有価証券報告書-第65期(2024/04/01-2025/03/31)
(4) 人的資本(人材の多様性を含む)に関する戦略並びに指標及び目標
当社グループにおける、人的資本の考え方、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりです。
① 戦略
当社グループにとって人材とは、事業の価値を創出していくうえで何よりも重要で不可欠なものです。特に東京ディズニーリゾート事業においては、ゲストを魅了するハードへの継続的な投資と同様に、事業に誇りを感じエンゲージメントの高い従業員によるゲストサービスが強みの源泉であるといえます。
一方、「2035年に目指す姿」実現に向けては、価値を創出する人材力の高さと市場競争の中で人材を確保し続ける事が課題です。そのため、価値創造に繋がる人材力の向上と人材確保を進めることで、事業競争力を強化し、新しい価値を生み出し続ける集団へ進化していくことを人事方針として掲げており、3つの重点戦略を進めていきます。
■人材の成長基盤
・多様な業務におけるマネジメント経験を通じて、人の力を結集しチームのパフォーマンスを最大化できる人材を育成する
・職種ごとの特性・内外環境を踏まえた人事制度を再設計
■組織力
・エンゲージメント向上に向けた課題の見える化と組織ごとの自律的改善の仕組み化
・対話を基盤とした組織文化を構築し、関係強化に繋げ、組織と個人の力を最大限に引き出す
■働く安心感
・職場施設の環境改善
・内外環境を踏まえた継続的な処遇改善
・多様な働き方の推進により、働く安心感を確保
人事方針実現に向けて、上記の3つの重点戦略に取り組むことは、ESGマテリアリティのひとつとして設定している「従業員の幸福」にも繋がると考えております。
「従業員の幸福」については、「一人ひとりの働きがい(エンゲージメント)が高い状態にあること」と定義した上で、働きがいを高めるために「仕事のやりがい」(働くことによって得られる喜びや達成感)の向上と、「働きやすさ」(社内環境や制度)の整備を行っております。さらに、働きがいを高めていくために、以下の図で取組みの方向性を体系化するとともに、会社と従業員の関係性を「求めあい、高めあう関係性」として明確化しました。従業員は「自ら一歩踏み出す」こと、会社・マネジメントはその「一歩」を引き出し支援する「背中を押す」姿勢が重要であると考え、双方向で刺激しあう関係性を目指しております。
関係構築及び働きがいの向上に向けては「自ら創造する人材の育成」「多様な人材の活躍」「生き生きと働ける環境整備」を重要要素と整理し、各組織のマネジメント力、従業員一人ひとりの意識向上、仲間とのより良い関係性の構築など、複数の視点から、全社一丸となって取り組んでおります。

② リスク管理
人的資本に関するリスクは、サステナビリティ関連リスクとして、「戦略リスク」にも含まれております。詳細については、「第3 事業等のリスク」に記載しております。
③ ガバナンス
これらの、人的資本に関する取組みは、経営戦略との連動体制や各部状況を踏まえた合議体制を構築しております。関係部署間で連携を深めながら、適宜、経営会議やサステナビリティ推進会議に付議することで、全社一丸となって取り組む体制を強化しており、詳細については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)ガバナンス及びリスク管理 ①ガバナンス」に記載しております。
④ 指標と目標(人材育成方針及び社内環境整備方針)
上記に記載したESGマテリアリティ「従業員の幸福」について、2030年度に「エンゲージメント調査」の総合スコアを71ポイントとする目標を掲げております。後述する人材育成方針及び社内環境整備方針も包括した指標・目標として考えております。
2024年度の総合スコアは69となりました。
2027年度に向けて、課題として捉えている以下のスコアを向上させることを目指し、先述した3つの重点戦略を進めてまいります。
・職 務:職務における能力発揮と自己効力感
・自己成長:仕事を通じた達成感と成長実感
・人間関係:パークオペレーションにおける最前線のキャストと上司とのコミュニケーション時間の創出
・環 境:職場施設の環境、処遇の納得感、働き方などの衛生要因への満足度など、働く安心感の確保
また、目標達成に向けて、人材育成方針及び社内環境整備方針に記載のある取組み事例のほか、2024中期経営計画期間においては、主に以下の取組みを実施いたしました。
・エンゲージメント調査の導入、組織ごとの働きがいの見える化と各組織のアクション体制構築に向けた仕組みづくり・施策実施
・社長と従業員、上司と部下、同僚同士など社内の対話機会設定によるエンゲージメント向上
・従業員一人ひとりの自立的活躍を実現する成長機会の拡充
・雇用区分に応じた両立支援制度の拡充
・テーマパークオペレーション社員、準社員の役割の明確化と発揮のための評価・グレードの見直し・再編
・キャスト向けのイベントなど、キャストとしての誇りや働く楽しさを感じる施策の実施
・基本時給及び賞与支給方針の見直しなど
⑤ 人材育成方針
当社グループでは従業員が自身のキャリアに責任を持ち、志をもって成長し続けられるよう、キャリアと能力を開発し続ける機会を提供しております。また、多様な価値観や、個性を持つ従業員同士が互いに認め合い、一人ひとりが能力を最大限に発揮できる環境を整備しております。
<人材の育成方針>■社員
当社では、社員に「求める人材像」を設定しております。社外の環境変化が激しい中でも、「夢・感動・喜び・やすらぎ」を提供し、これまで以上に社会に望まれ続ける企業であるために、一人ひとりが自ら考え、判断し、行動できる「自立した人材」の育成に取り組んでおります。
具体的には、「自立した人材」を「自らの動機・価値観(Will)をもち、責任を担う役割(Must)と自分の動機・価値観を統合し、役割に見合った能力(Can)を兼ね備えた人材」と定義し、人材像に基づく社内の成長支援を強化することで、一人ひとりの持続的な能力開発に取り組んでおります。
また、求める人材像に向けて、役割に応じて求める行動を明確化した行動要件(●1)を設定しています。この行動要件に基づいた採用・育成・評価を一貫して行うことで、従業員及び組織の成長環境を整えております。加えて、行動要件の発揮にむけた従業員一人ひとりの成長、その成長を促す上司の取組みを示す「成長・貢献サイクル」「育成サイクル」(●2)を設定し、各プロセスでメンバーやマネジメントへの支援を実施することで、これらのサイクルを加速化させ、これまで以上にパフォーマンスを高めることに取り組んでおります。
●1 求める行動要件(一部抜粋)

●2 成長・貢献サイクル/育成サイクル

■テーマパークオペレーション社員及び準社員
当社では、キャストがゲストのハピネスを創造することで得られる「自己効力感」と、キャスト自身も成長を感じる「成長実感」の2つの側面から、生き生きと働ける組織風土の醸成を行うことで、さらなるキャストの成長につながると考え、教育プログラムの整備やパフォーマンス発揮への支援体制を含めた環境整備に取り組んでおります。
テーマパークオペレーション社員には、社員同様、自立的な成長やチャレンジ意欲を一層高めるために、「求める行動」を明確化しております。具体的には、「より良く」を求め続ける改善意識や、最後まで諦めることなく徹底して「やり切る」姿勢、一人ひとりが自らの責任を全うしたうえで「一丸となって」組織としての力を発揮する行動を定め、それをベースに育成サイクルを整備しております。また、役割に応じた育成プログラムに加え、自己を理解し、自分のキャリアを考え実現するためのキャリア支援プログラムを整備し、自立的な成長への支援を行っております。
すべてのキャストには、キャストの目指すゴール「We Create Happiness」に基づき、ディズニーフィロソフィー(哲学)やキャストとしての行動規準について学ぶ導入研修教育プログラムを実施しております。配属後には、OJT(実地トレーニング)を含む部門ごとのトレーニングも実施しております。ほかにも、トレーナーとして後輩を育成する役割を担う制度、ディズニー教育プログラムがあります。
なお、具体的な研修・キャリア支援プログラムについては弊社ウェブサイトに掲載しております。
(https://www.olc.co.jp/ja/sustainability/social/relation/careers.html)
(参考データ)
※1 算出範囲にテーマパークオペレーション社員を含めています。
※2 算出範囲に参加時間あたりの時給を含めています。
<次世代経営人材の育成>当社グループでは、「次世代経営人材の育成」を、最重要経営課題のひとつとして考え、ESGマテリアリティ「経営基盤の強化」の中でも、特に重要な取組みとして掲げております。次世代を担う人材を育成し企業価値を高め続けられる体制の構築を目指し、2030KPIとして「人材プール確保に向けた体制が構築でき、サクセッションプランの実現に繋げられている」と策定し、進めております。
具体的には、経営者人材に求められる人材要件を特定の上、経営トップとともに、次世代経営人材の育成状況をすり合わせることで、実効性を高めています。また、経営者人材として必要な資質・スキルを習得させるための研修プログラムを実施し、候補者の育成と人材プールの拡大につなげており、「経営者人材育成サイクル」を運用することで、候補者の育成と人材プールの拡大につなげております。
<採用に関する考え方>多様な価値観や、個性を持つ従業員同士が互いに認め合い、一人ひとりが能力を最大限に発揮できる環境を目指しております。
社員においては新卒採用だけでなく経験者採用をすることで、多様な人材が活躍できる環境づくりに努めております。また、キャストにおいては、パークでのゲストサービスにより醸成される当社事業への高い共感や、キャストとしての働きがいを今後も育んでいくために、組織での対話風土を醸成する仕組みや、パフォーマンスの発揮に向けた支援体制を整えております。このように働きたい場所としても選ばれ続けるための環境整備を行うことで、社員、キャストの採用にもつなげてまいります。
⑥ 社内環境整備方針
中長期的な企業価値向上のためには、少子高齢化の進行などによる労働人口の減少や、働き方への多様な価値観などを踏まえたうえで、従業員の働きがいを向上させ、新しい価値を生み出し続ける集団へ進化していくことが必要であると考えております。そのため、一人ひとりの成長にも繋がり、働きたい場所としても選ばれ続けるための社内環境整備に取り組んでおります。
具体的には、従業員の安全と、心と体の健康の確保に向けた取組みや、モチベーションを高め、意欲的に仕事に取り組める企業の風土醸成などに取り組んでまいります。
<ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン>従業員の多様性の確保は、最重要経営課題の一つとして考え、前述したESGマテリアリティ「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン」として設定し、2030KPIとして、「多様性が尊重され、あらゆる人が活躍できる環境の構築」を掲げ、推進しております。
■基本的な考え方
当社グループでは、一人ひとりが能力を最大限に発揮できる環境づくりを重視しており、その基本的な考え方は「OLCグループ人権に関する基本方針」
(https://www.olc.co.jp/ja/sustainability/social/humanrights/policy.html)にて定めております。
さまざまな強み・個性・価値観を持つ従業員同士が、互いに認めあい、活かし高めあうことで、生き生きと働くことができると考えます。そのうえで、仕事に情熱を持って取り組むことができ、会社と仲間への安心感・信頼感を持つことができる状態を目指していきます。また、従業員が私生活を充実させながら活躍できるよう、仕事と生活の調和を支援する制度を整えるとともに、それを支える風土づくりにも努めております。
■多様な価値観を活かすための取組み
従業員が多様性への理解を深めるために、社内報やイントラネットを通じて多様性に関する情報を発信するなど、さまざまな社内教育を実施するほか、誰もが自分らしく働くことができる環境作りを多角的に推進しております。
・ゲストやキャストの多様性を理解し、受容するマインドとサポートスキルを学ぶ「ノーマライゼーション・クリエイター・クラス」の実施
・全従業員への「ダイバーシティ&インクルージョンハンドブック」の配布
・従業員の身だしなみを規定した「ディズニールック」の一部変更(男女別の表記撤廃など)
・一部コスチュームにおけるユニセックス運用の開始
・オンステージを含めた障がい者の職域の拡大と障がい理解のための啓発
・同性婚、事実婚の配偶者をパートナーとした福利厚生制度の拡大
■仕事と生活の調和を図るための取組み
従業員が仕事と生活の調和を図るための取組みとして、育児休職、子の看護休暇、介護休職、介護休暇、半日単位の有給休暇、病気有給休暇(家族の介護事由でも取得可能)などの各種制度を整えております。
前述のESGマテリアリティ「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン」のKPIとして、2027年度までに男性育休取得率を95%にすることを目標に掲げ、仕事と子育ての両立が図れるよう、法律に基づく諸制度の他、さまざまな制度を整えております。
・両立支援相談窓口を設置
・配偶者出産休暇
・搾乳ができる施設「マミールーム」の設置
・シフト勤務社員に対する勤務時間を固定や短縮するミドル復帰プログラムの導入
・共働きの社員などを対象にしたベビーシッターなどの育児補助金支援施策の導入
・企業主導型保育所「キッズビレッジあるぶる」の設置など
社員には、業務内容に応じ、フレックスタイム制や在宅勤務制度、時間単位の有給休暇制度を導入しております。テーマパークオペレーション社員は、原則社員と同様の制度を整えております。
なお、当社では、従業員の労働時間を適切に管理するために、2027年度までの目標として、労働者1人あたりの月の所定外労働時間を17時間以内とする目標を設定しております。
管理職への継続的な労働時間管理に関する啓発活動や働き方に関する意識醸成、人事本部と各組織による定期的な要員枠の見直しや業務効率化に資するツールの導入、所定外労働時間に関する状況確認などにより、過重労働の抑止や所定外労働時間の削減に取り組んでおります。
■女性活躍の推進
当社ではすべての従業員が安心して働ける環境づくりを進めており、男女が分け隔てなく働く社風のもと、多くの女性従業員が活躍しております。今後も、これまで以上に女性が力を発揮しやすい職場づくりに配慮しながら、男女分け隔てなく能力を開発し、キャリアが継続できるよう支援するため、ESGマテリアリティ「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン」のKPIの一つとして、2027年度に管理職に占める女性従業員の割合を25%にすることを目標に掲げ、女性管理職候補者向けの勉強会を実施するほか、育児や介護などでキャリアが中断しないように両立を支援する制度を整備しております。
■「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン」に関する指標と目標
(参考データ)
なお、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに具体的な取組みが行われているものの、当社グループに属する全ての会社では行われていないため、当社グループにおける記載が困難です。このため、上記の指標に関する目標及び実績は、当社グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。
<企業風土醸成>「夢・感動・喜び・やすらぎ」を提供し続け、常に新たな感動を創造し続けるための企業風土を育んでおります。人の喜びを自分の喜びと感じるマインド、年齢・ジェンダー・役職に関わらずともに称えあう文化が培われ、そして、受け継がれております。これらは、従業員全員が一丸となってゲストサービスに取り組む姿勢が約40年にわたり、脈々と受け継がれていることによるものです。全社活動として、モチベーションを高め、意欲的に仕事に取り組めるよう、独自のユニークな施策を導入しております。
・会社表彰「Award of Excellence」
・ドリームアップ アイデア!(全従業員対象のアイデア提案制度)
・マジカルディズニーキャスト(従業員同士で称賛メッセージを送り合う活動)
・ウォルト・ディズニー・レガシー・アワード(最もすばらしいキャストを選出するプログラム)
・サンクスデー(年1回キャストに対して感謝を伝えるイベント)など
<心と体の健康維持及び労働安全衛生への取組み>従業員が長く健康に生活し、働くことができるように主体的に心と体の健康を維持するための環境を構築し、心と体を整える支援を行っております。健康管理センターには産業医と保健師が常駐し、健康相談への対応や診断後のフォローを行っているほか、常用労働者の定期健康診断とメンタルヘルスチェックを実施し、健康状況を把握したうえで、対策を行っております。
また、健康に関する社内啓発や知識インプットを定期的に実施し、従業員の健康を会社が後押しする施策という位置づけの「心と体の健康プロジェクト」を推進しております。プロジェクトにおいては、健康保険組合、共済会、グループ会社と連携しながら様々な施策を実施しております。
心の健康については、ストレスチェックの結果を踏まえ、従業員自身のセルフケアや、各組織におけるラインケアの強化を中心に取組みを推進し、体の健康については生活習慣病の予防を目的としたBMIの適正化や喫煙率の低下に向けた継続的な取組みを実施しております。
<快適な施設・デジタル環境の整備>エンゲージメント調査や、施設環境への調査などを基に、特にパークオペレーションに関わる従業員が利用する施設の改修を計画的に進めております。主に、アトラクション施設周辺で働く従業員向けのオフィス改修工事の中で、オフィスレイアウトの変更や会議スペースの増設など、キャストと社員が日々の面談・コミュニケーションを行うためのスペース増設を行っております。施設環境だけでなく、IT化に伴う業務ワークフローシステムの見直しなども行い、効率的に働くための環境整備も推進しております。
(参考)
育成方針、及び社内環境整備方針に関する詳細データは、当社グループ サステナビリティサイト社会関連データをご参照ください。
(https://www.olc.co.jp/ja/sustainability/social/data.html)
当社グループにおける、人的資本の考え方、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針は、以下のとおりです。
① 戦略
当社グループにとって人材とは、事業の価値を創出していくうえで何よりも重要で不可欠なものです。特に東京ディズニーリゾート事業においては、ゲストを魅了するハードへの継続的な投資と同様に、事業に誇りを感じエンゲージメントの高い従業員によるゲストサービスが強みの源泉であるといえます。
一方、「2035年に目指す姿」実現に向けては、価値を創出する人材力の高さと市場競争の中で人材を確保し続ける事が課題です。そのため、価値創造に繋がる人材力の向上と人材確保を進めることで、事業競争力を強化し、新しい価値を生み出し続ける集団へ進化していくことを人事方針として掲げており、3つの重点戦略を進めていきます。
■人材の成長基盤
・多様な業務におけるマネジメント経験を通じて、人の力を結集しチームのパフォーマンスを最大化できる人材を育成する
・職種ごとの特性・内外環境を踏まえた人事制度を再設計
■組織力
・エンゲージメント向上に向けた課題の見える化と組織ごとの自律的改善の仕組み化
・対話を基盤とした組織文化を構築し、関係強化に繋げ、組織と個人の力を最大限に引き出す
■働く安心感
・職場施設の環境改善
・内外環境を踏まえた継続的な処遇改善
・多様な働き方の推進により、働く安心感を確保
人事方針実現に向けて、上記の3つの重点戦略に取り組むことは、ESGマテリアリティのひとつとして設定している「従業員の幸福」にも繋がると考えております。
「従業員の幸福」については、「一人ひとりの働きがい(エンゲージメント)が高い状態にあること」と定義した上で、働きがいを高めるために「仕事のやりがい」(働くことによって得られる喜びや達成感)の向上と、「働きやすさ」(社内環境や制度)の整備を行っております。さらに、働きがいを高めていくために、以下の図で取組みの方向性を体系化するとともに、会社と従業員の関係性を「求めあい、高めあう関係性」として明確化しました。従業員は「自ら一歩踏み出す」こと、会社・マネジメントはその「一歩」を引き出し支援する「背中を押す」姿勢が重要であると考え、双方向で刺激しあう関係性を目指しております。
関係構築及び働きがいの向上に向けては「自ら創造する人材の育成」「多様な人材の活躍」「生き生きと働ける環境整備」を重要要素と整理し、各組織のマネジメント力、従業員一人ひとりの意識向上、仲間とのより良い関係性の構築など、複数の視点から、全社一丸となって取り組んでおります。

② リスク管理
人的資本に関するリスクは、サステナビリティ関連リスクとして、「戦略リスク」にも含まれております。詳細については、「第3 事業等のリスク」に記載しております。
③ ガバナンス
これらの、人的資本に関する取組みは、経営戦略との連動体制や各部状況を踏まえた合議体制を構築しております。関係部署間で連携を深めながら、適宜、経営会議やサステナビリティ推進会議に付議することで、全社一丸となって取り組む体制を強化しており、詳細については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)ガバナンス及びリスク管理 ①ガバナンス」に記載しております。
④ 指標と目標(人材育成方針及び社内環境整備方針)
上記に記載したESGマテリアリティ「従業員の幸福」について、2030年度に「エンゲージメント調査」の総合スコアを71ポイントとする目標を掲げております。後述する人材育成方針及び社内環境整備方針も包括した指標・目標として考えております。
| 指標 | 目標(2030KPI) | 実績(当事業年度) |
| 従業員の働きがいの向上 | 「エンゲージメント調査」 総合スコア71(OLCグループ全体) | 総合スコア69 |
2024年度の総合スコアは69となりました。
2027年度に向けて、課題として捉えている以下のスコアを向上させることを目指し、先述した3つの重点戦略を進めてまいります。
・職 務:職務における能力発揮と自己効力感
・自己成長:仕事を通じた達成感と成長実感
・人間関係:パークオペレーションにおける最前線のキャストと上司とのコミュニケーション時間の創出
・環 境:職場施設の環境、処遇の納得感、働き方などの衛生要因への満足度など、働く安心感の確保
また、目標達成に向けて、人材育成方針及び社内環境整備方針に記載のある取組み事例のほか、2024中期経営計画期間においては、主に以下の取組みを実施いたしました。
・エンゲージメント調査の導入、組織ごとの働きがいの見える化と各組織のアクション体制構築に向けた仕組みづくり・施策実施
・社長と従業員、上司と部下、同僚同士など社内の対話機会設定によるエンゲージメント向上
・従業員一人ひとりの自立的活躍を実現する成長機会の拡充
・雇用区分に応じた両立支援制度の拡充
・テーマパークオペレーション社員、準社員の役割の明確化と発揮のための評価・グレードの見直し・再編
・キャスト向けのイベントなど、キャストとしての誇りや働く楽しさを感じる施策の実施
・基本時給及び賞与支給方針の見直しなど
⑤ 人材育成方針
当社グループでは従業員が自身のキャリアに責任を持ち、志をもって成長し続けられるよう、キャリアと能力を開発し続ける機会を提供しております。また、多様な価値観や、個性を持つ従業員同士が互いに認め合い、一人ひとりが能力を最大限に発揮できる環境を整備しております。
<人材の育成方針>■社員
当社では、社員に「求める人材像」を設定しております。社外の環境変化が激しい中でも、「夢・感動・喜び・やすらぎ」を提供し、これまで以上に社会に望まれ続ける企業であるために、一人ひとりが自ら考え、判断し、行動できる「自立した人材」の育成に取り組んでおります。
具体的には、「自立した人材」を「自らの動機・価値観(Will)をもち、責任を担う役割(Must)と自分の動機・価値観を統合し、役割に見合った能力(Can)を兼ね備えた人材」と定義し、人材像に基づく社内の成長支援を強化することで、一人ひとりの持続的な能力開発に取り組んでおります。
また、求める人材像に向けて、役割に応じて求める行動を明確化した行動要件(●1)を設定しています。この行動要件に基づいた採用・育成・評価を一貫して行うことで、従業員及び組織の成長環境を整えております。加えて、行動要件の発揮にむけた従業員一人ひとりの成長、その成長を促す上司の取組みを示す「成長・貢献サイクル」「育成サイクル」(●2)を設定し、各プロセスでメンバーやマネジメントへの支援を実施することで、これらのサイクルを加速化させ、これまで以上にパフォーマンスを高めることに取り組んでおります。
●1 求める行動要件(一部抜粋)

●2 成長・貢献サイクル/育成サイクル

■テーマパークオペレーション社員及び準社員
当社では、キャストがゲストのハピネスを創造することで得られる「自己効力感」と、キャスト自身も成長を感じる「成長実感」の2つの側面から、生き生きと働ける組織風土の醸成を行うことで、さらなるキャストの成長につながると考え、教育プログラムの整備やパフォーマンス発揮への支援体制を含めた環境整備に取り組んでおります。
テーマパークオペレーション社員には、社員同様、自立的な成長やチャレンジ意欲を一層高めるために、「求める行動」を明確化しております。具体的には、「より良く」を求め続ける改善意識や、最後まで諦めることなく徹底して「やり切る」姿勢、一人ひとりが自らの責任を全うしたうえで「一丸となって」組織としての力を発揮する行動を定め、それをベースに育成サイクルを整備しております。また、役割に応じた育成プログラムに加え、自己を理解し、自分のキャリアを考え実現するためのキャリア支援プログラムを整備し、自立的な成長への支援を行っております。
すべてのキャストには、キャストの目指すゴール「We Create Happiness」に基づき、ディズニーフィロソフィー(哲学)やキャストとしての行動規準について学ぶ導入研修教育プログラムを実施しております。配属後には、OJT(実地トレーニング)を含む部門ごとのトレーニングも実施しております。ほかにも、トレーナーとして後輩を育成する役割を担う制度、ディズニー教育プログラムがあります。
なお、具体的な研修・キャリア支援プログラムについては弊社ウェブサイトに掲載しております。
(https://www.olc.co.jp/ja/sustainability/social/relation/careers.html)
(参考データ)
| 指標 | 実績(当事業年度) | |
| 育成に関する指標 (社員1人当たり) | 研修時間 | 12時間 |
| 研修費 | 44,165円 | |
※1 算出範囲にテーマパークオペレーション社員を含めています。
※2 算出範囲に参加時間あたりの時給を含めています。
<次世代経営人材の育成>当社グループでは、「次世代経営人材の育成」を、最重要経営課題のひとつとして考え、ESGマテリアリティ「経営基盤の強化」の中でも、特に重要な取組みとして掲げております。次世代を担う人材を育成し企業価値を高め続けられる体制の構築を目指し、2030KPIとして「人材プール確保に向けた体制が構築でき、サクセッションプランの実現に繋げられている」と策定し、進めております。
具体的には、経営者人材に求められる人材要件を特定の上、経営トップとともに、次世代経営人材の育成状況をすり合わせることで、実効性を高めています。また、経営者人材として必要な資質・スキルを習得させるための研修プログラムを実施し、候補者の育成と人材プールの拡大につなげており、「経営者人材育成サイクル」を運用することで、候補者の育成と人材プールの拡大につなげております。
<採用に関する考え方>多様な価値観や、個性を持つ従業員同士が互いに認め合い、一人ひとりが能力を最大限に発揮できる環境を目指しております。
社員においては新卒採用だけでなく経験者採用をすることで、多様な人材が活躍できる環境づくりに努めております。また、キャストにおいては、パークでのゲストサービスにより醸成される当社事業への高い共感や、キャストとしての働きがいを今後も育んでいくために、組織での対話風土を醸成する仕組みや、パフォーマンスの発揮に向けた支援体制を整えております。このように働きたい場所としても選ばれ続けるための環境整備を行うことで、社員、キャストの採用にもつなげてまいります。
⑥ 社内環境整備方針
中長期的な企業価値向上のためには、少子高齢化の進行などによる労働人口の減少や、働き方への多様な価値観などを踏まえたうえで、従業員の働きがいを向上させ、新しい価値を生み出し続ける集団へ進化していくことが必要であると考えております。そのため、一人ひとりの成長にも繋がり、働きたい場所としても選ばれ続けるための社内環境整備に取り組んでおります。
具体的には、従業員の安全と、心と体の健康の確保に向けた取組みや、モチベーションを高め、意欲的に仕事に取り組める企業の風土醸成などに取り組んでまいります。
<ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン>従業員の多様性の確保は、最重要経営課題の一つとして考え、前述したESGマテリアリティ「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン」として設定し、2030KPIとして、「多様性が尊重され、あらゆる人が活躍できる環境の構築」を掲げ、推進しております。
■基本的な考え方
当社グループでは、一人ひとりが能力を最大限に発揮できる環境づくりを重視しており、その基本的な考え方は「OLCグループ人権に関する基本方針」
(https://www.olc.co.jp/ja/sustainability/social/humanrights/policy.html)にて定めております。
さまざまな強み・個性・価値観を持つ従業員同士が、互いに認めあい、活かし高めあうことで、生き生きと働くことができると考えます。そのうえで、仕事に情熱を持って取り組むことができ、会社と仲間への安心感・信頼感を持つことができる状態を目指していきます。また、従業員が私生活を充実させながら活躍できるよう、仕事と生活の調和を支援する制度を整えるとともに、それを支える風土づくりにも努めております。
■多様な価値観を活かすための取組み
従業員が多様性への理解を深めるために、社内報やイントラネットを通じて多様性に関する情報を発信するなど、さまざまな社内教育を実施するほか、誰もが自分らしく働くことができる環境作りを多角的に推進しております。
・ゲストやキャストの多様性を理解し、受容するマインドとサポートスキルを学ぶ「ノーマライゼーション・クリエイター・クラス」の実施
・全従業員への「ダイバーシティ&インクルージョンハンドブック」の配布
・従業員の身だしなみを規定した「ディズニールック」の一部変更(男女別の表記撤廃など)
・一部コスチュームにおけるユニセックス運用の開始
・オンステージを含めた障がい者の職域の拡大と障がい理解のための啓発
・同性婚、事実婚の配偶者をパートナーとした福利厚生制度の拡大
■仕事と生活の調和を図るための取組み
従業員が仕事と生活の調和を図るための取組みとして、育児休職、子の看護休暇、介護休職、介護休暇、半日単位の有給休暇、病気有給休暇(家族の介護事由でも取得可能)などの各種制度を整えております。
前述のESGマテリアリティ「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン」のKPIとして、2027年度までに男性育休取得率を95%にすることを目標に掲げ、仕事と子育ての両立が図れるよう、法律に基づく諸制度の他、さまざまな制度を整えております。
・両立支援相談窓口を設置
・配偶者出産休暇
・搾乳ができる施設「マミールーム」の設置
・シフト勤務社員に対する勤務時間を固定や短縮するミドル復帰プログラムの導入
・共働きの社員などを対象にしたベビーシッターなどの育児補助金支援施策の導入
・企業主導型保育所「キッズビレッジあるぶる」の設置など
社員には、業務内容に応じ、フレックスタイム制や在宅勤務制度、時間単位の有給休暇制度を導入しております。テーマパークオペレーション社員は、原則社員と同様の制度を整えております。
なお、当社では、従業員の労働時間を適切に管理するために、2027年度までの目標として、労働者1人あたりの月の所定外労働時間を17時間以内とする目標を設定しております。
管理職への継続的な労働時間管理に関する啓発活動や働き方に関する意識醸成、人事本部と各組織による定期的な要員枠の見直しや業務効率化に資するツールの導入、所定外労働時間に関する状況確認などにより、過重労働の抑止や所定外労働時間の削減に取り組んでおります。
■女性活躍の推進
当社ではすべての従業員が安心して働ける環境づくりを進めており、男女が分け隔てなく働く社風のもと、多くの女性従業員が活躍しております。今後も、これまで以上に女性が力を発揮しやすい職場づくりに配慮しながら、男女分け隔てなく能力を開発し、キャリアが継続できるよう支援するため、ESGマテリアリティ「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン」のKPIの一つとして、2027年度に管理職に占める女性従業員の割合を25%にすることを目標に掲げ、女性管理職候補者向けの勉強会を実施するほか、育児や介護などでキャリアが中断しないように両立を支援する制度を整備しております。
■「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン」に関する指標と目標
| 指標 | 目標(2027KPI) | 実績(当事業年度) |
| 女性管理職比率 | 管理職に占める女性従業員の割合:25% | 16.8% |
| 男性育休取得率 | 95% | 97.9% |
| 労働時間に関する指標 | 月の所定外労働時間17時間以下 | 13時間32分 |
(参考データ)
| 指標 | 実績(当事業年度) | |
| 女性比率 | 社員女性比率 | 56.5% |
| 社員以外女性比率 | 77.1% | |
| 勤続年数男女差 | 社員 | 4.1年 |
| 有給休暇取得率 | 社員 | 98.7% |
| 社員以外 | 86.2% | |
なお、当社においては、関連する指標のデータ管理とともに具体的な取組みが行われているものの、当社グループに属する全ての会社では行われていないため、当社グループにおける記載が困難です。このため、上記の指標に関する目標及び実績は、当社グループにおける主要な事業を営む提出会社のものを記載しております。
<企業風土醸成>「夢・感動・喜び・やすらぎ」を提供し続け、常に新たな感動を創造し続けるための企業風土を育んでおります。人の喜びを自分の喜びと感じるマインド、年齢・ジェンダー・役職に関わらずともに称えあう文化が培われ、そして、受け継がれております。これらは、従業員全員が一丸となってゲストサービスに取り組む姿勢が約40年にわたり、脈々と受け継がれていることによるものです。全社活動として、モチベーションを高め、意欲的に仕事に取り組めるよう、独自のユニークな施策を導入しております。
・会社表彰「Award of Excellence」
・ドリームアップ アイデア!(全従業員対象のアイデア提案制度)
・マジカルディズニーキャスト(従業員同士で称賛メッセージを送り合う活動)
・ウォルト・ディズニー・レガシー・アワード(最もすばらしいキャストを選出するプログラム)
・サンクスデー(年1回キャストに対して感謝を伝えるイベント)など
<心と体の健康維持及び労働安全衛生への取組み>従業員が長く健康に生活し、働くことができるように主体的に心と体の健康を維持するための環境を構築し、心と体を整える支援を行っております。健康管理センターには産業医と保健師が常駐し、健康相談への対応や診断後のフォローを行っているほか、常用労働者の定期健康診断とメンタルヘルスチェックを実施し、健康状況を把握したうえで、対策を行っております。
また、健康に関する社内啓発や知識インプットを定期的に実施し、従業員の健康を会社が後押しする施策という位置づけの「心と体の健康プロジェクト」を推進しております。プロジェクトにおいては、健康保険組合、共済会、グループ会社と連携しながら様々な施策を実施しております。
心の健康については、ストレスチェックの結果を踏まえ、従業員自身のセルフケアや、各組織におけるラインケアの強化を中心に取組みを推進し、体の健康については生活習慣病の予防を目的としたBMIの適正化や喫煙率の低下に向けた継続的な取組みを実施しております。
<快適な施設・デジタル環境の整備>エンゲージメント調査や、施設環境への調査などを基に、特にパークオペレーションに関わる従業員が利用する施設の改修を計画的に進めております。主に、アトラクション施設周辺で働く従業員向けのオフィス改修工事の中で、オフィスレイアウトの変更や会議スペースの増設など、キャストと社員が日々の面談・コミュニケーションを行うためのスペース増設を行っております。施設環境だけでなく、IT化に伴う業務ワークフローシステムの見直しなども行い、効率的に働くための環境整備も推進しております。
(参考)
育成方針、及び社内環境整備方針に関する詳細データは、当社グループ サステナビリティサイト社会関連データをご参照ください。
(https://www.olc.co.jp/ja/sustainability/social/data.html)