境や社会問題への対応を経営や事業戦略に包括することにより、よりサステナブルな経営を目指します。
当社グループのコア事業である東京ディズニーリゾートにおいては、社会が大きく変容する状況を踏まえ、核となる2つのテーマパーク(東京ディズニーランド、東京ディズニーシー)の運営力強化、それによるゲスト満足度、収益性の維持向上が優先的に対処すべき課題であります。具体的には、ゲストの多様なニーズにより応える運営へと進化させ、需要変動への対応力を向上させてまいります。2つのテーマパークを中心としながら、ホテル事業・その他事業の拡充を通じて東京ディズニーリゾートの体験価値や利便性の向上、滞在化の促進を行い、東京ディズニーリゾート全体の目的地としての価値を高め、東京ベイエリアの中心的な役割を担うだけでなく、親しみある空間を提供することで、50年先、100年先もハピネスを届け続けることを目指してまいります。
また、新規事業につきましては、たとえば子どもの体験支援、省力化や省エネ対応などコア事業の課題解決や価値向上につながる事業を中心に、他社との協働を積極的に視野に入れながら取り組んでまいります。検討においては、目標時期を限定することなく、当社グループの永続的な成長に寄与すべく取り組んでまいります。
(2)経営環境
当期における国内経済は、各種政策の効果などにより個人消費は一時的に持ち直しの動きが見られたものの、新型コロナウイルス感染症流行の影響により、厳しい状況が続きました。
今後のレジャー市場を取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症流行の収束の見通しが立たないことから、依然として不透明な状況が続いており、厳しい市場環境は継続する可能性があります。
当社グループの事業は舞浜エリアを中心に、テーマパーク事業やホテル事業などを展開しており、売上高及び営業利益の約8割を主軸となるテーマパーク事業が占めております。独自の競争優位性は、都心に近い立地に広大な土地を自社で所有していることやディズニー・エンタプライゼズ・インクとのライセンス契約に加え、卓越したホスピタリティを提供する人財を抱えていることと考えております。1983年4月の東京ディズニーランド開園以来、35年以上にわたって幅広い層のゲストから支持をいただいており、国内ゲストの約9割が生涯で2回目以降の来園であるリピーターゲストであることなど、ロイヤリティーの高い顧客層に支えられております。このような国内の顧客基盤に加え、訪日外国人の増加に伴って増加していた海外ゲストも、新たな顧客基盤の創出に繋がると見込んでおりましたが、新型コロナウイルス感染症流行に伴う消費の低迷や訪日外国人数の減少などの影響が長引くことを懸念しております。
(テーマパーク) 2つのテーマパークの入園者数は2013年度から2018年度まで6年連続で3,000万人を上回る集客を達成しており、ゲスト満足度の向上に向けては、新規アトラクションやエンターテイメント、スペシャルイベントなどへの継続的な投資はもちろんのこと、暑さ・寒さに対する環境改善、レストランの環境改善、ゲストの待ち時間を削減する取組みなど、ハード・ソフト両面でさまざまな取組みを行ってまいりました。このような取組みによって、入園者数やゲスト満足度も好調に推移しておりましたが、新型コロナウイルス感染症流行の影響を受け、2つのテーマパークは2020年2月29日から2020年6月30日まで臨時休園を実施いたしました。7月1日に営業を再開したものの、「遊園地・テーマパークにおける新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」等に沿った運営体制のもと、入園者数を制限した運営を続けております。
(ホテル) ディズニーホテルの稼働率は高い水準で推移しており、加えて、2017年度に導入したレベニュー・マネジメントの効果が奏功し、売上高及び営業利益ともに高い水準を維持しておりました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症流行の影響を受け、2020年4月1日から6月29日まで臨時休館を実施いたしました。6月30日に営業を再開したものの、テーマパークの入園者数を制限した運営が継続していることなどを踏まえ、客室販売数を制限した運営を続けております。
(3)中長期的な経営戦略
2020中期経営計画
2020中期経営計画では、「長期持続的な成長に向けた事業基盤の強化」を方針としており、最終年度である2020年度に「高い満足度を伴ったパーク体験を提供できている状態とする」、「過去最高の入園者数及び営業キャッシュ・フローを目指す」の2点を目標としておりました。なお、新型コロナウイルス感染症流行により先々の経営環境が不透明な状況であるため、2021年度は新たな視点や考え方に向けて検証する準備期間とし、それを踏まえて次期中期経営計画の発表を2022年春に予定しております。
*営業キャッシュ・フロー = 親会社株主に帰属する当期純利益 + 減価償却費
今後の大規模開発
当社グループは、2021年度以降も引き続きハードとソフトの両面を強化することで、東京ディズニーリゾートの更なる成長に取り組んでまいります。
成長投資を継続する方針のもと、2021年度に「東京ディズニーリゾート・トイ・ストーリーホテル」の開業を予定しており、2023年度には、東京ディズニーシーの新テーマポート「ファンタジースプリングス」を開発し、3つの新たなエリアとテーマパーク一体型ホテルが開業となる予定です。これらの開発により新たな体験価値を創出することで、企業価値の向上に努めてまいります。
長期持続的な成長に向けて(議論の進捗)
当社グループはこれまで舞浜エリアに集中的に投資することで、リゾートの魅力を上げ、多くの従業員で多くのゲストをお迎えするという戦略をとってまいりました。その結果として財務面での成長を図ることができた一方、従来の経営を継続することによる開発費や建築費の高騰、総人口の減少、生産年齢人口の減少、気候変動や自然災害のような先々のリスクを感じており、2019年度よりこれらのリスクへの対応を課題として捉え議論してまいりました。
このような議論を経て、2021年4月に今後の長期経営戦略に関わる方針を発表いたしました。
当社グループでは、これまでもCSRに取り組んでまいりましたが、これからも50年、100年と永続的に社会に「夢・感動・喜び・やすらぎ」を提供し続け、企業として成長を続けていくために、「持続可能な社会への貢献」と「長期持続的な成長」を両立することを目指してまいります。今後は、環境問題や社会問題への対応を経営と一体化することにより、企業としてより持続可能な経営に舵を切り、SDGsの達成にも貢献していきます。
また、それに向け、8つのマテリアリティ(重点課題)となる領域や取組みの方向性も発表いたしました。財務面での定量的な目標設定等につきましては、2022年春に発表する予定ですが、当社グループが今後長期的にありたい姿を目指すためのマテリアリティに関する議論を進めております。具体的には、次の8つのマテリアリティとなる領域や取組みの方向性をもとに、2020年11月に設置されたESG検討プロジェクトチームを中心に議論を進めております。
上記の中でも環境につきましては、社会の一員として取り組むべき課題であると認識しております。 なお、「気候変動や自然災害への対応」については、先行してKPIとなる中長期目標を策定いたしました。2030年度の温室効果ガスの排出量を2018年度対比で40%削減し、2050年度にはネットゼロにすることを目標に掲げました。この中長期目標を達成するとともに、SDGsにおける目標13「気候変動に具体的な対策を」の達成に貢献いたします。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「自由でみずみずしい発想を原動力に すばらしい夢と感動 ひととしての喜び そしてやすらぎを提供する」という企業使命のもと、日本国民はもとより、アジアを中心とする海外の人々からも広く愛され、親しまれる企業であり続けること、あらゆるステークホルダーから信頼と共感を集め、その成果であるキャッシュ・フローの最大化を達成することで、長期持続的な企業価値の向上を目指してまいります。またその過程において、地球環境や社会問題への対応を経営や事業戦略に包括することにより、よりサステナブルな経営を目指します。
当社グループのコア事業である東京ディズニーリゾートにおいては、社会が大きく変容する状況を踏まえ、核となる2つのテーマパーク(東京ディズニーランド、東京ディズニーシー)の運営力強化、それによるゲスト満足度、収益性の維持向上が優先的に対処すべき課題であります。具体的には、ゲストの多様なニーズにより応える運営へと進化させ、需要変動への対応力を向上させてまいります。2つのテーマパークを中心としながら、ホテル事業・その他事業の拡充を通じて東京ディズニーリゾートの体験価値や利便性の向上、滞在化の促進を行い、東京ディズニーリゾート全体の目的地としての価値を高め、東京ベイエリアの中心的な役割を担うだけでなく、親しみある空間を提供することで、50年先、100年先もハピネスを届け続けることを目指してまいります。
また、新規事業につきましては、たとえば子どもの体験支援、省力化や省エネ対応などコア事業の課題解決や価値向上につながる事業を中心に、他社との協働を積極的に視野に入れながら取り組んでまいります。検討においては、目標時期を限定することなく、当社グループの永続的な成長に寄与すべく取り組んでまいります。
(2)経営環境
当期における国内経済は、各種政策の効果などにより個人消費は一時的に持ち直しの動きが見られたものの、新型コロナウイルス感染症流行の影響により、厳しい状況が続きました。
今後のレジャー市場を取り巻く環境は、新型コロナウイルス感染症流行の収束の見通しが立たないことから、依然として不透明な状況が続いており、厳しい市場環境は継続する可能性があります。
当社グループの事業は舞浜エリアを中心に、テーマパーク事業やホテル事業などを展開しており、売上高及び営業利益の約8割を主軸となるテーマパーク事業が占めております。独自の競争優位性は、都心に近い立地に広大な土地を自社で所有していることやディズニー・エンタプライゼズ・インクとのライセンス契約に加え、卓越したホスピタリティを提供する人財を抱えていることと考えております。1983年4月の東京ディズニーランド開園以来、35年以上にわたって幅広い層のゲストから支持をいただいており、国内ゲストの約9割が生涯で2回目以降の来園であるリピーターゲストであることなど、ロイヤリティーの高い顧客層に支えられております。このような国内の顧客基盤に加え、訪日外国人の増加に伴って増加していた海外ゲストも、新たな顧客基盤の創出に繋がると見込んでおりましたが、新型コロナウイルス感染症流行に伴う消費の低迷や訪日外国人数の減少などの影響が長引くことを懸念しております。
(テーマパーク) 2つのテーマパークの入園者数は2013年度から2018年度まで6年連続で3,000万人を上回る集客を達成しており、ゲスト満足度の向上に向けては、新規アトラクションやエンターテイメント、スペシャルイベントなどへの継続的な投資はもちろんのこと、暑さ・寒さに対する環境改善、レストランの環境改善、ゲストの待ち時間を削減する取組みなど、ハード・ソフト両面でさまざまな取組みを行ってまいりました。このような取組みによって、入園者数やゲスト満足度も好調に推移しておりましたが、新型コロナウイルス感染症流行の影響を受け、2つのテーマパークは2020年2月29日から2020年6月30日まで臨時休園を実施いたしました。7月1日に営業を再開したものの、「遊園地・テーマパークにおける新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドライン」等に沿った運営体制のもと、入園者数を制限した運営を続けております。
(ホテル) ディズニーホテルの稼働率は高い水準で推移しており、加えて、2017年度に導入したレベニュー・マネジメントの効果が奏功し、売上高及び営業利益ともに高い水準を維持しておりました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症流行の影響を受け、2020年4月1日から6月29日まで臨時休館を実施いたしました。6月30日に営業を再開したものの、テーマパークの入園者数を制限した運営が継続していることなどを踏まえ、客室販売数を制限した運営を続けております。
(3)中長期的な経営戦略
2020中期経営計画
2020中期経営計画では、「長期持続的な成長に向けた事業基盤の強化」を方針としており、最終年度である2020年度に「高い満足度を伴ったパーク体験を提供できている状態とする」、「過去最高の入園者数及び営業キャッシュ・フローを目指す」の2点を目標としておりました。なお、新型コロナウイルス感染症流行により先々の経営環境が不透明な状況であるため、2021年度は新たな視点や考え方に向けて検証する準備期間とし、それを踏まえて次期中期経営計画の発表を2022年春に予定しております。
*営業キャッシュ・フロー = 親会社株主に帰属する当期純利益 + 減価償却費
今後の大規模開発
当社グループは、2021年度以降も引き続きハードとソフトの両面を強化することで、東京ディズニーリゾートの更なる成長に取り組んでまいります。
成長投資を継続する方針のもと、2021年度に「東京ディズニーリゾート・トイ・ストーリーホテル」の開業を予定しており、2023年度には、東京ディズニーシーの新テーマポート「ファンタジースプリングス」を開発し、3つの新たなエリアとテーマパーク一体型ホテルが開業となる予定です。これらの開発により新たな体験価値を創出することで、企業価値の向上に努めてまいります。
長期持続的な成長に向けて(議論の進捗)
当社グループはこれまで舞浜エリアに集中的に投資することで、リゾートの魅力を上げ、多くの従業員で多くのゲストをお迎えするという戦略をとってまいりました。その結果として財務面での成長を図ることができた一方、従来の経営を継続することによる開発費や建築費の高騰、総人口の減少、生産年齢人口の減少、気候変動や自然災害のような先々のリスクを感じており、2019年度よりこれらのリスクへの対応を課題として捉え議論してまいりました。
このような議論を経て、2021年4月に今後の長期経営戦略に関わる方針を発表いたしました。
当社グループでは、これまでもCSRに取り組んでまいりましたが、これからも50年、100年と永続的に社会に「夢・感動・喜び・やすらぎ」を提供し続け、企業として成長を続けていくために、「持続可能な社会への貢献」と「長期持続的な成長」を両立することを目指してまいります。今後は、環境問題や社会問題への対応を経営と一体化することにより、企業としてより持続可能な経営に舵を切り、SDGsの達成にも貢献していきます。
また、それに向け、8つのマテリアリティ(重点課題)となる領域や取組みの方向性も発表いたしました。財務面での定量的な目標設定等につきましては、2022年春に発表する予定ですが、当社グループが今後長期的にありたい姿を目指すためのマテリアリティに関する議論を進めております。具体的には、次の8つのマテリアリティとなる領域や取組みの方向性をもとに、2020年11月に設置されたESG検討プロジェクトチームを中心に議論を進めております。
| マテリアリティとなる領域 | 取組みの方向性 |
| 気候変動や自然災害への対応 | 脱炭素社会への貢献(気候変動の緩和) |
| 強靭性の強化(気候変動への適応) | |
| 循環型社会への対応 | 製品・サービスの省資源化と廃棄物の削減 |
| 持続可能な資源利用 | |
| 水資源の有効活用 | |
| 自然共生社会への貢献 | |
| 従業員 | 自ら創造する人財の育成 |
| 多様な人財の活躍 | |
| 生き生きと働ける環境整備 | |
| 子ども | 夢と希望を実現できる子どもの支援 |
| ダイバーシティ&インクルージョン | 従業員の多様な価値観をもとにした社会・顧客ニーズ変化への対応 |
| 人権尊重への体系的な取組み | |
| サプライチェーン・マネジメント | サプライチェーンにおけるサステナビリティの推進と協働 |
| 企業経営の公正性 | 公正性が担保された意思決定 |
| ステークホルダー・エンゲージメント | ステークホルダーとの開かれた対話を通じた、高い信頼関係と協働関係の実現 |
上記の中でも環境につきましては、社会の一員として取り組むべき課題であると認識しております。 なお、「気候変動や自然災害への対応」については、先行してKPIとなる中長期目標を策定いたしました。2030年度の温室効果ガスの排出量を2018年度対比で40%削減し、2050年度にはネットゼロにすることを目標に掲げました。この中長期目標を達成するとともに、SDGsにおける目標13「気候変動に具体的な対策を」の達成に貢献いたします。