有価証券報告書-第57期(2024/04/01-2025/03/31)

【提出】
2025/06/24 15:31
【資料】
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【項目】
144項目
③「人的資本・多様性」に関する事項
当社グループは、「サステナビリティ経営」を成長戦略として取り組むことを掲げており、コアコンピタンスを活用して、お客様や社会と共にさまざまな社会課題の解決に貢献し、社会が必要とする新しい価値を創出しながら、社会と共に持続的に発展することを目指しております。
当社グループの経営理念「夢ある未来を、共に創る」を実現するために掲げている“3つの約束”では、最初に「人を大切にします。」ということを宣言し、社員一人ひとりの個性や価値観を尊重し、互いの力を最大限に活かすことを約束しております。
2024年3月期よりスタートした中期経営計画では、経済価値と社会価値、人的資本価値等の非財務要素を包含した企業価値である「総合的企業価値」の飛躍的な向上に取り組むことを方針として掲げております。
人的資本価値の向上については、社員一人ひとりの「人材価値最大化」を基本方針としており、社員の能力開発(専門性、スキル、経験等)への投資とともに、社員の能力を高められる事業・案件を常に選択し、成長できる場・環境を用意すること、また、社員が持つ能力を最大限に発揮できる事業分野・事業モデルを常に選択・構築することに取り組んでおります。また、これまでの働き方改革や健康経営を中心に培ってきた働きやすい環境に加え「働きがい」を実感できる会社を目指し、社会価値や経済価値創出への貢献を通じた働きがいやエンゲージメントを高める Well-Being 経営を推進しております。
これらの方針や取り組みを、経営・マネジメントと社員の双方が共感し進められるよう、役員評価に「共感経営」を導入し、理念・ビジョンを共有し共感を生むリーダーシップを発揮することを評価し、その実践度を社員意識調査で計測しております。今後も、社員一人ひとりの主体的な貢献意欲を価値創出の原動力とし、人材価値を最大化する人的資本経営の実践により、グランドデザイン2030に掲げる「共創ITカンパニー」の実現を確実にすべく取り組んでまいります。
(戦略)
人材価値最大化の基本方針に則った4つの重点施策と全社会議体を設定し、取り組みを進めております。
<人材戦略に関する重点施策>■事業戦略と人材ポートフォリオ
事業戦略と動的に連動する中期の人材ポートフォリオ計画を、各事業をマネジメントする組織単位で策定し、その計画に基づきOJTとOFF-JTを組み合わせた人材育成やリスキリングを実行することで、事業戦略に合致したスキルや高度な専門性を有する社員を育成しております。事業戦略をリードする高度デジタル人材の育成においては、実務を通じて実践的なスキルを磨くことに加え、基礎的な知識や手法を体系的に学び実践力を高めるトレーニングが必要なため、デジタル実装力を高めるAIやクラウド等の先進技術者向けの全社教育を拡充しております。
また、多様な社員がそれぞれの能力や意欲を最大限発揮できるよう、事業の構造改革、適材適所の人材配置、職場環境の整備などを同時に進めることで、人材価値最大化を目指しております。そのためには、事業戦略と人材戦略の連動、そして社員一人ひとりの能力発揮と成長意欲が不可欠であることから、自律的・戦略的・統合的なキャリア開発基盤として「iCDP(Integrated Career Development Plan)」を策定し、複数の制度・施策のつながりを重視した人材価値最大化の基本サイクルを回すとともに、人的資本管理システム「LAP-HCM」の導入により人材情報の可視化・分析を行っております。これにより、全社の人材戦略をはじめ、組織のマネジメントや育成計画の策定、社員一人ひとりのスキルアップと自律的なキャリア開発を促し、ラーニングカルチャーの醸成にもつなげております。

■処遇・報酬制度
競争の激しいIT人材市場において優秀な人材の確保・定着を実現するとともに、社員一人ひとりが高い目標を掲げて意欲的に挑戦できる風土を醸成し、持てる能力を最大限に発揮し成長し続けるために、人材価値を適切に評価し報いる処遇・報酬制度を整備しております。
人材価値最大化の基盤となる人事制度では、組織運営を通じて事業成長を担う経営・マネジメント人材の「GM職掌」、実力をダイナミックに評価するプロフェッショナル人材の「基幹職掌」など、キャリアパスごとの期待・役割に応じて、最適な人材育成と処遇を実現する複線型の人事制度を採用しており、多様な人材が能力開発に取り組み、チャレンジ志向と成長志向を持つ自律的な人材が集う会社を目指しております。また、高い市場価値を有し事業成長に寄与する優秀な人材の確保においては、年収3,000万円超での処遇を可能とする「ADV職掌」を設け、高度な人材の拡充にも取り組んでおります。IT人材の獲得競争が激化し市場価値が高まる中、優秀な人材の確保および社員エンゲージメントをさらに向上させるため、直近2年間では、2024年7月に全社平均で6.1%、等級別の平均では最大10%程度の報酬水準の引き上げを実施しました。2025年7月には例月給与を全社平均で15,000円引き上げ、人事評価や昇格に伴う昇給額と合わせ全社平均では5.2%の報酬水準の引き上げと、新卒採用者の初任給については月額10,000円の増額を予定しております。今後さらに激しく変化が続く事業環境を見据え、事業戦略や市場価値に応じた柔軟な処遇設計を可能とし上位職務への挑戦を促す人事制度への改定に取り組んでまいります。
社員の専門領域での能力は「SCSKキャリアフレームワーク」に基づき7段階のレベルで評価・認定する専門性認定制度により、プロフェッショナル人材の専門性とそのキャリアステップを可視化し、社員の成長を促しております。専門性認定審査のプロセスを通じて目指すレベルとのギャップを把握し、社員と上司が具体的な人材育成計画を策定することで、効果的な専門能力向上のための育成を行っております。専門性認定上位レベルの認定者には、専門性認定手当・一時金を支給し、高度専門人材への適切な処遇を実施するとともに、上位レベル認定に向けたより高レベルの業務への挑戦や学習の促進を図るなど、社員一人ひとりの市場価値の最大化に取り組んでおります。さまざまな事業領域においてデジタル技術の活用やソリューションへの実装を促進するため、高度デジタル人材の人材像と必要なスキルを定義し可視化するデジタルスキル認定制度の創設に向け準備を進めております。
■Well-Being経営
当社グループの最大の財産、かつ成長の原動力は“人”であり、社員一人ひとりの健康こそが、社員やその家族の幸せと事業発展の礎であることから「社員が心身の健康を保ち、仕事にやりがいを持ち、最高のパフォーマンスを発揮してこそ、お客様の喜びと感動につながる最高のサービスが提供できる。」という健康経営の理念を2016年3月期に明文化し、健康経営を経営上の重点課題として取り組んでまいりました。
2024年3月期からは、これまでの取り組みで培ってきた働きやすい環境を土台とし、価値創出を通じた社会への貢献と働きがいを実感できるWell-Being経営を実践しております。Well-Being経営の実践においては、当社グループにおけるWell-Beingの7つの価値観と25の指標を独自に定義し、アンケート調査にて社員のWell-Beingの実感値を可視化しております。その結果は「SCSK Well-Being Score」として組織にフィードバックし、組織の実態と照らし合わせながら、Well-Being度を高めるサイクルの確立を目指しております。また、当社グループの全社員がアクセスできるWell-Beingポータルサイトを開設し、Well-Beingの解説動画コンテンツやトップメッセージに加え、当社グループの各社・各組織でのWell-Being向上活動を支援する施策ガイドなどの情報を提供しております。Well-Being経営の理解浸透と組織・社員の主体的なWell-Being向上活動の取り組みにより、2024年3月と11月に実施したアンケート調査では「働きやすさ」「働きがい」ともにWell-Beingの実感値が向上しております。
今後も、当社グループ全体でのWell-Being経営の実践を通して、社員一人ひとりの主体的な貢献意欲を価値創出の原動力とし、「働きやすさ」と「働きがい」を実感できる会社を実現することで、当社グループのエンゲージメント向上を目指してまいります。

(ご参考)
・SCSK、「健康経営銘柄」に11年連続で選定(2025年3月)
https://www.scsk.jp/news/2025/pdf/20250310.pdf


■ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)
2025年3月期から、D&IにEquity(公平性・公正性)とBelonging(“共に働く”と定義)の要素を加え、DEIB(Diversity, Equity, Inclusion, Belonging)へとその概念を進化させ、すべての人材がその能力を最大限発揮できる「働きやすい」「働きがい」のある会社を目指しております。

これまで、さまざまなバックグラウンドを持つ多様な社員が同じステージで活躍できるよう、長時間労働を是正し生産性の高い働き方を目指すスマートワーク・チャレンジや、勤務場所や勤務時間に柔軟性を持たせるリモートワークやフレックスタイム制度、各世代のライフイベントをサポートする各種休暇制度の導入などの環境整備に取り組んでまいりました。これらの取り組みは、社員の自律的な意識の醸成やワークライフバランスの確立に寄与し、DEIB推進の土台にもなっております。
育児との両立支援においては、育児休業や育児休暇を取得する期間に限らず、恒常的に男女ともに育児に参画しながら仕事との両立ができることを目標としております。育児初期においては、育児休業の分割取得や育児に関する特別休暇の拡大に取り組んだ結果、男性社員の育児休業取得率は5年前に比べると10倍に増え、育児休暇も含めると育児に関する休業・休暇の取得率は80%を超えております。男性社員の育児へ参画意識が高まっていることから、2025年3月期には「配偶者の出産休暇」制度を改定し、対象期間と付与日数を最大20日間へ拡充しました。今後も男性の家庭参画を後押しする職場環境を整備し、性別を問わず仕事と育児の両立がしやすい組織風土のさらなる醸成を目指します。
また、多様な人材の能力を引き出し、組織の意思決定における多様性を確保するためには、マネジメント層の人材の多様性を確保する必要があることから、2012年にD&I推進の専任組織を設置して以来、女性の登用については継続的に取り組んでまいりました。社会的背景やアンコンシャスバイアスを克服し、女性の登用を着実に進捗させるため、女性ライン管理職の登用目標を設定するとともに、2階層上のライン職によるメンター制度の導入や、必要なスキルを習得するための社外研修への参加機会、経営層やロールモデルとの対話の場を提供するなどの各役職別の育成・登用に向けた各種プログラムを実施しております。
提出会社の女性登用・育成目標
役職目標値
取締役2030年度末までに30%
執行役員・業務役員2030年度末までに20%
部長級(部室長・副部長)2025年度末までに12%
2030年度末までに20%以上
高度専門人材(専門性認定制度レベル5以上)2025年度末までに150名


さらに、属性に関わらず安心して働き、活躍できる職場環境を作るため、LGBTQのインクルージョンを目的とした社員の理解促進、意識啓発にも取り組んでおります。今後は、グループ会社社員も参加可能なオンラインセミナーの開催やアライネットワークの交流の場を通じて、当社グループ全体に取り組みを広げて行く予定です。また、障がい者雇用に関しては、当社グループ及び特例子会社である東京グリーンシステムズ㈱での雇用推進に加え、2025年3月期からパラアスリートの雇用を本格的に拡充し、パラスポーツ競技で活躍しているアスリートへの理解を通して多様性を受け入れるマインドの醸成に取り組んでおります。
属性に関わらず多様な人材がその能力を最大限発揮できる「働きやすい」「働きがい」のある会社を目指し、今後も様々な取り組みを推進してまいります。
(ご参考)
・SCSK、女性活躍推進に優れた企業として10回目の
令和6年度「なでしこ銘柄」に選定(2025年3月)
https://www.scsk.jp/news/2025/pdf/20250324.pdf

・女性活躍推進法に基づく「一般事業主行動計画」(2021年度~2025年度)
https://www.scsk.jp/corp/csr/diversity.html#wactivity

・MSCIジャパンIMIトップ700指数構成銘柄の中から「MSCI日本株女性活躍指数(WIN)」に選定

・「Morningstar 日本株式 ジェンダー・ダイバーシティ・ティルト指数」に選定

<人材戦略に関する全社会議>■人材戦略会議
人事分掌役員を議長とし、事業遂行の責任者である各事業部門のグループ長と経営企画分掌役員、人材戦略本部で構成しております。事業戦略と人材戦略の連動性向上など、今後の人材戦略に関する取組みや人事諸制度の刷新に向けた議論を行い、戦略の実行力を高めております。
■DEIB推進委員会
人事分掌役員を委員長、人事分掌役員補佐(DEIB・Well-Being推進担当)を副委員長とし、各事業部門代表の本部長、DEIB・Well-Being推進専任組織責任者で構成しております。意思決定の多様性を確保する女性登用の取り組みやWell-Being経営の実践に向けた具体的な施策について議論を行い、多様な人材が保有する力を最大限に発揮できる職場環境整備と企業風土醸成を推進します。

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