有価証券報告書-第166期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)
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- 2015/06/26 13:08
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連結財務諸表注記事項(IFRS)
1.報告企業
株式会社電通(以下、当社)は日本の会社法に基づいて設立された株式会社であり、日本に所在する企業であります。
当社の登記している本社および主要な事業所の住所は、ホームページ(http://www.dentsu.co.jp/)で開示しております。
当社およびその子会社(以下、当社グループ)の事業内容および主要な活動は、「6.セグメント情報」に記載しております。
当社の2015年3月31日に終了する年度の連結財務諸表は、2015年6月26日に代表取締役社長執行役員石井直および最高財務責任者中本祥一によって承認されております。
2.作成の基礎
(1) IFRSに準拠している旨および初度適用に関する事項
当社の連結財務諸表は、連結財務諸表規則第1条の2に掲げる「特定会社」の要件をすべて満たすことから、連結財務諸表規則第93条の規定により、IFRSに準拠して作成しております。
当社グループは、2015年3月31日に終了する連結会計年度からIFRSを適用しており、IFRSへの移行日(以下、移行日)は2013年4月1日であります。移行日および比較年度において、IFRSへの移行が財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に与える影響は「35.初度適用」に記載しております。
早期適用していないIFRSの規定およびIFRS第1号「国際財務報告基準の初度適用」(以下、IFRS第1号)の規定により認められた免除規定を除き、当社グループの会計方針は2015年3月31日において有効なIFRSに準拠しております。適用した免除規定については、「3.重要な会計方針」に記載しております。
(2) 測定の基礎
連結財務諸表は、「3.重要な会計方針」に記載している金融商品等を除き、取得原価を基礎として作成しております。
(3) 機能通貨および表示通貨
連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円で、百万円未満の端数を切り捨てて表示しております。
(4) 新基準書の早期適用
当社グループは、IFRS第9号「金融商品」(2010年10月改訂)を早期適用しております。
(5) 電通イージス・ネットワーク社およびその管轄会社の報告期間
当社グループの海外広告事業の運営主体であるDentsu Aegis Network Ltd. (以下、電通イージス・ネットワーク社)およびその管轄会社(以下、電通イージス・ネットワーク)の決算日は12月31日であり、2014年1月1日から2014年12月31日までを当連結会計年度に連結しております。
当社グループの連結決算実務においては、電通イージス・ネットワークの連結決算(サブ連結決算)を実施した上で当社グループ全体の連結決算を実施しております。当社グループにおいて電通イージス・ネットワークは、海外広告事業を運営する一体の事業管理単位であり、サブ連結ベースで予算・実績管理を行うとともに、一体の財務報告管理体として財務報告の精度・品質の担保に大きな役割を果たしております。このような連結決算プロセスの下で従来と同様の連結財務報告の品質を担保し、会社法上の法定スケジュール等へ対応した上で、当社グループ全体の財務報告期間の統一を行うには、当社グループ全体にわたる決算日程の更なる短縮が必要となります。その実現のために、電通イージス・ネットワークにおけるサブ連結決算の迅速化および当社への報告プロセスの変更に加え、当社における連結処理や注記情報を含む連結財務諸表作成工程の再構築およびそれに対応する適切な人員配置・人材育成、さらには決算承認プロセスの見直し等、当社グループ全体にわたる決算プロセス・システムの見直しおよび体制整備を実施しておりますが、当連結会計年度においては、報告期間の統一は実務上困難であると判断しております。
しかしながら、現在IFRSに共通化された会計基準の下で、内外一体となった決算・管理体制の強化・効率化を図るための取組みを当社グループ全体で推進しており、2015年度から当社および決算日が12月31日以外の子会社の決算日を12月31日に変更いたします。当該決算日の変更に伴い、報告期間の差異は解消いたします。
電通イージス・ネットワークの決算期と当社決算期との間には3ヶ月の期間差がありますが、報告期間の不一致が当社グループの連結財政状態および経営成績に与える影響は限定的であります。なお、当該期間差における重要な取引または事象については必要な調整を行い、財務諸表利用者が当社グループの連結財政状態および経営成績を適切に理解・把握するための適切な処置を行っております。
3.重要な会計方針
(1) 連結の基礎
① 子会社
子会社とは、当社グループにより支配されている企業であります。当社グループが他の企業の議決権の過半数を所有している場合には、原則として支配していると判断し、子会社に含めております。また、当社グループが保有する議決権が過半数未満の場合であっても、当社グループが他の企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャーまたは権利を有し、かつ、企業に対するパワーによりそのリターンに影響を及ぼす能力を有している場合に、当該企業を支配していると判断し、子会社に含めております。
子会社の財務諸表については、支配獲得日から支配喪失日までの期間を連結財務諸表に含めております。子会社が適用する会計方針が当社グループの会計方針と異なる場合には、当社グループの会計方針と整合させるため、必要に応じて当該子会社の財務諸表に調整を加えております。
連結財務諸表には、決算日を当社の決算日に統一することが実務上不可能であるため、当社の決算日と異なる日を決算日とする子会社の財務諸表が含まれております。当該子会社の決算日と当社の決算日の差異は3ヶ月を超えることはありません。連結財務諸表の作成に用いる子会社の財務諸表の決算日が当社の決算日と異なる場合、その子会社の決算日と当社の決算日との間に生じた重要な取引または事象については必要な調整を行っております。
支配が継続する子会社に対する当社グループの持分変動については資本取引として会計処理し、非支配持分の調整額と対価の公正価値との差額は、当社の株主に帰属する持分として資本に直接認識しております。
支配を喪失した場合には、支配の喪失から生じた利得および損失は損益で認識しております。
② 関連会社およびジョイント・ベンチャー
関連会社とは、当社グループがその財務および経営方針に対して重要な影響力を有しているものの、支配をしていない企業であります。当社グループが他の企業の議決権の20%以上50%以下を所有する場合には、原則として関連会社に含めております。
当社グループが保有する議決権が20%未満の場合であっても、役員の派遣等により、重要な影響力が認められると判断される場合には、関連会社に含めております。
ジョイント・ベンチャーとは、当社グループを含む複数の当事者が取決めに対する契約上合意された支配を共有し、関連性のある活動に関する意思決定に際して、支配を共有する当事者の一致した合意を必要としており、かつ、当社グループが当該取決めの純資産に対する権利を有している企業をいいます。
関連会社およびジョイント・ベンチャーへの投資は、持分法を適用して会計処理しております。関連会社およびジョイント・ベンチャーに対する投資は、持分法適用後の帳簿価額から減損損失累計額を控除した額をもって計上しており、帳簿価額には取得時に認識したのれんが含まれております。
連結財務諸表は、重要な影響力または共同支配の獲得日から喪失日までの関連会社およびジョイント・ベンチャーの損益およびその他の包括利益の変動に対する当社グループの持分を含んでおります。関連会社およびジョイント・ベンチャーが適用する会計方針が当社グループの会計方針と異なる場合には、当社グループの会計方針と整合させるため、必要に応じて当該持分法適用会社の財務諸表に調整を加えております。
連結財務諸表には、決算日を当社の決算日に統一することが実務上不可能であるため、当社の決算日と異なる日を決算日とする関連会社およびジョイント・ベンチャーへの投資が含まれております。関連会社およびジョイント・ベンチャーの決算日と当社の決算日との間に生じた重要な取引または事象については必要な調整を行っております。
関連会社またはジョイント・ベンチャーに対する重要な影響力を喪失し、持分法の適用を中止する場合は、売却持分に係る売却損益を損益として認識するとともに、残存している持分について公正価値で再測定し、当該評価差額をその期の損益として認識しております。
③ 連結上消去される取引
連結グループ内の債権債務残高および取引高、ならびに連結グループ内取引によって発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しております。関連会社およびジョイント・ベンチャーとの取引から発生した未実現損益は、被投資企業に対する当社持分を上限として投資から加減算しております。
(2) 企業結合
当社グループは、IFRS第1号の免除規定を適用し、移行日より前に発生した企業結合について、IFRS第3号「企業結合」を遡及適用しないことを選択しております。
移行日より前の取得により生じたのれんは、移行日に減損テストを実施した後の移行日現在の従前の会計基準(日本基準)による帳簿価額で計上されております。
企業結合は取得法を用いて会計処理しております。取得対価は、被取得企業の支配と交換に譲渡した資産、引き受けた負債および当社が発行する資本性金融商品の取得日の公正価値の合計として測定され、該当する場合は条件付対価を取得対価に含めております。
取得日において識別可能な資産及び負債は、以下を除き、取得日における公正価値で認識しております。
① 繰延税金資産(または繰延税金負債)及び従業員給付契約に関連する負債(または資産)は、それぞれIAS第12号「法人所得税」及びIAS第19号「従業員給付」に従って認識し測定しております。
② IFRS第5号「売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業」に従って売却目的に分類される資産または処分グループは、当該基準書に従って測定しております。
取得対価が識別可能な資産および負債の公正価値を上回る場合はのれんとして計上し、下回る場合には、直ちに損益として認識しております。
企業結合の当初の会計処理が企業結合が生じた決算日までに完了していない場合、当該完了していない項目については最善の見積りに基づく暫定的な金額で測定しております。取得日から1年以内の測定期間に入手した新たな情報が、取得日時点で認識された金額の測定に影響を及ぼすものである場合には、取得日時点で認識した暫定的な金額を遡及的に修正しております。
取得後の条件付対価の公正価値変動は、上記測定期間中の測定に該当する場合には取得コストを修正し、そうでない場合には公正価値の変動として損益に認識しております。
当社グループは、非支配持分を公正価値で測定するか、または識別可能な純資産の認識金額に対する非支配持分の比例割合で測定するかを個々の企業結合取引ごとに選択しております。
企業結合を達成するために取得企業で発生した費用は、負債性金融商品および資本性金融商品の発行に関連する費用を除き、発生時に損益で認識しております。
(3) 外貨換算
① 外貨建取引の換算
外貨建取引は、取引日における為替レートにて当社グループの各機能通貨に換算しております。
決算日における外貨建貨幣性資産および負債、公正価値で測定される外貨建非貨幣性資産および負債は、決算日の為替レートにて機能通貨に換算しており、この結果生じる換算差額は、損益に認識しております。
外貨建取得原価にて測定される非貨幣性項目は、取引日の為替レートにて換算しております。
② 在外営業活動体の換算
在外営業活動体の財務諸表については、資産および負債は報告期間の決算日の為替レートで円貨に換算し、収益および費用は著しい変動のない限り、対応する報告期間における平均為替レートで円貨に換算しております。この結果生じる換算差額は、その他の包括利益として認識し、その累計額はその他の資本の構成要素において認識しております。
当社グループの在外営業活動体が処分される場合、当該在外営業活動体に関連した為替換算差額の累計額は処分時に損益に振り替えております。
なお、子会社のうち、電通イージス・ネットワーク社などの決算日は12月31日であり、換算に用いる為替レートは、当該会社の決算日に基づいております。
当社グループは、IFRS第1号の免除規定を適用し、移行日の累積換算差額を利益剰余金に振り替えております。
(4) 金融商品
① デリバティブを除く金融資産
(ⅰ) 当初認識および測定
当社グループは、営業債権及びその他の債権を、これらの発生日に当初認識しております。その他のすべての金融資産は、当社グループが当該金融商品の契約当事者となった取引日に当初認識しております。
デリバティブを除く金融資産は、当該金融資産の当初認識時点において、以下2つの要件をともに満たすものを償却原価で測定する金融資産に分類し、それ以外のものを公正価値で測定する金融資産に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有することを目的とする事業モデルに基づいて、資産が保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本および元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
公正価値で測定する金融資産は、取得後の公正価値変動を損益に計上する金融資産(以下、「損益を通じて公正価値で測定する金融資産」)と取得後の公正価値変動をその他の包括利益に計上する金融資産(以下、「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産」)に分類しております。
当初認識時においてその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産として指定しない資本性金融資産、および償却原価測定の基準を満たさない負債性金融資産を損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。
売買目的保有でない資本性金融資産については、原則として当初認識時にその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産として指定しております。なお、当社グループはIFRS第1号の免除規定を適用し、移行日時点で存在する事実および状況に基づき、売買目的保有でない資本性金融資産をその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産として指定しております。
すべての金融資産は、損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類される場合を除き、公正価値に当該金融資産に直接起因する取引コストを加算した金額で測定しております。
(ⅱ) 事後測定
金融資産の当初認識後は、その分類に応じて以下のとおり測定しております。
(a) 償却原価で測定する金融資産
当初認識後、実効金利法による償却原価で測定しております。
(b) 損益を通じて公正価値で測定する金融資産
当初認識後、各決算日において公正価値で再測定し、公正価値の変動および配当金を損益として認識しております。
(c) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
当初認識後の公正価値の変動額をその他の包括利益として認識し、認識を中止した場合または公正価値が著しく下落した場合に利益剰余金に振り替えております。当該金融資産からの配当金については損益として認識しております。
(ⅲ) 認識の中止
金融資産は、便益を受領する権利が消滅した場合、または譲渡し所有に伴うすべてのリスクと経済価値が他の企業に移転した場合に認識を中止しております。
② 償却原価で測定する金融資産の減損
当社グループは、各報告日ごとに減損していることを示す客観的な証拠が存在するか評価を行っております。金融資産については、客観的な証拠によって損失事象が当該資産の当初認識後に発生したことが示され、かつ当該損失事象によってその金融資産の見積将来キャッシュ・フローにマイナスの影響が及ぼされることが合理的に予測できる場合に減損していると判定しております。
償却原価で測定する金融資産が減損していることを示す客観的な証拠には、債務者による支払不履行または滞納、返済額の減免または返済期限の延長、債務者の財政状態の著しい悪化、債務者の破産等を含んでおります。
償却原価で測定する金融資産の減損の証拠を、個々の資産ごとに検討するとともにグルーピングした単位としても検討しております。
償却原価で測定する金融資産の減損損失については、その帳簿価額と当該資産の当初の実効金利で割引いた将来キャッシュ・フローの見積りの現在価値との差額として測定し、損益で認識しております。減損損失認識後に減損損失を減額する事象が発生した場合は、減損損失の減少額を損益として戻し入れております。
なお、減損損失の認識は貸倒引当金を用いており、その後債権が回収不能であると判断した場合には、貸倒引当金と相殺して帳簿価額を直接減額しております。
③ デリバティブを除く金融負債
(ⅰ) 当初認識及び測定
当社グループは、当社グループが発行した負債証券を、その発行日に当初認識しております。その他の金融負債はすべて、当社グループが当該金融商品の契約の当事者になる取引日に認識しております。
デリバティブを除く金融負債は、当該金融負債の当初認識時点において、損益を通じて公正価値で測定する金融負債と償却原価で測定する金融負債とに分類しております。
すべての金融負債は公正価値で当初測定しておりますが、償却原価で測定する金融負債については、直接起因する取引コストを控除した金額で測定しております。
(ⅱ) 事後測定
金融負債は当初認識後に、その分類に応じて以下のとおり測定しております。
(a) 償却原価で測定する金融負債
当初認識後、実効金利法による償却原価で測定しております。
(b) 損益を通じて公正価値で測定する金融負債
当初認識後、各決算日において公正価値で再測定し、公正価値の変動は損益として認識しております。
(ⅲ) 認識の中止
金融負債は、義務が履行されたか、免除されたか、または失効した場合に認識を中止しております。
④ デリバティブ及びヘッジ会計
当社グループは、為替変動リスクや金利変動リスクをそれぞれヘッジするために、為替予約取引、金利スワップ取引等のデリバティブを利用しております。
当社グループは、ヘッジ開始時に、ヘッジ対象とヘッジ手段の関係ならびにヘッジに関するリスク管理目的および戦略について、指定および文書化を行っております。当該文書は、ヘッジ関係、リスク管理目的およびヘッジの実行に関する戦略ならびにヘッジの有効性の評価を含んでおります。
これらのヘッジは、公正価値またはキャッシュ・フローの変動を相殺する上で非常に有効であることが見込まれますが、ヘッジ期間中にわたり実際に非常に有効であったか否かを判断するために、継続的に評価しております。
デリバティブは公正価値で当初認識しております。また、当初認識後は公正価値で測定し、その事後的な変動は以下のとおり処理しております。
(ⅰ) 公正価値ヘッジ
デリバティブの公正価値変動は、損益として認識しております。
ヘッジされるリスクに起因するヘッジ対象の公正価値変動については、ヘッジ対象の帳簿価額を修正し、損益として認識しております。
(ⅱ) キャッシュ・フロー・ヘッジ
ヘッジ手段に係る利得および損失のうちヘッジが有効である部分については、公正価値の変動額をその他の包括利益に認識し、ヘッジ対象のキャッシュ・フローが損益に影響を与えた時点でヘッジ対象とともに損益に認識しております。
ヘッジが有効でない部分については、公正価値の変動額を損益に認識しております。
ヘッジ手段が失効、売却、終結または行使された場合、ヘッジがヘッジ会計の要件を満たしていない場合およびヘッジ指定を取り消した場合には、ヘッジ会計を中止しております。
(ⅲ) 在外営業活動体に対する純投資のヘッジ
在外営業活動体に対する純投資から発生する換算差額については、キャッシュ・フロー・ヘッジと同様の方法で会計処理しております。
ヘッジ手段に係る利得および損失のうち、有効部分はその他の包括利益で認識し、非有効部分は損益として認識しております。
在外営業活動体の処分時には、従来その他の包括利益を通じて資本として認識していた累積損益を損益に振り替えております。
(ⅳ) ヘッジ指定されていないデリバティブ
デリバティブの公正価値の変動は損益として認識しております。
⑤ 金融商品の相殺
金融資産と金融負債は、認識された金額を相殺する強制可能な法的権利が現時点で存在し、かつ純額ベースで決済するかまたは資産を実現すると同時に負債を決済する意図が存在する場合にのみ相殺し、純額で計上しております。
(5) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金および容易に換金可能であり、かつ価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されております。
(6) 棚卸資産
棚卸資産は主にスポーツ、エンタテインメントの作品および権利で構成され、取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い金額により測定しております。取得原価は主として個別法に基づいて算定しております。
(7) 有形固定資産(リース資産を除く)
有形固定資産の当初認識後の測定について原価モデルを採用しており、取得原価から減価償却累計額および減損損失累計額を控除した金額で測定しております。なお、一部の有形固定資産については、IFRS第1号の免除規定を適用し、移行日現在の公正価値をみなし原価として使用することを選択しております。
取得原価には、資産の取得に直接関連する費用、資産の解体、除去および原状回復費用が含まれております。
土地等の償却を行わない資産を除き、有形固定資産は見積耐用年数にわたり、主として定額法により減価償却を行っております。
主要な有形固定資産の見積耐用年数は、以下のとおりであります。
・建物及び構築物 : 3~100年
減価償却方法、耐用年数および残存価額は決算日において見直しを行い、必要に応じて改定しております。
(8) のれんおよび無形資産
① のれん
のれんは償却を行わず、取得原価から減損損失累計額を控除した金額で測定しております。
② 無形資産(リース資産を除く)
無形資産の当初認識後の測定について原価モデルを採用しており、取得原価から償却累計額および減損損失累計額を控除した金額で測定しております。
個別に取得した無形資産は、当初認識時に取得原価で測定し、企業結合で取得した無形資産の取得原価は、取得日時点の公正価値としております。
自己創設無形資産は、資産の認識規準を最初に満たした日以降に発生する支出の合計額を取得原価としております。
耐用年数を確定できない無形資産を除き、無形資産はそれぞれの見積耐用年数にわたり定額法で償却しております。
主要な無形資産の見積耐用年数は、以下のとおりであります。
・ソフトウェア : 3~5年
・顧客との関係 : 効果の及ぶ期間(主として18年)
有限の耐用年数を有する無形資産の償却方法および耐用年数は決算日において見直しを行い、必要に応じて改定しております。
(9) リース
リース取引のうち、所有に伴うリスクと経済価値が実質的にすべて当社グループに移転しているものはファイナンス・リースに分類し、ファイナンス・リース以外のリースはオペレーティング・リースに分類しております。
① ファイナンス・リース
リース資産およびリース債務は公正価値または最低支払リース料総額の現在価値のいずれか低い額で当初認識しております。
リース資産は、見積耐用年数とリース期間のいずれか短い年数にわたり、定額法で減価償却を行っております。また、最低支払リース料総額をリース債務元本相当分と利息相当分とに区分し、支払リース料の利息相当部分への各期の配分額は、実効金利法により算定しております。
② オペレーティング・リース
リース料は、リース期間にわたり、定額法によって認識しております。
(10) 投資不動産
投資不動産とは、賃貸収入またはキャピタル・ゲイン、もしくはその両方を得ることを目的として保有する不動産であります。
当社グループは投資不動産の当初認識後の測定について原価モデルを採用しており、取得原価から減価償却累計額および減損損失累計額を控除した金額で測定しております。なお、一部の投資不動産については、IFRS第1号の免除規定を適用し、移行日現在の公正価値をみなし原価として使用することを選択しております。
土地等の減価償却を行わない資産を除き、見積耐用年数にわたり主として定額法により減価償却を行っており、見積耐用年数は6年~50年であります。
減価償却方法、耐用年数および残存価額は、決算日において見直しを行い、必要に応じて改定しております。
(11) 非金融資産の減損
当社グループは決算日において、棚卸資産および繰延税金資産を除く非金融資産が減損している可能性を示す兆候があるか否かを判定し、減損の兆候が存在する場合には当該資産の回収可能価額に基づき減損テストを実施しております。
のれんおよび耐用年数の確定できない無形資産は償却を行わず、減損の兆候の有無にかかわらず年に一度、または減損の兆候がある場合はその都度、減損テストを実施しております。のれんの減損テストの詳細については、「13.のれんおよび無形資産」をご参照ください。
資産の回収可能価額は資産または資金生成単位の処分コスト控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い方の金額としており、資産が他の資産または資産グループから概ね独立したキャッシュ・インフローを生成しない場合を除き、個別の資産ごとに決定しております。
資産または資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超過する場合には、当該資産は回収可能価額まで減額し、減損損失を認識しております。
のれんについて認識した減損損失は、以後の期間において戻入れを認識しておりません。のれん以外の資産について過年度に認識した減損損失については、決算日において、認識した減損損失がもはや存在しないまたは減少している可能性を示す兆候があるか否かを判定しております。このような兆候が存在する場合には、回収可能価額の見積りを行い、当該回収可能価額が資産の帳簿価額を上回る場合には、減損損失の戻入れを認識しております。減損損失の戻入れ額は、減損損失を認識しなかった場合の減価償却または償却控除後の帳簿価額を上限としております。
なお、持分法適用会社に対する投資の帳簿価額の一部を構成するのれんは区分して認識しないため、個別に減損テストを実施しておりません。持分法適用会社に対する投資が減損の兆候が存在する場合には、投資全体の帳簿価額について単一の資産として減損テストを行っております。
(12) 売却目的で保有する非流動資産
継続的使用ではなく、主に売却取引により回収される非流動資産または資産グループは、現状で直ちに売却することが可能であり、経営者が売却計画の実行を確約し、1年以内で売却が完了する予定である場合に売却目的保有に分類しております。
当社グループは売却目的保有に分類された非流動資産または資産グループを、帳簿価額と売却コスト控除後の公正価値のいずれか低い方の金額で測定しております。
(13) 退職後給付
当社グループは従業員の退職給付制度として確定給付制度および確定拠出制度を設けております。
確定給付制度については、確定給付制度債務の現在価値と制度資産の公正価値との純額を負債または資産として認識しております。
当社グループは確定給付制度債務の現在価値および関連する当期勤務費用ならびに過去勤務費用を、予測単位積増方式を使用して制度ごとに算定しております。割引率は、将来の毎年度の給付支払見込日までの期間を基に割引期間を設定し、割引期間に対応した決算日時点の優良社債の利回りに基づき算定しております。
確定給付型退職給付制度の勤務費用および利息費用は損益として認識し、利息純額の算定には前述の割引率を使用しております。また、確定給付型退職給付制度の再測定額は、発生した期においてその他の包括利益として認識し、過去勤務費用は、発生した期の損益として認識しております。
確定拠出型の退職給付に係る費用は、従業員が役務を提供した期間に損益として認識しております。
(14) 引当金
当社グループは、過去の事象の結果として現在の法的または推定的債務を有しており、債務の決済を要求される可能性が高く、かつ当該債務の金額について信頼性のある見積りが可能である場合に引当金を認識しております。
貨幣の時間価値の影響が重要である場合、引当金は当該負債に特有のリスクを反映させた割引率を用いた現在価値により測定しております。
(15) 収益
当社グループの収益の内訳は、主に各種メディアへの広告出稿によって得られる手数料、およびクリエーティブ・サービスを含む広告制作や各種コンテンツサービス等サービスの提供に対する広告主等からの報酬であります。
広告制作やその他の広告サービスによる収益は、当社グループがこれらサービスに対する報酬として広告主およびその他のクライアントから受領する対価から原価を控除した純額、あるいは定額または一定の報酬対価により計上しております。
手数料による収益については、メディアに広告出稿がなされた時点で収益に計上し、その他の収益については、サービスの提供が完了し、対価の測定が合理的に可能となり、経済的便益が流入する可能性が高くなった時点で計上しております。
なお、広告業以外の事業に係る取引は収益および原価を総額表示しております。
連結損益計算書に開示している売上高は当社グループが顧客に対して行った請求額および顧客に対する請求可能額の総額(割引および消費税等の関連する税金を除く)であり、IFRSに準拠した開示ではありません。
(16) 金融収益および金融費用
金融収益は主として、受取利息および受取配当金から構成され、受取利息は実効金利法に基づき発生時に認識し、受取配当金は配当を受ける権利が確定した時点で認識しております。
金融費用は主として借入金および社債に対する支払利息から構成され、支払利息は実効金利法に基づき発生時に認識しております。
(17) 法人所得税
法人所得税費用は当期法人所得税と繰延法人所得税から構成されております。これらは、その他の包括利益または資本で直接認識する項目から生じる場合および企業結合から生じる場合を除き、損益として認識しております。
当期法人所得税は、税務当局に対する納付もしくは税務当局から還付が予想される金額で測定され、税額の算定に使用する税率または税法は、決算日までに制定もしくは実質的に制定されているものであります。
繰延税金資産および負債は、資産および負債の会計上の帳簿価額と税務上の金額との一時差異に対して認識しております。企業結合以外の取引で、かつ会計上の損益および課税所得のいずれにも影響を及ぼさない取引における資産または負債の当初認識に係る差異については、繰延税金資産および負債を認識しておりません。さらに、のれんの当初認識において生じる将来加算一時差異についても、繰延税金負債を認識しておりません。
子会社、関連会社およびジョイント・ベンチャーに対する投資に係る将来加算一時差異について繰延税金負債を認識しております。ただし、一時差異の解消時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内において一時差異が解消しない可能性が高い場合には認識しておりません。子会社、関連会社およびジョイント・ベンチャーに係る将来減算一時差異から発生する繰延税金資産は、一時差異からの便益を利用するのに十分な課税所得があり、かつ予測可能な将来に解消されることが予期される可能性が高い範囲でのみ認識しております。
繰延税金資産および負債は、決算日に制定または実質的に制定されている税率に基づいて、当該資産が実現されるまたは負債が決済される年度に適用される税率を見積り、算定しております。
繰延税金資産は、税務上の繰越欠損金、繰越税額控除および将来減算一時差異のうち、将来の課税所得に対して利用できる可能性が高いものに限り認識しております。繰延税金資産は毎決算日に見直し、税務便益の実現が見込めないと判断される部分について減額しております。
繰延税金資産および負債は、当期税金資産と当期税金負債を相殺する法律上強制力のある権利を有し、かつ法人所得税が同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合に相殺しております。
(18) 資本
① 資本金および資本剰余金
当社が発行する資本性金融商品は、資本金および資本剰余金に計上しております。また、その発行に直接起因する取引費用は資本から控除しております。
② 自己株式
自己株式は取得原価で評価し、資本から控除して表示しており、自己株式の購入、売却または消却において損益は認識しておりません。
自己株式を売却した場合の帳簿価額と売却時の対価との差額は資本として認識しております。
(19) 1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益は、親会社の普通株主に帰属する当期利益を、その期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して算定しております。希薄化後1株当たり当期利益は、希薄化効果を有するすべての潜在株式の影響を調整して算定しております。
(20) 調整後営業利益
調整後営業利益は、営業利益から、買収に伴う無形資産の償却費、減損損失、固定資産の売却損益、買収に伴う費用等の一時的要因を排除した恒常的な事業の業績を測る利益指標であります。
調整後営業利益はIFRSで定義されている指標ではありませんが、経営者は当該情報が財務諸表利用者にとって有用であると考えていることから、連結損益計算書および「6.セグメント情報」に自主的に開示しております。
4.重要な会計上の判断、見積りおよび仮定
当社グループは、連結財務諸表を作成するために、会計方針の適用ならびに資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす判断、会計上の見積りおよび仮定を用いております。見積りおよび仮定は、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づく経営者の最善の判断に基づいております。しかしながら実際の結果は、その性質上、見積りおよび仮定と異なることがあります。
見積りおよびその基礎となる仮定は継続して見直されております。これらの見積りの見直しによる影響は、当該見積りを見直した期間および将来の期間において認識しております。
連結財務諸表に重要な影響を与える会計方針を適用する過程で行った判断に関する情報は、主に以下のとおりであります。
・子会社、関連会社およびジョイント・ベンチャーの範囲(「3.重要な会計方針 (1) 連結の基礎」)
・収益認識(「3.重要な会計方針 (15) 収益」)
連結財務諸表で認識する金額に重要な影響を与える見積りおよび仮定は、以下のとおりであります。
・有形固定資産、のれん、無形資産および投資不動産の減損(「12.有形固定資産」、「13.のれんおよび無形資産」および「15.投資不動産」)
・金融商品の評価(「31.金融商品」)
・確定給付制度債務の評価(「21.退職後給付」)
・引当金(「20.引当金」)
・繰延税金資産の回収可能性(「17.法人所得税」)
5.未適用の新基準書
連結財務諸表の承認日までに新設または改訂が行われた新基準書および新解釈指針のうち、当社グループが早期適用していない主なものは、以下のとおりであります。これらの適用による影響は、当連結財務諸表の作成時において評価中です。
6.セグメント情報
(1) 報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定および業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは、主として広告を中心にコミュニケーションに関連するサービスを提供する事業を行っており、国内事業と海外事業に区分して管理をしております。
したがって、当社グループは「国内事業」、「海外事業」の2つを報告セグメントとしております。
(2) 報告セグメントに関する情報
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「3.重要な会計方針」における記載と同一であります。
報告セグメントの利益は、営業利益から「買収により生じた無形資産の償却」および「その他の調整項目」を調整した利益をベースとしております。
セグメント間収益は市場実勢価格に基づいております。
(注) 1 売上高は当社グループが顧客に対して行った請求額および顧客に対する請求可能額の総額(割引および消費税等の関連する税金を除く)であります。
経営者は売上高の情報は財務諸表利用者にとって有用であると考えていることから、IFRSに準拠した開示ではないものの、自主的に開示しております。
2 収益の調整額は、セグメント間取引(売上高と同額)の消去によるものであります。
3 売上総利益およびセグメント利益(調整後営業利益)の調整額は、セグメント間取引の消去によるものであります。
4 セグメント資産の調整額は、セグメント間取引の消去によるものであります。
5 その他の調整項目(販売費及び一般管理費)、その他の調整項目(その他の収益)およびその他の調整項目(その他の費用)の内訳は、以下のとおりであります。
(注) 減損損失のセグメントごとの内訳は、前連結会計年度では国内事業1,830百万円、海外事業175百万円であり、当連結会計年度では国内事業1,588百万円、海外事業235百万円であります。
(3) 製品およびサービスに関する情報
当社グループは、広告業として新聞、雑誌、ラジオ、テレビ、インターネット、セールスプロモーション、映画、屋外、交通その他すべての広告業務取扱いおよび広告表現に関する企画、制作ならびにマーケティング、PR、コンテンツサービス等のサービス活動の一切を行っております。また、情報サービス業として、情報サービスおよび情報関連商品の販売等を行っており、その他の事業として、事務所賃貸、ビルサービス、受託計算業務等を行っております。
製品およびサービスの区分ごとの外部顧客からの収益は、以下のとおりであります。
(4) 非流動資産(有形固定資産、のれん、無形資産および投資不動産)の地域別情報
非流動資産は当社グループ各社の所在地を基礎としております。
(5) 主要な顧客に関する情報
外部顧客への収益のうち、連結損益計算書の収益の10%以上を占める顧客が存在しないため、記載を省略しております。
7.現金及び現金同等物
移行日および各年度の現金及び現金同等物の内訳は、以下のとおりであります。
現金及び現金同等物は、償却原価で測定する金融資産に分類しております。
8.営業債権及びその他の債権
移行日および各年度の営業債権及びその他の債権の内訳は、以下のとおりであります。
連結財政状態計算書では、貸倒引当金控除後の金額で表示しております。
営業債権及びその他の債権は、償却原価で測定する金融資産に分類しております。
9.棚卸資産
移行日および各年度の棚卸資産の内訳は、以下のとおりであります。
10.その他の金融資産
(1) 移行日および各年度のその他の金融資産の内訳は、以下のとおりであります。
連結財政状態計算書では、貸倒引当金控除後の金額で表示しております。
デリバティブ資産は損益を通じて公正価値で測定する金融資産(ヘッジ会計が適用されているものを除く)、株式はその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産、債券は償却原価で測定する金融資産、その他のうち3,747百万円(移行日)、3,626百万円(前連結会計年度)、3,110百万円(当連結会計年度)については、損益を通じて公正価値で測定する金融資産にそれぞれ分類しております。
(2) 移行日および各年度のその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の主な銘柄および公正価値等は以下のとおりであります。
株式は主に政策投資目的で保有しているため、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定しております。
保有資産の効率化および有効活用を図るため、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の売却(認識の中止)を行っております。
各年度における売却時の公正価値および資本でその他の包括利益として認識されていた累積損益は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2013年4月1日 至 2014年3月31日)
当連結会計年度(自 2014年4月1日 至 2015年3月31日)
資本でその他の資本の構成要素として認識されていた累積損益は、売却した場合および公正価値が著しく下落した場合に利益剰余金に振り替えております。
11.その他の流動資産
移行日および各年度のその他の流動資産に含まれる前渡金のうち12ヶ月を超えて損益に計上されるものは、以下のとおりであります。
12.有形固定資産
(1) 増減表
各年度における有形固定資産の帳簿価額の期中増減は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2013年4月1日 至 2014年3月31日)
当連結会計年度(自 2014年4月1日 至 2015年3月31日)
移行日および各年度における有形固定資産の取得原価、減価償却累計額および減損損失累計額ならびに帳簿価額は、以下のとおりであります。
なお、移行日および各年度の有形固定資産の帳簿価額の中には、以下のリース資産の帳簿価額が含まれております。
減価償却費は連結損益計算書の原価および販売費及び一般管理費に計上しております。
(2) 減損損失
有形固定資産は、報告セグメントを基礎に、概ね独立したキャッシュ・インフローを生み出す最小の資金生成単位でグルーピングを行っております。
当社グループは前連結会計年度において1,080百万円、当連結会計年度において1,075百万円の減損損失を計上しており、連結損益計算書のその他の費用に計上しております。
前連結会計年度における減損損失は、建物及び構築物、土地等について、収益性の低下または遊休化により、帳簿価額を回収可能価額まで減額したものであります。
当連結会計年度における減損損失は、建物及び構築物、土地等について、収益性の低下により、帳簿価額を回収可能価額まで減額したものであります。
13.のれんおよび無形資産
(1) 増減表
各年度におけるのれんおよび無形資産の帳簿価額の期中増減は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2013年4月1日 至 2014年3月31日)
当連結会計年度(自 2014年4月1日 至 2015年3月31日)
移行日および各年度におけるのれんおよび無形資産の取得原価、償却累計額および減損損失累計額ならびに帳簿価額は、以下のとおりであります。
なお、移行日および各年度の無形資産の帳簿価額の中には、以下のリース資産の帳簿価額が含まれております。
所有権に対する制限、および負債の担保として抵当権が設定された無形資産はありません。
償却費は連結損益計算書の原価および販売費及び一般管理費に計上しております。
(2) 重要なのれんおよび無形資産
のれんのうち、移行日、前連結会計年度および当連結会計年度において重要なものは、資金生成単位である海外事業セグメントののれんであり、移行日、前連結会計年度および当連結会計年度においてそれぞれ431,668百万円、576,977百万円および656,552百万円であります。
のれん以外の無形資産のうち、移行日、前連結会計年度および当連結会計年度において重要なものは、海外事業セグメントの顧客との関係であり、移行日、前連結会計年度および当連結会計年度においてそれぞれ155,285百万円、183,446百万円および196,867百万円であります。
(3) のれんの減損テスト
重要なのれんが配分された海外事業セグメントの回収可能価額は、経営陣により承認された翌事業年度の予算およびその後4ヶ年の業績予測を基礎とする使用価値に基づき算定しております。これを超える期間におけるキャッシュ・フローについては3.2%を継続成長率として設定しております。
使用価値の算定に使用した税引前の割引率は、前連結会計年度および当連結会計年度においてそれぞれ9.1%および8.9%であります。
当該のれんについては、当該資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を十分に上回っていることから、主要な仮定が合理的な範囲で変更されたとしても、それにより当該資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回る可能性は低いと予測しております。
(4) 減損損失
無形資産は、報告セグメントを基礎に、概ね独立したキャッシュ・インフローを生み出す最小の資金生成単位でグルーピングを行っております。
当社グループは前連結会計年度において407百万円、当連結会計年度において744百万円の減損損失を計上しており、連結損益計算書のその他の費用に計上しております。
前連結会計年度における減損損失は、ソフトウェアおよび顧客との関係について、収益性の低下により、帳簿価額を回収可能価額まで減額したものであります。
当連結会計年度における減損損失は、ソフトウェアおよびその他の無形資産について、収益性の低下により、帳簿価額を回収可能価額まで減額したものであります。
14.リース取引
当社グループは、借手として、建物、ソフトウェアおよびその他の資産を賃借しております。リース契約には更新オプションを含むものがありますが、エスカレーション条項を含む重要なリース契約はありません。また、リース契約によって課された重要な制限(追加借入および追加リースに関する制限等)はありません。
(1) ファイナンス・リース債務の現在価値
各返済期間において、ファイナンス・リース契約に基づいて計上されたリース資産に対応する将来最低リース料総額、将来財務費用および現在価値は、以下のとおりであります。
(2) 解約不能のオペレーティング・リースに基づく未経過リース料
移行日および各年度の解約不能のオペレーティング・リースに基づく将来最低リース料総額は、以下のとおりであります。
(3) 最低リース料総額
前連結会計年度および当連結会計年度におけるオペレーティング・リースに係る最低リース料総額は、それぞれ20,729百万円および21,916百万円であります。
15.投資不動産
(1) 増減表
各年度における、投資不動産の帳簿価額の増減は、以下のとおりであります。
(2) 公正価値
移行日および各年度における、投資不動産の帳簿価額および公正価値は、以下のとおりであります。
投資不動産の公正価値は、主として、割引キャッシュ・フロー法および観察可能な類似資産の市場取引価格等に基づいた不動産鑑定評価によって算定しております。
投資不動産は、測定に使用したインプットの観察可能性および重要性に応じて、公正価値ヒエラルキーの3つのレベルに分類しております。
公正価値のヒエラルキーは以下のように定義しております。
レベル1: 活発な市場における公表価格により測定した公正価値
レベル2: レベル1以外の直接または間接的に観察可能なインプットを使用して測定した公正価値
レベル3: 観察可能でないインプットを使用して測定した公正価値
各年度における投資不動産の公正価値ヒエラルキーはレベル3に該当しております。
(3) 投資不動産からの収益および費用
各年度における、投資不動産からの賃貸料収入およびそれに伴って発生する直接営業費の金額は、以下のとおりであります。
16.持分法で会計処理されている投資
移行日および各年度の関連会社およびジョイント・ベンチャーに対する投資の帳簿価額は、以下のとおりであります。
各年度の関連会社およびジョイント・ベンチャーに関する財務情報は、以下のとおりであります。なお、これらの金額は、当社グループの持分比率勘案後のものであります。
一部の持分法適用先の損失について、その累計額が帳簿価額を超過しているため損失を認識しておりません。
各年度の当該投資に対する損失の未認識額および累積未認識額は以下のとおりであります。
17.法人所得税
(1) 繰延税金資産および繰延税金負債
移行日および各年度の繰延税金資産および繰延税金負債の発生の主な原因別内訳は、以下のとおりであります。
各年度の繰延税金資産または繰延税金負債の純額の変動の内容は、以下のとおりであります。
繰延税金資産の認識にあたり、将来加算一時差異、将来課税所得計算およびタックスプランニングを考慮しております。
移行日および各年度における連結財政状態計算書上で繰延税金資産が認識されていない、将来減算一時差異および税務上の繰越欠損金の内訳は、以下のとおりであります。
移行日および各年度における連結財政状態計算書上で繰延税金資産が認識されていない、税務上の繰越欠損金の失効期限別内訳は、以下のとおりであります。
移行日、前連結会計年度および当連結会計年度において繰延税金負債を認識していない子会社等に対する投資に係る将来加算一時差異の合計額は、それぞれ92,665百万円、139,637百万円および140,079百万円であります。
これらは当社グループが一時差異を解消する時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に当該一時差異が解消しない可能性が高いことから、繰延税金負債を認識しておりません。
(2) 法人所得税費用
各年度の法人所得税費用の内訳は、以下のとおりであります。
繰延法人所得税費用は、国内の税率変更の影響により前連結会計年度695百万円増加、当連結会計年度3,847百万円増加しております。
(3) 実効税率の調整
各年度の法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との差異について、原因となった主な項目の内訳は、以下のとおりであります。
当社は、主に法人税、住民税及び事業税を課されており、これらを基礎として計算した法定実効税率は、前連結会計年度において38.0%、当連結会計年度において36.0%となっております。なお、当連結会計年度より復興特別法人税が廃止されております。ただし、海外子会社についてはその所在地における法人税等が課されております。
18.営業債務及びその他の債務
(1) 移行日および各年度の営業債務及びその他の債務の内訳は、以下のとおりであります。
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営業債務及びその他の債務は、償却原価で測定する金融負債に分類しております。
(2) 負債の担保に供している資産
移行日および各年度の担保に供している資産およびそれに対応する債務は、以下のとおりであります。
対応する債務以外では官報にかかわる取引保証、または当座預金開設のために担保に供しております。
19.社債及び借入金(その他の金融負債含む)
金融負債の内訳
移行日および各年度の社債及び借入金およびその他の金融負債の内訳は、以下のとおりであります。
デリバティブ負債は損益を通じて公正価値で測定する金融負債(ヘッジ会計が適用されているものを除く)に分類しております。
社債及び借入金は償却原価で測定する金融負債に分類しております。当連結会計年度の短期借入金および長期借入金(1年内返済予定を含む)の平均利率は、それぞれ3.12%および1.45%であります。
その他のうち、56,108百万円(移行日)、63,619百万円(前連結会計年度)、64,790百万円(当連結会計年度)については、損益を通じて公正価値で測定する金融負債に分類しております。
社債及び借入金に関し、当社グループの財務活動に重大な影響を及ぼす財務制限条項は付されておりません。
(注) 社債の発行条件の要約は、以下のとおりであります。
(注) 1 外国において発行したものであるため、移行日、前連結会計年度および当連結会計年度の{ }は内書きで、外貨建ての金額を付記しております。
2 支配株主の異動により、2013年4月25日付で移行日残高の一部である233百万USドルを早期償還しております。
3 支配株主の異動により、2013年4月25日付で全額を早期償還しております。
4 支配株主の異動により、2013年4月17日付で当社が全額買取しております。
20.引当金
各年度の引当金の内訳および増減は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2013年4月1日 至 2014年3月31日)
当連結会計年度(自 2014年4月1日 至 2015年3月31日)
① 資産除去引当金
当社グループが使用するオフィスの賃貸借契約等に対する原状回復義務に備えて、過去の実績に基づき将来支払うと見込まれる金額を計上しております。
これらの費用は主に1年以上経過した後に支払われることが見込まれておりますが、将来の事業計画等により影響を受けます。
② 訴訟損失引当金
訴訟に関連するものであります。
③ 事業再編損失引当金
主に海外事業に関し一部の事業の再編に伴い発生することが見込まれる損失に関連するものであります。
21.退職後給付
当社グループは、確定給付型の制度として、企業年金基金制度、適格退職年金制度、確定給付企業年金制度および退職一時金制度を設けております。
企業年金基金制度、適格退職年金制度、確定給付企業年金制度は、法令に従い、当社グループと法的に分離された年金基金により運営されております。
当社グループまたは年金基金の理事会および年金運用受託機関は、制度加入者の利益を最優先にして行動することが法令により求められており、所定の方針に基づき制度資産の運用を行う責任を負っております。
当社グループは、法令等により年金給付を行う企業年金基金への掛金の拠出等の義務が課されております。
当社においては企業年金基金制度および退職一時金制度について任意に退職給付信託を設定しております。
また、一部の国内連結子会社は、確定拠出型の制度として確定拠出年金制度を設けており、一部の在外連結子会社は、確定拠出型の退職給付制度を設けております。
なお、当社は2015年4月1日に、確定給付企業年金制度の一部について確定拠出年金制度に移行しております。
(1) 確定給付制度債務および制度資産の調整表
移行日および各年度の確定給付制度債務および制度資産と連結財政状態計算書に計上された退職給付に係る負債および資産との関係は、以下のとおりであります。
(2) 確定給付制度債務の調整表
各年度の確定給付制度債務の増減は、以下のとおりであります。
(注) 確定給付制度債務に係る数理計算上の差異は、主として財務上の仮定の変化により発生しております。
移行日および各年度の確定給付制度債務の加重平均デュレーションは、以下のとおりであります。
(3) 制度資産の調整表
各年度の制度資産の増減は、以下のとおりであります。
なお、当社グループは2015年12月期に606百万円の掛金を拠出する予定であります。
(4) 制度資産の主な内訳
移行日および各年度の制度資産合計に対する主な分類ごとの内訳は、以下のとおりであります。
(注) 移行日、前連結会計年度、当連結会計年度の制度資産合計には、企業年金基金制度および退職一時金制度に対して設定した退職給付信託がそれぞれ50,448百万円, 56,102百万円, 71,328百万円含まれております。 また、株式および債券は主として国内に属するものであります。
制度資産の運用にあたっては給付を行うに十分な資産を確保し、許容可能なリスクのもとで、長期的な拠出金負担の軽減と給付の改善を図ることを目的としております。この運用目的を達成するため、中長期的な基金財政の将来推計に留意し、年金資産運用の不確実性が年金財政に与える影響(不足金発生の可能性等)および年金資産の収益率の不確実性の許容される程度について十分な検討を行っております。
この運用の目標を達成するため、投資対象として相応しい資産の期待収益率を予測した上で、将来にわたる最適な政策的資産構成割合(以下、政策資産配分)を策定し、運用受託機関の選定、資産配分状況のモニタリングなどにより資産運用状況を管理しております。政策資産配分については毎年検証を行い、策定時の諸条件が変化した場合は、必要に応じて見直しを行っております。
(5) 数理計算上の仮定に関する事項
移行日および各年度の数理計算上の仮定の主要なものは、以下のとおりであります。
(注) 主要な基礎率の変化が各年度における確定給付制度債務に与える感応度は以下のとおりであります。この分析は、その他の変数が一定との前提を置いておりますが、実際には独立して変化するとは限りません。
なお、マイナスは確定給付制度債務の減少を、プラスは確定給付制度債務の増加を表しております。
(6) 確定拠出制度等
前連結会計年度および当連結会計年度における連結子会社の確定拠出型年金制度の拠出に係る費用計上額は、それぞれ3,581百万円、4,263百万円であります。
22.資本およびその他の資本項目
(1) 資本金
① 授権株式数
移行日、前連結会計年度および当連結会計年度における授権株式数は、普通株式1,100,000,000株であります。
② 全額払込済みの発行済株式
各年度の発行済株式数の増減は、以下のとおりであります。
前連結会計年度の発行済株式数の増加は、募集による新株発行8,000,000株およびオーバーアロットメントによる当社株式の売出しに関連して行った第三者割当増資2,226,000株によるものです。
なお、当社の発行する株式は、すべて権利内容に何ら限定のない無額面の普通株式であります。
(2) 自己株式
各年度の自己株式数は、以下のとおりであります。
(3) 剰余金
① 資本剰余金
日本における会社法では、株式の発行に対しての払込または給付した額の2分の1以上を資本金に組み入れ、残りは資本剰余金に含まれる資本準備金に組み入れることが規定されております。
② 利益剰余金
会社法では、剰余金の配当として支出する金額の10分の1を、資本準備金および利益剰余金に含まれる利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまで、資本準備金または利益準備金として積み立てることが規定されています。
23.配当金
(1) 配当金支払額
前連結会計年度(自 2013年4月1日 至 2014年3月31日)
当連結会計年度(自 2014年4月1日 至 2015年3月31日)
(2) 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
前連結会計年度(自 2013年4月1日 至 2014年3月31日)
当連結会計年度(自 2014年4月1日 至 2015年3月31日)
24.販売費及び一般管理費
各年度の販売費及び一般管理費の内訳は、以下のとおりであります。
その他には研究開発費が1,073百万円(前連結会計年度)、938百万円(当連結会計年度)含まれております。
25.従業員給付費用
各年度の従業員給付費用の内訳は、以下のとおりであります。
従業員給付費用は原価、販売費及び一般管理費および金融費用に計上しております。
26.その他の収益
各年度のその他の収益の内訳は、以下のとおりであります。
27.その他の費用
各年度のその他の費用の内訳は、以下のとおりであります。
28.金融収益および金融費用
(1) 各年度の金融収益の内訳は、以下のとおりであります。
(注) 1 為替差益には通貨デリバティブの評価損益が含まれております。
2 その他のうち、696百万円(前連結会計年度)、5百万円(当連結会計年度)については、損益を通じて公正価値で測定する金融商品から生じた金融収益であります。
受取配当金の内訳は、以下のとおりであります。
(2) 各年度の金融費用の内訳は、以下のとおりであります。
(注) その他のうち、727百万円(前連結会計年度)、305百万円(当連結会計年度)については、損益を通じて公正価値で測定する金融商品から生じた金融費用であります。
29.その他の包括利益
各年度の「その他の包括利益」に含まれている、各項目別の当期発生額および損益への組替調整額、ならびに税効果の影響は、以下のとおりであります。
30.1株当たり当期利益
(1) 基本的1株当たり当期利益および希薄化後1株当たり当期利益
(2) 基本的1株当たり当期利益および希薄化後1株当たり当期利益の算定上の基礎
31.金融商品
(1) 資本管理
当社グループは、中長期的な企業価値の向上のために、健全な財務体質を維持しつつ、資本効率性を高めることを資本管理の基本方針としています。
資本管理においてモニタリングする指標は、資本(親会社の所有者に帰属する持分)、ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)であり、各年度の数値は以下のとおりです。
(2) 金融商品に関するリスク管理の基本方針
当社グループは、事業活動を行う過程において財務上のリスクに晒されており、当該リスクを回避または低減するために、一定の方針に基づきリスク管理を行っております。
また、デリバティブ取引は、投機的な取引および短期的な売買差益を得ることを目的として行うことを禁止しており、実需の範囲で行うこととしております。
(3) 信用リスク
① 信用リスク管理
営業債権である受取手形および売掛金は、顧客の信用リスクに晒されておりますが、与信管理の規則に沿ってリスク低減を図っております。
当社は、与信管理規程に従い、新規取引先等の審査および与信管理を行っております。また、経理規程に従い、営業債権について、各事業部門における管理部門と経理部門の協働により、取引先ごとに期日および残高の管理をするとともに、主要な取引先の状況を定期的にモニタリングすることにより、財務状況等の悪化等による回収懸念の早期把握や軽減を図っております。また、連結子会社においても、与信管理、債権管理を行っており、一定の重要な取引および事象については報告や承認を必要とする管理体制をとっております。
なお、当社グループでは特定の相手先に対する過度に集中した信用リスクはありません。
② 信用リスクに対する最大エクスポージャー
保証債務を除き、当社グループの信用リスクに対する最大エクスポージャーは連結財政状態計算書に表示される金融資産の帳簿価額であります。
保証債務に係る信用リスクの最大エクスポージャーは、移行日、前連結会計年度および当連結会計年度においてそれぞれ1,855百万円、1,671百万円および1,761百万円であります。
③ 期日経過した金融資産
移行日および各年度における期末日において期日が経過しているが、減損はしていない営業債権及びその他の債権の年齢分析は、次のとおりであります。
④ 貸倒引当金の増減
各年度の貸倒引当金の増減は以下のとおりであります。
(4) 流動性リスク
① 流動性リスク管理
当社は、各部署からの報告に基づき資金管理部門が適宜に資金繰り計画を作成・更新し、収支の状況に応じた手元流動性を確保すること等により、流動性リスクを管理しております。
当社グループは、運転資金につきましては、内部資金、コマーシャル・ペーパーまたは短期借入金により調達することとしております。
また当社グループは、流動性を確保するため銀行融資枠(コミットメント・ライン)を設定しております。
② 金融負債(デリバティブ金融商品を含む)の期日別残高
各年度の金融負債(デリバティブ金融商品を含む)の期日別残高は、以下のとおりであります。
移行日(2013年4月1日)
前連結会計年度(2014年3月31日)
当連結会計年度(2015年3月31日)
③ 未使用の信用枠
未使用の信用枠は、移行日、前連結会計年度および当連結会計年度においてそれぞれ、584,857百万円、290,462百万円および310,423百万円であります。
未使用の信用枠にはコミットメント・ライン、当座借越枠およびコマーシャル・ペーパーの発行枠が含まれております。
(5) 為替リスク
① 為替リスク管理
外貨建金銭債権債務は為替の変動リスクに晒されております。当社では、通貨別月別に把握された為替の変動リスクに対して、先物為替予約を利用しております。
また、一定金額を上回る外貨建取引については、経理規程に従い、先物為替予約等を利用してヘッジすることとしております。
なお、当社グループの一部の連結子会社では、為替の変動リスクのうち重要なものに対して、先物為替予約を利用しております。
② ヘッジ会計を適用している通貨デリバティブ
移行日および各年度のヘッジ会計を適用している通貨デリバティブの詳細は、以下のとおりであります。
上記の為替取引は、キャッシュ・フロー・ヘッジに指定しています。
非金融資産または非金融負債の取得・発生をヘッジ対象とする、非常に可能性の高い予定取引の実行に伴い、当該非金融資産または非金融負債の当初取得原価に加減算された金額は、前連結会計年度および当連結会計年度において、それぞれ1,132百万円(減算)および2,928百万円(減算)であります。
③ 為替感応度分析
当社グループが各年度末において保有する金融商品において、他のすべての変数が一定であると仮定した上で、機能通貨(円)が米ドルまたはユーロに対して1%増価した場合の税引前利益に与える影響は、以下のとおりであります。なお、機能通貨建ての金融商品、および在外営業活動体の資産および負債を円貨に換算する際の影響は含んでおりません。
(6) 金利リスク
① 金利リスク管理
当社グループの一部の借入金は変動金利であり、金利の変動リスクに晒されております。借入金に係る金利の変動リスクについては、金利スワップ取引を利用して支払利息の固定化を実施しております。
② ヘッジ会計を適用している金利デリバティブ
移行日および各年度のヘッジ会計を適用している金利デリバティブの詳細は、以下のとおりであります。
上記の金利取引は、公正価値ヘッジまたはキャッシュ・フロー・ヘッジに指定しています。
公正価値ヘッジに指定したヘッジ手段に係る損益は、前連結会計年度および当連結会計年度においてそれぞれ128百万円および272百万円であります。なお、ヘッジ対象に係る損益はヘッジ手段に係る損益と概ね同額であります。
(7) 金融商品の帳簿価額および公正価値
移行日および各年度の金融商品の帳簿価額および公正価値は、以下のとおりであります。
なお、社債および長期借入金以外の償却原価で測定する金融資産および金融負債の公正価値は帳簿価額と近似しております。
(注) 1年内に返済または償還予定の残高を含んでおります。
社債の公正価値については、移行日においては、当社による社債の買取および償還が予定されていたため、これらの公正価値については買取予定額および償還予定額によっており、前連結会計年度および当連結会計年度においては、元利金の合計額を当該社債の残存期間および信用リスクを加味した利率で割り引いて算定する方法によっております。
長期借入金の公正価値については、元利金の合計額を同様の新規借入を行った場合に想定される利率で割り引いて算定する方法によっております。
社債および長期借入金の公正価値ヒエラルキーはレベル3に該当しております。
(8) 金融商品の公正価値ヒエラルキー
当初認識後に経常的に公正価値で測定する金融商品は、測定に使用したインプットの観察可能性および重要性に応じて、公正価値ヒエラルキーの3つのレベルに分類しております。公正価値のヒエラルキーは以下のように定義しております。
レベル1: 活発な市場における公表価格により測定した公正価値
レベル2: レベル1以外の直接または間接的に観察可能なインプットを使用して測定した公正価値
レベル3: 観察可能でないインプットを使用して測定した公正価値
公正価値の測定に複数のインプットを使用している場合には、その公正価値の測定の全体において重要な最も低いレベルのインプットに基づいて公正価値のレベルを決定しております。
公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、各四半期の期首時点で発生したものとして認識しております。
なお、前連結会計年度および当連結会計年度において、レベル1とレベル2の間における振替はありません。
移行日(2013年4月1日)
前連結会計年度(2014年3月31日)
当連結会計年度(2015年3月31日)
デリバティブ資産およびデリバティブ負債のうち金利スワップ、為替予約等の公正価値は、金融機関より入手した見積価格または観察可能な市場データを用いて算定した金額で評価しているため、レベル2に分類しております。また、デリバティブ負債のうち一部のデリバティブの公正価値は、観察不能なインプットを用いて割引キャッシュ・フロー法で算定した金額で評価しているため、レベル3に分類しております。
株式およびその他(金融資産)のうち活発な市場が存在する銘柄の公正価値は市場価格に基づいて算定しているため、レベル1に分類しております。また、活発な市場が存在しない銘柄のうち、公正価値を観察可能な市場データを用いて算定した金額で評価した銘柄についてレベル2に分類し、公正価値を観察不能なインプットを用いて主としてマーケット・アプローチで算定した金額で評価した銘柄についてレベル3に分類しております。なお、重要な観察不能なインプットは主として株価純資産倍率であり、公正価値は株価純資産倍率の上昇(低下)により増加(減少)することとなります。使用した株価純資産倍率は移行日、前連結会計年度および当連結会計年度においてそれぞれ0.55倍~1.45倍、0.55倍、0.73倍であります。
その他(金融負債)の公正価値は、観察不能なインプットを用いて割引キャッシュ・フロー法で算定した金額で評価しているため、レベル3に分類しております。
レベル3に区分された資産、負債については公正価値測定の評価方針および手続きに従い、担当部署が対象資産、負債の評価方法を決定し、公正価値を測定しております。公正価値の測定結果については適切な責任者が承認しております。
各年度におけるレベル3に分類された金融商品の増減は、以下のとおりであります。
(注) 1 その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に関するものであり、その他の包括利益を通じて測定する金融資産の公正価値の純変動に含まれております。
2 前連結会計年度および当連結会計年度に認識されたレベル3からの振替は、投資先が取引所に上場したことによるものであります。
3 損益を通じて公正価値で測定する金融負債に関するものであり、金融費用に含まれております。損益のうち、連結会計年度末において保有する金融商品に係るものは、前連結会計年度および当連結会計年度においてそれぞれ713百万円および2,986百万円であります。
32.関連当事者
(1) 当社の取締役に対する報酬
各年度の当社の取締役に対する報酬は、以下のとおりであります。
(2) 主要な子会社
当社の重要な子会社は「第1 企業の概況 4 関係会社の状況 連結子会社」に記載のとおりであります。
33.偶発負債
移行日および各年度の偶発負債は、以下のとおりであります。
移行日 (2013年4月1日)
(1) 債務保証等
(2) 訴訟等
当社は、ライブハウスの運営を目的にした組合事業に関連して、当社元従業員が当社または当該組合の名義を冒用して行った架空発注について、以下の3社より業務委託料やリース料の支払いを求める訴訟の提起を受けております。
このうち、企画・宣伝協同組合を原告とする訴訟については、第一審係争中でありますが、訴訟の経過等の状況に基づき、必要と認められる額を見積り、訴訟損失引当金に計上しております。
上記の訴訟以外は、現在係争中であり、訴訟の結果によっては当社に損害が生じる可能性はありますが、現時点で合理的に見積もることはできません。
前連結会計年度 (2014年3月31日)
(1) 債務保証等
(2) 訴訟等
当社は、ライブハウスの運営を目的にした組合事業に関連して、当社元従業員が当社または当該組合の名義を冒用して行った架空発注について、業務委託料やリース料の支払いを求める訴訟の提起を受けておりましたが、原告との間で和解に達しました。したがいまして、当該偶発負債は消滅いたしました。
当連結会計年度 (2015年3月31日)
(1) 債務保証等
34.重要な後発事象
自己株式の取得
当社は、2015年5月14日開催の取締役会において、会社法第165条第3項の規定により読み替えて適用される同法第156条の規定および当社の定款の定めに基づき、自己株式取得に係る事項について決議いたしました。
(1)自己株式の取得を行う理由
株主への一層の利益還元と資本効率の向上を図るとともに、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を遂行するため。
(2)取得に係る事項の内容
① 取得対象株式の種類 普通株式
② 取得し得る株式の総数 400万株(上限)
③ 株式の取得価額の総額 20,000百万円(上限)
④ 取得する期間 2015年5月18日~2015年7月31日
⑤ 取得の方法 東京証券取引所における市場買付
35.初度適用
当社グループは、2015年3月31日に終了する連結会計年度からIFRSを適用しております。日本基準に準拠して作成された直近の連結財務諸表は、2014年3月31日に終了した1年間に関するものであり、移行日は2013年4月1日であります。
IFRS第1号は、IFRSを初めて適用する企業に対し、原則としてIFRSを遡及的に適用することを求めております。ただし、一部については例外的に遡及適用が禁止され、IFRS移行日から将来に向かって適用されます。当社グループは、当該例外規定のうち当社グループに該当する「見積り」、「金融資産及び金融負債の認識の中止」、「ヘッジ会計」、「非支配持分」および「金融資産の分類及び測定」を適用しており、これらの項目について将来に向かって適用しております。
IFRSの初度適用において開示が求められる調整表は以下のとおりであります。
なお、調整表の「表示組替」には利益剰余金および包括利益に影響を及ぼさない項目を、「認識及び測定の差異」には利益剰余金および包括利益に影響を及ぼす項目を含めて表示しております。
2013年4月1日(移行日)現在の資本に対する調整
(単位:百万円)
(単位:百万円)
(単位:百万円)
(注) 調整に関する注記2.(1)を参照ください。
2014年3月31日(前連結会計年度)現在の資本に対する調整
(単位:百万円)
(単位:百万円)
(単位:百万円)
(注) 調整に関する注記2.(1)を参照ください。
損益および包括利益に対する調整 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日)
(注) 調整に関する注記2.(1)を参照ください。
調整に関する注記
1.取得原価の配分の見直し
上記の調整表における日本基準の金額は、2013年3月31日現在の連結貸借対照表(日本基準)を基礎としておりますが、当該連結貸借対照表においては企業結合に伴う電通イージス・ネットワーク社の取得原価の配分について、当該連結財務諸表作成時点における入手可能な合理的な情報等に基づき暫定的な会計処理を行っており、取得原価の配分は確定しておりませんでした。
日本基準上、翌連結会計年度に同取得原価の配分が確定したため、その結果を上記の調整表における日本基準の金額に反映しております。
この結果、上記の調整表における日本基準の金額は、2013年3月31日現在の連結貸借対照表(日本基準)と比較して、流動資産の繰延税金資産が577百万円、のれんが137,041百万円、投資その他の資産の繰延税金資産が707百万円、流動負債のその他が2,624百万円減少し、無形固定資産のその他が168,666百万円、固定負債の繰延税金負債が32,963百万円増加しております。
2.日本基準とIFRSとの差異調整
上記の調整表における日本基準とIFRSとの差異調整の主な内容は次のとおりであります。
(1) 表示組替
表示組替の主な内容は次のとおりであります。
・繰延税金資産および繰延税金負債についてすべて非流動資産および非流動負債に組み替えております。
・IFRSにおける投資不動産の定義に該当する固定資産はすべて投資不動産に組み替えております。
・IFRSの表示規定に基づき、金融資産および金融負債を別掲しております。
・広告業に係る取引は純額表示し、広告業以外の事業に係る取引は収益および原価を総額表示しております。
(2) 認識及び測定の差異
① みなし原価
当社グループは、IFRS第1号に準拠して、一部の有形固定資産および投資不動産について、移行日現在の公正価値を当該有形固定資産および投資不動産のみなし原価とすることを選択しております。
みなし原価を使用した有形固定資産および投資不動産の移行日における公正価値および日本基準における帳簿価額はそれぞれ135,508百万円および124,228百万円であります。
公正価値は、第三者による鑑定評価あるいは市場実勢価格から経営者が適切と判断した方法により評価しており、レベル3に分類しております。
② 減価償却
当社グループは、日本基準の下では有形固定資産(リース資産を除く)の減価償却方法について、主として定率法を採用しておりましたが、IFRSでは定額法を採用しております。
③ 有形固定資産および投資不動産の取得税
当社グループは、日本基準の下では有形固定資産の取得税を発生した年度に費用として認識しておりましたが、IFRSでは取得原価に含めております。
④ のれん
当社グループは、日本基準の下では減損の兆候がある場合にのみ減損の要否の判断を行っておりましたが、IFRSでは毎期減損テストを実施しております。上記日本基準とIFRSとの相違により移行日において発生した減損損失は7,235百万円であります。当該のれんは国内事業に属するものです。
また、日本基準の下ではのれんをその効果が発現すると合理的に見積もられる期間にわたり規則的に償却しておりましたが、IFRSでは移行日以降の償却を停止しているため、利益剰余金に調整が反映されております。
⑤ 繰延税金資産
当社グループは、日本基準の下で、日本公認会計士協会監査委員会報告第66号「繰延税金資産の回収可能性の判断に関する監査上の取扱い」に規定される会社分類に基づき繰延税金資産を認識しておりましたが、IFRSでは、繰延税金資産は、未使用の税務上の欠損金および将来減算一時差異のうち、将来課税所得に対して利用できる可能性が高いと経営陣が判断した税務便益につき認識しております。
⑥ 未消化の有給休暇
当社グループは、日本基準の下では会計処理が求められていなかった未消化の有給休暇について、IFRSでは負債を認識しております。
⑦ 確定給付制度に関する退職給付債務
当社グループは、日本基準の下では数理計算上の差異は、発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数による定額法により按分した額をそれぞれ発生の翌連結会計年度から費用処理し、過去勤務費用は、発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数による定額法により費用処理しておりましたが、IFRS適用に伴い、数理計算上の差異は発生時にその他の包括利益で認識し、過去勤務費用は発生時に損益で認識しております。
なお、日本基準において、前連結会計年度末より「退職給付に関する会計基準」(企業会計基準第26号 2012年5月17日)および「退職給付に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第25号 2012年5月17日公表分)を適用し、退職給付債務から年金資産の額を控除した額を退職給付に係る負債として計上する方法に変更し、未認識数理計算上の差異および未認識過去勤務費用を退職給付に係る負債に計上しております。
また、退職給付債務の計算についてIFRSの規定に基づいた再計算を行っており、退職給付債務の期間配分方法等により生じた差異について、利益剰余金に調整が反映されております。
⑧ 企業結合に係る条件付対価等
当社は、日本基準の下では条件付対価等について企業結合後、その交付または引渡しが確実となる等の要件を満たすまで認識しておりませんが、IFRSでは負債を認識しております。
⑨ 在外営業活動体の換算差額
当社グループは、IFRS第1号に規定されている免除規定を選択し、在外子会社に係る累積換算差額の残高を、移行日においてすべて利益剰余金に振り替えております。
⑩ 土地再評価差額金
当社グループは、日本基準の下で、土地の再評価に関する法律(1998年3月31日法律第34号)に基づき、事業用の土地の再評価を行っておりましたが、IFRSでは当該再評価を振り戻しております。
⑪ 資本性金融商品
当社グループは、日本基準の下で、資本性金融商品の売却損益および減損損失を損益としておりましたが、IFRSにおいてその他の包括利益を通じて公正価値で測定することを指定した金融資産については、公正価値の変動額をその他の包括利益として認識し、認識を中止した場合または公正価値が著しく下落した場合に利益剰余金に振り替えております。
⑫ 決算日の異なる子会社
連結財務諸表の作成に用いる子会社の財務諸表の決算日が当社の決算日と異なる場合、その子会社の決算日と当社の決算日との間に生じた重要な取引または事象について必要な調整を行っております。
⑬ 利益剰余金
(3) キャッシュ・フローに対する調整
日本基準に準拠し開示していた連結キャッシュ・フロー計算書と、IFRSに準拠し開示されている連結キャッシュ・フロー計算書との間に重要な差異はありません。
株式会社電通(以下、当社)は日本の会社法に基づいて設立された株式会社であり、日本に所在する企業であります。
当社の登記している本社および主要な事業所の住所は、ホームページ(http://www.dentsu.co.jp/)で開示しております。
当社およびその子会社(以下、当社グループ)の事業内容および主要な活動は、「6.セグメント情報」に記載しております。
当社の2015年3月31日に終了する年度の連結財務諸表は、2015年6月26日に代表取締役社長執行役員石井直および最高財務責任者中本祥一によって承認されております。
2.作成の基礎
(1) IFRSに準拠している旨および初度適用に関する事項
当社の連結財務諸表は、連結財務諸表規則第1条の2に掲げる「特定会社」の要件をすべて満たすことから、連結財務諸表規則第93条の規定により、IFRSに準拠して作成しております。
当社グループは、2015年3月31日に終了する連結会計年度からIFRSを適用しており、IFRSへの移行日(以下、移行日)は2013年4月1日であります。移行日および比較年度において、IFRSへの移行が財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に与える影響は「35.初度適用」に記載しております。
早期適用していないIFRSの規定およびIFRS第1号「国際財務報告基準の初度適用」(以下、IFRS第1号)の規定により認められた免除規定を除き、当社グループの会計方針は2015年3月31日において有効なIFRSに準拠しております。適用した免除規定については、「3.重要な会計方針」に記載しております。
(2) 測定の基礎
連結財務諸表は、「3.重要な会計方針」に記載している金融商品等を除き、取得原価を基礎として作成しております。
(3) 機能通貨および表示通貨
連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円で、百万円未満の端数を切り捨てて表示しております。
(4) 新基準書の早期適用
当社グループは、IFRS第9号「金融商品」(2010年10月改訂)を早期適用しております。
(5) 電通イージス・ネットワーク社およびその管轄会社の報告期間
当社グループの海外広告事業の運営主体であるDentsu Aegis Network Ltd. (以下、電通イージス・ネットワーク社)およびその管轄会社(以下、電通イージス・ネットワーク)の決算日は12月31日であり、2014年1月1日から2014年12月31日までを当連結会計年度に連結しております。
当社グループの連結決算実務においては、電通イージス・ネットワークの連結決算(サブ連結決算)を実施した上で当社グループ全体の連結決算を実施しております。当社グループにおいて電通イージス・ネットワークは、海外広告事業を運営する一体の事業管理単位であり、サブ連結ベースで予算・実績管理を行うとともに、一体の財務報告管理体として財務報告の精度・品質の担保に大きな役割を果たしております。このような連結決算プロセスの下で従来と同様の連結財務報告の品質を担保し、会社法上の法定スケジュール等へ対応した上で、当社グループ全体の財務報告期間の統一を行うには、当社グループ全体にわたる決算日程の更なる短縮が必要となります。その実現のために、電通イージス・ネットワークにおけるサブ連結決算の迅速化および当社への報告プロセスの変更に加え、当社における連結処理や注記情報を含む連結財務諸表作成工程の再構築およびそれに対応する適切な人員配置・人材育成、さらには決算承認プロセスの見直し等、当社グループ全体にわたる決算プロセス・システムの見直しおよび体制整備を実施しておりますが、当連結会計年度においては、報告期間の統一は実務上困難であると判断しております。
しかしながら、現在IFRSに共通化された会計基準の下で、内外一体となった決算・管理体制の強化・効率化を図るための取組みを当社グループ全体で推進しており、2015年度から当社および決算日が12月31日以外の子会社の決算日を12月31日に変更いたします。当該決算日の変更に伴い、報告期間の差異は解消いたします。
電通イージス・ネットワークの決算期と当社決算期との間には3ヶ月の期間差がありますが、報告期間の不一致が当社グループの連結財政状態および経営成績に与える影響は限定的であります。なお、当該期間差における重要な取引または事象については必要な調整を行い、財務諸表利用者が当社グループの連結財政状態および経営成績を適切に理解・把握するための適切な処置を行っております。
3.重要な会計方針
(1) 連結の基礎
① 子会社
子会社とは、当社グループにより支配されている企業であります。当社グループが他の企業の議決権の過半数を所有している場合には、原則として支配していると判断し、子会社に含めております。また、当社グループが保有する議決権が過半数未満の場合であっても、当社グループが他の企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャーまたは権利を有し、かつ、企業に対するパワーによりそのリターンに影響を及ぼす能力を有している場合に、当該企業を支配していると判断し、子会社に含めております。
子会社の財務諸表については、支配獲得日から支配喪失日までの期間を連結財務諸表に含めております。子会社が適用する会計方針が当社グループの会計方針と異なる場合には、当社グループの会計方針と整合させるため、必要に応じて当該子会社の財務諸表に調整を加えております。
連結財務諸表には、決算日を当社の決算日に統一することが実務上不可能であるため、当社の決算日と異なる日を決算日とする子会社の財務諸表が含まれております。当該子会社の決算日と当社の決算日の差異は3ヶ月を超えることはありません。連結財務諸表の作成に用いる子会社の財務諸表の決算日が当社の決算日と異なる場合、その子会社の決算日と当社の決算日との間に生じた重要な取引または事象については必要な調整を行っております。
支配が継続する子会社に対する当社グループの持分変動については資本取引として会計処理し、非支配持分の調整額と対価の公正価値との差額は、当社の株主に帰属する持分として資本に直接認識しております。
支配を喪失した場合には、支配の喪失から生じた利得および損失は損益で認識しております。
② 関連会社およびジョイント・ベンチャー
関連会社とは、当社グループがその財務および経営方針に対して重要な影響力を有しているものの、支配をしていない企業であります。当社グループが他の企業の議決権の20%以上50%以下を所有する場合には、原則として関連会社に含めております。
当社グループが保有する議決権が20%未満の場合であっても、役員の派遣等により、重要な影響力が認められると判断される場合には、関連会社に含めております。
ジョイント・ベンチャーとは、当社グループを含む複数の当事者が取決めに対する契約上合意された支配を共有し、関連性のある活動に関する意思決定に際して、支配を共有する当事者の一致した合意を必要としており、かつ、当社グループが当該取決めの純資産に対する権利を有している企業をいいます。
関連会社およびジョイント・ベンチャーへの投資は、持分法を適用して会計処理しております。関連会社およびジョイント・ベンチャーに対する投資は、持分法適用後の帳簿価額から減損損失累計額を控除した額をもって計上しており、帳簿価額には取得時に認識したのれんが含まれております。
連結財務諸表は、重要な影響力または共同支配の獲得日から喪失日までの関連会社およびジョイント・ベンチャーの損益およびその他の包括利益の変動に対する当社グループの持分を含んでおります。関連会社およびジョイント・ベンチャーが適用する会計方針が当社グループの会計方針と異なる場合には、当社グループの会計方針と整合させるため、必要に応じて当該持分法適用会社の財務諸表に調整を加えております。
連結財務諸表には、決算日を当社の決算日に統一することが実務上不可能であるため、当社の決算日と異なる日を決算日とする関連会社およびジョイント・ベンチャーへの投資が含まれております。関連会社およびジョイント・ベンチャーの決算日と当社の決算日との間に生じた重要な取引または事象については必要な調整を行っております。
関連会社またはジョイント・ベンチャーに対する重要な影響力を喪失し、持分法の適用を中止する場合は、売却持分に係る売却損益を損益として認識するとともに、残存している持分について公正価値で再測定し、当該評価差額をその期の損益として認識しております。
③ 連結上消去される取引
連結グループ内の債権債務残高および取引高、ならびに連結グループ内取引によって発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しております。関連会社およびジョイント・ベンチャーとの取引から発生した未実現損益は、被投資企業に対する当社持分を上限として投資から加減算しております。
(2) 企業結合
当社グループは、IFRS第1号の免除規定を適用し、移行日より前に発生した企業結合について、IFRS第3号「企業結合」を遡及適用しないことを選択しております。
移行日より前の取得により生じたのれんは、移行日に減損テストを実施した後の移行日現在の従前の会計基準(日本基準)による帳簿価額で計上されております。
企業結合は取得法を用いて会計処理しております。取得対価は、被取得企業の支配と交換に譲渡した資産、引き受けた負債および当社が発行する資本性金融商品の取得日の公正価値の合計として測定され、該当する場合は条件付対価を取得対価に含めております。
取得日において識別可能な資産及び負債は、以下を除き、取得日における公正価値で認識しております。
① 繰延税金資産(または繰延税金負債)及び従業員給付契約に関連する負債(または資産)は、それぞれIAS第12号「法人所得税」及びIAS第19号「従業員給付」に従って認識し測定しております。
② IFRS第5号「売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業」に従って売却目的に分類される資産または処分グループは、当該基準書に従って測定しております。
取得対価が識別可能な資産および負債の公正価値を上回る場合はのれんとして計上し、下回る場合には、直ちに損益として認識しております。
企業結合の当初の会計処理が企業結合が生じた決算日までに完了していない場合、当該完了していない項目については最善の見積りに基づく暫定的な金額で測定しております。取得日から1年以内の測定期間に入手した新たな情報が、取得日時点で認識された金額の測定に影響を及ぼすものである場合には、取得日時点で認識した暫定的な金額を遡及的に修正しております。
取得後の条件付対価の公正価値変動は、上記測定期間中の測定に該当する場合には取得コストを修正し、そうでない場合には公正価値の変動として損益に認識しております。
当社グループは、非支配持分を公正価値で測定するか、または識別可能な純資産の認識金額に対する非支配持分の比例割合で測定するかを個々の企業結合取引ごとに選択しております。
企業結合を達成するために取得企業で発生した費用は、負債性金融商品および資本性金融商品の発行に関連する費用を除き、発生時に損益で認識しております。
(3) 外貨換算
① 外貨建取引の換算
外貨建取引は、取引日における為替レートにて当社グループの各機能通貨に換算しております。
決算日における外貨建貨幣性資産および負債、公正価値で測定される外貨建非貨幣性資産および負債は、決算日の為替レートにて機能通貨に換算しており、この結果生じる換算差額は、損益に認識しております。
外貨建取得原価にて測定される非貨幣性項目は、取引日の為替レートにて換算しております。
② 在外営業活動体の換算
在外営業活動体の財務諸表については、資産および負債は報告期間の決算日の為替レートで円貨に換算し、収益および費用は著しい変動のない限り、対応する報告期間における平均為替レートで円貨に換算しております。この結果生じる換算差額は、その他の包括利益として認識し、その累計額はその他の資本の構成要素において認識しております。
当社グループの在外営業活動体が処分される場合、当該在外営業活動体に関連した為替換算差額の累計額は処分時に損益に振り替えております。
なお、子会社のうち、電通イージス・ネットワーク社などの決算日は12月31日であり、換算に用いる為替レートは、当該会社の決算日に基づいております。
当社グループは、IFRS第1号の免除規定を適用し、移行日の累積換算差額を利益剰余金に振り替えております。
(4) 金融商品
① デリバティブを除く金融資産
(ⅰ) 当初認識および測定
当社グループは、営業債権及びその他の債権を、これらの発生日に当初認識しております。その他のすべての金融資産は、当社グループが当該金融商品の契約当事者となった取引日に当初認識しております。
デリバティブを除く金融資産は、当該金融資産の当初認識時点において、以下2つの要件をともに満たすものを償却原価で測定する金融資産に分類し、それ以外のものを公正価値で測定する金融資産に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有することを目的とする事業モデルに基づいて、資産が保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本および元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
公正価値で測定する金融資産は、取得後の公正価値変動を損益に計上する金融資産(以下、「損益を通じて公正価値で測定する金融資産」)と取得後の公正価値変動をその他の包括利益に計上する金融資産(以下、「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産」)に分類しております。
当初認識時においてその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産として指定しない資本性金融資産、および償却原価測定の基準を満たさない負債性金融資産を損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。
売買目的保有でない資本性金融資産については、原則として当初認識時にその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産として指定しております。なお、当社グループはIFRS第1号の免除規定を適用し、移行日時点で存在する事実および状況に基づき、売買目的保有でない資本性金融資産をその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産として指定しております。
すべての金融資産は、損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類される場合を除き、公正価値に当該金融資産に直接起因する取引コストを加算した金額で測定しております。
(ⅱ) 事後測定
金融資産の当初認識後は、その分類に応じて以下のとおり測定しております。
(a) 償却原価で測定する金融資産
当初認識後、実効金利法による償却原価で測定しております。
(b) 損益を通じて公正価値で測定する金融資産
当初認識後、各決算日において公正価値で再測定し、公正価値の変動および配当金を損益として認識しております。
(c) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
当初認識後の公正価値の変動額をその他の包括利益として認識し、認識を中止した場合または公正価値が著しく下落した場合に利益剰余金に振り替えております。当該金融資産からの配当金については損益として認識しております。
(ⅲ) 認識の中止
金融資産は、便益を受領する権利が消滅した場合、または譲渡し所有に伴うすべてのリスクと経済価値が他の企業に移転した場合に認識を中止しております。
② 償却原価で測定する金融資産の減損
当社グループは、各報告日ごとに減損していることを示す客観的な証拠が存在するか評価を行っております。金融資産については、客観的な証拠によって損失事象が当該資産の当初認識後に発生したことが示され、かつ当該損失事象によってその金融資産の見積将来キャッシュ・フローにマイナスの影響が及ぼされることが合理的に予測できる場合に減損していると判定しております。
償却原価で測定する金融資産が減損していることを示す客観的な証拠には、債務者による支払不履行または滞納、返済額の減免または返済期限の延長、債務者の財政状態の著しい悪化、債務者の破産等を含んでおります。
償却原価で測定する金融資産の減損の証拠を、個々の資産ごとに検討するとともにグルーピングした単位としても検討しております。
償却原価で測定する金融資産の減損損失については、その帳簿価額と当該資産の当初の実効金利で割引いた将来キャッシュ・フローの見積りの現在価値との差額として測定し、損益で認識しております。減損損失認識後に減損損失を減額する事象が発生した場合は、減損損失の減少額を損益として戻し入れております。
なお、減損損失の認識は貸倒引当金を用いており、その後債権が回収不能であると判断した場合には、貸倒引当金と相殺して帳簿価額を直接減額しております。
③ デリバティブを除く金融負債
(ⅰ) 当初認識及び測定
当社グループは、当社グループが発行した負債証券を、その発行日に当初認識しております。その他の金融負債はすべて、当社グループが当該金融商品の契約の当事者になる取引日に認識しております。
デリバティブを除く金融負債は、当該金融負債の当初認識時点において、損益を通じて公正価値で測定する金融負債と償却原価で測定する金融負債とに分類しております。
すべての金融負債は公正価値で当初測定しておりますが、償却原価で測定する金融負債については、直接起因する取引コストを控除した金額で測定しております。
(ⅱ) 事後測定
金融負債は当初認識後に、その分類に応じて以下のとおり測定しております。
(a) 償却原価で測定する金融負債
当初認識後、実効金利法による償却原価で測定しております。
(b) 損益を通じて公正価値で測定する金融負債
当初認識後、各決算日において公正価値で再測定し、公正価値の変動は損益として認識しております。
(ⅲ) 認識の中止
金融負債は、義務が履行されたか、免除されたか、または失効した場合に認識を中止しております。
④ デリバティブ及びヘッジ会計
当社グループは、為替変動リスクや金利変動リスクをそれぞれヘッジするために、為替予約取引、金利スワップ取引等のデリバティブを利用しております。
当社グループは、ヘッジ開始時に、ヘッジ対象とヘッジ手段の関係ならびにヘッジに関するリスク管理目的および戦略について、指定および文書化を行っております。当該文書は、ヘッジ関係、リスク管理目的およびヘッジの実行に関する戦略ならびにヘッジの有効性の評価を含んでおります。
これらのヘッジは、公正価値またはキャッシュ・フローの変動を相殺する上で非常に有効であることが見込まれますが、ヘッジ期間中にわたり実際に非常に有効であったか否かを判断するために、継続的に評価しております。
デリバティブは公正価値で当初認識しております。また、当初認識後は公正価値で測定し、その事後的な変動は以下のとおり処理しております。
(ⅰ) 公正価値ヘッジ
デリバティブの公正価値変動は、損益として認識しております。
ヘッジされるリスクに起因するヘッジ対象の公正価値変動については、ヘッジ対象の帳簿価額を修正し、損益として認識しております。
(ⅱ) キャッシュ・フロー・ヘッジ
ヘッジ手段に係る利得および損失のうちヘッジが有効である部分については、公正価値の変動額をその他の包括利益に認識し、ヘッジ対象のキャッシュ・フローが損益に影響を与えた時点でヘッジ対象とともに損益に認識しております。
ヘッジが有効でない部分については、公正価値の変動額を損益に認識しております。
ヘッジ手段が失効、売却、終結または行使された場合、ヘッジがヘッジ会計の要件を満たしていない場合およびヘッジ指定を取り消した場合には、ヘッジ会計を中止しております。
(ⅲ) 在外営業活動体に対する純投資のヘッジ
在外営業活動体に対する純投資から発生する換算差額については、キャッシュ・フロー・ヘッジと同様の方法で会計処理しております。
ヘッジ手段に係る利得および損失のうち、有効部分はその他の包括利益で認識し、非有効部分は損益として認識しております。
在外営業活動体の処分時には、従来その他の包括利益を通じて資本として認識していた累積損益を損益に振り替えております。
(ⅳ) ヘッジ指定されていないデリバティブ
デリバティブの公正価値の変動は損益として認識しております。
⑤ 金融商品の相殺
金融資産と金融負債は、認識された金額を相殺する強制可能な法的権利が現時点で存在し、かつ純額ベースで決済するかまたは資産を実現すると同時に負債を決済する意図が存在する場合にのみ相殺し、純額で計上しております。
(5) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金および容易に換金可能であり、かつ価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されております。
(6) 棚卸資産
棚卸資産は主にスポーツ、エンタテインメントの作品および権利で構成され、取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い金額により測定しております。取得原価は主として個別法に基づいて算定しております。
(7) 有形固定資産(リース資産を除く)
有形固定資産の当初認識後の測定について原価モデルを採用しており、取得原価から減価償却累計額および減損損失累計額を控除した金額で測定しております。なお、一部の有形固定資産については、IFRS第1号の免除規定を適用し、移行日現在の公正価値をみなし原価として使用することを選択しております。
取得原価には、資産の取得に直接関連する費用、資産の解体、除去および原状回復費用が含まれております。
土地等の償却を行わない資産を除き、有形固定資産は見積耐用年数にわたり、主として定額法により減価償却を行っております。
主要な有形固定資産の見積耐用年数は、以下のとおりであります。
・建物及び構築物 : 3~100年
減価償却方法、耐用年数および残存価額は決算日において見直しを行い、必要に応じて改定しております。
(8) のれんおよび無形資産
① のれん
のれんは償却を行わず、取得原価から減損損失累計額を控除した金額で測定しております。
② 無形資産(リース資産を除く)
無形資産の当初認識後の測定について原価モデルを採用しており、取得原価から償却累計額および減損損失累計額を控除した金額で測定しております。
個別に取得した無形資産は、当初認識時に取得原価で測定し、企業結合で取得した無形資産の取得原価は、取得日時点の公正価値としております。
自己創設無形資産は、資産の認識規準を最初に満たした日以降に発生する支出の合計額を取得原価としております。
耐用年数を確定できない無形資産を除き、無形資産はそれぞれの見積耐用年数にわたり定額法で償却しております。
主要な無形資産の見積耐用年数は、以下のとおりであります。
・ソフトウェア : 3~5年
・顧客との関係 : 効果の及ぶ期間(主として18年)
有限の耐用年数を有する無形資産の償却方法および耐用年数は決算日において見直しを行い、必要に応じて改定しております。
(9) リース
リース取引のうち、所有に伴うリスクと経済価値が実質的にすべて当社グループに移転しているものはファイナンス・リースに分類し、ファイナンス・リース以外のリースはオペレーティング・リースに分類しております。
① ファイナンス・リース
リース資産およびリース債務は公正価値または最低支払リース料総額の現在価値のいずれか低い額で当初認識しております。
リース資産は、見積耐用年数とリース期間のいずれか短い年数にわたり、定額法で減価償却を行っております。また、最低支払リース料総額をリース債務元本相当分と利息相当分とに区分し、支払リース料の利息相当部分への各期の配分額は、実効金利法により算定しております。
② オペレーティング・リース
リース料は、リース期間にわたり、定額法によって認識しております。
(10) 投資不動産
投資不動産とは、賃貸収入またはキャピタル・ゲイン、もしくはその両方を得ることを目的として保有する不動産であります。
当社グループは投資不動産の当初認識後の測定について原価モデルを採用しており、取得原価から減価償却累計額および減損損失累計額を控除した金額で測定しております。なお、一部の投資不動産については、IFRS第1号の免除規定を適用し、移行日現在の公正価値をみなし原価として使用することを選択しております。
土地等の減価償却を行わない資産を除き、見積耐用年数にわたり主として定額法により減価償却を行っており、見積耐用年数は6年~50年であります。
減価償却方法、耐用年数および残存価額は、決算日において見直しを行い、必要に応じて改定しております。
(11) 非金融資産の減損
当社グループは決算日において、棚卸資産および繰延税金資産を除く非金融資産が減損している可能性を示す兆候があるか否かを判定し、減損の兆候が存在する場合には当該資産の回収可能価額に基づき減損テストを実施しております。
のれんおよび耐用年数の確定できない無形資産は償却を行わず、減損の兆候の有無にかかわらず年に一度、または減損の兆候がある場合はその都度、減損テストを実施しております。のれんの減損テストの詳細については、「13.のれんおよび無形資産」をご参照ください。
資産の回収可能価額は資産または資金生成単位の処分コスト控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い方の金額としており、資産が他の資産または資産グループから概ね独立したキャッシュ・インフローを生成しない場合を除き、個別の資産ごとに決定しております。
資産または資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を超過する場合には、当該資産は回収可能価額まで減額し、減損損失を認識しております。
のれんについて認識した減損損失は、以後の期間において戻入れを認識しておりません。のれん以外の資産について過年度に認識した減損損失については、決算日において、認識した減損損失がもはや存在しないまたは減少している可能性を示す兆候があるか否かを判定しております。このような兆候が存在する場合には、回収可能価額の見積りを行い、当該回収可能価額が資産の帳簿価額を上回る場合には、減損損失の戻入れを認識しております。減損損失の戻入れ額は、減損損失を認識しなかった場合の減価償却または償却控除後の帳簿価額を上限としております。
なお、持分法適用会社に対する投資の帳簿価額の一部を構成するのれんは区分して認識しないため、個別に減損テストを実施しておりません。持分法適用会社に対する投資が減損の兆候が存在する場合には、投資全体の帳簿価額について単一の資産として減損テストを行っております。
(12) 売却目的で保有する非流動資産
継続的使用ではなく、主に売却取引により回収される非流動資産または資産グループは、現状で直ちに売却することが可能であり、経営者が売却計画の実行を確約し、1年以内で売却が完了する予定である場合に売却目的保有に分類しております。
当社グループは売却目的保有に分類された非流動資産または資産グループを、帳簿価額と売却コスト控除後の公正価値のいずれか低い方の金額で測定しております。
(13) 退職後給付
当社グループは従業員の退職給付制度として確定給付制度および確定拠出制度を設けております。
確定給付制度については、確定給付制度債務の現在価値と制度資産の公正価値との純額を負債または資産として認識しております。
当社グループは確定給付制度債務の現在価値および関連する当期勤務費用ならびに過去勤務費用を、予測単位積増方式を使用して制度ごとに算定しております。割引率は、将来の毎年度の給付支払見込日までの期間を基に割引期間を設定し、割引期間に対応した決算日時点の優良社債の利回りに基づき算定しております。
確定給付型退職給付制度の勤務費用および利息費用は損益として認識し、利息純額の算定には前述の割引率を使用しております。また、確定給付型退職給付制度の再測定額は、発生した期においてその他の包括利益として認識し、過去勤務費用は、発生した期の損益として認識しております。
確定拠出型の退職給付に係る費用は、従業員が役務を提供した期間に損益として認識しております。
(14) 引当金
当社グループは、過去の事象の結果として現在の法的または推定的債務を有しており、債務の決済を要求される可能性が高く、かつ当該債務の金額について信頼性のある見積りが可能である場合に引当金を認識しております。
貨幣の時間価値の影響が重要である場合、引当金は当該負債に特有のリスクを反映させた割引率を用いた現在価値により測定しております。
(15) 収益
当社グループの収益の内訳は、主に各種メディアへの広告出稿によって得られる手数料、およびクリエーティブ・サービスを含む広告制作や各種コンテンツサービス等サービスの提供に対する広告主等からの報酬であります。
広告制作やその他の広告サービスによる収益は、当社グループがこれらサービスに対する報酬として広告主およびその他のクライアントから受領する対価から原価を控除した純額、あるいは定額または一定の報酬対価により計上しております。
手数料による収益については、メディアに広告出稿がなされた時点で収益に計上し、その他の収益については、サービスの提供が完了し、対価の測定が合理的に可能となり、経済的便益が流入する可能性が高くなった時点で計上しております。
なお、広告業以外の事業に係る取引は収益および原価を総額表示しております。
連結損益計算書に開示している売上高は当社グループが顧客に対して行った請求額および顧客に対する請求可能額の総額(割引および消費税等の関連する税金を除く)であり、IFRSに準拠した開示ではありません。
(16) 金融収益および金融費用
金融収益は主として、受取利息および受取配当金から構成され、受取利息は実効金利法に基づき発生時に認識し、受取配当金は配当を受ける権利が確定した時点で認識しております。
金融費用は主として借入金および社債に対する支払利息から構成され、支払利息は実効金利法に基づき発生時に認識しております。
(17) 法人所得税
法人所得税費用は当期法人所得税と繰延法人所得税から構成されております。これらは、その他の包括利益または資本で直接認識する項目から生じる場合および企業結合から生じる場合を除き、損益として認識しております。
当期法人所得税は、税務当局に対する納付もしくは税務当局から還付が予想される金額で測定され、税額の算定に使用する税率または税法は、決算日までに制定もしくは実質的に制定されているものであります。
繰延税金資産および負債は、資産および負債の会計上の帳簿価額と税務上の金額との一時差異に対して認識しております。企業結合以外の取引で、かつ会計上の損益および課税所得のいずれにも影響を及ぼさない取引における資産または負債の当初認識に係る差異については、繰延税金資産および負債を認識しておりません。さらに、のれんの当初認識において生じる将来加算一時差異についても、繰延税金負債を認識しておりません。
子会社、関連会社およびジョイント・ベンチャーに対する投資に係る将来加算一時差異について繰延税金負債を認識しております。ただし、一時差異の解消時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内において一時差異が解消しない可能性が高い場合には認識しておりません。子会社、関連会社およびジョイント・ベンチャーに係る将来減算一時差異から発生する繰延税金資産は、一時差異からの便益を利用するのに十分な課税所得があり、かつ予測可能な将来に解消されることが予期される可能性が高い範囲でのみ認識しております。
繰延税金資産および負債は、決算日に制定または実質的に制定されている税率に基づいて、当該資産が実現されるまたは負債が決済される年度に適用される税率を見積り、算定しております。
繰延税金資産は、税務上の繰越欠損金、繰越税額控除および将来減算一時差異のうち、将来の課税所得に対して利用できる可能性が高いものに限り認識しております。繰延税金資産は毎決算日に見直し、税務便益の実現が見込めないと判断される部分について減額しております。
繰延税金資産および負債は、当期税金資産と当期税金負債を相殺する法律上強制力のある権利を有し、かつ法人所得税が同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合に相殺しております。
(18) 資本
① 資本金および資本剰余金
当社が発行する資本性金融商品は、資本金および資本剰余金に計上しております。また、その発行に直接起因する取引費用は資本から控除しております。
② 自己株式
自己株式は取得原価で評価し、資本から控除して表示しており、自己株式の購入、売却または消却において損益は認識しておりません。
自己株式を売却した場合の帳簿価額と売却時の対価との差額は資本として認識しております。
(19) 1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益は、親会社の普通株主に帰属する当期利益を、その期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して算定しております。希薄化後1株当たり当期利益は、希薄化効果を有するすべての潜在株式の影響を調整して算定しております。
(20) 調整後営業利益
調整後営業利益は、営業利益から、買収に伴う無形資産の償却費、減損損失、固定資産の売却損益、買収に伴う費用等の一時的要因を排除した恒常的な事業の業績を測る利益指標であります。
調整後営業利益はIFRSで定義されている指標ではありませんが、経営者は当該情報が財務諸表利用者にとって有用であると考えていることから、連結損益計算書および「6.セグメント情報」に自主的に開示しております。
4.重要な会計上の判断、見積りおよび仮定
当社グループは、連結財務諸表を作成するために、会計方針の適用ならびに資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす判断、会計上の見積りおよび仮定を用いております。見積りおよび仮定は、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づく経営者の最善の判断に基づいております。しかしながら実際の結果は、その性質上、見積りおよび仮定と異なることがあります。
見積りおよびその基礎となる仮定は継続して見直されております。これらの見積りの見直しによる影響は、当該見積りを見直した期間および将来の期間において認識しております。
連結財務諸表に重要な影響を与える会計方針を適用する過程で行った判断に関する情報は、主に以下のとおりであります。
・子会社、関連会社およびジョイント・ベンチャーの範囲(「3.重要な会計方針 (1) 連結の基礎」)
・収益認識(「3.重要な会計方針 (15) 収益」)
連結財務諸表で認識する金額に重要な影響を与える見積りおよび仮定は、以下のとおりであります。
・有形固定資産、のれん、無形資産および投資不動産の減損(「12.有形固定資産」、「13.のれんおよび無形資産」および「15.投資不動産」)
・金融商品の評価(「31.金融商品」)
・確定給付制度債務の評価(「21.退職後給付」)
・引当金(「20.引当金」)
・繰延税金資産の回収可能性(「17.法人所得税」)
5.未適用の新基準書
連結財務諸表の承認日までに新設または改訂が行われた新基準書および新解釈指針のうち、当社グループが早期適用していない主なものは、以下のとおりであります。これらの適用による影響は、当連結財務諸表の作成時において評価中です。
基準書 | 基準名 | 強制適用時期 (以降開始年度) | 当社グループ 適用時期 | 新設・改定の概要 |
IAS第19号 | 従業員給付 | 2014年7月1日 | 2015年12月期 | 確定給付制度における従業員と第三者による拠出に関する改訂 |
IAS第1号 | 財務諸表の表示 | 2016年1月1日 | 2016年12月期 | 重要性に応じた開示の取り扱いの明確化 |
IAS第16号 | 有形固定資産 | 2016年1月1日 | 2016年12月期 | 許容可能な減価償却および償却の方法の明確化 |
IAS第38号 | 無形資産 | 2016年1月1日 | 2016年12月期 | 許容可能な減価償却および償却の方法の明確化 |
IFRS第11号 | 共同支配の取決め | 2016年1月1日 | 2016年12月期 | 共同支配事業の持分取得に関する会計処理の明確化 |
IFRS第15号 | 顧客との契約から生じる収益 | 2017年1月1日 | 2017年12月期 | 収益の認識に関する会計処理を改訂 |
IFRS第9号 | 金融商品 | 2018年1月1日 | 2018年12月期 | 金融商品の分類および測定、減損に関する規定ならびにヘッジ会計の改訂等 |
6.セグメント情報
(1) 報告セグメントの概要
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定および業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社グループは、主として広告を中心にコミュニケーションに関連するサービスを提供する事業を行っており、国内事業と海外事業に区分して管理をしております。
したがって、当社グループは「国内事業」、「海外事業」の2つを報告セグメントとしております。
(2) 報告セグメントに関する情報
報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「3.重要な会計方針」における記載と同一であります。
報告セグメントの利益は、営業利益から「買収により生じた無形資産の償却」および「その他の調整項目」を調整した利益をベースとしております。
セグメント間収益は市場実勢価格に基づいております。
移行日(2013年4月1日) | (単位:百万円) | ||||
国内事業 | 海外事業 | 計 | 調整額 | 連結 | |
セグメント資産(注)4 | 1,027,124 | 1,240,282 | 2,267,407 | △2,991 | 2,264,415 |
(その他の資産項目) | |||||
持分法で会計処理されている投資 | 43,146 | 7,926 | 51,072 | - | 51,072 |
前連結会計年度(自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) | (単位:百万円) | ||||
国内事業 | 海外事業 | 計 | 調整額 | 連結 | |
売上高(注)1 | 1,764,018 | 2,426,584 | 4,190,603 | △13,324 | 4,177,278 |
収益(注)2 | 381,749 | 291,347 | 673,097 | △13,324 | 659,772 |
売上総利益(注)3 | 328,305 | 287,097 | 615,402 | △748 | 614,654 |
セグメント利益(調整後営業利益)(注)3 | 77,573 | 48,011 | 125,585 | 8 | 125,593 |
(調整項目) | |||||
買収により生じた無形資産の償却 | - | - | - | - | △15,666 |
その他の調整項目 (販売費及び一般管理費)(注)5 | - | - | - | - | △2,910 |
その他の調整項目(その他の収益)(注)5 | - | - | - | - | 3,992 |
その他の調整項目(その他の費用)(注)5 | - | - | - | - | △3,726 |
営業利益 | - | - | - | - | 107,283 |
持分法による投資利益 | - | - | - | - | 4,745 |
金融収益 | - | - | - | - | 7,115 |
金融費用 | - | - | - | - | 8,345 |
税引前利益 | - | - | - | - | 110,797 |
(その他の損益項目) | |||||
減価償却費および償却費(買収により生じた無形資産の償却を除く) | 11,324 | 6,343 | 17,668 | - | 17,668 |
セグメント資産(注)4 | 1,045,410 | 1,686,339 | 2,731,750 | △45,816 | 2,685,933 |
(その他の資産項目) | |||||
持分法で会計処理されている投資 | 45,490 | 11,064 | 56,554 | - | 56,554 |
資本的支出 | 9,443 | 9,758 | 19,201 | - | 19,201 |
当連結会計年度(自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) | (単位:百万円) | ||||
国内事業 | 海外事業 | 計 | 調整額 | 連結 | |
売上高(注)1 | 1,798,523 | 2,869,699 | 4,668,222 | △25,832 | 4,642,390 |
収益(注)2 | 397,637 | 356,821 | 754,459 | △25,832 | 728,626 |
売上総利益(注)3 | 333,995 | 343,232 | 677,228 | △303 | 676,925 |
セグメント利益(調整後営業利益)(注)3 | 79,735 | 52,618 | 132,353 | △416 | 131,937 |
(調整項目) | |||||
買収により生じた無形資産の償却 | - | - | - | - | △19,784 |
その他の調整項目 (販売費及び一般管理費)(注)5 | - | - | - | - | △4,972 |
その他の調整項目(その他の収益)(注)5 | - | - | - | - | 33,275 |
その他の調整項目(その他の費用)(注)5 | - | - | - | - | △8,151 |
営業利益 | - | - | - | - | 132,305 |
持分法による投資利益 | - | - | - | - | 7,178 |
金融収益 | - | - | - | - | 7,067 |
金融費用 | - | - | - | - | 12,255 |
税引前利益 | - | - | - | - | 134,295 |
(その他の損益項目) | |||||
減価償却費および償却費(買収により生じた無形資産の償却を除く) | 12,855 | 7,750 | 20,606 | - | 20,606 |
セグメント資産(注)4 | 1,273,922 | 1,995,777 | 3,269,699 | △110,164 | 3,159,534 |
(その他の資産項目) | |||||
持分法で会計処理されている投資 | 43,705 | 9,337 | 53,042 | - | 53,042 |
資本的支出 | 8,845 | 12,824 | 21,669 | - | 21,669 |
(注) 1 売上高は当社グループが顧客に対して行った請求額および顧客に対する請求可能額の総額(割引および消費税等の関連する税金を除く)であります。
経営者は売上高の情報は財務諸表利用者にとって有用であると考えていることから、IFRSに準拠した開示ではないものの、自主的に開示しております。
2 収益の調整額は、セグメント間取引(売上高と同額)の消去によるものであります。
3 売上総利益およびセグメント利益(調整後営業利益)の調整額は、セグメント間取引の消去によるものであります。
4 セグメント資産の調整額は、セグメント間取引の消去によるものであります。
5 その他の調整項目(販売費及び一般管理費)、その他の調整項目(その他の収益)およびその他の調整項目(その他の費用)の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円) | ||
前連結会計年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) | |
その他の調整項目(販売費及び一般管理費) | ||
特別退職金 | 1,908 | 3,947 |
M&A関連コスト | 809 | 967 |
その他 | 193 | 56 |
合計 | 2,910 | 4,972 |
その他の調整項目(その他の収益) | ||
固定資産売却益 | 1,963 | 32,194 |
関係会社株式売却益 | 1,939 | 306 |
その他 | 90 | 775 |
合計 | 3,992 | 33,275 |
その他の調整項目(その他の費用) | ||
固定資産売却損 | 182 | 4,261 |
減損損失(注) | 2,005 | 1,824 |
その他 | 1,537 | 2,065 |
合計 | 3,726 | 8,151 |
(注) 減損損失のセグメントごとの内訳は、前連結会計年度では国内事業1,830百万円、海外事業175百万円であり、当連結会計年度では国内事業1,588百万円、海外事業235百万円であります。
(3) 製品およびサービスに関する情報
当社グループは、広告業として新聞、雑誌、ラジオ、テレビ、インターネット、セールスプロモーション、映画、屋外、交通その他すべての広告業務取扱いおよび広告表現に関する企画、制作ならびにマーケティング、PR、コンテンツサービス等のサービス活動の一切を行っております。また、情報サービス業として、情報サービスおよび情報関連商品の販売等を行っており、その他の事業として、事務所賃貸、ビルサービス、受託計算業務等を行っております。
製品およびサービスの区分ごとの外部顧客からの収益は、以下のとおりであります。
(単位:百万円) | ||
前連結会計年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) | |
広告業 | 596,519 | 658,657 |
情報サービス業 | 57,221 | 63,498 |
その他の事業 | 6,030 | 6,470 |
合計 | 659,772 | 728,626 |
(4) 非流動資産(有形固定資産、のれん、無形資産および投資不動産)の地域別情報
(単位:百万円) | |||
移行日 (2013年4月1日) | 前連結会計年度 (2014年3月31日) | 当連結会計年度 (2015年3月31日) | |
日本 | 245,597 | 243,042 | 230,612 |
海外(英国等) | 654,430 | 841,034 | 941,895 |
合計 | 900,028 | 1,084,076 | 1,172,508 |
非流動資産は当社グループ各社の所在地を基礎としております。
(5) 主要な顧客に関する情報
外部顧客への収益のうち、連結損益計算書の収益の10%以上を占める顧客が存在しないため、記載を省略しております。
7.現金及び現金同等物
移行日および各年度の現金及び現金同等物の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円) | |||
移行日 (2013年4月1日) | 前連結会計年度 (2014年3月31日) | 当連結会計年度 (2015年3月31日) | |
現金および預入期間が3カ月以内の 銀行預金 | 234,475 | 253,354 | 365,379 |
現金及び現金同等物は、償却原価で測定する金融資産に分類しております。
8.営業債権及びその他の債権
移行日および各年度の営業債権及びその他の債権の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円) | |||
移行日 (2013年4月1日) | 前連結会計年度 (2014年3月31日) | 当連結会計年度 (2015年3月31日) | |
受取手形および売掛金 | 816,251 | 1,033,955 | 1,196,242 |
その他 | 21,809 | 22,010 | 29,210 |
貸倒引当金 | △1,806 | △1,740 | △1,262 |
合計 | 836,253 | 1,054,225 | 1,224,190 |
連結財政状態計算書では、貸倒引当金控除後の金額で表示しております。
営業債権及びその他の債権は、償却原価で測定する金融資産に分類しております。
9.棚卸資産
移行日および各年度の棚卸資産の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円) | |||
移行日 (2013年4月1日) | 前連結会計年度 (2014年3月31日) | 当連結会計年度 (2015年3月31日) | |
仕掛品 | 12,483 | 13,395 | 25,126 |
その他 | 1,077 | 857 | 856 |
合計 | 13,561 | 14,253 | 25,982 |
10.その他の金融資産
(1) 移行日および各年度のその他の金融資産の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円) | |||
移行日 (2013年4月1日) | 前連結会計年度 (2014年3月31日) | 当連結会計年度 (2015年3月31日) | |
デリバティブ資産 | 16,850 | 14,875 | 21,515 |
株式 | 90,265 | 83,754 | 188,996 |
債券 | 752 | 705 | 705 |
その他 | 39,883 | 40,729 | 44,720 |
貸倒引当金 | △14,611 | △17,252 | △18,811 |
合計 | 133,140 | 122,812 | 237,126 |
流動資産 | 18,412 | 15,571 | 22,732 |
非流動資産 | 114,728 | 107,241 | 214,393 |
合計 | 133,140 | 122,812 | 237,126 |
連結財政状態計算書では、貸倒引当金控除後の金額で表示しております。
デリバティブ資産は損益を通じて公正価値で測定する金融資産(ヘッジ会計が適用されているものを除く)、株式はその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産、債券は償却原価で測定する金融資産、その他のうち3,747百万円(移行日)、3,626百万円(前連結会計年度)、3,110百万円(当連結会計年度)については、損益を通じて公正価値で測定する金融資産にそれぞれ分類しております。
(2) 移行日および各年度のその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の主な銘柄および公正価値等は以下のとおりであります。
(単位:百万円) | |
銘柄 | 移行日 (2013年4月1日) |
株式会社リクルートホールディングス | 28,500 |
東宝株式会社 | 7,408 |
株式会社デジタルガレージ | 5,024 |
株式会社ビットアイル | 4,394 |
(単位:百万円) | |
銘柄 | 前連結会計年度 (2014年3月31日) |
株式会社リクルートホールディングス | 28,500 |
株式会社デジタルガレージ | 5,801 |
(単位:百万円) | |
銘柄 | 当連結会計年度 (2015年3月31日) |
株式会社リクルートホールディングス | 112,500 |
株式会社デジタルガレージ | 6,078 |
株式は主に政策投資目的で保有しているため、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定しております。
保有資産の効率化および有効活用を図るため、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の売却(認識の中止)を行っております。
各年度における売却時の公正価値および資本でその他の包括利益として認識されていた累積損益は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2013年4月1日 至 2014年3月31日)
(単位:百万円) | |
公正価値 | 資本でその他の資本の構成要素と して認識されていた累積損益 |
10,833 | 5,116 |
当連結会計年度(自 2014年4月1日 至 2015年3月31日)
(単位:百万円) | |
公正価値 | 資本でその他の資本の構成要素と して認識されていた累積損益 |
2,520 | 766 |
資本でその他の資本の構成要素として認識されていた累積損益は、売却した場合および公正価値が著しく下落した場合に利益剰余金に振り替えております。
11.その他の流動資産
移行日および各年度のその他の流動資産に含まれる前渡金のうち12ヶ月を超えて損益に計上されるものは、以下のとおりであります。
(単位:百万円) | |||
移行日 (2013年4月1日) | 前連結会計年度 (2014年3月31日) | 当連結会計年度 (2015年3月31日) | |
12ヶ月を超えて損益への計上が予定 される前渡金 | 15,234 | 3,306 | 10,674 |
12.有形固定資産
(1) 増減表
各年度における有形固定資産の帳簿価額の期中増減は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2013年4月1日 至 2014年3月31日)
(単位:百万円) | ||||
建物及び構築物 | 土地 | その他 | 合計 | |
期首残高 | 72,644 | 117,490 | 12,349 | 202,484 |
個別取得 | 2,614 | - | 6,458 | 9,073 |
企業結合による取得 | 308 | - | 258 | 567 |
売却または処分 | △341 | △155 | △233 | △730 |
減価償却費 | △6,088 | - | △4,702 | △10,791 |
減損損失 | △892 | △16 | △171 | △1,080 |
為替換算差額 | 1,903 | 117 | 1,307 | 3,328 |
その他 | △408 | △165 | △377 | △951 |
期末残高 | 69,739 | 117,271 | 14,889 | 201,900 |
当連結会計年度(自 2014年4月1日 至 2015年3月31日)
(単位:百万円) | ||||
建物及び構築物 | 土地 | その他 | 合計 | |
期首残高 | 69,739 | 117,271 | 14,889 | 201,900 |
個別取得 | 6,417 | - | 6,857 | 13,275 |
企業結合による取得 | 510 | - | 352 | 862 |
売却または処分 | △1,265 | △388 | △334 | △1,987 |
減価償却費 | △6,225 | - | △5,080 | △11,306 |
減損損失 | △263 | △791 | △20 | △1,075 |
為替換算差額 | 1,305 | 49 | 578 | 1,933 |
その他 | △1,672 | △2,106 | △785 | △4,564 |
期末残高 | 68,546 | 114,034 | 16,456 | 199,037 |
移行日および各年度における有形固定資産の取得原価、減価償却累計額および減損損失累計額ならびに帳簿価額は、以下のとおりであります。
(単位:百万円) | ||||
建物及び構築物 | 土地 | その他 | 合計 | |
移行日(2013年4月1日) | ||||
取得原価 | 146,555 | 117,493 | 43,164 | 307,212 |
減価償却累計額および減損損失累計額 | 73,910 | 2 | 30,814 | 104,728 |
帳簿価額 | 72,644 | 117,490 | 12,349 | 202,484 |
前連結会計年度(2014年3月31日) | ||||
取得原価 | 149,866 | 117,274 | 49,077 | 316,217 |
減価償却累計額および減損損失累計額 | 80,126 | 2 | 34,188 | 114,317 |
帳簿価額 | 69,739 | 117,271 | 14,889 | 201,900 |
当連結会計年度(2015年3月31日) | ||||
取得原価 | 140,097 | 114,828 | 52,378 | 307,304 |
減価償却累計額および減損損失累計額 | 71,550 | 794 | 35,922 | 108,267 |
帳簿価額 | 68,546 | 114,034 | 16,456 | 199,037 |
なお、移行日および各年度の有形固定資産の帳簿価額の中には、以下のリース資産の帳簿価額が含まれております。
(単位:百万円) | |||
リース資産 | 建物及び構築物 | その他 | 合計 |
移行日(2013年4月1日) | - | 2,472 | 2,472 |
前連結会計年度(2014年3月31日) | 25 | 2,423 | 2,449 |
当連結会計年度(2015年3月31日) | 23 | 2,424 | 2,448 |
減価償却費は連結損益計算書の原価および販売費及び一般管理費に計上しております。
(2) 減損損失
有形固定資産は、報告セグメントを基礎に、概ね独立したキャッシュ・インフローを生み出す最小の資金生成単位でグルーピングを行っております。
当社グループは前連結会計年度において1,080百万円、当連結会計年度において1,075百万円の減損損失を計上しており、連結損益計算書のその他の費用に計上しております。
前連結会計年度における減損損失は、建物及び構築物、土地等について、収益性の低下または遊休化により、帳簿価額を回収可能価額まで減額したものであります。
当連結会計年度における減損損失は、建物及び構築物、土地等について、収益性の低下により、帳簿価額を回収可能価額まで減額したものであります。
13.のれんおよび無形資産
(1) 増減表
各年度におけるのれんおよび無形資産の帳簿価額の期中増減は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2013年4月1日 至 2014年3月31日)
(単位:百万円) | |||||
のれん | 顧客との関係 | ソフトウェア | その他 | 合計 | |
期首残高 | 431,732 | 155,285 | 17,696 | 46,915 | 651,630 |
個別取得 | - | - | 11,569 | 211 | 11,781 |
企業結合による取得 | 19,429 | 8,078 | 11 | 1,806 | 29,325 |
売却または処分 | △13,220 | △5,886 | △635 | △727 | △20,469 |
償却費 | - | △10,187 | △5,964 | △5,500 | △21,652 |
減損損失 | - | △123 | △284 | - | △407 |
為替換算差額 | 139,481 | 36,494 | 1,236 | 10,651 | 187,864 |
その他 | △406 | △216 | △404 | △524 | △1,551 |
期末残高 | 577,015 | 183,446 | 23,226 | 52,833 | 836,521 |
当連結会計年度(自 2014年4月1日 至 2015年3月31日)
(単位:百万円) | |||||
のれん | 顧客との関係 | ソフトウェア | その他 | 合計 | |
期首残高 | 577,015 | 183,446 | 23,226 | 52,833 | 836,521 |
個別取得 | - | - | 9,704 | 847 | 10,552 |
企業結合による取得 | 31,100 | 13,853 | 144 | 1,740 | 46,839 |
売却または処分 | - | - | △137 | △12 | △149 |
償却費 | - | △14,228 | △8,220 | △5,566 | △28,015 |
減損損失 | - | - | △509 | △234 | △744 |
為替換算差額 | 48,769 | 13,516 | 250 | 3,776 | 66,314 |
その他 | △320 | 279 | - | 32 | △7 |
期末残高 | 656,565 | 196,867 | 24,459 | 53,417 | 931,310 |
移行日および各年度におけるのれんおよび無形資産の取得原価、償却累計額および減損損失累計額ならびに帳簿価額は、以下のとおりであります。
(単位:百万円) | |||||
のれん | 顧客との関係 | ソフトウェア | その他 | 合計 | |
移行日(2013年4月1日) | |||||
取得原価 | 431,732 | 157,418 | 94,847 | 53,386 | 737,385 |
償却累計額および減損損失累計額 | - | 2,133 | 77,151 | 6,470 | 85,754 |
帳簿価額 | 431,732 | 155,285 | 17,696 | 46,915 | 651,630 |
前連結会計年度(2014年3月31日) | |||||
取得原価 | 577,015 | 197,930 | 102,224 | 64,495 | 941,665 |
償却累計額および減損損失累計額 | - | 14,484 | 78,998 | 11,662 | 105,144 |
帳簿価額 | 577,015 | 183,446 | 23,226 | 52,833 | 836,521 |
当連結会計年度(2015年3月31日) | |||||
取得原価 | 656,565 | 227,439 | 107,630 | 72,170 | 1,063,805 |
償却累計額および減損損失累計額 | - | 30,572 | 83,170 | 18,752 | 132,495 |
帳簿価額 | 656,565 | 196,867 | 24,459 | 53,417 | 931,310 |
なお、移行日および各年度の無形資産の帳簿価額の中には、以下のリース資産の帳簿価額が含まれております。
(単位:百万円) | |
リース資産 | ソフトウェア |
移行日(2013年4月1日) | 800 |
前連結会計年度(2014年3月31日) | 903 |
当連結会計年度(2015年3月31日) | 562 |
所有権に対する制限、および負債の担保として抵当権が設定された無形資産はありません。
償却費は連結損益計算書の原価および販売費及び一般管理費に計上しております。
(2) 重要なのれんおよび無形資産
のれんのうち、移行日、前連結会計年度および当連結会計年度において重要なものは、資金生成単位である海外事業セグメントののれんであり、移行日、前連結会計年度および当連結会計年度においてそれぞれ431,668百万円、576,977百万円および656,552百万円であります。
のれん以外の無形資産のうち、移行日、前連結会計年度および当連結会計年度において重要なものは、海外事業セグメントの顧客との関係であり、移行日、前連結会計年度および当連結会計年度においてそれぞれ155,285百万円、183,446百万円および196,867百万円であります。
(3) のれんの減損テスト
重要なのれんが配分された海外事業セグメントの回収可能価額は、経営陣により承認された翌事業年度の予算およびその後4ヶ年の業績予測を基礎とする使用価値に基づき算定しております。これを超える期間におけるキャッシュ・フローについては3.2%を継続成長率として設定しております。
使用価値の算定に使用した税引前の割引率は、前連結会計年度および当連結会計年度においてそれぞれ9.1%および8.9%であります。
当該のれんについては、当該資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を十分に上回っていることから、主要な仮定が合理的な範囲で変更されたとしても、それにより当該資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回る可能性は低いと予測しております。
(4) 減損損失
無形資産は、報告セグメントを基礎に、概ね独立したキャッシュ・インフローを生み出す最小の資金生成単位でグルーピングを行っております。
当社グループは前連結会計年度において407百万円、当連結会計年度において744百万円の減損損失を計上しており、連結損益計算書のその他の費用に計上しております。
前連結会計年度における減損損失は、ソフトウェアおよび顧客との関係について、収益性の低下により、帳簿価額を回収可能価額まで減額したものであります。
当連結会計年度における減損損失は、ソフトウェアおよびその他の無形資産について、収益性の低下により、帳簿価額を回収可能価額まで減額したものであります。
14.リース取引
当社グループは、借手として、建物、ソフトウェアおよびその他の資産を賃借しております。リース契約には更新オプションを含むものがありますが、エスカレーション条項を含む重要なリース契約はありません。また、リース契約によって課された重要な制限(追加借入および追加リースに関する制限等)はありません。
(1) ファイナンス・リース債務の現在価値
各返済期間において、ファイナンス・リース契約に基づいて計上されたリース資産に対応する将来最低リース料総額、将来財務費用および現在価値は、以下のとおりであります。
(単位:百万円) | |||
移行日 (2013年4月1日) | 前連結会計年度 (2014年3月31日) | 当連結会計年度 (2015年3月31日) | |
1年以内 | |||
将来最低リース料総額 | 1,305 | 1,379 | 1,263 |
将来財務費用 | 31 | 30 | 27 |
現在価値 | 1,273 | 1,348 | 1,236 |
1年超5年以内 | |||
将来最低リース料総額 | 2,186 | 2,212 | 2,030 |
将来財務費用 | 29 | 28 | 26 |
現在価値 | 2,156 | 2,183 | 2,004 |
5年超 | |||
将来最低リース料総額 | 8 | 6 | 5 |
将来財務費用 | 0 | 0 | 0 |
現在価値 | 7 | 5 | 5 |
合計 | |||
将来最低リース料総額 | 3,500 | 3,597 | 3,300 |
将来財務費用 | 61 | 60 | 54 |
現在価値 | 3,438 | 3,537 | 3,245 |
(2) 解約不能のオペレーティング・リースに基づく未経過リース料
移行日および各年度の解約不能のオペレーティング・リースに基づく将来最低リース料総額は、以下のとおりであります。
(単位:百万円) | |||
移行日 (2013年4月1日) | 前連結会計年度 (2014年3月31日) | 当連結会計年度 (2015年3月31日) | |
1年以内 | 12,580 | 14,983 | 17,041 |
1年超5年以内 | 34,001 | 39,229 | 52,077 |
5年超 | 29,439 | 29,127 | 32,964 |
合計 | 76,021 | 83,341 | 102,083 |
(3) 最低リース料総額
前連結会計年度および当連結会計年度におけるオペレーティング・リースに係る最低リース料総額は、それぞれ20,729百万円および21,916百万円であります。
15.投資不動産
(1) 増減表
各年度における、投資不動産の帳簿価額の増減は、以下のとおりであります。
(単位:百万円) | ||
前連結会計年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) | |
期首残高 | 45,913 | 45,655 |
取得 | 85 | 24 |
有形固定資産からの振替 | 472 | 3,769 |
減価償却 | △802 | △1,004 |
売却または処分 | △11 | △6,285 |
その他 | △2 | ― |
期末残高 | 45,655 | 42,160 |
取得価額(期首残高) | 57,638 | 59,047 |
減価償却累計額および減損損失累計額 (期首残高) | 11,724 | 13,392 |
取得価額(期末残高) | 59,047 | 53,854 |
減価償却累計額および減損損失累計額(期末残高) | 13,392 | 11,694 |
(2) 公正価値
移行日および各年度における、投資不動産の帳簿価額および公正価値は、以下のとおりであります。
(単位:百万円) | ||||||
移行日 (2013年4月1日) | 前連結会計年度 (2014年3月31日) | 当連結会計年度 (2015年3月31日) | ||||
帳簿価額 | 公正価値 | 帳簿価額 | 公正価値 | 帳簿価額 | 公正価値 | |
投資不動産(レベル3) | 45,913 | 47,055 | 45,655 | 48,552 | 42,160 | 47,715 |
投資不動産の公正価値は、主として、割引キャッシュ・フロー法および観察可能な類似資産の市場取引価格等に基づいた不動産鑑定評価によって算定しております。
投資不動産は、測定に使用したインプットの観察可能性および重要性に応じて、公正価値ヒエラルキーの3つのレベルに分類しております。
公正価値のヒエラルキーは以下のように定義しております。
レベル1: 活発な市場における公表価格により測定した公正価値
レベル2: レベル1以外の直接または間接的に観察可能なインプットを使用して測定した公正価値
レベル3: 観察可能でないインプットを使用して測定した公正価値
各年度における投資不動産の公正価値ヒエラルキーはレベル3に該当しております。
(3) 投資不動産からの収益および費用
各年度における、投資不動産からの賃貸料収入およびそれに伴って発生する直接営業費の金額は、以下のとおりであります。
(単位:百万円) | ||
前連結会計年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) | |
賃貸料収入 | 2,903 | 2,647 |
直接営業費 | 1,935 | 2,516 |
16.持分法で会計処理されている投資
移行日および各年度の関連会社およびジョイント・ベンチャーに対する投資の帳簿価額は、以下のとおりであります。
(単位:百万円) | |||
移行日 (2013年4月1日) | 前連結会計年度 (2014年3月31日) | 当連結会計年度 (2015年3月31日) | |
帳簿価額合計 | 51,072 | 56,554 | 53,042 |
各年度の関連会社およびジョイント・ベンチャーに関する財務情報は、以下のとおりであります。なお、これらの金額は、当社グループの持分比率勘案後のものであります。
(単位:百万円) | ||
前連結会計年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) | |
当期利益 | 4,745 | 7,178 |
その他の包括利益 | 1,971 | 373 |
当期包括利益 | 6,716 | 7,551 |
一部の持分法適用先の損失について、その累計額が帳簿価額を超過しているため損失を認識しておりません。
各年度の当該投資に対する損失の未認識額および累積未認識額は以下のとおりであります。
(単位:百万円) | ||
前連結会計年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) | |
損失の未認識額 | ― | 76 |
(単位:百万円) | |||
移行日 (2013年4月1日) | 前連結会計年度 (2014年3月31日) | 当連結会計年度 (2015年3月31日) | |
損失の累積未認識額 | 107 | 123 | 207 |
17.法人所得税
(1) 繰延税金資産および繰延税金負債
移行日および各年度の繰延税金資産および繰延税金負債の発生の主な原因別内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円) | |||
移行日 (2013年4月1日) | 前連結会計年度 (2014年3月31日) | 当連結会計年度 (2015年3月31日) | |
繰延税金資産 | |||
退職給付に係る負債 | 47,785 | 46,716 | 33,830 |
未払費用 | 12,757 | 14,266 | 12,704 |
欠損金の繰越控除額 | 7,406 | 6,650 | 6,603 |
その他 | 16,945 | 11,360 | 8,719 |
繰延税金資産合計 | 84,894 | 78,995 | 61,858 |
繰延税金負債 | |||
退職給付信託設定益 | △16,556 | △16,539 | △14,701 |
有価証券評価差額金 | △8,599 | △8,672 | △38,364 |
無形資産時価評価差額 | △40,180 | △45,822 | △55,269 |
その他 | △11,830 | △14,885 | △12,260 |
繰延税金負債合計 | △77,166 | △85,919 | △120,596 |
繰延税金資産(△負債)の純額 | 7,728 | △6,923 | △58,737 |
各年度の繰延税金資産または繰延税金負債の純額の変動の内容は、以下のとおりであります。
(単位:百万円) | ||
前連結会計年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) | |
繰延税金資産の純額 | ||
期首残高 | 7,728 | △6,923 |
繰延法人所得税 | 2,561 | △8,235 |
その他の包括利益の各項目に関する繰延税金 | ||
在外営業活動体の換算差額 | - | 23 |
キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値の変動額の有効部分 | 20 | △743 |
その他の包括利益を通じて測定する金融資産の公正価値の純変動 | △893 | △30,845 |
確定給付型退職給付制度の再測定額 | △1,795 | △5,088 |
企業結合等に伴う繰延税金資産(負債)の増減等 | △14,544 | △6,924 |
期末残高 | △6,923 | △58,737 |
繰延税金資産の認識にあたり、将来加算一時差異、将来課税所得計算およびタックスプランニングを考慮しております。
移行日および各年度における連結財政状態計算書上で繰延税金資産が認識されていない、将来減算一時差異および税務上の繰越欠損金の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円) | |||
移行日 (2013年4月1日) | 前連結会計年度 (2014年3月31日) | 当連結会計年度 (2015年3月31日) | |
将来減算一時差異 | 10,247 | 13,920 | 12,210 |
税務上の繰越欠損金 | 53,188 | 62,045 | 70,440 |
移行日および各年度における連結財政状態計算書上で繰延税金資産が認識されていない、税務上の繰越欠損金の失効期限別内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円) | |||
移行日 (2013年4月1日) | 前連結会計年度 (2014年3月31日) | 当連結会計年度 (2015年3月31日) | |
1年目 | 774 | 2,705 | 53 |
2年目 | 5 | 233 | 16,634 |
3年目 | 2 | 14,325 | 558 |
4年目 | 12,192 | 484 | 564 |
5年目 | 1,058 | 615 | 1,131 |
5年超 | 1,965 | 7,129 | 4,291 |
失効期限の定めなし | 37,189 | 36,551 | 47,206 |
合計 | 53,188 | 62,045 | 70,440 |
移行日、前連結会計年度および当連結会計年度において繰延税金負債を認識していない子会社等に対する投資に係る将来加算一時差異の合計額は、それぞれ92,665百万円、139,637百万円および140,079百万円であります。
これらは当社グループが一時差異を解消する時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に当該一時差異が解消しない可能性が高いことから、繰延税金負債を認識しておりません。
(2) 法人所得税費用
各年度の法人所得税費用の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円) | ||
前連結会計年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) | |
当期法人所得税 | 44,425 | 41,414 |
繰延法人所得税 | △2,561 | 8,235 |
繰延法人所得税費用は、国内の税率変更の影響により前連結会計年度695百万円増加、当連結会計年度3,847百万円増加しております。
(3) 実効税率の調整
各年度の法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との差異について、原因となった主な項目の内訳は、以下のとおりであります。
当社は、主に法人税、住民税及び事業税を課されており、これらを基礎として計算した法定実効税率は、前連結会計年度において38.0%、当連結会計年度において36.0%となっております。なお、当連結会計年度より復興特別法人税が廃止されております。ただし、海外子会社についてはその所在地における法人税等が課されております。
(単位:%) | ||
前連結会計年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) | |
法定実効税率 | 38.0 | 36.0 |
(調整) | ||
交際費等永久に損金に算入されない項目 | 1.8 | 2.9 |
受取配当金等永久に益金に算入されない項目 | △1.1 | △1.0 |
持分法による投資利益 | △1.6 | △1.9 |
税率変更による期末繰延税金資産の減額修正 | 0.6 | 2.9 |
その他 | 0.1 | △1.9 |
税効果会計適用後の法人税等の負担率 | 37.8 | 37.0 |
18.営業債務及びその他の債務
(1) 移行日および各年度の営業債務及びその他の債務の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円) | |||
移行日 (2013年4月1日) | 前連結会計年度 (2014年3月31日) | 当連結会計年度 (2015年3月31日) | |
支払手形および買掛金 | 785,377 | 989,805 | 1,161,112 |
その他 | 55,417 | 57,991 | 70,107 |
合計 | 840,795 | 1,047,796 | 1,231,220 |
.
営業債務及びその他の債務は、償却原価で測定する金融負債に分類しております。
(2) 負債の担保に供している資産
移行日および各年度の担保に供している資産およびそれに対応する債務は、以下のとおりであります。
(単位:百万円) | |||
担保に供している資産 | 移行日 (2013年4月1日) | 前連結会計年度 (2014年3月31日) | 当連結会計年度 (2015年3月31日) |
その他の金融資産(流動資産) | 132 | 126 | 72 |
その他の金融資産(非流動資産) | 0 | 0 | ― |
合計 | 132 | 126 | 72 |
(単位:百万円) | |||
対応する債務 | 移行日 (2013年4月1日) | 前連結会計年度 (2014年3月31日) | 当連結会計年度 (2015年3月31日) |
支払手形および買掛金 | 325 | 315 | 634 |
対応する債務以外では官報にかかわる取引保証、または当座預金開設のために担保に供しております。
19.社債及び借入金(その他の金融負債含む)
金融負債の内訳
移行日および各年度の社債及び借入金およびその他の金融負債の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円) | ||||
移行日 (2013年4月1日) | 前連結会計年度 (2014年3月31日) | 当連結会計年度 (2015年3月31日) | 返済期限 | |
デリバティブ負債 | 3,242 | 12,244 | 27,848 | ― |
1年内償還予定の社債(注) | ― | 8,050 | 4,413 | ― |
社債(注) | 96,420 | 10,536 | 7,955 | ― |
短期借入金 | 31,797 | 49,410 | 39,214 | ― |
1年内返済予定の長期借入金 | 27,300 | 5,106 | 30,026 | ― |
長期借入金 | 83,792 | 291,863 | 328,009 | 2016年~2023年 |
Aegis Group plcの株式取得に伴う未払金 | 295,401 | ― | ― | ― |
その他 | 94,550 | 88,669 | 95,999 | ― |
合計 | 632,504 | 465,880 | 533,466 | ― |
流動負債 | 400,259 | 100,714 | 127,735 | |
非流動負債 | 232,245 | 365,166 | 405,730 | |
合計 | 632,504 | 465,880 | 533,466 |
デリバティブ負債は損益を通じて公正価値で測定する金融負債(ヘッジ会計が適用されているものを除く)に分類しております。
社債及び借入金は償却原価で測定する金融負債に分類しております。当連結会計年度の短期借入金および長期借入金(1年内返済予定を含む)の平均利率は、それぞれ3.12%および1.45%であります。
その他のうち、56,108百万円(移行日)、63,619百万円(前連結会計年度)、64,790百万円(当連結会計年度)については、損益を通じて公正価値で測定する金融負債に分類しております。
社債及び借入金に関し、当社グループの財務活動に重大な影響を及ぼす財務制限条項は付されておりません。
(注) 社債の発行条件の要約は、以下のとおりであります。
(単位:百万円) | ||||||||
会社名 | 銘柄 | 発行年月日 | 移行日 (2013年4月1日) | 前連結会計年度(2014年3月31日) | 当連結会計年度(2015年3月31日) | 利率 (%) | 担保 | 償還期限 |
Dentsu Aegis Network Ltd. | Senior Unsecured Notes Series B | 2005年7月28日 | 10,749 {118百万USドル} | 3,687 {35百万USドル} | 4,413 {35百万USドル} | 5.50 | 無担保 社債 | 2015年7月28日 (注)2 |
Dentsu Aegis Network Ltd. | Senior Unsecured Notes Series C | 2005年7月28日 | 5,921 {65百万USドル} | ― | ― | 5.65 | 無担保 社債 | 2017年7月28日 (注)3 |
Dentsu Aegis Network Ltd. | Senior Unsecured Notes Series A | 2007年9月17日 | 6,832 {75百万USドル} | 8,050 {75百万USドル} | ― | 6.06 | 無担保 社債 | 2014年9月17日 |
Dentsu Aegis Network Ltd. | Senior Unsecured Notes Series B | 2007年9月17日 | 4,554 {50百万USドル} | 5,268 {50百万USドル} | 6,001 {50百万USドル) | 6.29 | 無担保 社債 | 2017年9月17日 |
Dentsu Aegis Network Ltd. | Senior Unsecured Notes Series A | 2009年12月17日 | 5,484 {25百万ポンド} | ― | ― | 6.39 | 無担保 社債 | 2017年12月17日 (注)3 |
Dentsu Aegis Network Ltd. | Senior Unsecured Notes Series B | 2009年12月17日 | 1,639 {18百万USドル} | ― | ― | 6.07 | 無担保 社債 | 2017年12月17日 (注)3 |
Dentsu Aegis Network Ltd. | Senior Unsecured Notes Series C | 2009年12月17日 | 15,030 {165百万USドル} | 1,580 {15百万USドル} | 1,953 {15百万USドル} | 6.50 | 無担保 社債 | 2019年12月17日 (注)2 |
Aegis Group Capital (Jersey) Ltd. | AEGIS GROUP CAPITAL (JERSEY) LIMITED 2.50 PER CENT. GUARANTEED CONVERTIBLE BOND DUE 2015 | 2010年4月20日 | 46,207 {331百万ポンド} | ― | ― | 2.50 | 無担保 社債 | 2015年4月20日 (注)4 |
合計 | ― | ― | 96,420 {491百万USドル および 356百万ポンド} | 18,587 {175百万USドル} | 12,368 {100百万USドル} | ― | ― | ― |
(注) 1 外国において発行したものであるため、移行日、前連結会計年度および当連結会計年度の{ }は内書きで、外貨建ての金額を付記しております。
2 支配株主の異動により、2013年4月25日付で移行日残高の一部である233百万USドルを早期償還しております。
3 支配株主の異動により、2013年4月25日付で全額を早期償還しております。
4 支配株主の異動により、2013年4月17日付で当社が全額買取しております。
20.引当金
各年度の引当金の内訳および増減は、以下のとおりであります。
前連結会計年度(自 2013年4月1日 至 2014年3月31日)
(単位:百万円) | |||||
資産除去引当金 | 訴訟損失引当金 | 事業再編損失 引当金 | その他の引当金 | 合計 | |
期首残高 | 905 | 2,577 | 2,270 | 294 | 6,047 |
期中増加額 | 25 | ― | ― | 108 | 134 |
割引計算の期間利息費用 | 14 | ― | ― | ― | 14 |
目的使用による減少 | △7 | △2,577 | △2,417 | △237 | △5,240 |
戻入による減少 | △38 | ― | △61 | ― | △99 |
在外営業活動体の換算差額 | ― | ― | 208 | ― | 208 |
期末残高 | 900 | ― | ― | 165 | 1,065 |
流動負債 | 47 | ― | ― | 165 | 213 |
非流動負債 | 852 | ― | ― | ― | 852 |
合計 | 900 | ― | ― | 165 | 1,065 |
当連結会計年度(自 2014年4月1日 至 2015年3月31日)
(単位:百万円) | |||||
資産除去引当金 | 訴訟損失引当金 | 事業再編損失 引当金 | その他の引当金 | 合計 | |
期首残高 | 900 | ― | ― | 165 | 1,065 |
期中増加額 | 255 | ― | ― | 3,768 | 4,024 |
割引計算の期間利息費用 | 15 | ― | ― | ― | 15 |
目的使用による減少 | △56 | ― | ― | △229 | △286 |
戻入による減少 | △3 | ― | ― | △17 | △21 |
在外営業活動体の換算差額 | ― | ― | ― | 38 | 38 |
期末残高 | 1,110 | ― | ― | 3,725 | 4,836 |
流動負債 | 76 | ― | ― | 132 | 208 |
非流動負債 | 1,034 | ― | ― | 3,593 | 4,627 |
合計 | 1,110 | ― | ― | 3,725 | 4,836 |
① 資産除去引当金
当社グループが使用するオフィスの賃貸借契約等に対する原状回復義務に備えて、過去の実績に基づき将来支払うと見込まれる金額を計上しております。
これらの費用は主に1年以上経過した後に支払われることが見込まれておりますが、将来の事業計画等により影響を受けます。
② 訴訟損失引当金
訴訟に関連するものであります。
③ 事業再編損失引当金
主に海外事業に関し一部の事業の再編に伴い発生することが見込まれる損失に関連するものであります。
21.退職後給付
当社グループは、確定給付型の制度として、企業年金基金制度、適格退職年金制度、確定給付企業年金制度および退職一時金制度を設けております。
企業年金基金制度、適格退職年金制度、確定給付企業年金制度は、法令に従い、当社グループと法的に分離された年金基金により運営されております。
当社グループまたは年金基金の理事会および年金運用受託機関は、制度加入者の利益を最優先にして行動することが法令により求められており、所定の方針に基づき制度資産の運用を行う責任を負っております。
当社グループは、法令等により年金給付を行う企業年金基金への掛金の拠出等の義務が課されております。
当社においては企業年金基金制度および退職一時金制度について任意に退職給付信託を設定しております。
また、一部の国内連結子会社は、確定拠出型の制度として確定拠出年金制度を設けており、一部の在外連結子会社は、確定拠出型の退職給付制度を設けております。
なお、当社は2015年4月1日に、確定給付企業年金制度の一部について確定拠出年金制度に移行しております。
(1) 確定給付制度債務および制度資産の調整表
移行日および各年度の確定給付制度債務および制度資産と連結財政状態計算書に計上された退職給付に係る負債および資産との関係は、以下のとおりであります。
(単位:百万円) | |||
移行日 (2013年4月1日) | 前連結会計年度 (2014年3月31日) | 当連結会計年度 (2015年3月31日) | |
積立型の確定給付制度債務 | 149,759 | 155,438 | 164,439 |
制度資産 | △105,354 | △115,329 | △149,463 |
小計 | 44,404 | 40,108 | 14,976 |
非積立型の確定給付制度債務 | 12,375 | 13,077 | 14,110 |
合計 | 56,780 | 53,185 | 29,086 |
連結財政状態計算書上の金額 | |||
退職給付に係る負債 | 57,169 | 53,185 | 43,674 |
退職給付に係る資産 | △389 | ― | △14,588 |
連結財政状態計算書に計上された負債と資産の純額 | 56,780 | 53,185 | 29,086 |
(2) 確定給付制度債務の調整表
各年度の確定給付制度債務の増減は、以下のとおりであります。
(単位:百万円) | ||
前連結会計年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) | |
期首残高 | 162,134 | 168,515 |
当期勤務費用 | 8,585 | 8,342 |
利息費用 | 2,013 | 2,144 |
数理計算上の差異(注) | 4,076 | 6,972 |
給付の支払額 | △7,371 | △8,235 |
過去勤務費用 | ― | 516 |
在外営業活動体の換算差額 | 521 | 74 |
企業結合及び処分の影響額 | △1,071 | 17 |
その他 | △372 | 202 |
期末残高 | 168,515 | 178,550 |
(注) 確定給付制度債務に係る数理計算上の差異は、主として財務上の仮定の変化により発生しております。
移行日および各年度の確定給付制度債務の加重平均デュレーションは、以下のとおりであります。
(単位:年) | |||
移行日 (2013年4月1日) | 前連結会計年度 (2014年3月31日) | 当連結会計年度 (2015年3月31日) | |
加重平均デュレーション | 12.5 | 12.4 | 9.1 |
(3) 制度資産の調整表
各年度の制度資産の増減は、以下のとおりであります。
(単位:百万円) | ||
前連結会計年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) | |
期首残高 | 105,354 | 115,329 |
利息収益 | 1,362 | 1,562 |
制度資産に係る収益(利息収益を除く) | 8,761 | 19,575 |
事業主からの拠出額 | 3,424 | 6,891 |
確定拠出年金制度への移行に伴う拠出額 | ― | 8,872 |
給付の支払額 | △3,133 | △3,102 |
在外営業活動体の換算差額 | 227 | 111 |
企業結合及び処分の影響額 | △746 | 10 |
その他 | 79 | 213 |
期末残高 | 115,329 | 149,463 |
なお、当社グループは2015年12月期に606百万円の掛金を拠出する予定であります。
(4) 制度資産の主な内訳
移行日および各年度の制度資産合計に対する主な分類ごとの内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円) | |||||||||
移行日 (2013年4月1日) | 前連結会計年度 (2014年3月31日) | 当連結会計年度 (2015年3月31日) | |||||||
活発な市場における公表市場価格があるもの | 活発な市場における公表市場価格がないもの | 合計 | 活発な市場における公表市場価格があるもの | 活発な市場における公表市場価格がないもの | 合計 | 活発な市場における公表市場価格があるもの | 活発な市場における公表市場価格がないもの | 合計 | |
株式 | 58,442 | 5 | 58,448 | 65,965 | 7 | 65,972 | 85,053 | 5 | 85,059 |
債券 | 11,962 | 3,773 | 15,736 | 14,033 | 2,968 | 17,001 | 16,770 | 2,928 | 19,699 |
生保一般勘定 | ― | 19,804 | 19,804 | ― | 20,073 | 20,073 | ― | 20,481 | 20,481 |
その他 | ― | 11,365 | 11,365 | ― | 12,282 | 12,282 | ― | 24,224 | 24,224 |
合計 | 70,405 | 34,949 | 105,354 | 79,999 | 35,330 | 115,329 | 101,824 | 47,639 | 149,463 |
(注) 移行日、前連結会計年度、当連結会計年度の制度資産合計には、企業年金基金制度および退職一時金制度に対して設定した退職給付信託がそれぞれ50,448百万円, 56,102百万円, 71,328百万円含まれております。 また、株式および債券は主として国内に属するものであります。
制度資産の運用にあたっては給付を行うに十分な資産を確保し、許容可能なリスクのもとで、長期的な拠出金負担の軽減と給付の改善を図ることを目的としております。この運用目的を達成するため、中長期的な基金財政の将来推計に留意し、年金資産運用の不確実性が年金財政に与える影響(不足金発生の可能性等)および年金資産の収益率の不確実性の許容される程度について十分な検討を行っております。
この運用の目標を達成するため、投資対象として相応しい資産の期待収益率を予測した上で、将来にわたる最適な政策的資産構成割合(以下、政策資産配分)を策定し、運用受託機関の選定、資産配分状況のモニタリングなどにより資産運用状況を管理しております。政策資産配分については毎年検証を行い、策定時の諸条件が変化した場合は、必要に応じて見直しを行っております。
(5) 数理計算上の仮定に関する事項
移行日および各年度の数理計算上の仮定の主要なものは、以下のとおりであります。
(単位:%) | |||
移行日 (2013年4月1日) | 前連結会計年度 (2014年3月31日) | 当連結会計年度 (2015年3月31日) | |
割引率 | 1.3 | 1.4 | 1.1 |
(注) 主要な基礎率の変化が各年度における確定給付制度債務に与える感応度は以下のとおりであります。この分析は、その他の変数が一定との前提を置いておりますが、実際には独立して変化するとは限りません。
なお、マイナスは確定給付制度債務の減少を、プラスは確定給付制度債務の増加を表しております。
(単位:百万円) | |||
基礎率の変化 | 前連結会計年度 (2014年3月31日) | 当連結会計年度 (2015年3月31日) | |
割引率 | 0.5%の上昇 | △9,013 | △9,652 |
0.5%の低下 | 9,930 | 10,663 |
(6) 確定拠出制度等
前連結会計年度および当連結会計年度における連結子会社の確定拠出型年金制度の拠出に係る費用計上額は、それぞれ3,581百万円、4,263百万円であります。
22.資本およびその他の資本項目
(1) 資本金
① 授権株式数
移行日、前連結会計年度および当連結会計年度における授権株式数は、普通株式1,100,000,000株であります。
② 全額払込済みの発行済株式
各年度の発行済株式数の増減は、以下のとおりであります。
発行済普通株式数 (株) | |
移行日(2013年4月1日) | 278,184,000 |
増減 | 10,226,000 |
前連結会計年度(2014年3月31日) | 288,410,000 |
増減 | ― |
当連結会計年度(2015年3月31日) | 288,410,000 |
前連結会計年度の発行済株式数の増加は、募集による新株発行8,000,000株およびオーバーアロットメントによる当社株式の売出しに関連して行った第三者割当増資2,226,000株によるものです。
なお、当社の発行する株式は、すべて権利内容に何ら限定のない無額面の普通株式であります。
(2) 自己株式
各年度の自己株式数は、以下のとおりであります。
株式数 (株) | |
移行日(2013年4月1日) | 29,035,042 |
前連結会計年度(2014年3月31日) | 42,703 |
当連結会計年度(2015年3月31日) | 48,602 |
(3) 剰余金
① 資本剰余金
日本における会社法では、株式の発行に対しての払込または給付した額の2分の1以上を資本金に組み入れ、残りは資本剰余金に含まれる資本準備金に組み入れることが規定されております。
② 利益剰余金
会社法では、剰余金の配当として支出する金額の10分の1を、資本準備金および利益剰余金に含まれる利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまで、資本準備金または利益準備金として積み立てることが規定されています。
23.配当金
(1) 配当金支払額
前連結会計年度(自 2013年4月1日 至 2014年3月31日)
決議 | 株式の種類 | 配当金の総額 (百万円) | 1株当たり配当額 (円) | 基準日 | 効力発生日 |
2013年6月27日 定時株主総会 | 普通株式 | 3,986 | 16.00 | 2013年3月31日 | 2013年6月28日 |
2013年11月13日 取締役会 | 普通株式 | 4,613 | 16.00 | 2013年9月30日 | 2013年12月5日 |
当連結会計年度(自 2014年4月1日 至 2015年3月31日)
決議 | 株式の種類 | 配当金の総額 (百万円) | 1株当たり配当額 (円) | 基準日 | 効力発生日 |
2014年6月27日 定時株主総会 | 普通株式 | 4,902 | 17.00 | 2014年3月31日 | 2014年6月30日 |
2014年11月12日 取締役会 | 普通株式 | 5,767 | 20.00 | 2014年9月30日 | 2014年12月5日 |
(2) 基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌連結会計年度となるもの
前連結会計年度(自 2013年4月1日 至 2014年3月31日)
決議 | 株式の種類 | 配当の原資 | 配当金の総額 (百万円) | 1株当たり 配当額(円) | 基準日 | 効力発生日 |
2014年6月27日 定時株主総会 | 普通株式 | 利益剰余金 | 4,902 | 17.00 | 2014年 3月31日 | 2014年 6月30日 |
当連結会計年度(自 2014年4月1日 至 2015年3月31日)
決議 | 株式の種類 | 配当の原資 | 配当金の総額 (百万円) | 1株当たり 配当額(円) | 基準日 | 効力発生日 |
2015年6月26日 定時株主総会 | 普通株式 | 利益剰余金 | 10,092 | 35.00 | 2015年 3月31日 | 2015年 6月29日 |
24.販売費及び一般管理費
各年度の販売費及び一般管理費の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円) | ||
前連結会計年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) | |
従業員給付費用 | 344,839 | 385,258 |
減価償却費及び償却費 | 30,447 | 36,249 |
その他 | 135,999 | 150,575 |
合計 | 511,287 | 572,084 |
その他には研究開発費が1,073百万円(前連結会計年度)、938百万円(当連結会計年度)含まれております。
25.従業員給付費用
各年度の従業員給付費用の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円) | ||
前連結会計年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) | |
給与、賞与および手当 | 303,216 | 336,331 |
福利厚生費 | 46,007 | 50,952 |
退職給付費用 | 12,682 | 13,653 |
その他 | 1,980 | 3,947 |
合計 | 363,886 | 404,884 |
従業員給付費用は原価、販売費及び一般管理費および金融費用に計上しております。
26.その他の収益
各年度のその他の収益の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円) | ||
前連結会計年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) | |
収益分配金 | 4,585 | 4,612 |
為替差益 | 811 | 225 |
固定資産売却益 | 1,963 | 32,194 |
関係会社株式売却益 | 1,939 | 306 |
その他 | 2,075 | 1,763 |
合計 | 11,375 | 39,102 |
27.その他の費用
各年度のその他の費用の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円) | ||
前連結会計年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) | |
長期前払費用償却 | 2,594 | 2,603 |
固定資産売却損 | 182 | 4,261 |
減損損失 | 2,005 | 1,824 |
その他 | 2,675 | 2,948 |
合計 | 7,459 | 11,638 |
28.金融収益および金融費用
(1) 各年度の金融収益の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円) | ||
前連結会計年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) | |
受取利息 | ||
償却原価で測定する金融資産 | 1,618 | 1,980 |
損益を通じて公正価値で測定する金融商品 | 7 | 19 |
受取配当金 | ||
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産 | 3,043 | 2,276 |
条件付対価に係る公正価値変動額 | - | 1,071 |
為替差益(注)1 | 458 | 1,119 |
その他(注)2 | 1,988 | 600 |
合計 | 7,115 | 7,067 |
(注) 1 為替差益には通貨デリバティブの評価損益が含まれております。
2 その他のうち、696百万円(前連結会計年度)、5百万円(当連結会計年度)については、損益を通じて公正価値で測定する金融商品から生じた金融収益であります。
受取配当金の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円) | ||
前連結会計年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) | |
期中に認識を中止した金融資産 | 1,534 | 785 |
決算日現在で保有している金融資産 | 1,509 | 1,490 |
(2) 各年度の金融費用の内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円) | ||
前連結会計年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) | |
支払利息 | ||
償却原価で測定する金融負債 | 6,690 | 7,112 |
その他 | 686 | 564 |
デリバティブ評価損(株式買取関連) | - | 4,057 |
その他(注) | 969 | 520 |
合計 | 8,345 | 12,255 |
(注) その他のうち、727百万円(前連結会計年度)、305百万円(当連結会計年度)については、損益を通じて公正価値で測定する金融商品から生じた金融費用であります。
29.その他の包括利益
各年度の「その他の包括利益」に含まれている、各項目別の当期発生額および損益への組替調整額、ならびに税効果の影響は、以下のとおりであります。
(単位:百万円) | ||
前連結会計年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) | |
在外営業活動体の換算差額 | ||
当期発生額 | 161,063 | 46,040 |
組替調整額 | 42 | △3 |
税効果調整前 | 161,106 | 46,037 |
税効果額 | ― | 23 |
在外営業活動体の換算差額 | 161,106 | 46,061 |
キャッシュ・フロー・ヘッジの 公正価値の変動額の有効部分 | ||
当期発生額 | 4,084 | 4,959 |
組替調整額 | △1,131 | △3,180 |
税効果調整前 | 2,953 | 1,779 |
税効果額 | 20 | △743 |
キャッシュ・フロー・ヘッジの 公正価値の変動額の有効部分 | 2,973 | 1,036 |
その他の包括利益を通じて測定する 金融資産の公正価値の純変動 | ||
当期発生額 | 567 | 97,550 |
税効果調整前 | 567 | 97,550 |
税効果額 | △893 | △30,845 |
その他の包括利益を通じて測定する 金融資産の公正価値の純変動 | △326 | 66,704 |
確定給付型退職給付制度の再測定額 | ||
当期発生額 | 4,712 | 12,630 |
税効果調整前 | 4,712 | 12,630 |
税効果額 | △1,795 | △5,088 |
確定給付型退職給付制度の再測定額 | 2,916 | 7,542 |
持分法適用会社におけるその他の 包括利益に対する持分 | ||
当期発生額 | 1,971 | 373 |
持分法適用会社におけるその他の 包括利益に対する持分 | 1,971 | 373 |
30.1株当たり当期利益
(1) 基本的1株当たり当期利益および希薄化後1株当たり当期利益
前連結会計年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) | |
基本的1株当たり当期利益(円) | 241.49 | 276.89 |
希薄化後1株当たり当期利益(円) | 241.43 | 276.84 |
(2) 基本的1株当たり当期利益および希薄化後1株当たり当期利益の算定上の基礎
前連結会計年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) | |
基本的1株当たり当期利益および 希薄化後1株当たり当期利益の計算に 使用する当期利益 | ||
親会社の所有者に帰属する 当期利益(百万円) | 66,507 | 79,846 |
親会社の普通株主に帰属しない 金額(百万円) | ― | ― |
基本的1株当たり当期利益の 計算に使用する当期利益(百万円) | 66,507 | 79,846 |
利益調整額 | ||
関連会社の新株予約権(百万円) | △17 | △14 |
希薄化後1株当たり当期利益の 計算に使用する当期利益(百万円) | 66,490 | 79,832 |
基本的1株当たり当期利益および 希薄化後1株当たり当期利益の計算に 使用する普通株式の加重平均株式数 | ||
基本的1株当たり当期利益の 計算に使用する普通株式の加重平均 株式数(千株) | 275,405 | 288,364 |
希薄化性潜在普通株式の 影響(千株) | ― | ― |
希薄化後1株当たり当期利益の 計算に使用する普通株式の加重平均 株式数(千株) | 275,405 | 288,364 |
31.金融商品
(1) 資本管理
当社グループは、中長期的な企業価値の向上のために、健全な財務体質を維持しつつ、資本効率性を高めることを資本管理の基本方針としています。
資本管理においてモニタリングする指標は、資本(親会社の所有者に帰属する持分)、ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)であり、各年度の数値は以下のとおりです。
(単位:百万円) | |||
移行日 (2013年4月1日) | 前連結会計年度 (2014年3月31日) | 当連結会計年度 (2015年3月31日) | |
資本(親会社の所有者に帰属する持分) | 562,562 | 901,012 | 1,080,364 |
ROE(%) | ― | 9.1 | 8.1 |
(2) 金融商品に関するリスク管理の基本方針
当社グループは、事業活動を行う過程において財務上のリスクに晒されており、当該リスクを回避または低減するために、一定の方針に基づきリスク管理を行っております。
また、デリバティブ取引は、投機的な取引および短期的な売買差益を得ることを目的として行うことを禁止しており、実需の範囲で行うこととしております。
(3) 信用リスク
① 信用リスク管理
営業債権である受取手形および売掛金は、顧客の信用リスクに晒されておりますが、与信管理の規則に沿ってリスク低減を図っております。
当社は、与信管理規程に従い、新規取引先等の審査および与信管理を行っております。また、経理規程に従い、営業債権について、各事業部門における管理部門と経理部門の協働により、取引先ごとに期日および残高の管理をするとともに、主要な取引先の状況を定期的にモニタリングすることにより、財務状況等の悪化等による回収懸念の早期把握や軽減を図っております。また、連結子会社においても、与信管理、債権管理を行っており、一定の重要な取引および事象については報告や承認を必要とする管理体制をとっております。
なお、当社グループでは特定の相手先に対する過度に集中した信用リスクはありません。
② 信用リスクに対する最大エクスポージャー
保証債務を除き、当社グループの信用リスクに対する最大エクスポージャーは連結財政状態計算書に表示される金融資産の帳簿価額であります。
保証債務に係る信用リスクの最大エクスポージャーは、移行日、前連結会計年度および当連結会計年度においてそれぞれ1,855百万円、1,671百万円および1,761百万円であります。
③ 期日経過した金融資産
移行日および各年度における期末日において期日が経過しているが、減損はしていない営業債権及びその他の債権の年齢分析は、次のとおりであります。
(単位:百万円) | |||
移行日 (2013年4月1日) | 前連結会計年度 (2014年3月31日) | 当連結会計年度 (2015年3月31日) | |
期日経過30日以内 | 63,043 | 80,049 | 102,218 |
期日経過30日超60日以内 | 16,042 | 22,596 | 38,029 |
期日経過60日超90日以内 | 5,594 | 7,685 | 18,994 |
期日経過90日超 | 11,173 | 13,285 | 18,951 |
合計 | 95,853 | 123,617 | 178,194 |
④ 貸倒引当金の増減
各年度の貸倒引当金の増減は以下のとおりであります。
(単位:百万円) | ||
前連結会計年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) | |
期首残高 | 16,418 | 18,992 |
期中増加額 | 1,578 | 3,596 |
期中減少額(目的使用) | △2,134 | △2,978 |
期中減少額(戻入) | △1,538 | △707 |
その他の増減 | 4,669 | 1,169 |
期末残高 | 18,992 | 20,073 |
(4) 流動性リスク
① 流動性リスク管理
当社は、各部署からの報告に基づき資金管理部門が適宜に資金繰り計画を作成・更新し、収支の状況に応じた手元流動性を確保すること等により、流動性リスクを管理しております。
当社グループは、運転資金につきましては、内部資金、コマーシャル・ペーパーまたは短期借入金により調達することとしております。
また当社グループは、流動性を確保するため銀行融資枠(コミットメント・ライン)を設定しております。
② 金融負債(デリバティブ金融商品を含む)の期日別残高
各年度の金融負債(デリバティブ金融商品を含む)の期日別残高は、以下のとおりであります。
移行日(2013年4月1日)
(単位:百万円) | ||||||||
帳簿価額 | 契約上の キャッシュ・フロー | 1年以内 | 1年超 2年以内 | 2年超 3年以内 | 3年超 4年以内 | 4年超 5年以内 | 5年超 | |
非デリバティブ金融負債 | ||||||||
営業債務及びその他の債務 | 840,795 | 840,795 | 840,795 | ― | ― | ― | ― | ― |
Aegis Group plcの株式取得に伴う未払金 | 295,401 | 295,401 | 295,401 | ― | ― | ― | ― | ― |
買収に伴う条件付対価等 | 56,108 | 56,108 | 14,779 | 13,272 | 10,377 | 9,068 | 8,504 | 105 |
社債及び借入金 | 239,310 | 256,325 | 147,583 | 23,356 | 26,574 | 4,588 | 8,285 | 45,937 |
小計 | 1,431,616 | 1,448,631 | 1,298,560 | 36,629 | 36,952 | 13,657 | 16,789 | 46,043 |
デリバティブ負債 | 3,242 | 3,242 | 644 | 44 | 1,308 | 828 | 59 | 357 |
合計 | 1,434,858 | 1,451,873 | 1,299,204 | 36,673 | 38,260 | 14,485 | 16,848 | 46,400 |
前連結会計年度(2014年3月31日)
(単位:百万円) | ||||||||
帳簿価額 | 契約上の キャッシュ・フロー | 1年以内 | 1年超 2年以内 | 2年超 3年以内 | 3年超 4年以内 | 4年超 5年以内 | 5年超 | |
非デリバティブ金融負債 | ||||||||
営業債務及びその他の債務 | 1,047,796 | 1,047,796 | 1,047,796 | ― | ― | ― | ― | ― |
買収に伴う条件付対価等 | 63,619 | 63,619 | 20,803 | 17,016 | 11,653 | 8,987 | 5,138 | 20 |
社債及び借入金 | 364,966 | 381,411 | 67,073 | 46,877 | 35,118 | 9,765 | 43,608 | 178,967 |
小計 | 1,476,382 | 1,492,827 | 1,135,673 | 63,894 | 46,772 | 18,752 | 48,746 | 178,987 |
デリバティブ負債 | 12,244 | 12,244 | 527 | 694 | 1,773 | 759 | 4,758 | 3,731 |
合計 | 1,488,626 | 1,505,072 | 1,136,200 | 64,589 | 48,545 | 19,512 | 53,504 | 182,719 |
当連結会計年度(2015年3月31日)
(単位:百万円) | ||||||||
帳簿価額 | 契約上の キャッシュ・フロー | 1年以内 | 1年超 2年以内 | 2年超 3年以内 | 3年超 4年以内 | 4年超 5年以内 | 5年超 | |
非デリバティブ金融負債 | ||||||||
営業債務及びその他の債務 | 1,231,220 | 1,231,220 | 1,231,220 | ― | ― | ― | ― | ― |
買収に伴う条件付対価等 | 64,790 | 64,790 | 28,058 | 15,669 | 10,816 | 6,850 | 3,207 | 189 |
社債及び借入金 | 409,618 | 428,100 | 79,538 | 40,533 | 11,577 | 53,063 | 63,209 | 180,178 |
小計 | 1,705,629 | 1,724,111 | 1,338,816 | 56,203 | 22,393 | 59,913 | 66,416 | 180,367 |
デリバティブ負債 | 27,848 | 27,848 | 3,214 | 3,065 | 2,476 | 4,582 | 4,252 | 10,258 |
合計 | 1,733,477 | 1,751,959 | 1,342,030 | 59,268 | 24,869 | 64,496 | 70,669 | 190,626 |
③ 未使用の信用枠
未使用の信用枠は、移行日、前連結会計年度および当連結会計年度においてそれぞれ、584,857百万円、290,462百万円および310,423百万円であります。
未使用の信用枠にはコミットメント・ライン、当座借越枠およびコマーシャル・ペーパーの発行枠が含まれております。
(5) 為替リスク
① 為替リスク管理
外貨建金銭債権債務は為替の変動リスクに晒されております。当社では、通貨別月別に把握された為替の変動リスクに対して、先物為替予約を利用しております。
また、一定金額を上回る外貨建取引については、経理規程に従い、先物為替予約等を利用してヘッジすることとしております。
なお、当社グループの一部の連結子会社では、為替の変動リスクのうち重要なものに対して、先物為替予約を利用しております。
② ヘッジ会計を適用している通貨デリバティブ
移行日および各年度のヘッジ会計を適用している通貨デリバティブの詳細は、以下のとおりであります。
(単位:百万円) | |||||||||
移行日 (2013年4月1日) | 前連結会計年度 (2014年3月31日) | 当連結会計年度 (2015年3月31日) | |||||||
契約額等 | うち1年超 | 公正価値 | 契約額等 | うち1年超 | 公正価値 | 契約額等 | うち1年超 | 公正価値 | |
為替予約取引 | 93,261 | 39,414 | 13,106 | 40,115 | 31,072 | 12,805 | 43,077 | 27,558 | 19,196 |
オプション取引 | 2,125 | ― | 135 | 3,428 | ― | 16 | 2,371 | ― | 112 |
スワップ取引 | 4,329 | 4,329 | 456 | ― | ― | ― | ― | ― | ― |
上記の為替取引は、キャッシュ・フロー・ヘッジに指定しています。
非金融資産または非金融負債の取得・発生をヘッジ対象とする、非常に可能性の高い予定取引の実行に伴い、当該非金融資産または非金融負債の当初取得原価に加減算された金額は、前連結会計年度および当連結会計年度において、それぞれ1,132百万円(減算)および2,928百万円(減算)であります。
③ 為替感応度分析
当社グループが各年度末において保有する金融商品において、他のすべての変数が一定であると仮定した上で、機能通貨(円)が米ドルまたはユーロに対して1%増価した場合の税引前利益に与える影響は、以下のとおりであります。なお、機能通貨建ての金融商品、および在外営業活動体の資産および負債を円貨に換算する際の影響は含んでおりません。
(単位:百万円) | ||
前連結会計年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) | |
米ドル | 92 | 278 |
ユーロ | 185 | △9 |
(6) 金利リスク
① 金利リスク管理
当社グループの一部の借入金は変動金利であり、金利の変動リスクに晒されております。借入金に係る金利の変動リスクについては、金利スワップ取引を利用して支払利息の固定化を実施しております。
② ヘッジ会計を適用している金利デリバティブ
移行日および各年度のヘッジ会計を適用している金利デリバティブの詳細は、以下のとおりであります。
(単位:百万円) | |||||||||
移行日 (2013年4月1日) | 前連結会計年度 (2014年3月31日) | 当連結会計年度 (2015年3月31日) | |||||||
契約額等 | うち1年超 | 公正価値 | 契約額等 | うち1年超 | 公正価値 | 契約額等 | うち1年超 | 公正価値 | |
金利スワップ取引 | 15,750 | ― | △76 | 175,892 | 175,892 | △1,954 | 236,751 | 236,751 | △1,840 |
上記の金利取引は、公正価値ヘッジまたはキャッシュ・フロー・ヘッジに指定しています。
公正価値ヘッジに指定したヘッジ手段に係る損益は、前連結会計年度および当連結会計年度においてそれぞれ128百万円および272百万円であります。なお、ヘッジ対象に係る損益はヘッジ手段に係る損益と概ね同額であります。
(7) 金融商品の帳簿価額および公正価値
移行日および各年度の金融商品の帳簿価額および公正価値は、以下のとおりであります。
なお、社債および長期借入金以外の償却原価で測定する金融資産および金融負債の公正価値は帳簿価額と近似しております。
(単位:百万円) | ||||||
移行日 (2013年4月1日) | 前連結会計年度 (2014年3月31日) | 当連結会計年度 (2015年3月31日) | ||||
帳簿価額 | 公正価値 | 帳簿価額 | 公正価値 | 帳簿価額 | 公正価値 | |
社債 | 96,420 | 96,420 | 18,587 | 19,989 | 12,368 | 13,376 |
長期借入金 | 111,092 | 114,299 | 296,969 | 300,229 | 358,035 | 362,682 |
(注) 1年内に返済または償還予定の残高を含んでおります。
社債の公正価値については、移行日においては、当社による社債の買取および償還が予定されていたため、これらの公正価値については買取予定額および償還予定額によっており、前連結会計年度および当連結会計年度においては、元利金の合計額を当該社債の残存期間および信用リスクを加味した利率で割り引いて算定する方法によっております。
長期借入金の公正価値については、元利金の合計額を同様の新規借入を行った場合に想定される利率で割り引いて算定する方法によっております。
社債および長期借入金の公正価値ヒエラルキーはレベル3に該当しております。
(8) 金融商品の公正価値ヒエラルキー
当初認識後に経常的に公正価値で測定する金融商品は、測定に使用したインプットの観察可能性および重要性に応じて、公正価値ヒエラルキーの3つのレベルに分類しております。公正価値のヒエラルキーは以下のように定義しております。
レベル1: 活発な市場における公表価格により測定した公正価値
レベル2: レベル1以外の直接または間接的に観察可能なインプットを使用して測定した公正価値
レベル3: 観察可能でないインプットを使用して測定した公正価値
公正価値の測定に複数のインプットを使用している場合には、その公正価値の測定の全体において重要な最も低いレベルのインプットに基づいて公正価値のレベルを決定しております。
公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、各四半期の期首時点で発生したものとして認識しております。
なお、前連結会計年度および当連結会計年度において、レベル1とレベル2の間における振替はありません。
移行日(2013年4月1日)
(単位:百万円) | ||||
レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 | |
金融資産 | ||||
デリバティブ資産 | ― | 16,850 | ― | 16,850 |
株式 | 45,607 | ― | 44,658 | 90,265 |
その他 | 517 | 2,892 | 1,686 | 5,096 |
合計 | 46,124 | 19,743 | 46,345 | 112,213 |
金融負債 | ||||
デリバティブ負債 | ― | 350 | 2,892 | 3,242 |
その他 | ― | ― | 56,108 | 56,108 |
合計 | ― | 350 | 59,000 | 59,351 |
前連結会計年度(2014年3月31日)
(単位:百万円) | ||||
レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 | |
金融資産 | ||||
デリバティブ資産 | ― | 14,875 | ― | 14,875 |
株式 | 41,783 | ― | 41,970 | 83,754 |
その他 | 512 | 3,114 | 2,049 | 5,675 |
合計 | 42,295 | 17,989 | 44,020 | 104,306 |
金融負債 | ||||
デリバティブ負債 | ― | 3,653 | 8,590 | 12,244 |
その他 | ― | ― | 63,619 | 63,619 |
合計 | ― | 3,653 | 72,209 | 75,863 |
当連結会計年度(2015年3月31日)
(単位:百万円) | ||||
レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 | |
金融資産 | ||||
デリバティブ資産 | ― | 21,515 | ― | 21,515 |
株式 | 174,871 | ― | 14,124 | 188,996 |
その他 | 500 | 2,608 | 4,153 | 7,262 |
合計 | 175,371 | 24,124 | 18,278 | 217,774 |
金融負債 | ||||
デリバティブ負債 | ― | 4,539 | 23,308 | 27,848 |
その他 | ― | ― | 64,790 | 64,790 |
合計 | ― | 4,539 | 88,099 | 92,638 |
デリバティブ資産およびデリバティブ負債のうち金利スワップ、為替予約等の公正価値は、金融機関より入手した見積価格または観察可能な市場データを用いて算定した金額で評価しているため、レベル2に分類しております。また、デリバティブ負債のうち一部のデリバティブの公正価値は、観察不能なインプットを用いて割引キャッシュ・フロー法で算定した金額で評価しているため、レベル3に分類しております。
株式およびその他(金融資産)のうち活発な市場が存在する銘柄の公正価値は市場価格に基づいて算定しているため、レベル1に分類しております。また、活発な市場が存在しない銘柄のうち、公正価値を観察可能な市場データを用いて算定した金額で評価した銘柄についてレベル2に分類し、公正価値を観察不能なインプットを用いて主としてマーケット・アプローチで算定した金額で評価した銘柄についてレベル3に分類しております。なお、重要な観察不能なインプットは主として株価純資産倍率であり、公正価値は株価純資産倍率の上昇(低下)により増加(減少)することとなります。使用した株価純資産倍率は移行日、前連結会計年度および当連結会計年度においてそれぞれ0.55倍~1.45倍、0.55倍、0.73倍であります。
その他(金融負債)の公正価値は、観察不能なインプットを用いて割引キャッシュ・フロー法で算定した金額で評価しているため、レベル3に分類しております。
レベル3に区分された資産、負債については公正価値測定の評価方針および手続きに従い、担当部署が対象資産、負債の評価方法を決定し、公正価値を測定しております。公正価値の測定結果については適切な責任者が承認しております。
各年度におけるレベル3に分類された金融商品の増減は、以下のとおりであります。
(単位:百万円) | ||
金融資産 | 前連結会計年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) |
期首残高 | 46,345 | 44,020 |
その他の包括利益(注)1 | △3,112 | 660 |
購入 | 2,088 | 4,865 |
売却または決済 | △2,445 | △2,192 |
レベル3からの振替(注)2 | △27 | △29,313 |
その他 | 1,172 | 238 |
期末残高 | 44,020 | 18,278 |
(単位:百万円) | ||
金融負債 | 前連結会計年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) |
期首残高 | 59,000 | 72,209 |
損益(注)3 | 713 | 2,986 |
購入 | 18,764 | 30,915 |
売却または決済 | △18,829 | △22,355 |
その他 | 12,559 | 4,342 |
期末残高 | 72,209 | 88,099 |
(注) 1 その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に関するものであり、その他の包括利益を通じて測定する金融資産の公正価値の純変動に含まれております。
2 前連結会計年度および当連結会計年度に認識されたレベル3からの振替は、投資先が取引所に上場したことによるものであります。
3 損益を通じて公正価値で測定する金融負債に関するものであり、金融費用に含まれております。損益のうち、連結会計年度末において保有する金融商品に係るものは、前連結会計年度および当連結会計年度においてそれぞれ713百万円および2,986百万円であります。
32.関連当事者
(1) 当社の取締役に対する報酬
各年度の当社の取締役に対する報酬は、以下のとおりであります。
(単位:百万円) | ||
前連結会計年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) | |
報酬および賞与 | 724 | 711 |
(2) 主要な子会社
当社の重要な子会社は「第1 企業の概況 4 関係会社の状況 連結子会社」に記載のとおりであります。
33.偶発負債
移行日および各年度の偶発負債は、以下のとおりであります。
移行日 (2013年4月1日)
(1) 債務保証等
(単位:百万円) | |
金額 | |
従業員住宅資金等融資制度による保証債務 | 1,188 |
銀行借入等に対する債務保証 | 666 |
合計 | 1,855 |
(2) 訴訟等
当社は、ライブハウスの運営を目的にした組合事業に関連して、当社元従業員が当社または当該組合の名義を冒用して行った架空発注について、以下の3社より業務委託料やリース料の支払いを求める訴訟の提起を受けております。
このうち、企画・宣伝協同組合を原告とする訴訟については、第一審係争中でありますが、訴訟の経過等の状況に基づき、必要と認められる額を見積り、訴訟損失引当金に計上しております。
上記の訴訟以外は、現在係争中であり、訴訟の結果によっては当社に損害が生じる可能性はありますが、現時点で合理的に見積もることはできません。
原告 | 被告 | 訴訟金額 (百万円) | 状況 |
企画・宣伝協同組合 | シブヤエンターテイメントレビュー21共同事業組合および組合員である㈱電通他2社 | 4,553 | 業務委託料請求に係る訴訟 第一審係争中でありますが、訴訟の経過等の状況に基づき、必要と認められる額を見積り、訴訟損失引当金を2,577百万円計上しております。 |
㈱モードツー | ㈱電通 | 197 | 業務委託料請求に係る訴訟 第一審係争中であります。 |
リース会社1社 | ㈱電通 | 93 | リース料請求に係る訴訟 第一審係争中であります。 |
合計 | 4,843 |
前連結会計年度 (2014年3月31日)
(1) 債務保証等
(単位:百万円) | |
金額 | |
従業員住宅資金等融資制度による保証債務 | 864 |
銀行借入等に対する債務保証 | 807 |
合計 | 1,671 |
(2) 訴訟等
当社は、ライブハウスの運営を目的にした組合事業に関連して、当社元従業員が当社または当該組合の名義を冒用して行った架空発注について、業務委託料やリース料の支払いを求める訴訟の提起を受けておりましたが、原告との間で和解に達しました。したがいまして、当該偶発負債は消滅いたしました。
当連結会計年度 (2015年3月31日)
(1) 債務保証等
(単位:百万円) | |
金額 | |
従業員住宅資金等融資制度による保証債務 | 657 |
銀行借入等に対する債務保証 | 1,104 |
合計 | 1,761 |
34.重要な後発事象
自己株式の取得
当社は、2015年5月14日開催の取締役会において、会社法第165条第3項の規定により読み替えて適用される同法第156条の規定および当社の定款の定めに基づき、自己株式取得に係る事項について決議いたしました。
(1)自己株式の取得を行う理由
株主への一層の利益還元と資本効率の向上を図るとともに、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を遂行するため。
(2)取得に係る事項の内容
① 取得対象株式の種類 普通株式
② 取得し得る株式の総数 400万株(上限)
③ 株式の取得価額の総額 20,000百万円(上限)
④ 取得する期間 2015年5月18日~2015年7月31日
⑤ 取得の方法 東京証券取引所における市場買付
35.初度適用
当社グループは、2015年3月31日に終了する連結会計年度からIFRSを適用しております。日本基準に準拠して作成された直近の連結財務諸表は、2014年3月31日に終了した1年間に関するものであり、移行日は2013年4月1日であります。
IFRS第1号は、IFRSを初めて適用する企業に対し、原則としてIFRSを遡及的に適用することを求めております。ただし、一部については例外的に遡及適用が禁止され、IFRS移行日から将来に向かって適用されます。当社グループは、当該例外規定のうち当社グループに該当する「見積り」、「金融資産及び金融負債の認識の中止」、「ヘッジ会計」、「非支配持分」および「金融資産の分類及び測定」を適用しており、これらの項目について将来に向かって適用しております。
IFRSの初度適用において開示が求められる調整表は以下のとおりであります。
なお、調整表の「表示組替」には利益剰余金および包括利益に影響を及ぼさない項目を、「認識及び測定の差異」には利益剰余金および包括利益に影響を及ぼす項目を含めて表示しております。
2013年4月1日(移行日)現在の資本に対する調整
(単位:百万円)
日本基準表示科目 | 日本基準 | 注記 | 表示組替 (注) | 認識及び 測定の差異 | IFRS | 注記 | IFRS表示科目 |
資産の部 | 資産 | ||||||
流動資産 | 流動資産 | ||||||
現金及び預金 | 208,356 | △777 | 26,896 | 234,475 | 2.(2)⑫ | 現金及び現金同等物 | |
受取手形及び売掛金 | 816,251 | 20,002 | ― | 836,253 | 営業債権及び その他の債権 | ||
たな卸資産 | 13,561 | ― | ― | 13,561 | 棚卸資産 | ||
有価証券 | 116 | 18,295 | ― | 18,412 | その他の金融資産 | ||
繰延税金資産 | 9,280 | 1 | △9,280 | ||||
その他 | 76,266 | △39,327 | 1,591 | 38,530 | その他の流動資産 | ||
貸倒引当金 | △1,806 | 1,806 | |||||
流動資産合計 | 1,122,025 | △9,280 | 28,488 | 1,141,233 | 流動資産合計 | ||
固定資産 | |||||||
有形固定資産 | 非流動資産 | ||||||
建物及び構築物 (純額) | 77,313 | 130,019 | △4,849 | 202,484 | 2.(2) ①,②, ③,⑩ | 有形固定資産 | |
土地 | 160,820 | △160,820 | |||||
その他(純額) | 12,419 | △12,419 | |||||
無形固定資産 | |||||||
のれん | 438,968 | 1 | ― | △7,235 | 431,732 | 2.(2) ④ | のれん |
ソフトウェア | 17,696 | 202,201 | ― | 219,898 | 無形資産 | ||
その他 | 202,201 | 1 | △202,201 | ||||
43,219 | 2,693 | 45,913 | 2.(2) ①,②, ③,⑩ | 投資不動産 | |||
投資その他の資産 | |||||||
50,414 | 658 | 51,072 | 持分法で会計処理 されている投資 | ||||
投資有価証券 | 135,138 | △24,238 | 3,829 | 114,728 | その他の金融資産 | ||
長期貸付金 | 917 | △917 | |||||
その他 | 54,364 | △39,869 | △7,513 | 6,981 | 2.(2) ⑦ | その他の非流動資産 | |
繰延税金資産 | 28,654 | 1 | 9,280 | 12,436 | 50,371 | 2.(2) ①,⑤, ⑥,⑦ | 繰延税金資産 |
貸倒引当金 | △14,611 | 14,611 | |||||
固定資産計 | 1,113,883 | 9,280 | 19 | 1,123,182 | 非流動資産合計 | ||
資産合計 | 2,235,908 | ― | 28,507 | 2,264,415 | 資産合計 |
(単位:百万円)
日本基準表示科目 | 日本基準 | 注記 | 表示組替 (注) | 認識及び 測定の差異 | IFRS | 注記 | IFRS表示科目 |
負債及び資本 | |||||||
負債の部 | 負債 | ||||||
流動負債 | 流動負債 | ||||||
支払手形及び 買掛金 | 785,377 | 53,295 | 2,122 | 840,795 | 営業債務及び その他の債務 | ||
短期借入金 | 21,268 | 25,869 | 11,959 | 59,097 | 2.(2) ⑫ | 社債及び借入金 | |
1年内返済予定の 長期借入金 | 25,869 | △25,869 | |||||
リース債務 | 1,273 | 335,730 | 4,157 | 341,161 | 2.(2) ⑧ | その他の金融負債 | |
未払金 | 331,486 | △331,486 | |||||
未払法人税等 | 21,175 | ― | ― | 21,175 | 未払法人所得税等 | ||
繰延税金負債 | 87 | △87 | |||||
役員賞与引当金 | 399 | △399 | |||||
受注損失引当金 | 294 | 4,857 | ― | 5,151 | 引当金 | ||
訴訟損失引当金 | 2,577 | △2,577 | |||||
事業再編損失 引当金 | 2,270 | △2,270 | |||||
資産除去債務 | 9 | △9 | |||||
その他 | 122,840 | 1 | △57,139 | 7,804 | 73,504 | 2.(2) ⑥ | その他の流動負債 |
流動負債合計 | 1,314,930 | △87 | 26,043 | 1,340,886 | 流動負債合計 | ||
固定負債 | 非流動負債 | ||||||
社債 | 93,931 | 71,344 | 14,937 | 180,212 | 2.(2) ⑫ | 社債及び借入金 | |
長期借入金 | 71,344 | △71,344 | |||||
リース債務 | 2,164 | 45,857 | 4,009 | 52,032 | 2.(2) ⑧ | その他の金融負債 | |
退職給付引当金 | 42,316 | ― | 14,853 | 57,169 | 2.(2) ⑦ | 退職給付に係る負債 | |
役員退職慰労 引当金 | 378 | △378 | |||||
資産除去債務 | 896 | ― | ― | 896 | 引当金 | ||
その他 | 49,815 | △45,479 | ― | 4,335 | その他の非流動負債 | ||
繰延税金負債 | 42,455 | 1 | 9,126 | △8,939 | 42,642 | 2.(2) ⑩ | 繰延税金負債 |
再評価に係る 繰延税金負債 | 9,038 | △9,038 | |||||
固定負債合計 | 312,340 | 87 | 24,860 | 337,289 | 非流動負債合計 | ||
負債合計 | 1,627,270 | ― | 50,904 | 1,678,175 | 負債合計 |
(単位:百万円)
日本基準表示科目 | 日本基準 | 注記 | 表示組替 (注) | 認識及び 測定の差異 | IFRS | 注記 | IFRS表示科目 |
純資産の部 | 資本 | ||||||
資本金 | 58,967 | ― | ― | 58,967 | 資本金 | ||
資本剰余金 | 60,899 | ― | ― | 60,899 | 資本剰余金 | ||
自己株式 | △65,077 | ― | ― | △65,077 | 自己株式 | ||
その他の包括利益 累計額 | 14,076 | ― | △8,266 | 5,810 | 2.(2) ⑤,⑦, ⑨,⑩, ⑪ | その他の資本の 構成要素 | |
利益剰余金 | 515,630 | ― | △13,667 | 501,963 | 2.(2) ⑬ | 利益剰余金 | |
562,562 | 親会社の所有者に帰属 する持分合計 | ||||||
少数株主持分 | 24,141 | ― | △463 | 23,677 | 非支配持分 | ||
純資産合計 | 608,637 | ― | △22,397 | 586,240 | 資本合計 | ||
負債純資産合計 | 2,235,908 | ― | 28,507 | 2,264,415 | 負債及び資本合計 |
(注) 調整に関する注記2.(1)を参照ください。
2014年3月31日(前連結会計年度)現在の資本に対する調整
(単位:百万円)
日本基準表示科目 | 日本基準 | 表示組替 (注) | 認識及び 測定の差異 | IFRS | 注記 | IFRS表示科目 |
資産の部 | 資産 | |||||
流動資産 | 流動資産 | |||||
現金及び預金 | 228,129 | △1,001 | 26,226 | 253,354 | 2.(2) ⑫ | 現金及び現金同等物 |
受取手形及び売掛金 | 1,033,955 | 20,269 | ― | 1,054,225 | 営業債権及び その他の債権 | |
たな卸資産 | 14,253 | ― | ― | 14,253 | 棚卸資産 | |
有価証券 | 512 | 15,059 | ― | 15,571 | その他の金融資産 | |
繰延税金資産 | 9,247 | △9,247 | ||||
その他 | 84,028 | △36,068 | 1,582 | 49,542 | その他の流動資産 | |
貸倒引当金 | △1,740 | 1,740 | ||||
流動資産合計 | 1,368,385 | △9,247 | 27,808 | 1,386,946 | 流動資産合計 | |
固定資産 | ||||||
有形固定資産 | 非流動資産 | |||||
建物及び構築物 (純額) | 75,162 | 131,276 | △4,539 | 201,900 | 2.(2) ①,②, ③,⑩ | 有形固定資産 |
土地 | 159,272 | △159,272 | ||||
その他(純額) | 14,885 | △14,885 | ||||
無形固定資産 | ||||||
のれん | 558,834 | ― | 18,181 | 577,015 | 2.(2) ④ | のれん |
ソフトウェア | 23,226 | 236,279 | 0 | 259,506 | 無形資産 | |
顧客との関係 | 183,446 | △183,446 | ||||
その他 | 52,833 | △52,833 | ||||
42,881 | 2,773 | 45,655 | 2.(2) ①,②, ③,⑩ | 投資不動産 | ||
投資その他の資産 | ||||||
54,956 | 1,597 | 56,554 | 持分法で会計処理 されている投資 | |||
投資有価証券 | 133,981 | △30,503 | 3,762 | 107,241 | その他の金融資産 | |
長期貸付金 | 412 | △412 | ||||
退職給付に係る 資産 | 5,841 | △5,841 | 2.(2) ⑦ | |||
その他 | 49,132 | △35,451 | △5,841 | 7,839 | その他の非流動資産 | |
繰延税金資産 | 30,157 | 9,247 | 3,870 | 43,274 | 2.(2) ①,⑤, ⑥,⑦ | 繰延税金資産 |
貸倒引当金 | △17,252 | 17,252 | ||||
固定資産計 | 1,269,933 | 9,247 | 19,805 | 1,298,986 | 非流動資産合計 | |
資産合計 | 2,638,319 | ― | 47,613 | 2,685,933 | 資産合計 |
(単位:百万円)
日本基準表示科目 | 日本基準 | 表示組替 (注) | 認識及び 測定の差異 | IFRS | 注記 | IFRS表示科目 |
負債及び資本 | ||||||
負債の部 | 負債 | |||||
流動負債 | 流動負債 | |||||
支払手形及び 買掛金 | 989,805 | 55,881 | 2,109 | 1,047,796 | 営業債務及び その他の債務 | |
短期借入金 | 30,328 | 13,156 | 19,081 | 62,566 | 2.(2) ⑫ | 社債及び借入金 |
1年内償還予定の 社債 | 8,050 | △8,050 | ||||
1年内返済予定の 長期借入金 | 5,106 | △5,106 | ||||
リース債務 | 1,348 | 34,204 | 2,594 | 38,147 | 2.(2) ⑧ | その他の金融負債 |
未払法人税等 | 28,571 | ― | ― | 28,571 | 未払法人所得税等 | |
繰延税金負債 | 122 | △122 | ||||
役員賞与引当金 | 501 | △501 | ||||
受注損失引当金 | 165 | 47 | ― | 213 | 引当金 | |
資産除去債務 | 47 | △47 | ||||
その他 | 189,216 | △89,584 | 7,549 | 107,181 | 2.(2) ⑥ | その他の流動負債 |
流動負債合計 | 1,253,263 | △122 | 31,335 | 1,284,477 | 流動負債合計 | |
固定負債 | 非流動負債 | |||||
社債 | 10,536 | 284,943 | 6,919 | 302,399 | 2.(2) ⑫ | 社債及び借入金 |
長期借入金 | 284,943 | △284,943 | ||||
リース債務 | 2,189 | 56,828 | 3,748 | 62,766 | 2.(2) ⑧ | その他の金融負債 |
退職給付に係る 負債 | 56,301 | ― | △3,115 | 53,185 | 2.(2) ⑦ | 退職給付に係る負債 |
役員退職慰労 引当金 | 272 | △272 | ||||
資産除去債務 | 852 | ― | ― | 852 | 引当金 | |
その他 | 62,886 | △56,555 | ― | 6,330 | その他の非流動負債 | |
繰延税金負債 | 50,076 | 8,624 | △8,501 | 50,198 | 2.(2) ⑩ | 繰延税金負債 |
再評価に係る 繰延税金負債 | 8,501 | △8,501 | ||||
固定負債合計 | 476,560 | 122 | △948 | 475,734 | 非流動負債合計 | |
負債合計 | 1,729,824 | ― | 30,387 | 1,760,211 | 負債合計 |
(単位:百万円)
日本基準表示科目 | 日本基準 | 表示組替 (注) | 認識及び 測定の差異 | IFRS | 注記 | IFRS表示科目 |
純資産の部 | 資本 | |||||
資本金 | 74,609 | ― | ― | 74,609 | 資本金 | |
資本剰余金 | 100,106 | ― | △200 | 99,906 | 資本剰余金 | |
自己株式 | △104 | ― | ― | △104 | 自己株式 | |
その他の包括利益 累計額 | 167,289 | ― | 5,421 | 172,711 | 2.(2) ⑤,⑦, ⑨,⑩, ⑪ | その他の資本の 構成要素 |
利益剰余金 | 541,216 | ― | 12,673 | 553,889 | 2.(2) ⑬ | 利益剰余金 |
901,012 | 親会社の所有者に帰属する持分合計 | |||||
少数株主持分 | 25,377 | ― | △667 | 24,709 | 非支配持分 | |
純資産合計 | 908,495 | ― | 17,226 | 925,722 | 資本合計 | |
負債純資産合計 | 2,638,319 | ― | 47,613 | 2,685,933 | 負債及び資本合計 |
(注) 調整に関する注記2.(1)を参照ください。
損益および包括利益に対する調整 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日)
連結損益計算書項目 | (単位:百万円) | |||||
日本基準表示科目 | 日本基準 | 表示組替 (注) | 認識及び 測定の差異 | IFRS | 注記 | IFRS表示科目 |
売上高 | 2,309,359 | △1,649,587 | ― | 659,772 | 収益 | |
売上原価 | 1,715,287 | △1,670,315 | 145 | 45,117 | 2.(2) ②,③ | 原価 |
売上総利益 | 594,072 | 20,728 | △145 | 614,654 | 売上総利益 | |
販売費及び一般管理費 | 522,581 | 15,859 | △27,153 | 511,287 | 2.(2) ②,③, ④,⑥, ⑦ | 販売費及び一般管理費 |
― | 10,461 | 913 | 11,375 | 2.(2) ②,④ | その他の収益 | |
― | 8,429 | △970 | 7,459 | 2.(2) ② | その他の費用 | |
営業利益 | 71,490 | 6,899 | 28,892 | 107,283 | 営業利益 | |
営業外収益 | 22,593 | △22,593 | ||||
営業外費用 | 11,545 | △11,545 | ||||
特別利益 | 7,795 | △7,795 | ||||
特別損失 | 9,161 | △9,161 | ||||
― | 3,764 | 980 | 4,745 | 2.(2) ④ | 持分法による投資利益 | |
112,028 | 金融損益及び税金控除前利益 | |||||
― | 11,817 | △4,701 | 7,115 | 2.(2) ⑪ | 金融収益 | |
― | 12,799 | △4,454 | 8,345 | 2.(2) ⑦,⑧, ⑪ | 金融費用 | |
税金等調整前当期純利益 | 81,172 | ― | 29,625 | 110,797 | 税引前利益 | |
法人税、住民税及び事業税 | 43,395 | △3,653 | 2,122 | 41,864 | 法人所得税費用 | |
法人税等調整額 | △3,653 | 3,653 | ||||
少数株主損益調整前 当期純利益 | 41,430 | ― | 27,503 | 68,933 | 当期利益 | |
― | 38,800 | 27,706 | 66,507 | 親会社の所有者に 帰属する当期利益 | ||
少数株主利益 | 2,629 | ― | △203 | 2,426 | 非支配持分に帰属する 当期利益 | |
当期純利益 | 38,800 | △38,800 |
連結包括利益計算書項目 | (単位:百万円) | |||||
日本基準表示科目 | 日本基準 | 表示組替 (注) | 認識及び 測定の差異 | IFRS | 注記 | IFRS表示科目 |
少数株主損益調整前 当期純利益 | 41,430 | ― | 27,503 | 68,933 | 当期利益 | |
その他の包括利益 | その他の包括利益 | |||||
純損益に振り替えられることのない項目 | ||||||
その他有価証券評価 差額金 | △445 | ― | 118 | △326 | 2.(2) ⑪ | その他の包括利益を通じて測定する金融資産の公正価値の純変動 |
― | ― | 2,916 | 2,916 | 2.(2) ⑦ | 確定給付型退職給付制度の再測定額 | |
― | 930 | △11 | 918 | 持分法適用会社におけるその他の包括利益に対する持分 | ||
純損益に振り替えられる可能性がある項目 | ||||||
為替換算調整勘定 | 158,056 | ― | 3,049 | 161,106 | 2.(2) ⑨ | 在外営業活動体の換算差額 |
繰延ヘッジ損益 | 3,682 | ― | △708 | 2,973 | キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値の変動額の有効部分 | |
持分法適用会社に対する持分相当額 | 1,970 | △930 | 12 | 1,053 | 持分法適用会社におけるその他の包括利益に対する持分 | |
その他の包括利益合計 | 163,263 | ― | 5,377 | 168,641 | 税引後その他の包括利益 | |
包括利益 | 204,694 | ― | 32,880 | 237,575 | 当期包括利益 |
(注) 調整に関する注記2.(1)を参照ください。
調整に関する注記
1.取得原価の配分の見直し
上記の調整表における日本基準の金額は、2013年3月31日現在の連結貸借対照表(日本基準)を基礎としておりますが、当該連結貸借対照表においては企業結合に伴う電通イージス・ネットワーク社の取得原価の配分について、当該連結財務諸表作成時点における入手可能な合理的な情報等に基づき暫定的な会計処理を行っており、取得原価の配分は確定しておりませんでした。
日本基準上、翌連結会計年度に同取得原価の配分が確定したため、その結果を上記の調整表における日本基準の金額に反映しております。
この結果、上記の調整表における日本基準の金額は、2013年3月31日現在の連結貸借対照表(日本基準)と比較して、流動資産の繰延税金資産が577百万円、のれんが137,041百万円、投資その他の資産の繰延税金資産が707百万円、流動負債のその他が2,624百万円減少し、無形固定資産のその他が168,666百万円、固定負債の繰延税金負債が32,963百万円増加しております。
2.日本基準とIFRSとの差異調整
上記の調整表における日本基準とIFRSとの差異調整の主な内容は次のとおりであります。
(1) 表示組替
表示組替の主な内容は次のとおりであります。
・繰延税金資産および繰延税金負債についてすべて非流動資産および非流動負債に組み替えております。
・IFRSにおける投資不動産の定義に該当する固定資産はすべて投資不動産に組み替えております。
・IFRSの表示規定に基づき、金融資産および金融負債を別掲しております。
・広告業に係る取引は純額表示し、広告業以外の事業に係る取引は収益および原価を総額表示しております。
(2) 認識及び測定の差異
① みなし原価
当社グループは、IFRS第1号に準拠して、一部の有形固定資産および投資不動産について、移行日現在の公正価値を当該有形固定資産および投資不動産のみなし原価とすることを選択しております。
みなし原価を使用した有形固定資産および投資不動産の移行日における公正価値および日本基準における帳簿価額はそれぞれ135,508百万円および124,228百万円であります。
公正価値は、第三者による鑑定評価あるいは市場実勢価格から経営者が適切と判断した方法により評価しており、レベル3に分類しております。
② 減価償却
当社グループは、日本基準の下では有形固定資産(リース資産を除く)の減価償却方法について、主として定率法を採用しておりましたが、IFRSでは定額法を採用しております。
③ 有形固定資産および投資不動産の取得税
当社グループは、日本基準の下では有形固定資産の取得税を発生した年度に費用として認識しておりましたが、IFRSでは取得原価に含めております。
④ のれん
当社グループは、日本基準の下では減損の兆候がある場合にのみ減損の要否の判断を行っておりましたが、IFRSでは毎期減損テストを実施しております。上記日本基準とIFRSとの相違により移行日において発生した減損損失は7,235百万円であります。当該のれんは国内事業に属するものです。
また、日本基準の下ではのれんをその効果が発現すると合理的に見積もられる期間にわたり規則的に償却しておりましたが、IFRSでは移行日以降の償却を停止しているため、利益剰余金に調整が反映されております。
⑤ 繰延税金資産
当社グループは、日本基準の下で、日本公認会計士協会監査委員会報告第66号「繰延税金資産の回収可能性の判断に関する監査上の取扱い」に規定される会社分類に基づき繰延税金資産を認識しておりましたが、IFRSでは、繰延税金資産は、未使用の税務上の欠損金および将来減算一時差異のうち、将来課税所得に対して利用できる可能性が高いと経営陣が判断した税務便益につき認識しております。
⑥ 未消化の有給休暇
当社グループは、日本基準の下では会計処理が求められていなかった未消化の有給休暇について、IFRSでは負債を認識しております。
⑦ 確定給付制度に関する退職給付債務
当社グループは、日本基準の下では数理計算上の差異は、発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数による定額法により按分した額をそれぞれ発生の翌連結会計年度から費用処理し、過去勤務費用は、発生時における従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数による定額法により費用処理しておりましたが、IFRS適用に伴い、数理計算上の差異は発生時にその他の包括利益で認識し、過去勤務費用は発生時に損益で認識しております。
なお、日本基準において、前連結会計年度末より「退職給付に関する会計基準」(企業会計基準第26号 2012年5月17日)および「退職給付に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第25号 2012年5月17日公表分)を適用し、退職給付債務から年金資産の額を控除した額を退職給付に係る負債として計上する方法に変更し、未認識数理計算上の差異および未認識過去勤務費用を退職給付に係る負債に計上しております。
また、退職給付債務の計算についてIFRSの規定に基づいた再計算を行っており、退職給付債務の期間配分方法等により生じた差異について、利益剰余金に調整が反映されております。
⑧ 企業結合に係る条件付対価等
当社は、日本基準の下では条件付対価等について企業結合後、その交付または引渡しが確実となる等の要件を満たすまで認識しておりませんが、IFRSでは負債を認識しております。
⑨ 在外営業活動体の換算差額
当社グループは、IFRS第1号に規定されている免除規定を選択し、在外子会社に係る累積換算差額の残高を、移行日においてすべて利益剰余金に振り替えております。
⑩ 土地再評価差額金
当社グループは、日本基準の下で、土地の再評価に関する法律(1998年3月31日法律第34号)に基づき、事業用の土地の再評価を行っておりましたが、IFRSでは当該再評価を振り戻しております。
⑪ 資本性金融商品
当社グループは、日本基準の下で、資本性金融商品の売却損益および減損損失を損益としておりましたが、IFRSにおいてその他の包括利益を通じて公正価値で測定することを指定した金融資産については、公正価値の変動額をその他の包括利益として認識し、認識を中止した場合または公正価値が著しく下落した場合に利益剰余金に振り替えております。
⑫ 決算日の異なる子会社
連結財務諸表の作成に用いる子会社の財務諸表の決算日が当社の決算日と異なる場合、その子会社の決算日と当社の決算日との間に生じた重要な取引または事象について必要な調整を行っております。
⑬ 利益剰余金
(単位:百万円) | ||
移行日 (2013年4月1日) | 前連結会計年度 (2014年3月31日) | |
みなし原価 | △6,704 | △6,704 |
減価償却 | 5,257 | 4,597 |
有形固定資産および投資不動産の取得税 | 2,056 | 2,011 |
のれん | △7,235 | 20,027 |
繰延税金資産 | 4,369 | 2,897 |
未消化の有給休暇 | △4,718 | △4,560 |
確定給付制度に関する退職給付債務 | 3,120 | 4,434 |
企業結合に係る条件付対価等 | △8,091 | △9,111 |
在外営業活動体の換算差額 | △1,775 | △1,775 |
その他 | 56 | 856 |
利益剰余金に対する調整合計 | △13,667 | 12,673 |
(3) キャッシュ・フローに対する調整
日本基準に準拠し開示していた連結キャッシュ・フロー計算書と、IFRSに準拠し開示されている連結キャッシュ・フロー計算書との間に重要な差異はありません。