有価証券報告書-第46期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/20 9:25
【資料】
PDFをみる
【項目】
112項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の経済政策や日銀の金融緩和の効果もあり、企業収益や雇用・所得環境に改善がみられ、緩やかな回復基調となったものの、中国をはじめとするアジア新興国等の景気の下振れのおそれなどから、先行きにつきましては不透明な状況となりました。
情報サービス産業におきましては、企業の業績回復を背景に金融業や流通業などを中心としてシステム投資が増加するなど、前期に引き続き市場は成長傾向となりました。一方で、IT人材の不足や激しい価格競争などにより、事業環境としては厳しい状況が続きました。
このような環境のなか当社グループは、親会社である株式会社エヌ・ティ・ティ・データ(以下、「NTTデータ」といいます。)との連携を維持・強化しつつ、第7次中期経営計画における「受注、生産、販売量の拡大による利益絶対額の確保」を基本方針として諸施策に取り組みました。
事業別には、ソフトウェア開発事業につきましては、プロジェクトマネジメントを強化し、不採算案件の抑制に取り組むとともに、受注の拡大や新規案件の開拓に努めました。オリジナルパッケージ開発及び販売事業につきましては、当社と子会社メディアドライブ株式会社で、製品の拡販や新製品の提案に取り組みました。ITソリューション・機器販売事業につきましては、文教向けや公共向け案件の獲得や、エンドユーザからの継続した受注の確保に取り組みました。
これらの結果、売上高につきましては、ITソリューション・機器販売事業で減少したもののソフトウェア開発事業の主にエンタープライズソリューション分野において拡大し、111億3千1百万円(前期比1.4%増)となりました。利益につきましては、プロジェクト管理に努め不採算案件が減少したことや、本社を移転したことによるコスト削減効果などにより、営業利益は5億7千8百万円(前期比218.0%増)となり、経常利益は6億1千5百万円(前期比48.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、3億7千1百万円(前期比108.5%増)となりました。
各セグメントの概況は次のとおりです。
なお、当連結会計年度より、ハードウェア組立事業及び不動産賃貸事業につきましては量的な重要性が乏しくなったため、報告セグメントから除外しております。
① ソフトウェア開発事業
[エンタープライズソリューション]
保険・年金案件に対応したほか、期を通じて活況を呈した決済システムの開発案件についてプロジェクトマネジメントを徹底して取り組み、主要なプロジェクトが検収を受けたことなどから、売上高、利益ともに大幅に増加しました。
[基盤環境構築ソリューション]
クラウドコンピューティングの基盤案件に継続して取り組み、NTT研究所系の開発案件を新たに獲得したものの、ネットワーク通信関連案件の縮小などにより売上高は減少しました。
[エンベデッドソリューション]
モバイル機器の関連案件が縮小傾向にある中で、テレマティクス分野の受注が拡大し、ホームエレクトロニクス分野においてもオーディオの開発案件などに取り組みました。
これらの結果、当事業の売上高は80億7千7百万円(前期比8.0%増)となり、前期は一部で不採算案件が発生したことなどから、営業利益は6億2千6百万円(前期比103.6%増)となりました。
なお、主な取引先は、NTTデータをはじめとする日本電信電話グループ、ソニーグループ、パナソニックグループなどであります。
② オリジナルパッケージ開発及び販売事業
[OCRソリューション]
コンシューマ向けパッケージの販売は店頭市場の縮小によりふるわなかったものの、活字文書OCRソリューションは前年並みの売上高を維持し、帳票OCRソリューションについては画像認識案件を受注するなど案件の幅が広がったことなどから、売上高は増加しました。
[マンション管理ソリューション]
上半期において不採算案件の収束に費用を要したことによる影響が大きく、既存顧客からのカスタマイズ案件などを受注して利益の確保に努めたものの、当期は営業損失を計上しました。
[BIソリューション]
「DataNature Smart」の新バージョンの販売を開始したものの、エンドユーザのIT投資の関心がマイナンバー関連分野に集まっていたことなどから案件の獲得が進まず、売上高は減少しました。
[モバイルソリューション等]
CTIアプリケーション「Cyzo」につきましては、導入事例を作成するなどして新規案件の開拓に努めましたが、受注の拡大には至りませんでした。「MobileEntry」につきましては、既存顧客からの追加案件に対応しました。
これらの結果、当事業の売上高は16億3千3百万円(前期比4.3%減)となり、不採算案件の縮小やパッケージ製品の償却費の減少などにより、営業損失は2千5百万円(前期は、営業損失1億7千万円)となりました。
③ ITソリューション・機器販売事業
文教向け案件や公共向けの音声応答システム案件などを獲得したほか、事業会社向け案件では新規顧客の開拓に注力しましたが、前期までのPCのOS移行特需の反動などにより、エンドユーザのIT機器に対する投資意欲は低調に推移しました。
これらの結果、当事業の売上高は12億2千万円(前期比21.8%減)、営業損失は5百万円(前期は、営業利益5千9百万円)となりました。
④ その他
売上高は2億円(前期比14.6%減)、営業損失は1千7百万円(前期は、営業損失1千5百万円)となりました。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
(2)キャッシュ・フロー
前連結会計年度当連結会計年度増 減
営業活動によるキャッシュ・フロー (百万円)634△220△855
投資活動によるキャッシュ・フロー (百万円)△1,0711711,243
財務活動によるキャッシュ・フロー (百万円)△127△127△0
現金及び現金同等物の増減額 (百万円)△565△177387
現金及び現金同等物の期末残高 (百万円)2,0181,841△177

① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動で使用された資金は、2億2千万円となりました(前期は、6億3千4百万円の獲得)。
税金等調整前当期純利益や減価償却費を計上した一方で、退職給付信託に拠出しております。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動で得られた資金は、1億7千1百万円となりました(前期は、10億7千1百万円の使用)。
関係会社預け金の払い出しを実施したほか、投資有価証券の償還を受けました。また、市場販売を目的としたソフトウェアには継続して投資しております。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動で使用された資金は、1億2千7百万円となりました(前期は、1億2千7百万円の使用)。
配当金の支払いなどに支出しております。
以上の結果、当期の現金及び現金同等物の期末残高は、前期末に比較して1億7千7百万円減少し、18億4千1百万円となりました。